Windows 11 を起動するたびに「$McRebootA5E6DEAA56$.lnk」という名前のフォルダーが勝手に開くと、「ウイルスでは?」「消していいの?」と不安になります。結論から言うと、多くの場合これは McAfee 系セキュリティソフトの“置き土産”であり、正しく原因を断てば安全に消して問題を解消できます。本記事では原因の仕組みから具体的な削除手順、企業端末での注意点まで詳しく解説します。
「$McRebootA5E6DEAA56$.lnk」フォルダーが起動時に勝手に開く現象とは
まずは、どんな現象が起きているのか整理しておきましょう。
| 症状 | 具体的な状況 |
|---|---|
| 起動時にフォルダーが自動で開く | Windows 11 の電源を入れる/再起動するたびに、エクスプローラーで「$McRebootA5E6DEAA56$.lnk」などの名前のフォルダーが勝手に表示される。 |
| 中身に DLL ファイルが見える | フォルダーを開くと FileCoAuthLib64.dll や FileSyncShell64.dll などのファイルが入っていることがある。 |
| 削除しようとしても不安・削除できない | 「消して大丈夫かわからない」「管理者権限がないと言われて消せない」といった状態になりやすい。 |
フォルダー名は完全一致で「$McRebootA5E6DEAA56$.lnk」とは限らず、$McReboot で始まる長い文字列+.lnk になっているケースもあります。いずれも同じ仕組みで動いていると考えて問題ありません。
原因の概要:McAfee 系セキュリティ製品の「再起動待ち」残骸
このフォルダーは、一般的には「McAfee(マカフィー)系のセキュリティソフトが作成した再起動待ちの目印(McReboot)が、何らかの理由で残ってしまったもの」です。
イメージしやすいように、もう少し噛み砕いて説明します。
- McAfee 製品は、アップデートやアンインストールの途中で「再起動したら○○を実行する」という処理を登録することがあります。
- この「再起動後に動かす仕組み」の一部として、スタートアップフォルダーにショートカット(.lnk) が置かれます。
- 本来は再起動が正常に完了したタイミングで、このショートカットやフォルダーは自動で削除される想定です。
- しかし、アップデートの失敗・強制終了・別ソフトとの競合などで処理が中断されると、ショートカットだけが残ることがあります。
- その結果、Windows 起動時に残っているショートカットが呼び出され、エクスプローラーがフォルダーを開いてしまうのです。
つまり多くのケースでは、McAfee の「再起動待ち」を指示するスタートアップ項目が、不要になったのに残っているだけだと考えられます。
なぜフォルダーが開くだけで、何かが実行されるわけではないのか
通常、スタートアップに登録された .lnk(ショートカット)は、リンク先のプログラムを実行します。しかし、McReboot に関しては次のような状況になっていることが多いです。
- リンク先のファイル(McAfee の一時ファイルなど)がすでに存在しない
- ショートカットの設定が壊れている/中途半端に残っている
その結果、Windows は「よくわからないけどこのショートカットのあるフォルダーを開いておくか」と判断し、フォルダーだけが表示される状態になると考えられます。ですので、フォルダーが開くだけで何か怪しいプログラムが実行されている可能性は低めです。
フォルダー内の DLL はウイルスなのか?
フォルダー内に見えることが多いのが、次の 2 つのファイルです。
FileCoAuthLib64.dllFileSyncShell64.dll
名前だけ見ると「なんだか怪しい DLL……」と感じてしまいますが、実際には以下のような性質があります。
| ファイル名 | 主な役割 | 提供元の例 |
|---|---|---|
FileCoAuthLib64.dll | Office 文書の共同編集(Co-Authoring)機能に関わるコンポーネント。 | Microsoft Office / Microsoft 365 |
FileSyncShell64.dll | OneDrive などのファイル同期機能とエクスプローラーの連携を行うシェル拡張。 | OneDrive / Microsoft 365 |
どちらも一般的には正規の Microsoft 製 DLLであり、これ自体がマルウェアである可能性は低いと考えられます。今回の「McReboot フォルダーが勝手に開く」という問題では、たまたまそのフォルダーの中にこれらの DLL が見えているだけ、というケースがほとんどです。
心配な場合は、ファイルのプロパティからデジタル署名の発行元が Microsoft Corporation になっているかを確認してみましょう。Microsoft 署名であれば、少なくとも未知のマルウェアではなく、Office/OneDrive 周辺の正規コンポーネントと考えてよいでしょう。
対処の全体像:やるべきことを整理
細かい操作方法に入る前に、全体の流れを俯瞰しておきます。
| 段階 | 目的 | 主な操作 |
|---|---|---|
| ① 再起動の完了を確認 | McAfee の処理が本当に終わっているか確認する。 | 通常再起動・完全シャットダウン。 |
| ② スタートアップの削除 | McReboot を起動時に呼び出している入り口を消す。 | shell:startup / shell:common startup を確認。 |
| ③ タスク系の残骸を止める | タスクスケジューラ経由で呼び出しているケースに対処。 | タスクスケジューラ/タスクマネージャー。 |
