Windows 11 にアップグレードしようとしたら、MBR2GPT で「Wrong boot partition count」「Cannot find OS partition(s)」などのエラーが出て先に進めない……という相談はとても多いです。この記事では、OS が Disk 1、起動用システムが Disk 0 に分かれている典型的な構成を例に、「なぜ失敗するのか」「どう直せばいいのか」を、実際の作業順で丁寧に解説します。バックアップ~UEFI 切り替え~WinRE 修復~最終確認まで一通りカバーするので、そのまま手順書として使えます。
MBR2GPT でシステムディスクを GPT に変換できない原因
まず、今回のようなエラーが発生する典型パターンを整理します。
- OS(C: ドライブ)は Disk 1 にインストールされている
- しかし「システム予約領域」や「System Reserved(システム)」パーティションは Disk 0 に存在する
- Disk 1 の C: には「アクティブ」「システム」の表示がない
この状態で次のように実行すると:
mbr2gpt /convert /allowFullOS /disk:1
代表的には次のエラーが出ます。
ValidateLayout: Wrong boot partition count, expected 1 but found 0- (要約)ブートパーティション数が 0 で、MBR2GPT が要求するレイアウト条件を満たさない
逆に Disk 0 を対象にすると:
mbr2gpt /convert /allowFullOS /disk:0
Cannot find OS partition(s)(OSパーティションが見つからない)
つまり、
「OS 本体は Disk 1 にあるのに、起動に必要なブートファイルは Disk 0 に置かれている」
という “ディスクまたぎ” 構成になっており、これが MBR2GPT の前提条件と噛み合っていません。
MBR2GPT が要求しているのは、
- 対象ディスク上に「アクティブ」かつ「システム」なパーティションが 1 つだけ存在する
- そのディスクに OS パーティション(Windows が入っている)がある
という状態です。ところが、今回のように「OS は Disk 1」「システム予約領域は Disk 0」という構成になっていると、どちらのディスクを指定しても条件を満たせず、エラーになるわけです。
現在のディスク構成を確認する
まずは自分の環境が本当にこのパターンに当てはまっているかを確認しましょう。
ディスクの管理で確認
- Win + X → 「ディスクの管理」を開く
- 下側の「ディスク 0」「ディスク 1」欄で、各ボリュームの状態を確認する
特にチェックしたいのは以下の点です。
| ディスク | ボリューム | ファイルシステム | 状態(ラベル) |
|---|---|---|---|
| Disk 0 | System Reserved など | NTFS | システム, アクティブ, プライマリ パーティション |
| Disk 1 | C: | NTFS | ブート, ページ ファイル, クラッシュ ダンプ, プライマリ パーティション |
このように、Disk 1 の C: に「システム」「アクティブ」が付いておらず、代わりに Disk 0 の小さなパーティションに「システム」「アクティブ」が付いているなら、まさに今回の記事の状況です。
解決策の全体像:Disk 1 を真のシステムディスクにする
やるべきことを一言でいうと、
「起動用のブートファイルを Disk 0 から Disk 1(C:)へ移し、Disk 1 を単独で起動できるシステムディスクにしてから MBR2GPT を実行する」
という流れになります。具体的には、次のステップです。
- C:(Disk 1)を「アクティブ」にして、起動可能なパーティションにする
bcdbootでブートファイルを C: にコピーする- BIOS/UEFI の起動順を変更し、Disk 1 から起動するようにする
- そのうえで
mbr2gptを Disk 1 に対して実行する
以降の章で、ひとつずつ詳しく見ていきます。
Disk 1 の C: を「アクティブ」かつ「システム」にする手順
C: を「アクティブとしてマーク」する
これは MBR ディスクでのみ表示される操作です。GPT ディスクではありません。
- 「ディスクの管理」を開く
- Disk 1 の C: を右クリック
- 「アクティブ パーティションとしてマーク」をクリック
もしメニューに「アクティブとしてマーク」が出てこない場合は、以下を確認してください。
- Disk 1 が MBR ディスクになっているか(ディスク 1 を右クリック → 「プロパティ」 → 「ボリューム」タブ)
- 既に他のパーティションがアクティブになっていないか
コマンドライン(diskpart)で実行する場合は次の通りです。
diskpart
list disk
select disk 1
list partition
