Windows 11 へアップグレードしたあと、イベント ビューアーのカスタム ビューを開こうとした瞬間に「Query Error: Microsoft-Windows-WMPNSS-Service\Operational|The specified channel could not be found(指定されたチャネルが見つかりません)」と表示されると、「ログが壊れた?」「ハードウェアエラーは大丈夫?」と不安になります。本記事では、このエラーの正体と原因、そして最短で安全に解消するための具体的な手順を、WHEA(ハードウェア エラー)監視の観点から詳しく解説します。
エラーの概要:どんなときに起きるのか
今回取り上げるエラーは、イベント ビューアーでカスタム ビューを開いたときに発生するものです。
Query Error: Microsoft-Windows-WMPNSS-Service\Operational | The specified channel could not be found
(日本語環境だと「指定されたチャネルが見つかりません」)
代表的な発生パターンは次の通りです。
- Windows 10 から Windows 11 にアップグレードした
- 以前に WHEA(ハードウェア エラー)監視用のカスタム ビューを作っていた
- アップグレード後、そのカスタム ビューを開こうとすると突然「Query Error」が出る
sfc /scannowやDISM /RestoreHealthを実行しても状況が変わらない- WMPNSS(Windows Media Player ネットワーク共有サービス)を無効化/有効化しても変化がない
この状況から、つい「システムファイルの破損」や「イベント ログの故障」を疑いがちですが、本質的な原因はそこではありません。
原因の本質:存在しないイベント チャネルを参照している
このエラーの正体は、次の一文にまとめられます。
カスタム ビューのクエリが、すでに存在しないイベント チャネル(ログ)を参照しているため
ここで言う「存在しないイベント チャネル」とは、具体的には次のチャネルです。
Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operational
WMPNSS は Windows Media Player ネットワーク共有サービス(Windows Media Player Network Sharing Service)のことです。Windows 10 時代にはこのサービスとイベント チャネルが存在していましたが、Windows 11 では次のような状況が混在しています。
- WMPNSS 自体がインストールされていない(機能が削除または非推奨)
- サービスは存在するが、イベント ログ チャネルが登録されていない
- 構成によっては一部のチャネルのみ存在する
その結果、Windows 10 上で「WHEA ログ + WMPNSS 系ログも一緒に見る」ようなカスタム ビューを作っていた場合、Windows 11 では
- WHEA のチャネルは生きている
- WMPNSS のチャネル
Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operationalが物理的に存在しない
という状態になり、イベント ビューアーが
「無いチャネルにアクセスしようとして失敗 → Query Error」
となるわけです。
SFC / DISM で直らない理由
SFC /SCANNOW や DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth は、あくまで「壊れているシステムファイルの修復」が目的です。
- カスタム ビューの設定(XML)はユーザー設定ファイルであり、システムファイルではない
- WMPNSS がそもそも提供されていない構成では、「復元すべきチャネル」が存在しない
そのため、今回のように「チャネル自体が無い」ケースでは、どれだけ SFC や DISM を実行しても根本的な解消にはなりません。
状況の整理(表)
| 項目 | Windows 10 | Windows 11(エラーが出る構成) |
|---|---|---|
| WMPNSS サービス | 標準または機能有効で存在 | 非搭載・削除済み・無効などで不在の場合あり |
イベント チャネルMicrosoft-Windows-WMPNSS-Service/Operational | 存在する | 存在しない(登録されていない) |
| WHEA 用カスタム ビュー | WMPNSS チャネルを含めても正常に動作 | 存在しないチャネルを参照して 「Query Error」が発生 |
| SFC / DISM の効果 | 壊れたファイルがあれば修復 | 今回のケースではほぼ無関係 |
最短で確実な解決策:カスタム ビューを作り直す
もっともシンプルで再現性の高い解決策は、問題のカスタム ビューをいったん削除し、WMPNSS を一切含まない条件で新しく作り直すことです。
実際に、この方法だけでエラーが完全に解消したケースが多数あります。ファイル破損や OS の不具合を疑う前に、まずこの方法を試すのが圧倒的におすすめです。
手順 A:WHEA 用の新しいカスタム ビューを作成する
- イベント ビューアーを起動
Win + X→ 「Windows ツール」や検索から「イベント ビューアー」を開きます。 - 新しいカスタム ビューを作成
左ペインの「カスタム ビュー」を右クリックし、「新しいカスタム ビューの作成」を選択します。 - 対象ログを選択
「ログ」の項目で、少なくとも以下を選びます。- Windows ログ > システム(必須)
