Windows 11で切断済みネットワークドライブへドラッグするとエクスプローラーが不安定になる問題を修正

Windows 11で、接続が切れたネットワークドライブへファイルをドラッグすると、エクスプローラーの反応が悪くなったり、操作が不安定になったりする問題が確認されていました。

Microsoftは、2026年7月31日に公開したWindows 11 Experimental Build 26300.9032で、この問題への修正を実施しています。ただし、現時点で修正が確認されているのはWindows Insider向けのExperimentalビルドです。一般向けの安定版Windows 11を利用している場合は、ネットワークドライブを再接続してからファイルを操作するのが安全です。(Windows Blog)

日程Fit。無料・登録不要。「いつ空いてる?」を、ひとつのリンクで。リンクを送って、○△×でかんたん日程調整。無料で日程を作る。
目次

切断済みネットワークドライブへのドラッグ時の不具合を改善

Microsoftの公式リリースノートでは、Windows 11 Experimental Build 26300.9032のエクスプローラーに関する変更として、次の改善が案内されています。

切断されたネットワークドライブへファイルをドラッグした場合の、エクスプローラーの信頼性を改善

つまり、ネットワークドライブがオフラインになっている状態でファイルをドラッグしたときに発生していた不安定動作について、OS側の処理が修正されたことになります。(Microsoft Learn)

項目内容
対象OSWindows 11
対象機能エクスプローラー、ネットワークドライブ
発生条件切断済みのネットワークドライブへファイルをドラッグする
修正ビルドWindows 11 Experimental Build 26300.9032
公開日2026年7月31日
状態修正済み。ただしExperimentalビルド上での修正
一般向け安定版への反映現時点では反映時期が明示されていない

重要なのは、「Windows 11全体ですでに修正された」という意味ではない点です。Build 26300.9032は、Windows Insider ProgramのExperimentalチャネル向けに公開されたプレビュー版です。

どのような操作で問題が発生するのか

この問題は、次のような操作で発生する可能性があります。

  1. NASやファイルサーバーの共有フォルダーをネットワークドライブとして割り当てる
  2. VPN、Wi-Fi、社内ネットワークなどが切断される
  3. ネットワークドライブが「切断」または「利用不可」の状態になる
  4. デスクトップやローカルフォルダーから、そのドライブへファイルをドラッグする
  5. エクスプローラーの応答や動作が不安定になる

たとえば、ファイルサーバーの共有フォルダーをZ:ドライブとして割り当てている場合、次のような状況が該当します。

Z: → \\fileserver\share

VPNに接続していない、NASの電源が入っていない、パソコンの起動直後でネットワークが確立していないといった理由でZ:ドライブに接続できない状態でも、エクスプローラーにはドライブ自体が表示されることがあります。

この状態でファイルをZ:へドラッグすると、エクスプローラーが接続先を確認しようとして、不安定な動作につながる可能性があります。

Microsoftのリリースノートでは、具体的なエラーコードやクラッシュ画面までは示されていません。そのため、必ずクラッシュするというより、切断済みドライブへのドラッグ操作をきっかけにエクスプローラーの信頼性が低下する問題と捉えるのが適切です。

この問題に該当するか確認する方法

エクスプローラーが不安定になる原因は、ネットワークドライブ以外にもあります。発生条件を整理すると、今回の問題かどうかを判断しやすくなります。

症状考えられる原因
切断済みドライブへドラッグした直後に不安定になる今回修正された問題の可能性が高い
ネットワークドライブを開くだけでも接続できないVPN、Wi-Fi、DNS、サーバー、SMBなどの接続問題
ユーザー名やパスワードを何度も求められる保存済み資格情報や認証設定の問題
ローカルフォルダー間のドラッグでも不安定になるシェル拡張、常駐ソフト、システムファイルなど別の問題
特定のドライブだけ常に切断されるドライブ割り当て、ログオンスクリプト、グループポリシーの問題
スリープ復帰後だけ発生するネットワークの再接続処理やVPNの復帰遅延

今回の問題に該当する可能性が高いのは、次の条件がそろっている場合です。

  • Windows 11を使用している
  • NASやファイルサーバーをネットワークドライブとして割り当てている
  • ドライブが切断された状態でもエクスプローラーに表示されている
  • そのドライブへファイルをドラッグしたときだけ不安定になる
  • ネットワーク接続後は同じ操作が正常に完了する

