Windows 11 インストール用USBが作れない|エラー 0x80070006‑0x90018 の原因と解決策(公式ISO+Rufusで確実に作成)

Windows 11 のインストール用 USB を作ろうとしたところ「このツールを PC で実行できません(エラー 0x80070006‑0x90018)」で止まってしまう――そんな相談をよく見かけます。この記事では、最短で復旧する現実解から、原因の切り分け、代替手段(公式 ISO+Rufus)、手動作成、インストールに成功させるための BIOS/UEFI 設定まで、現場で役立つ具体策を体系的にまとめました。

目次

症状と前提

Windows 11 Pro のセットアップメディアを作成するために Media Creation Tool(以下 MCT)を使うと、複数台の PC で共通して次のメッセージが表示され、USB 作成ができない状況です。

  • 「このツールを PC で実行できません」
  • エラーコード:0x80070006‑0x90018

0x80070006 は一般に「無効なハンドル」を意味する Win32 エラーに相当し、USB への書き込みやデバイスハンドルの取得に失敗している可能性が高い状況です。後段の 0x90018 は処理フェーズを示す内部コードで、作業のどこか(検証/展開/書き込み)で失敗したことを示唆します。実務上は「USB 側の問題」「I/O を阻害するソフト・ポリシー」「MCT 自体を回避して成功率を上げる」の 3 方向で詰めるのが最短です。

結論(最短で解決する手順)

  1. USB メモリーを交換(8GB 以上、できれば 16GB 以上/USB 3.0 以上)。前の USB は予備に回し、別個体でやり直す。
  2. それでも失敗するなら、公式 ISO + Rufusでブート USB を作成(MCT を迂回)。
  3. 作成した USB でブートし、Windows 11 の通常セットアップを実施(UEFI/GPT を基本方針に)。

以降は、なぜこれで解決するのか、どう設定すれば確実に通るのかを具体的に解説します。

よくある原因と優先度

優先度原因候補具体例/確認ポイント対処の方向性
高USB メモリー個体不良・相性別の PC でも同じ/容量は足りているのに途中で止まる別メーカー・別個体に交換。新品推奨(8GB 以上、USB 3.0 以上)
高USB ポート/ハブの問題前面ポートやバスパワー不足のハブ経由PC 背面直結ポートを使用。USB ハブは避ける
中セキュリティソフト・Ransomware 対策の干渉リアルタイム保護・制御されたフォルダーアクセスでブロック短時間だけ保護をオフ、または MediaCreationTool を許可
中組織ポリシー(WDAC/AppLocker/SRP)「管理者によってブロック」等のメッセージ許可ポリシーで実行を許可、または別の PC で作成
中ファイルシステム制約FAT32 では 4GB 超ファイルが書けないRufus の UEFI:NTFS 利用、または WIM 分割
低古い OS/更新不足の環境で実行Windows 10 以前の古いビルドでの実行更新を適用、または Windows 10/11 の別 PC で作成

対処法 1:USB メモリーを交換する(最短ルート)

経験的に、USB 個体の交換だけで解決する例が非常に多いです。特に「複数の PC で同じ USB を使って同じエラーが出る」場合は、USB 側の物理的・論理的な不良を強く疑います。

  • 容量:8GB 以上(推奨 16GB 以上)。
  • 規格:USB 3.0/3.1 以上(安定性の観点で良好)。
  • 接続:PC 背面のマザーボード直結ポートを使用。ハブや延長ケーブルは避ける。
  • 初期化:既存パーティションが複数ある、または読み取り専用属性が付いている個体は失敗率が上がる。

安全に初期化(必要時)

※実行すると対象 USB のデータは完全消去されます。選択ミス厳禁。

diskpart
list disk
select disk <USBのディスク番号>
clean
convert gpt
create partition primary
format fs=fat32 quick
assign
exit

FAT32 でフォーマットした場合、4GB を超えるファイル(Windows 11 の install.wim など)がコピーできない点に注意。後述の Rufus や WIM 分割で回避できます。

対処法 2:公式 ISO + Rufus で迂回(MCT を使わない)

MCT が環境依存で弾かれる・途中で落ちるケースは少なくありません。最も成功率が高いのは ISO を直接入手し、Rufus でブート USB を作る方法です。

手順(概要)

