ノートPCの分解やBIOS初期化のあと、突然「INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」エラーでWindows 11が起動しなくなった……。外付けSSDや別PCがなく、緑色の画面(Insiderビルド)で止まってしまうと、何から手を付けていいか分かりづらいですよね。この記事では、Acer Aspire A315-59・KIOXIA NVMe SSD構成を例に、外部機器なしで試せる現実的な復旧手順を整理します。
外部機器なしで発生した「INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」とは
今回のケースは次のような状況を想定しています。
- 機種:Acer Aspire A315-59(Alder Lake 世代のノートPC)
- ストレージ:NVMe SSD(KIOXIA KBG50ZNT256G)
- OS:Windows 11(Insider 系ビルド、緑色の「ブルースクリーン」)
- 状態:BIOSではSSDを認識しているが、Windows Boot Manager や WinRE の
diskpartからは見えない - 利用可能なもの:内蔵の回復環境(WinRE)のコマンドプロンプトのみ(外部PC・外付け機器なし)
このときに表示される「INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」は、日本語では「ブート デバイスにアクセスできません」という意味で、
- 起動時にOSがブートドライブを見失っている
- あるいは見えてはいるが、必要なドライバーやブート情報を正しく読み込めていない
といった状態を示します。単なるファイル破損だけではなく、BIOS設定・ストレージドライバー・EFI/BCD のどれがズレても発生するのがやっかいなポイントです。
症状からある程度「原因の当たり」を付ける
まずは、見えている情報から原因を絞り込んでいきます。
| 症状・状態 | 考えられる原因の候補 |
|---|---|
BIOSではSSDを認識 / WinREの diskpart では「ディスクなし」 | VMD/Intel RST・NVMeドライバーがWinRE側で読み込まれていない |
| BIOSでストレージモードをいじった直後にエラー発生 | VMD ⇔ AHCI 切り替えによるストレージモード不一致 |
| Windows Updateやドライバー更新の直後に不具合 | 更新の不整合・保留中操作が残っている |
| diskpartではディスクが見えるが起動しない | EFIパーティションやBCDの破損/構成不良 |
| BIOSでもSSDが全く見えない | 接点不良・M.2スロット不良・SSD自体の故障 |
この記事では、特に「BIOSでは見えるのに WinRE からは見えない」というパターンを中心に、外部機器を使わずにできる対処を順番に解説します。
よくある原因(整理版)
まずは、よくある原因を分かりやすく整理しておきます。自分のケースがどれに近いかを意識しながら読み進めてください。
ストレージモードの不一致(VMD / Intel RST ⇔ AHCI)
分解やCMOSクリア、BIOSアップデートなどがきっかけで、
- 「VMD (Intel RST Premium) 有効 → AHCI」
- 「AHCI → VMD 有効」
のように、ストレージコントローラーの動作モードが変わってしまうことがあります。Windows 11 をインストールしたときとモードが違うと、OS側が「別物のコントローラー」と認識してしまい、結果としてブートドライブにアクセスできず、INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE で止まることがあります。
起動初期のストレージドライバー未ロード
BIOSではSSDが見えているのに、WinREの diskpart で list disk を実行しても「ディスクなし」の場合、
- VMD(Intel RST)用のドライバー
- 特定のNVMeコントローラ用ドライバー
などが、回復環境側で読み込まれていない可能性が高いです。この場合、ドライバーを強制的に読み込ませることでディスクが見えるようになることがあります。
EFI/BCDなどブート領域の破損
分解中の接触不良や、アップデート・ドライバー導入の途中で電源が切れた場合など、
- EFIシステムパーティション(FAT32)のファイル破損
- BCD(ブート構成データ)の不整合・欠落
が起きると、Windows Boot Manager がドライブを見失い、結果的に INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE となることがあります。この場合は、EFI/BCDの再構築が必要です。
更新適用直後の不整合(Insider / 最新ビルドで多い)
Insider Preview や最新ビルドでは、
- 保留中の更新処理が残ったまま電源断
- ドライバー更新とOS更新が同時に絡む
といった状況で、ファイル構成に矛盾が生じやすくなります。この場合は、更新の巻き戻しや、DISMで保留中操作を取り消すことが有効です。
物理的な装着不良・接点不良 / SSDの不調
M.2 SSD の固定ネジが緩んでいたり、端子の軽い酸化・ホコリ詰まりなどが原因で、接続が不安定になっているケースもあります。最終的には、KIOXIAの診断ツールなどで自己診断し、物理的な故障の有無も確認します。
