Windows 11 Insider Programに参加しているPCでは、現行のWindows Insiderフライト証明書が2026年8月11日に失効します。今後もInsider Previewの更新を受け取り続けるには、期限前に、現在のチャネルに対応する更新済み証明書入りのビルドへ移行しなければなりません。
Microsoftは2026年7月31日、BetaおよびExperimental向けに5つの新しいビルドを案内しました。基本的な対応は、Windows Updateから該当ビルド、または更新済み証明書を含む後続ビルドをインストールして再起動するだけです。期限当日の配信遅延や更新失敗を避けるため、日本では遅くとも8月10日までに更新を完了するのが安全です。(Windows Blog)
Windows Insiderフライト証明書は2026年8月11日に失効する
Windows Insider Previewのビルドには、プレビュー版Windowsを安全に署名するための「フライト証明書」が使用されています。
ここでいう「フライト」は、Windows Insider Programでプレビュー版を配信することを指します。一般的なWebサイトのSSL証明書や、利用者個人の電子証明書とは別のものです。
今回の証明書更新は、脆弱性や不正アクセスが原因ではありません。Insider端末をサポート対象のビルドに維持し、今後のプレビュー更新を継続して配信するための定期的なメンテナンスです。
これまでは主にCanary系のビルドが影響を受けていましたが、署名対象の変更により、今回はBetaやExperimentalを含む複数のチャネルが対象になっています。通常版のWindows 11を利用し、Windows Insider Programに参加していないPCは、このフライト証明書更新への対応は必要ありません。(Microsoft Learn)
期限前に更新すべき5つのWindows Insiderビルド
2026年7月31日の案内で示されたビルドは、次の5つです。
| Insiderチャネル | 基盤となるバージョン | 7月31日に案内されたビルド | 更新済み証明書を含む最小ビルド |
|---|---|---|---|
| Beta | Windows 11 バージョン25H2 | 26220.9022 | 26220.9022 |
| Experimental | Windows 11 バージョン26H2 | 26300.9032 | 26300.9032 |
| Beta(26H1) | Windows 11 バージョン26H1 | 28020.2623 | 28020.2623 |
| Experimental(26H1) | Windows 11 バージョン26H1 | 28120.2630 | 28120.2630 |
| Experimental(Future Platforms) | 将来のプラットフォーム | 29639.1000 | 29634.1000 |
Beta 26220.9022、Experimental 26300.9032、Beta 26H1の28020.2623、Experimental 26H1の28120.2630には、更新済みのWindows Insiderフライト証明書が含まれています。(Microsoft Learn)
Future Platformsだけ最小ビルドが異なる
Experimental(Future Platforms)については、7月31日にBuild 29639.1000が案内されていますが、更新済み証明書は、その前のBuild 29634.1000からすでに搭載されています。
そのため、Future PlatformsでBuild 29634.1000以上を利用している場合は、証明書更新の最低条件を満たしています。ただし、特別な理由がなければ、Windows Updateに表示される最新のBuild 29639.1000以降へ更新しておくのが確実です。(Windows Blog)
ビルド番号は同じチャネル内で比較する
ビルド番号は、異なるチャネルや基盤バージョンをまたいで単純比較しないでください。
例えば、Build 28120.2630はExperimental 26H1向け、Build 26300.9032はExperimental 26H2向けです。数字の大小だけを見て、どちらが新しいかを判断することはできません。
まず自分が参加しているチャネルとWindowsの基盤バージョンを確認し、その行に記載された最小ビルドと比較する必要があります。
現在のビルドが対応済みか確認する方法
winverでOSビルドを確認する
現在インストールされているWindows Insider Previewのビルドは、winverコマンドで確認できます。
WindowsキーとRキーを同時に押します。- 「ファイル名を指定して実行」に
winverと入力します。 - 「OK」を選択します。
- 表示された「OS ビルド」の番号を確認します。
例えば、Betaチャネルの25H2を利用していて「OS ビルド 26220.9022」と表示された場合は、更新済み証明書を含む最小ビルドに到達しています。
一方、Beta 25H2でBuild 26220.9022未満の場合は、8月11日より前に更新が必要です。
Microsoftは、古いビルドでも有効期限が2027年と表示される場合があると案内しています。表示だけで判断せず、チャネルごとの最小ビルド番号と照合してください。(Microsoft Learn)
参加中のInsiderチャネルを確認する
自分のチャネルが分からない場合は、次の順に開きます。
設定 → Windows Update → Windows Insider Program
ここで、Beta、Experimental、Experimental(Future Platforms)など、現在参加しているチャネルを確認できます。
チャネル名だけでは判断できない場合は、winverに表示されるバージョンとOSビルドも併せて確認します。例えば、同じBetaでも25H2と26H1では、必要なビルド番号が異なります。
8月11日までに更新する手順
Microsoftが案内している回避策は、更新済みフライト証明書を含むビルドをWindows Updateからインストールすることです。証明書ファイルだけを個別にダウンロードして差し替える作業ではありません。
設定を開きます。Windows Updateを選択します。更新プログラムのチェックを選択します。- 表示されたWindows Insider Previewビルドをダウンロードします。
- インストール完了後、PCを再起動します。
- 再起動後に
