Windows 11で中国語(簡体字)の言語機能を追加しようとすると「基本入力 / Basic typing」が入らず、0x80070002→0x8007371Bで失敗することがあります。本記事ではWindows Updateキャッシュのリセットから修復インストールまで、データを残して直す手順をまとめます。
症状:Windows 11で中国語(簡体字)の「基本入力(Basic typing)」だけが入らない
中国語(簡体字)の入力(Microsoft Pinyin など)を使いたくて、[設定]→[時刻と言語]→[言語と地域] から言語を追加しても、言語機能(オプション機能)のインストールが失敗してしまうことがあります。とくに失敗しやすいのが 「基本入力 / Basic typing」 です。
| よくある状況 | 画面・メッセージの例 | ポイント |
|---|---|---|
| 最初の試行で失敗 | 0x80070002(ダウンロード時のエラー) | Windows Update 由来のダウンロード/キャッシュ不整合が疑わしい |
| 再起動後、再試行しても失敗 | 0x8007371B(機能追加や言語機能の適用で失敗) | コンポーネントストア(WinSxS)や更新コンポーネント側の不整合を疑う |
| 整合性チェックは「問題なし」 | DISM /ScanHealth /RestoreHealth、sfc /scannow が異常なし | システムの大枠は正常でも、言語機能追加に必要な部品だけが欠けていることがある |
| 削除して入れ直しても再発 | 言語パックを削除→追加を繰り返しても同じ | インストール元(更新キャッシュ・コンポーネント)側が原因だと再発しやすい |
「基本入力 / Basic typing」とは何か(なぜここだけ失敗しやすいのか)
Windows 11の「言語の追加」は、単に表示言語やキーボード配列を増やすだけではありません。言語ごとに、入力や音声などの機能が個別の“言語機能(Language Features / オプション機能)”として分かれていて、必要に応じて追加されます。
中国語(簡体字)でよく見かける機能は次のようなものです。
| 言語機能 | 役割 | 入っていないと困ること |
|---|---|---|
| 基本入力(Basic typing) | IMEなど、最低限の入力機能を支える中核 | 中国語IMEが追加できない/入力候補が出ないなど、入力周りが成立しにくい |
| 手書き(Handwriting) | 手書き入力 | ペン入力で漢字を書いて変換できない |
| OCR | 画像内文字の認識 | スキャン画像の文字抽出が弱い |
| 音声(Speech) | 音声認識 | 音声入力や音声関連の機能が使えない |
| テキスト読み上げ(Text-to-speech) | 読み上げ音声 | 読み上げ言語としての選択肢が増えない |
このうち基本入力は“土台”なので、ここが入らないと中国語入力が目的として成立しづらく、結果として「中国語(簡体字)を追加したのに入力できない」「IMEが増えない」といったトラブルになります。
そして基本入力の取得は、環境によってWindows Update経由の追加ダウンロードが絡むため、更新関連の不整合があると真っ先に失敗しやすい、という特徴があります。
0x80070002 → 0x8007371B に変わるときに疑うべき原因
同じ操作でも、出るエラーが変わることがあります。これは「失敗した理由が変わった」というより、失敗のタイミング(ダウンロード/展開/適用)が変わった結果として、表示されるコードが変化しているケースがよくあります。
- 0x80070002:ダウンロードしたはずのファイルが見つからない/破損している、など“更新キャッシュ不整合”を疑うサインになりやすい
- 0x8007371B:言語機能の適用段階で、コンポーネントストア(WinSxS)や更新コンポーネントの整合が取れず失敗している可能性が高い
ここで重要なのは、DISM と SFC が「問題なし」でも起きることです。DISM/SFCは非常に有効ですが、次のような条件では“見かけ上は正常”になりやすいです。
- システムファイル自体は整合しているが、言語機能の追加に必要な更新側の部品(ダウンロードキャッシュやメタデータ)が壊れている
- Windows Update のサービスや暗号化カタログ周り(catroot2)が詰まっている
- 企業ネットワークやポリシーで「オプション機能の取得先」が制限されている