外部機器なしでの復旧ステップ全体像
ここからは、外部PCや外付けストレージを使わない前提で、試すべき手順を優先度順に並べます。
| 優先度 | ステップ | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | 強制終了を繰り返して自動修復を起動 | Windows 標準の自動修復で一気に直るか確認 |
| 2 | BIOS/UEFIの起動設定を確認・元に戻す | ストレージモードやBoot順のズレを修正 |
| 3 | WinREでストレージドライバーを読み込む | diskpartからSSDを認識させる |
| 4 | EFI/BCDの修復(bootrec / bcdboot) | ブート領域の破損を修正 |
| 5 | 更新の巻き戻し・保留中操作の取り消し | Insider/更新直後の不整合を解消 |
| 6 | セーフモード起動・Hyper‑V 再有効化など | 起動後の追加調整・ドライバー再構成 |
| 7 | 物理的なチェックとSSD診断 | 接点不良やSSD不良の切り分け |
以下、この順番に沿って詳しく見ていきます。
まず試す:強制終了を繰り返して「自動修復」を起動
実際に、Acer Aspire A315-59 のような構成でも、これだけで直った実例があります。手間もリスクも小さいので、必ず最初に試しましょう。
- INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE の緑画面が表示されたら、電源ボタン長押しで強制的に電源を切る。
- もう一度電源を入れる。
- 再び同じエラー画面が出た時点で、再度電源長押しで強制終了。
- これを2〜3回繰り返すと、自動的に「自動修復を準備しています」「PCを診断中です」と表示される。
その後、表示される「自動修復」画面で案内に従い、修復完了後に再起動してみます。ここで起動まで回復できれば、以降の手順は不要です。
なお、この時点でBitLockerが有効な環境では、回復キーの入力を求められる場合があります。企業PCや業務マシンの場合、管理者から回復キーを取得しておきましょう。
BIOS/UEFIの設定を確認(Boot Mode / VMD / Boot順)
自動修復で直らない場合は、まずBIOS設定が変わっていないかを確認します。分解後やCMOSクリア後は、知らないうちに初期化されていることがあります。
Acer Aspire A315-59 を例にした確認ポイント
BIOSメニューの配置は機種によって異なりますが、概ね次のような項目を探します。
| 項目 | 推奨値(目安) | 補足 |
|---|---|---|
| Boot Mode / Boot | UEFI | Legacy/CSM はオフ。Windows 11 はUEFI前提。 |
| Secure Boot | 有効のままで可 | 基本は触らなくてよい。トラブル時に切り替える必要は薄い。 |
| SATA Mode / Storage | インストール時と同じ(VMD or AHCI) | 安易な切り替えは危険。元の設定を再現することが重要。 |
| VMD / Intel RST Premium | 元が「有効」なら有効のまま | Alder Lake世代ではデフォルト有効なことが多い。 |
| Boot Priority / Boot Option | Windows Boot Manager(対象SSD)を最優先 | USBやネットワークブートが先頭だと誤動作の原因に。 |
特に重要なのは、Windowsをインストールしたときの設定と合わせることです。覚えていない場合は、
- まずは現在の設定をメモする(スマホで写真を撮るのも有効)
- VMD/Intel RST の ON/OFF を軽率に切り替えない
という方針で、むやみに弄り回さないよう注意します。もし誤って設定を変更してしまった場合は、元に戻せるよう必ず記録を残してから変更してください。
設定を変更したら「Save & Exit」で保存し再起動し、症状に変化があるか確認します。変化がなければ、一度元の設定に戻しておくと後の切り分けがスムーズです。
WinREでストレージドライバーを読み込ませる(diskpartでディスクが見えない場合)
BIOSではSSDを認識しているのに、WinRE(回復環境)の diskpart で list disk を実行しても何も表示されない場合、ほぼ確実にドライバーの問題です。
回復環境のコマンドプロンプトを開く
Windowsが起動しない状態から回復環境に入るには、先ほどの「自動修復」画面から進むのが最も簡単です。
- 自動修復画面で「詳細オプション」を選択。
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」。
- 「コマンド プロンプト」を選択。
ここで表示されるコマンドプロンプトは、回復環境 (WinRE) 上で動作しており、通常のWindowsとはドライバー構成が異なります。そのため、VMD/Intel RST用のドライバーを追加で読み込む必要が出てきます。
Intel RST / VMD ドライバーINFがPC内に残っている場合
もし、以前にドライバーをインストールした際に INF ファイルを保存している、あるいは C:\Drivers のようなフォルダに展開している場合は、そこからドライバーを読み込めます。