  1. 公式の Windows 11 ISO(例:Win11_24H2_English_x64.iso)を入手。
  2. Rufus を起動し、以下を設定して「開始」。
Rufus の設定項目推奨値/選択例補足
デバイス対象の USB メモリー誤選択に注意
ブートの種類ディスクまたは ISO イメージ → ISO を選択右側の「選択」から ISO を指定
パーティション構成GPT(推奨)/MBR近年の PC は UEFI+GPT が基本。旧機は MBR+BIOS も可
ターゲットシステムUEFI(非 CSM)/BIOS(または UEFI-CSM)PC のファーム設定と合わせる
ファイルシステムNTFS または FAT324GB 超ファイル問題は Rufus が UEFI:NTFS で回避可
ボリュームラベル任意(例:WIN11_24H2)識別しやすい名前に
拡張オプション必要に応じてチェックTPM/Secure Boot/オンラインアカウント要件のスキップ等

Rufus は ISO 内の install.wim が 4GB を超えていても、UEFI:NTFS でブートを成立させたり、分割・ESD 化で自動対応するため、FAT32 制約で詰まるケースを実質的に解消できます。企業・組織のポリシーで実行が制約される PC でも、別の私物 PC で USB を作って持ち込む運用が取りやすいのも利点です。

ハッシュ(SHA‑256)で ISO の破損を検出

ダウンロード直後にハッシュを取っておくと破損や差し替えを早期に検出できます。

PowerShell
Get-FileHash -Algorithm SHA256 "C:\Path\Win11_24H2_English_x64.iso"

得られた値を公式公表値と照合してください。1 桁でも合わなければ使わないでください。

対処法 3:作成した USB からインストール

USB 作成に成功したら、対象 PC を USB から起動して通常インストールを実施します。PC により起動メニュー/BIOS 画面に入るキーは異なります。代表的な例を表にまとめます(モデルにより変わるため、お使いの機種のマニュアルを優先)。

メーカーブートメニューBIOS/UEFI 設定
DELLF12F2
HPF9 / Esc → F9F10
LenovoF12F1 / F2
ASUSF8Del / F2
AcerF12(要有効化)F2 / Del
MSIF11Del
GIGABYTEF12Del
Surface音量下 + 電源音量上 + 電源(UEFI)

インストール前に次を確認します。

  • 起動方式:UEFI を推奨(CSM/Legacy は原則無効)。
  • ストレージ構成:OS 用 SSD のみ接続にするとトラブル減(増設ドライブは一時的に外す)。
  • Secure Boot:有効が基本。Rufus のオプションで検証を回避した場合は無効でも進むことがあるが、可能なら要件を満たす構成が望ましい。

追加のヒント(安定化テクニック)

  • USB ポート変更:前面→背面、USB-C→USB-A、3.0→2.0 などの切り替えで改善することがある。
  • 電源設定:ノート PC は AC アダプタ接続、Windows の「USB のセレクティブ サスペンド」を一時的に無効化。
  • BIOS/UEFI 更新:古いファームウェアは USB ブートや NVMe 互換に関する不具合を抱えることがある。最新版に。
  • セキュリティ機能:Windows セキュリティの「制御されたフォルダーアクセス」や他社 AV が MCT の書き込みを止めることがある。作業中のみ一時的にオフ(ネット切断推奨)。
  • ストレージ空き:システムドライブに 20GB 程度の空きがあると作業が安定(MCT は一時展開を行う)。

「それでもダメ」のときの手動作成(中級者向け)

MCT を完全に使わず、ISO から手作業で UEFI ブート USB を作る方法です。Rufus が使えない環境(持ち込み不可、ネット遮断)などで有効です。

ステップ 1:USB を UEFI 向けに初期化

※対象 USB のデータは消えます。ディスク番号の誤りに注意。

diskpart
list disk
select disk <USBのディスク番号>
clean
convert gpt
create partition primary
format fs=fat32 quick
assign
exit

ステップ 2:ISO をマウントしてコピー

  1. ISO ファイルを右クリックして「マウント」。仮想ドライブに割り当てられる(例:D:)。
  2. 以下で「4GB 超ファイルがあるか」を確認。 PowerShell Get-ChildItem D:\sources\install.wim -ErrorAction SilentlyContinue | Select-Object Name,Length

4GB 超なら WIM を分割してコピー

FAT32 は 4GB を超える単一ファイルを置けません。以下で分割し、残りは普通にコピーします。

dism /Split-Image /ImageFile:D:\sources\install.wim /SWMFile:E:\sources\install.swm /FileSize:3800
robocopy D:\ E:\ /e /xf install.wim

上記では D: が ISO、E: が USB の例です。install.wim はコピー対象から外し、代わりに install.swm 等の分割ファイルが E:\sources に並べば OK です。

4GB 以下ならそのままコピー

robocopy D:\ E:\ /e

MBR/BIOS 機で使う場合

古い PC に入れる必要があり、BIOS ブートしか使えないなら、USB を MBR で作り直し、active 指定・NTLDR スタイルのブートを整える必要があります。ただし Windows 11 は UEFI+GPT を前提に最適化されており、UEFI を強く推奨します。

設定のマッピング:どれを選べばよい?