select partition <C: のパーティション番号>
active
exit
bcdboot でブートファイルを C: にコピーする
次に、起動に必要なファイルを C: へコピーします。これは ユーザーデータには一切触れず、起動ファイルと BCD(ブート構成データ)を生成するだけの安全な処理です。
- 「スタート」ボタンを右クリック → 「Windows ターミナル(管理者)」または「コマンド プロンプト(管理者)」を開く
- 次のコマンドを実行
bcdboot C:\Windows /s C:
ポイント:
C:\Windowsは Windows がインストールされているフォルダ/s C:でブートファイルの出力先を C: に指定- 既存の BCD を上書きするのではなく、新しい BCD を指定パーティションに作るイメージ
この段階では、まだ実際の起動は Disk 0 の System Reserved から行われている場合があります。次で BIOS の設定を変えて確認します。
BIOS/UEFI で Disk 1 から起動するよう切り替える
ブートファイルを C: に用意したら、今度はファームウェア側で「どのディスクから起動するか」を Disk 1 に向ける必要があります。
- PC を再起動し、起動ロゴが出たら Del または F2 などで BIOS/UEFI 設定画面に入る
- Boot または 起動順序 の項目を開く
- Disk 1(C: が載っているディスク) または Windows Boot Manager (Disk 1) を最優先にする
- 設定を保存して再起動
再起動後、Windows が正常に起動したら、再度「ディスクの管理」を開いて C: の状態を確認します。
| 項目 | 期待する表示 |
|---|---|
| C: の状態 | システム, ブート, ページ ファイル, アクティブ, クラッシュ ダンプ, プライマリ パーティション |
| Disk 0 の System Reserved | システムが外れ、「プライマリ パーティション」などの表示に変わっていることが多い |
ここまで来て初めて、Disk 1 が単独で起動可能な「システムディスク」としての条件を満たしたことになります。
Disk 1 を MBR から GPT に変換する(MBR2GPT)
準備が整ったら、いよいよ MBR2GPT を実行します。必ず 管理者権限のコマンド プロンプト(または Windows ターミナル)で行ってください。
事前チェック(/validate)
mbr2gpt /validate /disk:1 /allowFullOS
/disk:1… 変換対象のディスク番号(ディスクの管理と揃える)/allowFullOS… Windows 実行中に変換するオプション
エラーが出ずに終了すれば、レイアウト条件を満たしています。もしここで再度 Wrong boot partition count などが出る場合は、
- C: が「アクティブ」「システム」になっているか
- Disk 1 上に OS が入った NTFS パーティションが存在するか
を再確認してください。
変換本番(/convert)
mbr2gpt /convert /disk:1 /allowFullOS
処理中、以下のようなことが行われます。
- MBR パーティションを GPT パーティションに変換
- 空き領域に EFI システムパーティション(ESP) と MSR を作成
- UEFI 起動用に BCD を再構成
変換自体は「非破壊」で行われますが、万が一に備え 事前のフルバックアップは必須 と考えてください。
UEFI モードで起動する設定に変更する
MBR2GPT による変換が完了したら、今度はファームウェア側を UEFI 起動に切り替えます。ここが最後の山場です。
- PC を再起動し、BIOS/UEFI 設定画面に入る
- 以下のような項目を探す
- Boot Mode / UEFI/Legacy Boot
- CSM(Compatibility Support Module)
- Secure Boot
一般的な設定例:
- Boot Mode = UEFI Only または UEFI 優先
- CSM = Disabled
- 起動順序の 1 位を「Windows Boot Manager(Disk 1)」に設定
設定を保存して再起動し、Windows が問題なく起動すれば UEFI 化成功です。うまく起動しない場合は、いったん CSM/Legacy を有効に戻してやり直すか、Windows インストールメディアから「スタートアップ修復」を試します。
WinRE(回復環境)の警告が出たときの対応
/allowFullOS オプションを使って変換した場合、まれに次のようなメッセージや警告が表示されることがあります。
- WinRE の修復が必要
reagent.xmlの更新に失敗- 回復環境が無効になっている
この場合、まずは以下のコマンドで有効化を試してみます。
reagentc /enable