ドライバーを読み込む基本的なコマンドは以下の通りです。
drvload D:\drivers\iaStorVD.inf ← 例:ドライバーINFのパス
diskpart
rescan
list disk
exit
D:\drivers\iaStorVD.inf はあくまで一例です。実際には、
C:\Windows\System32\DriverStore\FileRepositoryC:\OEM\DriversやD:\Drivers
などを dir コマンドで探し、iaStorVD.inf や iaStorAC.inf など VMD/Intel RST 関連の INF を探します。
dir C:\ /a /s iaStor*.inf
といったコマンドでINFファイルを検索し、見つけたパスを drvload に指定します。drvload に成功したあと、diskpart → rescan → list disk でディスクが表示されれば、次のブート修復フェーズに進めます。
ドライバーINFが見つからない場合:一時的にAHCIに切り替える方法
PC内にドライバーINFがどうしても見つからない場合、一時的にBIOSのVMDを無効化し、AHCIモードに切り替えてディスクを見える状態にするという手もあります。
注意点は次の通りです。
- Windows本体はこのままでは起動しない可能性が高い(INACCESSIBLE_BOOT_DEVICEが続く)
- BitLocker有効環境では、ハードウェア構成変更として認識され、回復キーを求められることがある
この方法はあくまで、
- WinREから
diskpartでSSDを認識させて - EFI/BCDの修復など「ブート修復の作業」を行うため
の一時的な措置と割り切るのがポイントです。ブート修復が完了したら、必ず元のVMD設定に戻してください。
ディスクが見えるようになったら:EFI/BCDのブート修復
ここからは、WinREのコマンドプロンプトでディスクが見えていることを前提に、ブート領域の修復を行います。
どのドライブがWindowsかを確認する
WinRE上では、通常とドライブレターの割り当てが異なります。たとえば、普段のWindowsで C: だったボリュームが、WinREでは D: になっていることも珍しくありません。
まずは diskpart でボリューム一覧を確認します。
diskpart
list vol
exit
ここで、
- サイズが大きく、ファイルシステムが NTFS のボリューム
- ラベルに「Windows」や「OS」などが付いているもの
を探します。このボリュームが、実際のWindowsインストール先です(以降、例として C: として説明します)。
chkdsk / sfc でファイルシステムとシステムファイルをチェック
ブート修復に入る前に、最低限の整合性チェックをしておくと、後のトラブルを減らせます。
chkdsk C: /f
sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows
/offbootdir と /offwindir は、それぞれ「ブートドライブ」と「Windowsフォルダー」のパスを指します。WinRE環境ではパスがずれていることが多いので、さきほどの list vol で確認したドライブレターに合わせてください。
bootrec でブート領域を再構成する
基本のブート修復コマンドセットは以下です。
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
/fixmbr:MBRを修復(UEFI環境でも実行して問題ない)/fixboot:ブートセクターを書き直す/scanos:インストール済みOSを検索/rebuildbcd:BCDストアを再構成
途中で「インストールをブートリストに追加しますか?」と聞かれたら Y を入力します。
bootrec /fixboot で「アクセスが拒否されました」が出る場合
最近のWindows 11 / UEFI 構成では、bootrec /fixboot 実行時に「アクセスが拒否されました」と表示されることがあります。この場合は、EFIシステムパーティションにドライブレターを割り当てて bcdboot で再構築するのが定番です。
diskpartを起動。list volで「FAT32」で「100〜300MB程度」のパーティションを探す(これがEFI)。- 該当ボリュームを選択し、仮のドライブレター(例:
S)を割り当て。
diskpart
list vol
select vol <EFIの番号>
assign letter=S
exit
続いて、bcdboot でEFI領域にブートファイルを書き込みます。
bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI
C:\Windows は実際のWindowsフォルダーのパスに合わせてください。完了したら再起動し、エラーが収まっているか確認します。
更新の巻き戻し(Insider / 更新直後の不整合対策)
Insider ビルドや更新適用直後に不具合が出た場合、更新関連の不整合が原因になっていることがあります。
自動修復画面から更新プログラムをアンインストール
自動修復 → 詳細オプションから、「更新プログラムのアンインストール」が選べる場合があります。
- 「最新の品質更新プログラムをアンインストール」
- 「最新の機能更新プログラムをアンインストール」