PC 側設定USB 側の推奨設定備考
UEFI(CSM 無効)GPT/FAT32(または UEFI:NTFS)最も一般的。Secure Boot 有効でも可
UEFI(CSM 有効)GPT または MBRCSM は可能なら無効化を推奨
Legacy BIOS のみMBR/NTFS でも可Windows 11 の要件面で非推奨

ログで確かめる:失敗の手がかり

MCT/セットアップの基本ログ位置:

  • C:\$Windows.~BT\Sources\Panther\setuperr.log/setupact.log
  • C:\$Windows.~WS\Sources\Panther(MCT 実行時の一時領域)
  • ユーザーの AppData\Local\Temp 直下の一時ログ

USB 書き込み段階で失敗している場合は、デバイスの切断/アクセス拒否/CRC エラー等の記録が残ることがあります。ログが読みにくいときは、作業環境を変える(別 PC で USB 作成)方が早いことが多いです。

セキュリティ・企業ポリシーで止まる場合

エンドポイント保護(WDAC、AppLocker、SRP 等)で不明な EXE の実行やリムーバブル書き込みを禁止していると、MCT は高確率で失敗します。対処の優先度は次の通りです。

  1. 別 PC(ポリシーの緩い端末)で USB を作成し、対象 PC に持ち込む。
  2. 管理者に依頼して MediaCreationTool の実行を一時許可してもらう。
  3. 許可が難しい場合は ISO+Rufus で作成(Rufus はポータブル実行も可能)。

Windows セキュリティの「制御されたフォルダーアクセス」を有効にしていると、C:\$Windows.~BT などへの書き込みがブロックされることがあります。作業時だけオフ、またはツールを許可アプリに追加します(作業後は必ず元に戻すこと)。

Rufus の「要件スキップ」オプションについて

Rufus は、TPM 2.0/Secure Boot/メモリ容量などの要件を満たさないハードウェアに対してもセットアップを続行できるオプションを提供しています。検証・検証端末など特定の用途で役立ちますが、本番環境や長期運用では要件を満たす構成を強く推奨します。ファーム更新・BIOS 設定の見直しで要件を満たせるケースも多いため、安易なスキップに頼らず、まずは正攻法で構成を整えるのが安全です。

よくある Q&A

Q. 8GB の USB で足りますか?

A. 収まることもありますが、最近の ISO はサイズが増加しており、16GB 以上を推奨します。

Q. exFAT でフォーマットしても大丈夫?

A. 多くの UEFI は exFAT のブートを正式サポートしていません。FAT32 または NTFS を使用し、Rufus の UEFI:NTFS で対応するのが確実です。

Q. MCT と Rufus、どちらが良い?

A. MCT は公式の標準ルートですが、環境によって失敗することがあります。Rufus は現場での成功率が高く、構成選択の自由度も高いため、トラブル時の切り札として有用です。

Q. USB から起動できません。

A. BIOS/UEFI の起動順位・Secure Boot・CSM 設定を確認。UEFI を有効にし、CSM を無効、ブート順位で USB を最上位にします。別ポートやケーブル、別 USB 個体も試してください。

Q. エラー 0x80070006‑0x90018 は故障ですか?

A. ハード故障で出ることもありますが、USB 個体・ポート・セキュリティ干渉など環境要因で再現することが多く、USB の交換や Rufus での迂回で解消する例が多数です。

現場でのすすめ:最短フロー

  1. USB を別個体に交換(背面直結)。
  2. 改善しなければ ISO+Rufus で USB 作成。
  3. UEFI/GPT・Secure Boot の整合をとり、USB からブート。
  4. 必要に応じてログで確認、セキュリティ機能を一時的に緩めて再試行。

チェックリスト(配布・共有用ミニ版)

項目確認内容
USB別個体・新品・16GB 以上・背面直結
フォーマットFAT32/NTFS、不要パーティションを削除(必要時)
代替手段公式 ISO+Rufus(GPT/UEFI 推奨)
ハッシュGet-FileHash で SHA‑256 確認
ファームBIOS/UEFI 最新化、Secure Boot 設定確認
セキュリティ一時的に保護を緩める/許可リストへ追加

まとめ

エラー 0x80070006‑0x90018 で MCT が失敗する場合、USB の個体交換とISO+Rufus の併用が最短の実務解です。作成済みの USB で起動できない場合は、UEFI/GPT・Secure Boot・CSM の整合を見直します。どうしても MCT が通らない場面では、手動作成(WIM 分割)や別 PC での作業が確実性を押し上げます。この記事の手順・チェックリストを上から順に試せば、ほとんどのケースで Windows 11 のインストール USB を用意できるはずです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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