Windows 11 24H2 KB5065426 適用後に起動が遅くなる原因と対処方法まとめ

Windows 11 Version 24H2 に更新した直後から、電源投入してもサインイン画面がなかなか出てこない、ログイン後もデスクトップが固まったように動かない――そんな「起動が極端に遅い」トラブルが、累積更新プログラム KB5065426 を適用した直後に発生したという報告が増えています。本記事では、この症状の特徴と考えられる原因、そして実際に効果が確認できた対処手順を、できるだけ具体的に解説します。

目次

KB5065426 適用後に Windows 11 の起動が極端に遅くなる現象とは

まずは、今回問題になっている現象を整理しておきます。主な症状は次のようなものです。

  • 対象環境:Windows 11 Version 24H2
  • 2025 年 9 月の累積更新プログラム KB5065426 を適用した直後から症状が発生
  • 電源投入からサインイン画面が表示されるまで 2 分以上 かかる
  • PIN やパスワードを入力してからデスクトップが表示されるまで 30 秒〜1 分超 かかる
  • デスクトップが表示されてからも、常駐アプリやタスクトレイのアイコンが出揃うまでさらに 2 分ほど 待たされる
  • 更新前は、電源投入からデスクトップ表示まで全工程で 30 秒前後 だった

つまり、KB5065426 をインストールした直後から、起動プロセス全体が 4〜5 倍以上遅くなったように感じられる状態です。同様の現象を訴えるユーザーが複数いるため、「たまたま自分の環境だけおかしくなった」というより、更新プログラムと特定のハードウェア/ドライバー構成との 相性問題 を疑うのが自然です。

なぜ累積更新プログラム適用後に起動が遅くなるのか

Windows の累積更新プログラム適用後に起動が遅くなる主なパターンとして、次のようなものが挙げられます。

  • ストレージドライバーやチップセットドライバーとの相性
    特定の NVMe コントローラーや SATA ドライバーと、新しいカーネル/ストレージ関連コンポーネントとの組み合わせで、起動時の初期化処理が長時間ブロックされることがあります。
  • サードパーティ製セキュリティソフト・常駐ツールの影響
    更新後のシステムファイルを監視・スキャンする過程で、サインイン〜デスクトップまでの処理が遅延することがあります。
  • Windows の最適化タスク(一時的な現象)
    初回起動時にインデックス再構築やコンパイル作業などが動作し、一時的に起動が遅くなるケースもあります。ただしこの場合は、数回再起動すれば徐々に改善していきます。
  • レジストリやサービス構成の不整合
    更新の途中で何らかの要因により設定が中途半端な状態になり、特定のサービスがタイムアウトしながら起動することで全体が引きずられる場合があります。

今回のように「何度再起動しても改善しない」「同じ更新を入れた人に似た症状が出ている」という条件が揃うと、KB5065426 が原因の有力候補と考えてよく、更新前の状態に戻すことが最も再現性の高い解決策になります。

安全に作業を進めるための事前準備

本格的な対処に入る前に、次のポイントを確認しておきましょう。

  • 重要なデータのバックアップ
    システムの復元や更新プログラムのアンインストールは基本的にユーザーデータを消しませんが、万が一に備えて「ドキュメント」「デスクトップ」「ピクチャ」などを外付け HDD やクラウドにバックアップしておくと安心です。
  • 復元ポイントの有無
    KB5065426 適用前の復元ポイントが残っているかどうかで、取れる対策の幅が変わります。復元ポイントがあれば最優先で使います。
  • 会社支給 PC かどうか
    企業のポリシー管理下にある PC では、更新プログラムのアンインストールや一時停止が制限されていることがあります。その場合は、勝手に変更せず情報システム部門に相談してください。