うまくいかない場合は次の手順で再設定します。
reagentc /disable
reagentc /enable
それでも改善しないときは、現在の状態を確認しつつパスを指定します。
reagentc /info
ここで WinRE の場所が「無効」や空欄になっている場合は、実体パスを指定して再度有効化します(環境によってパスは異なる点に注意)。
reagentc /setreimage /path C:\Windows\System32\Recovery
reagentc /enable
回復パーティションの場所を移動した場合などは、パスが別のドライブレターになることもあるので、その場合は Reagent.xml やフォルダ構成を確認し、正しいパスを指定してください。
MBR2GPT エラーの意味と対処を一覧で整理
よく見かけるエラーと、その意味・対策を表にまとめます。
| エラーメッセージ | 意味 | 主な対処 |
|---|---|---|
ValidateLayout: Wrong boot partition count, expected 1 but found 0 | 対象ディスク上に「アクティブかつシステム」なパーティションが存在しない | 対象ディスクの OS パーティションをアクティブにし、ブートファイルを bcdboot でコピーする |
Cannot find OS partition(s) | そのディスクには Windows がインストールされたパーティションが存在しない | OS が入っているディスク番号を確認し、そちらに対して MBR2GPT を実行する |
| EFI パーティション不足関連のエラー | EFI システムパーティションを作成できるだけの空き容量(約 100MB)が無い | OS パーティションを数百 MB 縮小し、再度 mbr2gpt /validate からやり直す |
| ディスクレイアウト不明 / 予期せぬ構成 | パーティション数が多すぎる、または GPT 化に適さない特殊な構成 | 不要パーティションを整理するか、バックアップを取ってクリーンインストールを検討 |
MBR2GPT は「システムディスク専用」:データディスクを GPT にしたい場合
MBR2GPT は基本的に Windows がインストールされたシステムディスクを MBR→GPT に変換する専用ツール です。データ専用ディスク(今回の Disk 0 など)に対して実行しても意味がありません。
データディスクも GPT 化したい場合は、次のような流れになります。
- 対象ディスク(例:Disk 0)のデータを別ディスクや外付けにフルバックアップ
- 「ディスクの管理」で Disk 0 上のボリュームをすべて削除
- ディスクの管理でディスク 0 を右クリック → 「GPT ディスクに変換」を実行
- 必要に応じて新しいボリュームを作成し、バックアップデータを戻す
diskpart を使う場合は次のようになります(※クリーンで全データ消去されます)。
diskpart
list disk
select disk 0
clean
convert gpt
create partition primary
format fs=ntfs quick
assign letter=E
exit
システムディスクに対しては絶対に clean を実行しない よう注意してください。
BitLocker 環境での注意点
BitLocker で暗号化されているドライブに対して MBR2GPT を実行する場合、いくつかの注意点があります。
- 変換前に BitLocker を一時停止(suspend) することが推奨されます
- 念のため 回復キー を必ず控えておく(紙・USB・Microsoft アカウントなど)
- 変換後、UEFI 設定変更のタイミングで回復キー入力が求められる場合がある
BitLocker の一時停止は次のように行います。
- 「コントロール パネル」 → 「BitLocker ドライブ暗号化」
- システムドライブ(C:)の「保護を一時停止」をクリック
作業がすべて完了して動作確認が取れたあと、「保護を再開」して元に戻します。
作業前に押さえておきたいバックアップ戦略
MBR2GPT は非破壊変換とはいえ、ブート周り・パーティション周りをいじる以上、最悪の事態(起動しない/データにアクセスできない) に備えておく必要があります。実務的には次のようなバックアップを推奨します。
- イメージバックアップ:システムディスク全体をイメージ化(サードパーティ製ツールや Windows バックアップ)
- 重要データのコピー:ドキュメントや写真など、失うと困るデータを別物理ディスクにコピー
- 起動用 USB メディア:Windows 10/11 のインストールメディアを作成(スタートアップ修復用)
- BIOS 設定のメモ:ブート順やセキュアブート設定をスマホで撮っておくと、元に戻すのが楽
Windows 11 の要件と最終チェックポイント