一般向けWindows 11ですぐできる回避策

Experimental Build 26300.9032を使用していない場合は、切断状態のネットワークドライブへ直接ドラッグしないことが最も確実な回避策です。

ネットワークドライブを開いてからファイルを移動する

ファイルをドラッグする前に、接続先が利用可能か確認します。

  1. VPNや社内ネットワークへ接続する
  2. エクスプローラーで「PC」を開く
  3. 対象のネットワークドライブをダブルクリックする
  4. フォルダーやファイルの一覧が表示されることを確認する
  5. 接続を確認してからファイルをドラッグまたはコピーする

ネットワークドライブを開いたときに読み込みが終わらない場合や、接続エラーが表示される場合は、そのままファイルをドラッグしないでください。

一度ローカルフォルダーへ保存する

ネットワークが不安定な環境では、作業中のファイルを一度ローカルへ保存します。

作業中のファイル
↓
デスクトップやドキュメントへ保存
↓
ネットワーク接続を確認
↓
共有フォルダーへコピー

特にVPN経由でファイルサーバーへ接続している場合は、VPN接続前に共有フォルダーへドラッグしない運用が有効です。

ドラッグではなくコピーと貼り付けを使用する

切断状態であればコピーと貼り付けでも接続処理は発生しますが、ドラッグ操作による誤った移動を避けやすくなります。

  1. コピー元ファイルを選択する
  2. CtrlCを押す
  3. ネットワークドライブを開く
  4. 接続できたことを確認する
  5. CtrlVを押す

別ドライブへのドラッグは通常コピーとして処理されますが、操作状況によっては意図を把握しにくくなります。業務ファイルでは、コピー元を残したまま結果を確認できるコピー操作のほうが安全です。

切断されたネットワークドライブを再設定する方法

ネットワークドライブが長期間切断されたままの場合は、割り当てを削除して作り直すことで改善することがあります。

エクスプローラーから再設定する

  1. エクスプローラーで「PC」を開く
  2. 切断されているネットワークドライブを右クリックする
  3. 「切断」を選択する
  4. エクスプローラー上部の「…」を選択する
  5. 「ネットワーク ドライブの割り当て」を開く
  6. ドライブ文字と共有フォルダーのパスを指定する
  7. 必要に応じて「サインイン時に再接続する」を有効にする
  8. 「完了」を選択する

会社や自治体などの管理されたパソコンでは、ログオンスクリプトやグループポリシーによってドライブが自動設定されている場合があります。その場合は、個人で削除する前にシステム管理者へ確認してください。

コマンドで接続状態を確認する

コマンドプロンプトで次のコマンドを実行すると、現在のネットワークドライブの割り当てを確認できます。

net use

特定のネットワークドライブを削除する場合は、次のように実行します。

net use Z: /delete

再度割り当てる場合は、次の形式で実行します。

net use Z: \\server\share /persistent:yes

Z:\\server\shareは、実際のドライブ文字と共有フォルダーのパスへ置き換えてください。

業務システムがネットワークドライブを参照している場合、割り当てを削除するとアプリケーションが動作しなくなることがあります。利用中のアプリやバッチ処理がないことを確認してから実行する必要があります。

エクスプローラーが固まった場合の復旧方法

エクスプローラーが反応しなくなった場合は、Windows自体を再起動する前に、エクスプローラーだけを再起動できます。

  1. CtrlShiftEscを押してタスクマネージャーを開く
  2. プロセス一覧から「エクスプローラー」または「Windows エクスプローラー」を探す
  3. 対象を右クリックする
  4. 「再起動」を選択する

エクスプローラーを再起動すると、開いていたフォルダーウィンドウが閉じることがあります。また、進行中だったコピーや移動処理は中断される可能性があります。

復旧後は、コピー元とコピー先の両方を確認し、ファイルが途中まで作成されていないか、同名ファイルが重複していないかを確認してください。

Build 26300.9032を導入すべきか

この問題だけを解決する目的で、通常利用しているパソコンをExperimentalチャネルへ変更することは推奨できません。

Build 26300.9032は、Windows 11 version 26H2をベースとするWindows Insider向けのプレビュー版です。Microsoftは、Experimentalチャネルで提供される機能や変更について、将来の一般向けWindowsに必ず搭載されるとは限らず、変更、削除、置き換えが行われる可能性があると説明しています。(Microsoft Learn)

利用環境別の判断は次のとおりです。

利用環境推奨する対応
一般家庭のメインPCExperimentalビルドへ変更せず、回避策を使用する
業務用PC安定版への反映を待ち、VPNやドライブ再接続の運用を徹底する
検証用PCExperimental Build 26300.9032以降で動作を確認する
すでにExperimentalチャネルを利用中Windows UpdateからBuild 26300.9032以降へ更新する
組織のIT管理部門検証端末で修正効果と既存業務への影響を確認する