winverを実行し、ビルド番号を再確認します。
今回の更新は、新しい証明書を持つビルドへ移行するため、通常より大きな更新になる可能性があります。一度更新を完了すれば、その後は通常のInsider Preview更新を受け取れる状態に戻ります。(Microsoft Learn)
更新前に確認しておきたいこと
プレビュー版Windowsの更新では、予期しないエラーに備えて次の準備をしておくと安心です。
- ノートPCは電源アダプターに接続する
- Windows Updateの一時停止を解除する
- 十分な空き容量を確保する
- 作業中のファイルを保存する
- 重要なデータをバックアップする
- 更新後に使用する業務アプリの動作を確認する
通常のWindows Updateとして実行されるため、原則としてアプリ、ファイル、設定は保持されます。Microsoftも、多くの場合はクリーンインストールを必要としないと説明しています。ただし、Insider Preview自体が開発途中のOSであるため、重要なPCではバックアップを省略しない方が安全です。(Microsoft Learn)
更新ビルドが表示されない場合の確認ポイント
すでに最小ビルド以上になっていないか確認する
最初にwinverを実行し、すでに更新条件を満たしていないか確認してください。
特にExperimental(Future Platforms)は、Build 29639.1000まで更新していなくても、Build 29634.1000以上であれば証明書の最低条件を満たしています。
Windows Updateの一時停止を解除する
更新を一時停止している場合、新しいInsider Previewビルドが表示されません。
設定 → Windows Update
を開き、一時停止中であれば更新を再開します。その後、PCを再起動してから、もう一度「更新プログラムのチェック」を実行してください。
Insider Programの設定を確認する
次の状態では、想定したビルドが表示されないことがあります。
- Insider Programに使用するMicrosoftアカウントが解除されている
- 参加チャネルが変更されている
- 組織のポリシーでプレビュービルドが制限されている
- Windows Updateの再起動待ちが残っている
- インターネット接続が不安定になっている
組織管理のPCでは、利用者がチャネルを変更したり、更新を手動適用したりできない場合があります。管理者が更新リングやWindows Updateポリシーを管理している場合は、社内のIT担当者に現在のビルド番号を伝えて確認してください。
ちょうど5つのビルドに限定されるわけではない
更新先は、7月31日に案内された5つのビルドだけに限定されません。
例えば、期限までにさらに新しいInsider Previewビルドが配信され、そのビルドにも更新済み証明書が含まれていれば、そちらへ直接更新しても問題ありません。重要なのは、自分のチャネルで更新済み証明書を含む最小ビルド以上になっていることです。(Windows Blog)
8月11日の期限を過ぎるとどうなるか
更新せずに期限を過ぎた場合、古い証明書を使用しているInsider Preview環境では、有効期限に関する通知が表示される可能性があります。また、古い証明書を使用するビルドは、今後のInsider Preview更新を正常に受け取れなくなります。
ただし、これはWindowsのライセンス認証が失効するという意味ではありません。Microsoftは、今回の変更がWindowsのライセンスやアクティベーションには影響しないと案内しています。
期限を過ぎた場合でも、更新済み証明書を含む最新ビルドをインストールすることで、更新可能な状態へ復帰できます。最初からクリーンインストールが必須になるわけではありません。(Microsoft Learn)
誤解しやすいポイント
| 誤解 | 実際の内容 |
|---|---|
| 8月11日になるとWindowsが起動しなくなる | Microsoftの案内は、有効期限通知や今後のビルド配信への影響を示しています |
| Windowsのライセンスが無効になる | ライセンス認証には影響しません |
| 証明書を手動でインストールすればよい | 更新済み証明書を含むInsider Previewビルドへ更新します |
| 必ずクリーンインストールが必要になる | 通常はWindows Updateで更新でき、多くの場合はクリーンインストール不要です |
| 7月31日の5ビルド以外は使えない | 更新済み証明書を含む後続ビルドでも対応できます |
| Future Platformsは29639.1000が最低条件 | 最低条件は29634.1000です |
複数のInsider端末を管理している場合の対応
複数台のInsider端末がある場合、1台を更新しても他の端末には反映されません。すべての端末を個別に更新する必要があります。(Microsoft Learn)
管理者は、次の項目を一覧化すると更新漏れを防げます。
| 確認項目 | 記録する内容 |
|---|---|
| 端末名 | PC名や資産管理番号 |
| Insiderチャネル | Beta、Experimentalなど |
| 基盤バージョン | 25H2、26H1、26H2、Future Platforms |
| 更新前ビルド | winverで確認した番号 |
| 更新後ビルド | 最小ビルド以上であることを確認 |
| 再起動 | 完了・未完了 |
| 動作確認 | 業務アプリや周辺機器の結果 |
公式期限は2026年8月11日ですが、管理対象端末については8月10日を内部期限にすると、更新失敗や再起動待ちに対応する余裕を確保できます。
期限前にビルド番号を確認して更新を完了しよう
Windows Insiderフライト証明書の失効に対する対応は、現在のチャネルに合った更新済み証明書入りビルドへ更新することです。
まずwinverでOSビルドを確認し、Beta 26220.9022、Experimental 26300.9032、Beta 26H1の28020.2623、Experimental 26H1の28120.2630、またはFuture Platformsの29634.1000以上になっているかを確認してください。
条件を満たしていなければ、設定 → Windows Updateから最新ビルドをインストールし、再起動後にもう一度ビルド番号を確認します。期限直前まで待たず、配信やインストールの問題に対応できるよう、早めに更新を完了させることが重要です。

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