システムディスクを GPT 化し、UEFI で起動できるようになったら、Windows 11 の要件を満たしているかを確認します。
msinfo32 で UEFI・セキュアブート・TPM を確認
- Win + R → 「
msinfo32」と入力 → Enter - 「システム情報」で次の項目を確認
| 項目 | Windows 11 で望ましい状態 |
|---|---|
| BIOS モード | UEFI |
| セキュア ブートの状態 | 有効 |
| デバイスの暗号化のサポート / TPM 関連 | TPM 2.0 が有効になっている旨の表示 |
ディスクが GPT になっているか確認
「ディスクの管理」でシステムディスクの状態を確認します。
- 「ディスクの管理」を開く
- ディスク 1(システムディスク)を右クリック → 「プロパティ」 → 「ボリューム」タブ
- 「パーティションのスタイル」が GUID パーティション テーブル (GPT) になっていることを確認
下側のパーティション一覧にも、次のような構成が見えているはずです。
- EFI システムパーティション(100MB 前後、EFI システムパーティションと表示)
- C:(Windows)
- 回復パーティション(WinRE 用)
ここまで確認できれば、Windows 11 の「GPT かつ UEFI 起動」という要件はクリアできています。あとは CPU やメモリ、TPM など他の要件を満たしているかをチェックし、Windows 11 へのアップグレードを進めていきましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. Disk 0 の System Reserved パーティションは削除してよい?
A. 原則として、Disk 1 からの起動が安定していることを十分確認してからにしてください。完全に不要であれば削除しても構いませんが、以下を確認することを強くおすすめします。
- Disk 0 を一時的に BIOS から無効にする or 物理的に SATA ケーブルを外しても、正常に起動するか
- 「ディスクの管理」で C: に「システム」「ブート」「アクティブ」 が付いているか
不安な場合は、「容量が小さいし、残しておいても実害はほぼない」と割り切って、空きスペースとして保存しておくのも一つの手です。
Q. C: を「アクティブにする」がグレーアウトして選べません
主な原因は次のどれかです。
- 既に他のパーティションがアクティブになっている
- ディスクがすでに GPT であり、MBR ディスクのような「アクティブ」概念がない
- システムが別のディスクを前提に構成されている
この記事のケース(MBR ディスクで C: がアクティブではない)の場合は、diskpart を使って明示的にアクティブ化するのが確実です。
Q. 変換後に Windows が起動しなくなりました
まずは慌てず、以下を確認・実行します。
- BIOS/UEFI で起動デバイスが「Windows Boot Manager(Disk 1)」になっているか
- CSM が有効のままになっていないか(必要に応じて UEFI Only へ)
- Windows インストールメディアから起動し、「スタートアップ修復」を実行する
どうしても復旧できない場合は、事前に取得しておいたイメージバックアップからの復元や、クリーンインストールも視野に入れましょう。
まとめ:Disk 1 をシステムディスクに揃えてから MBR2GPT を使う
最後に、この記事で解説した流れを整理します。
- エラーの原因は、OS(Disk 1)と起動ファイル(Disk 0)が分離 しており、MBR2GPT の前提条件を満たしていないこと
- C: をアクティブ化 し、
bcdboot C:\Windows /s C:で起動ファイルを C: 側にコピーする - BIOS/UEFI で Disk 1 からの起動に切り替え、C: に「システム」「ブート」「アクティブ」が付いていることを確認
- その上で
mbr2gpt /validate /disk:1 /allowFullOS→mbr2gpt /convert /disk:1 /allowFullOSの順に実行 - 変換後は UEFI モードに切り替え、必要であれば
reagentcコマンドで WinRE を再有効化 - msinfo32 とディスクの管理で、「BIOS モード: UEFI」「セキュア ブート: 有効」「システムディスクが GPT」 になっているか最終確認
この順番さえ守れば、OS を再インストールすることなく、既存の環境をそのまま Windows 11 対応の GPT/UEFI 構成へ移行できます。ディスク構成が複雑なほどトラブルも起きやすくなりますが、原則は「システムディスクを 1 本に揃える」ことです。この記事を参考に、自身の環境を丁寧に整理しながら、安全に Windows 11 への移行準備を進めてみてください。

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