主な解決策・対処手順の全体像

ここからは、優先度の高い順に具体的な対処方法を紹介します。まずは全体を一覧で把握しておきましょう。

優先度解決策手順の概要期待できる効果
★★★システムの復元で更新適用前に戻す1) Win + R → rstrui を実行
2) KB5065426 適用前の日付の復元ポイントを選択
3) 自動再起動後に起動時間を確認
もっとも確実に更新前の正常状態へ戻せる方法。実際の事例でも、この手順で起動時間が元の 30 秒前後に戻った。
★★☆問題の累積更新プログラム KB5065426 をアンインストール1) 設定 → Windows Update → 更新の履歴 → 更新プログラムをアンインストール
2) 一覧から KB5065426 を選択し削除
同じ更新による不具合報告が複数ある場合に有効。復元ポイントがない場合の第二候補。
★★☆更新を一時停止して様子を見るWindows Update の詳細オプションで更新を最大 1 か月程度一時停止Microsoft が修正版の累積更新プログラムを公開するまで、再インストールされるのを防げる。
★★☆クリーンブートで常駐サービスを切り分け1) msconfig →「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェック →「すべて無効」
2) タスクマネージャーでスタートアップアプリを無効化 → 再起動
サードパーティ製常駐ソフトやドライバーが併発要因になっているかどうかの切り分けに使える。今回の事例では決定打にならなかったが、再発防止の観点からも一度試す価値あり。
★☆☆フィードバック Hub に障害情報を送信1)「フィードバック Hub」アプリを起動
2) カテゴリ「パフォーマンスとシステム」で新しいフィードバックを送信
Microsoft 開発側に情報が届き、将来の更新で修正される可能性を高める。似た症状のユーザーが多いほど優先度が上がる。
★☆☆将来の更新またはドライバー更新を待つPC メーカーやマザーボードベンダーのサイトで最新のチップセット/ストレージドライバーが出ていないか確認し、必要に応じて更新更新プログラムとドライバーの相性問題だった場合、新しいドライバーで改善されることがある。

最優先:システムの復元で KB5065426 適用前の状態に戻す

もっとも手っ取り早く、かつ成功率が高いのが システムの復元 です。KB5065426 適用前の復元ポイントさえ残っていれば、「更新プログラムを入れる前の状態」に巻き戻せます。

システムの復元の具体的な手順

  1. 復元ツールを起動
    キーボードで Win + R キーを押し、「ファイル名を指定して実行」ダイアログに rstrui と入力して Enter を押します。
  2. 復元ポイントを選択
    「システムの復元」ウィザードが開くので、「別の復元ポイントを選択する」を選び、KB5065426 をインストールする前の日付 の復元ポイントを選びます。
    「影響を受けるプログラムの検出」ボタンから、復元によってアンインストールされるアプリや更新を確認しておくと安心です。
  3. 復元を実行
    確認画面で内容をチェックし、「完了」をクリックすると PC が再起動し、復元処理が行われます。処理中は電源を切らないように注意してください。
  4. 起動時間を確認
    復元完了後、通常通り Windows にサインインし、電源投入〜デスクトップ表示までの時間 を確認します。多くのケースで、更新前の 30 秒前後に戻ることが期待できます。

システムの復元を使う際の注意点

  • 復元ポイント作成以降にインストールしたアプリやドライバーが削除される可能性があります。
  • ユーザーファイル(ドキュメントや写真など)は原則消えませんが、念のためバックアップを取ってから実行してください。
  • セキュリティソフトによっては、復元プロセスをブロックすることがあります。その場合、一時的にリアルタイム保護を無効にしてから実行します。

復元ポイントがない場合:KB5065426 のアンインストール

もし KB5065426 適用前の復元ポイントが存在しない場合、次の候補は「問題の更新プログラムそのものをアンインストールする」方法です。

KB5065426 をアンインストールする手順

  1. スタートメニューから 設定 を開く
  2. Windows Update更新の履歴 を開く
  3. 画面下部の 更新プログラムをアンインストール をクリック
  4. 一覧の中から 「累積的な更新プログラム (KB5065426)」 を探し、選択
  5. アンインストール ボタンをクリックし、画面の指示に従う
  6. 再起動後、起動時間が改善しているか確認

アンインストール後に注意したいポイント

  • 自動的に同じ更新が再配信される ことがあります。その場合は次に説明する「更新を一時停止する」設定を合わせて行うとよいでしょう。
  • 累積更新プログラムには セキュリティ修正 も含まれます。長期間アンインストールしたままにするのは避け、修正版が出たら再適用を検討してください。
  • アンインストール直後は、一時ファイルの整理やストアアプリの更新などで少し動作が重く感じることがありますが、多くの場合は数回の再起動で落ち着きます。

再発防止と安全性のために:更新を一時停止して様子を見る

KB5065426 をアンインストールしただけでは、しばらくすると再び Windows Update から同じ更新が配信され、再インストールされてしまう可能性があります。そのため、一時的に更新を停止して様子を見る ことが重要です。

更新を一時停止する手順

  1. 設定Windows Update を開く
  2. 「より多くのオプション」または「詳細オプション」をクリック
  3. 更新の一時停止 の項目で、最大の期間(例:5 週間) を選択

これで、その期間中は新しい更新プログラムが自動的にインストールされなくなります。その間に、Microsoft から修正版の累積更新プログラムが配信されたり、PC メーカーから新しいドライバーがリリースされることが期待できます。