- アプリケーションとサービス ログ > Microsoft > Windows > WHEA-Logger > Operational
- イベント レベルを設定
「イベント レベル」で次をチェックします。- 重大
- エラー
- イベント ID を指定(任意だが推奨)
「イベント ID」の欄に、代表的な WHEA 関連 ID をまとめて指定します。カンマ区切りで入力可能です。1,19,47,48これにより、WHEA のハードウェア エラーを効率よく抽出できます。 - ビューに名前を付けて保存
たとえば次のような名前がわかりやすいでしょう。WHEA-Errors (No WMPNSS)WHEA ハードウェアエラー(WMPNSS除外)
手順 B:古い問題のカスタム ビューを削除する
新しいカスタム ビューで WHEA エラーが問題なく見えることを確認できたら、次に古いビューを削除します。
- 左ペインの「カスタム ビュー」を開きます。
- エラーが出ていた該当ビューを右クリックし、「削除」を選択します。
これにより、内部の XML に含まれていた Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operational への無効な参照が完全に取り除かれます。
新しいカスタム ビュー構成例(表)
| 項目 | 設定例 | ポイント |
|---|---|---|
| ログ | Windows ログ > システム (あれば)Microsoft > Windows > WHEA-Logger > Operational | WHEA 関連ログだけに絞り、WMPNSS は含めない |
| イベント レベル | 重大、エラー(+必要なら警告) | まずは致命的なものを確実に拾う |
| イベント ID | 1,19,47,48 | 代表的な WHEA ログをカバー |
| ビュー名 | WHEA-Errors (No WMPNSS) | 「WMPNSS を使っていない」ことが一目でわかる名前がおすすめ |
WHEA エラーを別ルートで確認する方法
「そもそもカスタム ビューは使わずに、WHEA を直接確認したい」という場合は、次の 2 つの方法がシンプルです。
Windows ログ > システム からフィルターする
- イベント ビューアーで「Windows ログ > システム」を選択します。
- 右ペインで「現在のログをフィルター」をクリックします。
- 「イベント レベル」で「重大」「エラー」を選択します。
- 「イベント ID」に次を入力します。
1,19,47,48
これで、システム ログの中から WHEA 関連の代表的なイベントを抽出できます。
| イベント ID | 概要 |
|---|---|
| 1 | マシンチェック例外(致命的なハードウェア エラー) |
| 19 | 修正可能なハードウェア エラー(再試行成功など) |
| 47 | 構成や報告に関する WHEA イベント |
| 48 | その他の WHEA ログ情報 |
厳密な意味は環境により異なりますが、「WHEA 関連かどうか」を切り分けるには十分役立ちます。
WHEA-Logger の専用ログを直接見る
環境によっては、WHEA 専用のイベント ログが用意されています。
- 「アプリケーションとサービス ログ」を展開
- 「Microsoft > Windows > WHEA-Logger」を展開
- 「Operational」などのログを開く
ここに WHEA 関連のイベントが集約されている場合、カスタム ビューを作らなくても、ある程度の監視は可能です。
より踏み込んだ対処(必要な場合のみ)
ここから紹介する方法は、あくまで「どうしても WMPNSS の痕跡を整理したい」「イベント ログ構成をリセットしたい」場合のものです。通常はここまで行う必要はありません。特に業務用・会社貸与 PC では、必ず管理者の承認を得てから実施してください。
イベント チャネルのメタデータを整える(上級者向け)
管理者権限のコマンド プロンプトを開き、次のコマンドを順番に実行します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow
wevtutil el
wevtutil cl Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operational
wevtutil im C:\Windows\System32\wmpnss.etl.man
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
システムイメージの整合性を検証・修復します。sfc /scannow
システムファイルの破損チェックと修復を行います。wevtutil el
登録されているイベント ログ チャネルの一覧を取得します(表示のみ)。wevtutil cl Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operational
該当チャネルのログをクリアします(存在する場合)。wevtutil im C:\Windows\System32\wmpnss.etl.man
WMPNSS 関連のマニフェストを再登録し、チャネル定義を復元します(ファイルが存在する場合)。
ただし Windows 11 の構成によっては、そもそも wmpnss.etl.man が存在しなかったり、WMPNSS 自体がオプション機能として削除されていることもあります。その場合、無理にマニフェストを復元するよりも、WMPNSS を使わない方向で設計を見直す方が安全です。
イベント ログの再構築(最終手段)
どうしてもイベント ログ周りを完全にリフレッシュしたい場合、既存のログ ファイル(.evtx)をバックアップし、ログを再生成するという方法があります。ただし、すべてのログ履歴がいったん初期化されるため、最後の手段と考えてください。