の2種類があり、最近適用した更新に応じてどちらか、あるいは両方を試します。更新のロールバック後に再起動し、起動可否を確認します。
DISMで保留中の操作を取り消す
コマンドプロンプトからは、DISMを使って「保留中の操作」を取り消すことができます。更新途中で止まっている場合に特に有効です。
dism /image:C:\ /cleanup-image /revertpendingactions
C:\ 部分は、実際のWindowsがインストールされているドライブレターに合わせてください。処理が完了したら再起動し、症状が改善しているか確認します。
さらに詳しく調べたい場合は、
dism /image:C:\ /get-packages
でインストール済みのパッケージ一覧を確認し、特定のパッケージをアンインストールすることも可能です(ただし、どのパッケージが原因かを見極めるのは難しいため、慎重な運用が必要です)。
セーフモードでの起動・Hyper‑Vの再有効化(参考的な手段)
ある程度ブート構成が整い、Windowsロゴまでは出る状況まで回復したら、一度セーフモードで起動してから通常モードへ戻すことで、ドライバー構成がリフレッシュされる場合があります。
bcdedit で強制的にセーフブートにする
WinRE のコマンドプロンプトから、次のように設定します。
bcdedit /set {default} safeboot minimal
shutdown /r /t 0
これで次回起動時はセーフモードで立ち上がります。セーフモードで一度ログインし、問題がなさそうであれば、通常モードに戻すために再度 bcdedit で設定を解除します。
bcdedit /deletevalue {default} safeboot
Hyper‑V の再有効化で直ったという報告も
ややニッチなケースですが、Hyper‑V を再有効化したら INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE が解消したという報告もあります。再現性は高くありませんが、以下のような手順を試す価値はあります。
- Windowsが何とか起動できる状態まで復旧させる。
- 「Windows の機能の有効化または無効化」を開く。
- 「Hyper‑V」にチェックを入れ有効化し、再起動。
仮想化周りの構成が変わることで、ブート時のドライバー読み込み順序に変化が生じ、結果として安定するケースがあるようです(あくまで「おまけ的な対処」として覚えておく程度で構いません)。
物理的な確認とSSDの自己診断
ソフトウェア側の対処でどうしても改善しない場合、物理的な問題の可能性を疑います。分解整備を行った直後であれば、むしろこちらのほうが本命であることもあります。
M.2 SSD の再装着・接点クリーニング
- ACアダプタ・バッテリーを外し、完全に電源オフにする。
- M.2 SSDの固定ネジを外し、SSDを一度抜き取る。
- 端子部分にホコリが付着していないか確認し、エアダスターなどで軽く清掃。
- 再度奥までしっかり差し込み、固定ネジを適切なトルクで締め直す。
別のM.2スロットが用意されている機種なら、片方にだけ装着してテストし、スロット側の不良も切り分けます。
放熱シート・ヒートシンクの位置ずれにも注意
NVMe SSDでは、温度上昇による動作不安定が起こることがあります。放熱シートや簡易ヒートシンクがずれていると、温度が上がりやすくなり、ブート時にコントローラーが不安定になる可能性もゼロではありません。分解整備時には、これらのパーツの位置もチェックしましょう。
KIOXIAの診断ツールで自己診断(起動できるようになってから)
ある程度起動できる状態まで回復したら、KIOXIA公式の診断ツールなどでSSDの健康状態をチェックするのがおすすめです。
- SMART情報(エラー数・再配置済みセクタなど)
- 簡易スキャン・フルスキャン
で問題が検出されるようであれば、SSDの交換も視野に入れましょう。重要なデータがある場合は、症状が軽いうちにバックアップを取ることが重要です。
WinREでよく使うコマンド早見と目的
ここまでの手順で登場したコマンドを、目的別にまとめておきます。
| コマンド | 用途 |
|---|---|
diskpart / list disk / list vol | ディスク・ボリュームの状態確認、EFIやWindowsドライブを特定 |
chkdsk C: /f | ファイルシステムのエラー修復 |
sfc /scannow /offbootdir=/offwindir= | システムファイルの整合性チェックと自動修復 |
bootrec /fixmbr /fixboot /rebuildbcd | ブート関連の基本修復 |
bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI | EFIシステムパーティションにブートファイルを書き込み直す |
dism /image:C:\ /cleanup-image /revertpendingactions | 更新プログラムの保留中操作を取り消す |
drvload <ドライバーINF> | VMD/Intel RSTなどのドライバーを手動で読み込む |
bcdedit /set {default} safeboot minimal | 次回起動をセーフモードに固定 |
実際の操作をまとめると、次のような感じになります(WinRE想定)。
:: ディスク再検出(ドライバー読込後に)