そのため、対処はWindows Update周りの修復 → それでもダメならOSの上書き修復が、現実的に一番再現性が高いルートになります。
対処の全体像(軽い順 → 重い順)
以下の順番で進めると、ムダな作業が減りやすいです。上に行くほど軽く、下に行くほど確実性は上がります。
| 段階 | やること | 期待できる効果 | 影響 |
|---|---|---|---|
| 軽い | Windows Update のトラブルシューティング | 更新関連のよくある詰まりを自動修復 | ほぼなし |
| 中 | Windows Update コンポーネント(キャッシュ)をリセット | 破損したキャッシュ・カタログを作り直し、言語機能の再取得を可能にする | 更新の再ダウンロードが起きることがある |
| 重い(決め手になりやすい) | 修復インストール(上書きインストール) | システムファイル/コンポーネントストアを再構成し、根本要因を一掃できる | 時間はかかるが、データを残して実行可能 |
作業前に確認しておくと失敗が減ること
手順自体は難しくありませんが、言語機能の追加は「更新の小さな配信」と同じ仕組みで動くため、環境要因で失敗することがあります。まずは次を軽く確認してください。
| チェック項目 | 確認ポイント | 理由 |
|---|---|---|
| ネットワーク | 安定した回線で実施(可能なら有線) | オプション機能のダウンロードが途中で途切れるとエラーになりやすい |
| 従量制課金 | Wi-Fiが「従量制課金接続」になっていないか | バックグラウンドのダウンロードが抑制されることがある |
| VPN/セキュリティ | VPN、サードパーティ製ウイルス対策・FWを一時停止(可能な範囲で) | 更新取得や展開処理に干渉するケースがある |
| 空き容量 | Cドライブに十分な空き容量 | 言語機能の展開や更新キャッシュ再生成に空きが必要 |
| 再起動 | 各ステップの後は再起動してから再試行 | 保留中の更新処理が残ると、同じエラーが再発しやすい |
最初に試す:Windows Update のトラブルシューティング
「軽く直る可能性がある」うえに、システムを大きく触らずに済むので最初に実施します。
- [設定]→[システム]→[トラブルシューティング]→[その他のトラブルシューティング ツール] を開く
- 一覧から Windows Update を選び、[実行]
- 修復が提案されたら指示に従い、完了したら再起動
- 再起動後に [設定]→[Windows Update] で更新を確認し、続いて中国語(簡体字)の言語機能を再追加
この段階で直るなら、Windows Updateの一般的な詰まり(サービスの状態や軽微な設定不整合)が原因だった可能性が高いです。
次に試す:Windows Update コンポーネント(キャッシュ)をリセット
0x80070002 が出ていた、あるいは 0x8007371B が継続する場合は、更新キャッシュや暗号化カタログが壊れていることがあります。ここを一度まっさらにして作り直すと、言語機能の再ダウンロード・再適用が通るケースが多いです。
注意:この作業は「更新キャッシュを退避(リネーム)する」操作です。個人データが消える類ではありませんが、Windows Update の履歴表示が一部変わることがあります。また、更新の再ダウンロードが発生する場合があります。
手順(管理者のコマンドプロンプトで実行)
- スタートを右クリック → [ターミナル(管理者)] または [コマンド プロンプト(管理者)] を開く
- 次のコマンドを順番に実行する
net stop wuauserv
net stop cryptSvc
net stop bits
net stop msiserver
ren C:\Windows\SoftwareDistribution SoftwareDistribution.old
ren C:\Windows\System32\catroot2 catroot2.old
net start wuauserv
net start cryptSvc
net start bits
net start msiserver
実行後は必ず再起動し、再起動後に次の順で確認します。
- [設定]→[Windows Update] で更新を確認(保留中の更新があれば適用)
- [設定]→[時刻と言語]→[言語と地域] で中国語(簡体字)の言語機能(基本入力)を再インストール