管理者権限のコマンド プロンプトで次を実行します。
net stop eventlog
cd C:\Windows\System32\winevt\Logs
ren *.evtx *.bak
net start eventlog
net stop eventlogでイベント ログ サービスを停止。Logsフォルダー配下の*.evtxを一括で*.bakにリネーム。net start eventlogでサービスを再開すると、新しいログ ファイルが自動生成される。
必要なログがあれば、.bak ファイルをコピーして個別に解析できます。ただし、この操作はシステム全体に影響するため、テスト環境での検証や事前バックアップが必須です。
再発防止:カスタム ビュー設計のコツ
今回のような「特定チャネルが消えてエラーになる」問題は、カスタム ビューの設計を少し意識するだけでかなり回避できます。
存在するチャネルだけを選ぶ
- カスタム ビュー作成画面で「ログ…」を選ぶときは、実際に一覧に出てくるログだけを選択する。
- XML タブを開いて直接パスを書き換えると、存在しないチャネルを指定してしまうリスクが高まる。
特に別のマシンで作った XML をコピーして流用する場合、マシンごとにログ構成が違う点に注意が必要です。
レガシーなコンポーネントは避ける
Windows 11 では、WMPNSS のように
- 非推奨になった古い機能
- オプション機能として切り離されたコンポーネント
が増えています。こうしたコンポーネントのログは、
- 今後のアップデートで削除される
- クリーンインストールでは最初から存在しない
といった変化が起こりやすいため、長期運用前提のカスタム ビューには含めない方が安全です。
WHEA 用のおすすめカスタム ビュー構成(表)
| 項目 | おすすめ設定 | 理由 |
|---|---|---|
| ログ | Windows ログ > システム +(あれば)WHEA-Logger > Operational | どの Windows 11 環境にもほぼ共通して存在する部分をベースにする |
| イベント レベル | 重大、エラー | ハードウェア故障の兆候を優先的に検知 |
| イベント ID | 1, 19, 47, 48(必要に応じて追加) | WHEA 関連 ID を中心にフィルタリング |
| 除外するログ | WMPNSS などレガシー系ログ | 削除・非搭載の可能性が高く、将来的なエラー要因になる |
よくある疑問と回答
この Query Error は放置しても大丈夫?
今回のエラーは、「カスタム ビューの設定ミス」あるいは「構成の変化に追随していないビュー」が原因です。WHEA やハードウェアそのものが壊れていることを直接意味するわけではありません。
ただし、エラーのせいで WHEA ログをきちんと確認できない状態は望ましくないため、カスタム ビューを作り直すか、システム ログから直接 WHEA を確認できるようにしておくことをおすすめします。
WMPNSS サービスを有効にすれば直りますか?
一部の環境では、Windows の機能を追加することで WMPNSS が復活することがありますが、
- 企業環境ではポリシー的に許可されないことが多い
- OS のアップデートで再び削除される可能性がある
- そもそも「WHEA を見るだけなら WMPNSS は不要」
といった理由から、WMPNSS をわざわざ復活させる方向はあまりおすすめできません。本記事で紹介したように、WMPNSS を含まないカスタム ビューへと整理する方が長期的に安定します。
古いカスタム ビューの XML を直せばいい?
XML を直接編集して、Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operational を削るという方法も技術的には可能ですが、
- XML 編集ミスで別のエラーを生むリスクがある
- そもそもビューの内容を見直す良い機会でもある
という観点から、いったん削除して新規作成した方が確実かつ安全です。特に複数のログを複雑に組み合わせている場合、ゼロベースで整理し直した方が、後々「自分で読める」ビューになります。
まとめ:WMPNSS を含めずに WHEA を見直すのが近道
最後に、本記事のポイントを整理します。
- エラーの正体は、カスタム ビューが存在しないチャネル
Microsoft-Windows-WMPNSS-Service/Operationalを参照していること。 - Windows 11 では WMPNSS が非搭載・非推奨の構成があり、その結果「指定されたチャネルが見つかりません」になる。
- この問題はファイル破損ではないので、SFC / DISM だけでは解決しないことが多い。
- 最短の解決策は、問題のカスタム ビューを削除し、WMPNSS を一切含めずに WHEA 用のビューを作り直すこと。
- WHEA ログは、「Windows ログ > システム」のフィルターや「WHEA-Logger」専用ログからも確認できる。
- どうしても必要な場合のみ、
wevtutilコマンドやイベント ログ再構築といった重い対処を検討する。
ひとことで言うと:
「Query Error: Microsoft-Windows-WMPNSS-Service\Operational|指定されたチャネルが見つかりません」は、壊れているのではなく“要らないチャネルを参照しているだけ”。WMPNSS を切り離し、WHEA 用カスタム ビューを作り直すことが、もっとも安全で確実な解決策です。

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