会社支給 PC の場合は、この設定がグレーアウトしていることがあります。その場合は自分で無理に変更しようとせず、システム管理者に相談してください。

原因切り分けに役立つ:クリーンブートの実施

システムの復元や更新アンインストールだけでは不安な場合や、サードパーティ製ソフトが影響している可能性 を切り分けたい場合は、「クリーンブート」を試すと有効です。

クリーンブートの手順

  1. システム構成ツールを起動
    Win + R → msconfig と入力して Enter。
  2. サービスの整理
    「サービス」タブを開き、「Microsoft のサービスをすべて隠す」にチェック を入れたうえで、「すべて無効」をクリックします。
  3. スタートアップアプリの無効化
    「スタートアップ」タブ(または「タスクマネージャーを開く」リンク)から、不要なアプリをすべて「無効」に設定します。
  4. PC を再起動し、起動時間が改善するか確認します。

クリーンブートで起動が大幅に改善する場合、無効にしたサービスやスタートアップアプリのどれかが原因 ということになります。1 つずつ有効に戻しながら、問題のアプリを特定していきましょう。

一方、今回紹介している KB5065426 関連の事例では、クリーンブートを行っても劇的な改善は見られませんでした。この場合、原因は OS 側の更新プログラムにより近いと判断できますが、「他の起動遅延トラブル」を抱えている場合の切り分けとしては非常に有効な手段です。

Microsoft に情報を届ける:フィードバック Hub の活用

同じ更新プログラムによるトラブルが多く報告されるほど、Microsoft が原因の調査と修正に動く可能性は高まります。単に「文句を言う」だけでなく、再現手順や発生条件を添えて報告すること が重要です。

フィードバック Hub から障害情報を送信する手順

  1. スタートメニューで「フィードバック Hub」と検索し、アプリを起動
  2. 左側のメニューから「フィードバックの送信」を選択
  3. 「カテゴリ」で 「パフォーマンスとシステム」 を選び、サブカテゴリに「Windows の起動とシャットダウン」など近い項目を選択
  4. タイトル例:
    「KB5065426 適用後、Windows 11 24H2 の起動時間が 4〜5 倍に増加する」
  5. 説明欄に、適用前後の起動時間、使用しているストレージの種類(NVMe SSD など)、再現する手順 をできるだけ詳しく書く
  6. 可能であれば、「再現記録を開始」を使い、起動直後の動作ログを送信する

フィードバック Hub への投稿はすぐに自分の PC の問題を解決してくれるわけではありませんが、同じ症状のユーザーが多いことを示す重要な材料 になります。特に企業利用の多いハードウェア構成で発生している場合は、優先度が上がる可能性が高まります。

将来に備えて:復元ポイント・バックアップ・ドライバー更新

復元ポイントを定期的に作成しておく

今回のトラブルから学べる最大の教訓は、「大きな更新の前に必ず復元ポイントを作る」 という習慣を付けることです。

手動で復元ポイントを作成する手順は次の通りです。

  1. スタートメニューで「復元ポイントの作成」と検索し、コントロールパネル項目を開く
  2. 「システムの保護」タブで OS が入っているドライブ(通常は C:)を選択し、「構成」ボタンから「システムの保護を有効にする」を選択、必要なディスク領域を指定
  3. 「作成」ボタンをクリックし、
    例:「KB5065426 適用前」など分かりやすい名前を付けて復元ポイントを作成

これだけで、次回同様のトラブルが発生したときに、数クリックで更新前の状態に戻すことが可能になります。

イベント ビューアーで起動遅延の原因を特定する

原因をより深く探りたい場合は、「イベント ビューアー」で ブート性能診断ログ を確認してみましょう。どのサービスやドライバーが起動を遅らせているのか、ある程度客観的に把握できます。

イベント ビューアーでの確認手順

  1. Win + X → 「コンピューターの管理」または「イベント ビューアー」を開く
  2. 左ペインで
    「アプリケーションとサービス ログ」 → 「Microsoft」 → 「Windows」 → 「Diagnostics-Performance」 → 「Operational」
    を辿る
  3. 中央ペインに表示されるイベントのうち、イベント ID 100〜199 を探す

代表的なイベント ID は次の通りです。

イベント ID内容ポイント
100全体のブート時間の概要Boot Duration の値が 60000(60 秒)を大きく超えていると、明らかに遅い状態。
101アプリケーションがブートを遅らせているどのアプリがどのくらい遅延を引き起こしているか確認できる。
102ドライバーがブートを遅らせている特定のドライバー名が繰り返し表示されている場合、その更新を見直す手掛かりになる。
110〜199スタンバイ復帰やログオン時のパフォーマンススリープ復帰やサインイン後にもたつく場合に参考になる。