| コマンド | 目的 | 失敗しやすいときの目安 |
|---|---|---|
| net stop wuauserv / bits | 更新の取得・転送を止める | 「サービスが開始されていません」は問題にならないことが多い |
| ren SoftwareDistribution | 更新のダウンロードキャッシュを作り直す | アクセス拒否が出る場合は、管理者起動できているか確認 |
| ren catroot2 | 暗号化カタログ(署名確認)を作り直す | 更新が“適用段階”で失敗するケースに効きやすい |
| net start … | 停止したサービスを戻す | ここでエラーが出る場合、サービス自体の無効化やポリシーの影響を疑う |
このリセットで直るなら、原因は「言語機能そのもの」ではなく、取得・適用に使われる更新基盤に寄っていた可能性が高いです。
最後の切り札:修復インストール(上書きインストール)でシステムを再構成
上記まで実施しても 0x8007371B が止まらない場合は、コンポーネントストア側に“細かい不整合”が残っていることがあります。このとき効果が出やすいのが、Windows 11の修復インストール(上書きインストール)です。
修復インストールは「初期化」と違い、通常は次を維持したまま実行できます。
- 個人ファイル(ドキュメント、デスクトップなど)
- インストール済みアプリ
- 基本的な設定(多くの場合)
目的は、Windowsのシステムファイルとコンポーネントストアを最新状態で再構成し、言語機能の追加に必要な土台を作り直すことです。実際に、言語機能追加エラーではこの手順が決め手になることがあります。
修復インストールの流れ(安全に進めるコツ付き)
- 重要データのバックアップ(万一に備えて、外付けやクラウドへ)
- Microsoft公式の Windows 11 メディア作成ツール(Media Creation Tool) を入手し実行
- 「このPCを今すぐアップグレード」を選択
- 途中で引き継ぐ項目を聞かれたら、「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」 を選択
- 画面の指示に従って進め、完了後にWindowsへサインイン
- Windows Update を確認してから、中国語(簡体字)の「基本入力」を再度追加
修復インストール後は、更新コンポーネントやシステムの基盤が再構成されるため、「DISM/SFCでは拾えなかった不整合」が解消しやすくなります。
修復インストールで直りやすい理由(現場目線)
0x8007371Bのような「機能の追加・適用で落ちる」タイプは、表面上はOSが動いていても、内部的には次のような“どこか一部だけが噛み合っていない”状態になっていることがあります。
- オプション機能の適用に必要なコンポーネントの参照関係が壊れている
- Windows Updateのメタデータと実体の整合が取れていない
- 途中で失敗した更新が「保留」になり、言語機能の展開が毎回巻き込まれて失敗する
修復インストールは、この“噛み合っていない部分”を、OS全体の再構成でまとめて整え直すイメージです。個別に原因を追いかけるより、結果として早く収束することがあります。
追加チェック:環境要因で言語機能が落ちるケース
手順を進める前後で、次の条件がある場合は、そちらがボトルネックになっていることがあります。とくに社内PC(WSUS/SCCM管理、プロキシ必須など)は要注意です。
| 要因 | 症状の傾向 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| プロキシ/社内FW | ダウンロード段階で失敗しやすい(0x80070002等) | 更新配信先への通信許可、プロキシ設定の確認 |
| WSUS/ポリシー制限 | オプション機能(FoD)だけ取れない | 「オプション機能の取得元」を管理者に確認(Microsoftから直接取得できるか) |
| 時刻ずれ | 署名検証の失敗で適用が落ちることがある | 時刻の自動設定をオン、NTP同期 |
| 途中で止まった更新 | 再試行するたびに別の機能も巻き込まれて失敗 | Windows Updateを先に完走させる、キャッシュリセット、必要なら修復インストール |
上級者向け:コマンドで中国語(簡体字)の言語機能を確認・追加する