Experimentalチャネルは、通常業務で使う安定版とは性格が異なります。修正内容だけでなく、ほかの未検証機能や変更も含まれるため、検証専用端末や仮想環境での利用が適しています。

インストールされているWindowsのビルドを確認する方法

現在使用しているWindows 11のビルド番号は、winverコマンドで確認できます。

  1. WindowsRを押す
  2. 「ファイル名を指定して実行」にwinverと入力する
  3. 「OK」を選択する
  4. 表示されたOSビルドを確認する

ExperimentalチャネルでBuild 26300.9032以降が表示されていれば、今回のエクスプローラーの信頼性改善を含むビルドです。

ただし、ビルド番号が26300.9032より大きければ、すべて同一の動作になるとは限りません。Windows Insiderの機能や変更は段階的に展開される場合があり、MicrosoftはExperimentalチャネルの機能について変更や撤回の可能性があると案内しています。(Microsoft Learn)

修正後も不安定になる場合に確認すること

Build 26300.9032以降でも問題が続く場合は、今回の修正とは別の原因を切り分ける必要があります。

UNCパスで接続できるか確認する

ネットワークドライブではなく、共有フォルダーのUNCパスを直接入力します。

\\server\share

UNCパスでも接続できない場合は、エクスプローラーのドラッグ操作ではなく、ネットワークやサーバー側の問題である可能性があります。

VPNとネットワークの接続順序を見直す

VPN接続が必要な共有フォルダーでは、次の順序で操作します。

  1. インターネット接続を確認する
  2. VPNへ接続する
  3. ネットワークドライブを開く
  4. ファイル一覧が表示されることを確認する
  5. ファイルをコピーする

Windowsへのサインイン直後にネットワークドライブを操作すると、VPNや無線LANの準備が完了していない場合があります。

保存済み資格情報を確認する

共有フォルダーへの接続時に認証エラーが出る場合は、Windowsの「資格情報マネージャー」に古いユーザー名やパスワードが残っている可能性があります。

ただし、保存済み資格情報を削除すると、ほかの共有フォルダーや業務サービスへの再認証が必要になることがあります。組織管理のPCでは、管理者へ相談してから変更してください。

シェル拡張や常駐ソフトを切り分ける

ローカルフォルダー間のドラッグでもエクスプローラーが不安定になる場合は、今回のネットワークドライブ問題とは別の可能性があります。

特に確認したいのは、次のようなソフトウェアです。

  • クラウドストレージ同期ソフト
  • ウイルス対策ソフト
  • バックアップソフト
  • ファイル圧縮・解凍ソフト
  • 右クリックメニューを追加するソフト
  • ファイルサーバー連携ツール

問題がネットワークドライブに限定されない場合は、Windows Update、システムファイル、常駐ソフト、シェル拡張の順に切り分ける必要があります。

一般向け安定版への反映を確認するポイント

今回の修正はExperimental Build 26300.9032で確認されていますが、一般向け安定版への提供時期は公式情報で明示されていません。

安定版Windows 11での対応状況を確認する際は、次の情報を確認します。

  • Windows Updateの更新履歴
  • 月例セキュリティ更新のリリースノート
  • プレビュー更新の改善内容
  • Windows Insiderの後続ビルド
  • Microsoftの既知の問題と通知

修正が安定版へ反映された場合でも、「切断済みネットワークドライブ」という表現ではなく、「File Explorerの信頼性を改善」などの形で案内される可能性があります。

まとめ

Windows 11で切断済みのネットワークドライブへファイルをドラッグすると、エクスプローラーが不安定になる問題は、Experimental Build 26300.9032で修正されています。Microsoftは同ビルドのリリースノートで、切断されたネットワークドライブへのドラッグ時におけるエクスプローラーの信頼性を改善したと説明しています。(Microsoft Learn)

ただし、一般向け安定版Windows 11への反映時期は明確になっていません。通常利用しているパソコンでは、次の順序で対応してください。

  1. VPNやネットワークへ接続する
  2. ネットワークドライブを一度開く
  3. ファイル一覧が表示されることを確認する
  4. 接続確認後にファイルをコピーする
  5. 長期間切断されているドライブは再割り当てを検討する
  6. 安定版Windows Updateで修正が提供されたら適用する

今回の問題を避けるうえで最も重要なのは、エクスプローラーにドライブが表示されているかではなく、実際に共有フォルダーを開ける状態か確認してからファイルを操作することです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次