KB5065426 適用後に突然遅くなったケースでは、更新適用前後でイベント 100 の Boot Duration を比較することで、どれほど差が出ているか客観的に確認できます。また、特定のドライバーやサービスが異常に長い時間を消費しているようなら、その製品名で情報を調べるきっかけにもなります。

高速スタートアップ無効化や SSD ファームウェア更新も検討

起動時間の遅延が顕著な場合、以下のような追加対策も合わせて検討するとよいでしょう。

高速スタートアップを無効化する

高速スタートアップは、シャットダウン時の状態を一部保存することで起動時間を短縮する機能ですが、ドライバーの相性やデュアルブート環境などで不具合の原因になることがあります。

  1. コントロールパネルで「電源オプション」を開く
  2. 左側から「電源ボタンの動作を選択する」をクリック
  3. 「現在利用可能ではない設定を変更します」をクリック
  4. 高速スタートアップを有効にする(推奨)」のチェックを外し、保存する

これにより、一部の環境では起動プロセスが安定し、逆に体感速度が改善することがあります。

SSD のファームウェア更新と健康状態チェック

OS の更新とは直接関係がないように見えますが、古いファームウェアの SSD や、寿命が近づいている SSD では、負荷がかかったタイミングでレスポンスが急激に悪化することがあります。

  • PC メーカーや SSD メーカーが提供しているユーティリティ(管理ソフト)をインストールし、ファームウェアのアップデートがないか確認する
  • S.M.A.R.T. 情報を確認し、エラー数や健康状態の指標に異常がないか確認する

SSD の故障が疑われる場合は、OS の問題と決めつけず、早めにデータバックアップ+交換 を検討することをおすすめします。

最終手段:修復インストール(上書きインストール)とハードウェア診断

ここまでの対処(復元・アンインストール・クリーンブートなど)を試しても改善しない場合、Windows 自体のシステムファイルが損傷している可能性 があります。その場合は、「修復インストール(上書きインストール)」を検討します。

修復インストール(上書きインストール)とは

修復インストールは、Windows 11 のセットアッププログラムを起動し、個人ファイルやアプリを保持したまま OS を上書きする 方法です。システムファイルや設定を初期状態に近づけつつ、環境をゼロから作り直す必要がないため、クリーンインストールよりも負担が軽いのが特徴です。

実行の際は、次の点に注意してください。

  • 事前に 必ず全データのバックアップ を取る(万が一に備えて)
  • ライセンス認証や一部アプリの再ログインが必要になることがある
  • 時間はかかるが、起動トラブルだけでなく細かい不具合もまとめて解消されることが多い

ハードウェア診断も忘れずに

OS 側の対策で改善しない場合、ハードウェアの劣化・故障 も視野に入れる必要があります。

  • メモリ診断ツール の実行
    スタートメニューで「Windows メモリ診断」と検索し、再起動してチェックを実行します。
  • ディスクチェック の実行
    管理者権限のターミナルや PowerShell から chkdsk /f /r を実行し、再起動時にチェックを行います。
  • PC メーカー提供の ハードウェア診断ツール を利用し、ストレージ・メモリ・CPU などを総合的にチェック

特に、起動中にカリカリと異音がする、特定のタイミングでフリーズする、といった症状がある場合は、更新プログラムではなくストレージ故障が原因というケースも少なくありません。

まとめ:KB5065426 適用後の極端な起動遅延にどう向き合うか

Windows 11 Version 24H2 向け累積更新プログラム KB5065426 適用直後に、起動時間が 4〜5 倍以上に伸びてしまう現象は、単なる「気のせい」や「たまたま」ではなく、更新プログラムと環境の組み合わせによる不具合 と考えるのが妥当です。

対処のポイントをあらためて整理すると、次のようになります。

  • 復元ポイントがあれば、システムの復元が最優先
  • 復元ポイントがなくても、KB5065426 のアンインストール で改善する可能性が高い
  • 再発防止のために、更新の一時停止を設定しつつ、修正版や新ドライバーを待つ
  • クリーンブートやイベント ビューアーを使い、常駐アプリやドライバーが足を引っ張っていないか を確認する
  • それでもダメなら、修復インストールやハードウェア診断 を検討する
  • 普段から、復元ポイントの作成・バックアップ・SSD 健康状態のチェック をしておくと、同様のトラブルに強い環境になる

Windows Update はセキュリティの観点からできるだけ速やかに適用することが推奨されていますが、今回のように不具合が疑われる場合は、無理に我慢して使い続けるのではなく、一度ロールバックして安定性を優先する のも賢い選択です。本記事の手順を参考に、まずは「更新前と同程度の起動時間」を取り戻し、そのうえで今後の更新に備えて環境を整えていきましょう。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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