設定画面からの操作がうまくいかない場合でも、言語機能は「Windowsの機能(Capability)」として扱われているため、PowerShellやDISMで状態確認や追加を試せます。GUIが失敗する原因の切り分けにも役立ちます。
PowerShellで状態確認(管理者)
# 中国語(簡体字)関連の言語機能を探す
Get-WindowsCapability -Online | Where-Object { $_.Name -match "Language" -and $_.Name -match "zh-CN" } | Select-Object Name, State
State が NotPresent のものは未導入、Installed なら導入済みです。
PowerShellで「基本入力」を追加
# 中国語(簡体字)の基本入力を追加(例)
Add-WindowsCapability -Online -Name "Language.Basic~~~zh-CN~0.0.1.0"
環境によっては、ここでも同じエラーになることがあります。その場合は「更新基盤(Windows Update)側が壊れている」可能性がより濃くなるため、キャッシュリセットや修復インストールの優先度が上がります。
参考:代表的な言語機能(zh-CN)
| 機能 | Capability名の例 | 用途 |
|---|---|---|
| 基本入力 | Language.Basic~~~zh-CN~0.0.1.0 | IMEなど、基本的な入力機能 |
| 手書き | Language.Handwriting~~~zh-CN~0.0.1.0 | 手書き入力 |
| OCR | Language.OCR~~~zh-CN~0.0.1.0 | 画像からの文字認識 |
| 音声 | Language.Speech~~~zh-CN~0.0.1.0 | 音声認識 |
| テキスト読み上げ | Language.TextToSpeech~~~zh-CN~0.0.1.0 | 読み上げ音声 |
補足:Capability名はWindowsのビルドやエディション、管理環境(WSUS等)で取得可否が変わることがあります。コマンドはあくまで「状態の見える化」と「追加の試行」に使い、根本が更新基盤にある場合は、キャッシュリセットや修復インストールを優先してください。
よくある質問
DISM と SFC が問題なしなのに、なぜ言語機能だけ入らない?
DISM/SFCはOSの基本整合性を確認するのに強力ですが、言語機能は「オプション機能」として追加の取得・展開が必要です。更新キャッシュや署名カタログ、更新メタデータ側が壊れていると、OS自体は動いていても追加だけ失敗することがあります。
Windows Update のキャッシュを消す(リネームする)と何が変わる?
Windows Updateが保持しているダウンロード済みファイルや、署名検証に使う情報を作り直します。0x80070002のような「あるはずのファイルが見つからない」系のエラーが改善することが多く、言語機能の再取得にも効きやすいです。
修復インストールは「初期化」と同じ?
違います。初期化はアプリや設定が大きくリセットされる可能性がありますが、修復インストール(上書きインストール)は通常「個人ファイルとアプリを引き継ぐ」を選ぶことで、データを残してWindowsの基盤だけを再構成できます。もちろん万一に備えてバックアップは推奨です。
まとめ:0x8007371Bで中国語(簡体字)の基本入力が入らないなら、更新基盤→修復インストールの順で攻める
Windows 11で中国語(簡体字)の「基本入力 / Basic typing」が入らず、0x80070002 や 0x8007371B が出る場合、原因は言語機能そのものよりも、Windows Update とコンポーネントストアの不整合にあることが多いです。
- まずはWindows Updateのトラブルシューティングで軽く修復
- 次に、更新キャッシュ(SoftwareDistribution / catroot2)をリセットして再取得を促す
- それでもダメなら、メディア作成ツールを使った修復インストールで基盤を作り直す
最終的に「修復インストールで解決した」というケースは少なくありません。言語機能の追加は日常業務にも直結しやすいので、遠回りせず、軽い手順で直らない場合は上書き修復まで視野に入れて進めるのが安全です。

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