diskpart
rescan
list disk
list vol
exit
:: ファイルシステム/システム保護
chkdsk C: /f
sfc /scannow /offbootdir=C:\ /offwindir=C:\Windows
:: ブート回復
bootrec /fixmbr
bootrec /fixboot
bootrec /scanos
bootrec /rebuildbcd
:: EFIの再構築(/fixbootが弾かれる場合)
diskpart
list vol
select vol <EFI>
assign letter=S
exit
bcdboot C:\Windows /s S: /f UEFI
:: 保留更新の取り消し
dism /image:C:\ /cleanup-image /revertpendingactions
補足・注意点(BitLocker・物理故障・DaRTエラーなど)
BitLocker有効環境では回復キーを準備
BitLocker が有効なPCでは、
- BIOS設定の変更(VMD/AHCI切り替えなど)
- ブート構成の変更(bcdbootなど)
を行うと、起動時に回復キーの入力を求められることがあります。企業環境では、管理者がAzure ADやActive Directoryでキーを管理しているケースが多いので、作業前に必ず確認しておきましょう。
diskpartでもBIOSでも見えない場合は物理故障の可能性大
ここで紹介した手順は、あくまで「BIOSでSSDが見えている」前提です。もし、
- BIOSのストレージ一覧にSSDが表示されない
- diskpartの
list diskでもディスクが0件のまま
という状況であれば、SSDの物理故障の可能性が高まります。この場合、データが重要であれば、むやみに再インストールや初期化を行わず、データ復旧業者への相談も検討してください。
DaRTのDLL不足エラー(MSVCP100.dllなど)は直接原因ではないことが多い
回復環境から「診断ツール」などを起動しようとして、
MSVCP100.dll が見つかりません- DaRT関連のDLLエラー
が出ることがありますが、これは回復環境に含まれているツールの一部が正常に動作していないだけであり、今回の INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE の直接原因ではないことがほとんどです。あくまで「使えるツールが一部制限される」程度の問題として捉え、コマンドプロンプトでの手動修復に切り替えるのが現実的です。
どうしても直らないときの考え方と最終手段
ここまでの手順を試しても改善しない場合、残りの選択肢は次の2つに絞られてきます。
- 何としてもデータを救出したいのか
- データはある程度あきらめてでも、PCを使える状態に戻したいのか
外部機器なしでできることにはどうしても限界があります。データ優先の場合は、
- SSDを取り外して別PCに接続し、読み取りを試みる
- 読み取りが不安定な場合はデータ復旧の専門業者に相談する
といった選択肢を検討せざるを得ません。一方、データよりも「とにかくPCを使いたい」場合は、
- メーカーのリカバリ機能やUSBリカバリメディア(事前作成済みの場合)
- 別途作成したWindows 11インストールUSBからのクリーンインストール
が現実的な最終手段になります(この場合、当然ながらSSD上のデータは失われる可能性があります)。
まとめ:INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE復旧の優先順位
最後に、本記事のポイントを整理します。
- 1. 強制電源OFF × 数回 → 自動修復
最初に必ず試す。これだけで復旧する例もある。 - 2. BIOSで UEFI / VMD / AHCI / Boot順 を確認
Windowsをインストールしたときと同じ設定に戻すことが重要。 - 3. WinREでストレージドライバーを読み込ませる
drvloadや VMD→AHCI切り替えで、とにかくdiskpartからディスクを見える状態にする。 - 4. EFI/BCDを修復(bootrec / bcdboot)
必要に応じてbcdbootでEFIパーティションを再構築。 - 5. 更新の巻き戻し・DISMで保留中操作を解除
Insider/最新ビルドでの不整合を疑う。 - 6. セーフモード起動・Hyper‑V再有効化などでドライバー再構成
起動後の安定化に役立つ可能性あり。 - 7. 物理的なチェック・SSD診断
M.2の再装着・接点清掃・温度対策・診断ツールで健康状態を確認。
Acer Aspire A315-59 + KIOXIA NVMe SSDという構成でも、上記のような手順を丁寧に進めることで、外部機器なしでも復旧できる可能性は十分あります。逆に言えば、やみくもにBIOSをいじったり、いきなりクリーンインストールに走ると、データを失うリスクが高まります。
INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE が出たときは、
- まずは自動修復とBIOS設定の確認
- 次にドライバー・EFI/BCD周りの修復
- 最後に物理故障やクリーンインストールを検討
という順番を守り、落ち着いて切り分けを進めていきましょう。

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