| ④ レジストリの自動起動を掃除 | Run キーに残った自動起動設定を削除。 | レジストリエディターで確認(上級者向け)。 |
| ⑤ フォルダー自体の削除 | 呼び出し元が消えた後、残ったフォルダーを整理。 | エクスプローラー/コマンドプロンプト。 |
| ⑥ McAfee をクリーンアップ | そもそもの元凶である McAfee の残骸を一掃。 | アンインストール+公式クリーンアップツール。 |
次の章から、それぞれのステップを詳しく解説します。基本的には上から順に試していけば OK です。
ステップ①:まずは「再起動待ち」を完了させる
McReboot の名の通り、本来は「再起動したら消える」性格のものです。まずは再起動周りをきちんと行い、単なる一時的な状態ではないか確認します。
通常の再起動を 1~2 回行う
- スタートボタン → 電源アイコン →「再起動」を選択。
- 再起動後も同じフォルダーが開くかどうか確認。
- 念のため 2 回繰り返してもよいです。
ここで解消する場合は、単に前回のアップデートが完了しただけの可能性が高いので、そのまま使って問題ありません。
完全シャットダウン(フル shutdown)を試す
Windows 11 では「高速スタートアップ」によって、再起動やシャットダウンでもカーネルやドライバの情報が一部キャッシュされることがあります。根本的に状態をリセットしたい場合は、完全シャットダウンが有効です。
手順:
- スタートボタン → 電源アイコンをクリック。
- Shift キーを押しっぱなしにしたまま「シャットダウン」をクリック。
- PC の電源が切れたら 10~20 秒ほど待ち、再度電源ボタンで起動する。
これでも直らなければ、「再起動待ちフラグ」が壊れた状態で固定されている可能性が高いので、次のステップに進みます。
ステップ②:スタートアップフォルダーから McReboot を削除する
McReboot のショートカットは、多くの場合 Windows のスタートアップフォルダーに存在します。ここから削除するだけで解決するケースも非常に多いです。
ユーザーごとのスタートアップ(shell:startup)を確認
- Win + R キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開く。
shell:startupと入力して Enter。- 開いたフォルダー内に、次のような名前のショートカットがないか確認。
$McRebootA5E6DEAA56$.lnk$McReboot****.lnk(****はランダムな文字列)McRebootを含む名前のショートカット
- 該当するショートカットがあれば、右クリック →「削除」。
全ユーザー共通のスタートアップ(shell:common startup)を確認
プリインストールされた McAfee などは、全ユーザー共通のスタートアップに登録されていることがあります。
- 再び Win + R を押す。
shell:common startupと入力して Enter。- 同様に
$McRebootで始まるショートカットがあれば削除。
削除したら、一度 Windows を再起動してみてください。これで起動時にフォルダーが開かなくなった場合は、対処完了です。
ステップ③:タスクマネージャーとタスクスケジューラで残骸を止める
スタートアップフォルダーに見当たらない場合、あるいは消してもまだ症状が続く場合は、タスクスケジューラやタスクマネージャーのスタートアップ項目から呼び出されている可能性があります。
タスクマネージャーでスタートアップを確認
- タスクバーの何もないところを右クリック →「タスク マネージャー」。
- 左メニューから「スタートアップ アプリ」を選択。
- 一覧の中から、次のような項目がないか探す。
- 「McAfee」「Mc」「McReboot」を含む名前
- 発行元が「McAfee」「Intel Security」などになっているもの
- 該当するものを選択 → 右下の「無効にする」をクリック。
タスクスケジューラで McAfee 関連タスクを探す
個人端末では、タスクスケジューラに McAfee が独自のタスクを登録していることがあります。
- Win キーを押して「タスク スケジューラ」と入力し、アプリを起動。
- 左側の「タスク スケジューラ ライブラリ」をクリック。
- 中央のタスク一覧から、次のようなタスクを探す。
- 名前に「Mc」「McAfee」「Reboot」「McBoot」などを含むもの
- 実行プログラム欄に
$McRebootを含むパスが書かれているもの
- 怪しいタスクがあれば右クリック →「無効」あるいは「削除」。
注意:企業や学校の PC の場合、ここにあるタスクが組織のポリシーで必要なものの可能性もあります。心当たりがない場合は、むやみに削除せず社内 IT 担当に確認しましょう。
ステップ④:レジストリの Run キーを確認(上級者向け)
スタートアップやタスクからも見つからない場合、レジストリの「Run」キーに自動起動エントリが残っていることがあります。この作業は少し高度で、誤操作はシステムに影響を与えるため、バックアップと自己責任が前提です。
事前準備:復元ポイントを作成しておく
- 検索ボックスに「復元ポイントの作成」と入力 →「復元ポイントの作成」を開く。
- システムドライブ(通常は C:)を選択 →「作成」。
- 任意の名前(例:「McReboot 前」)を付けて復元ポイントを作成。
Run キーの確認手順
- Win + R →
regeditと入力 → Enter。 - ユーザー アカウント制御が出たら「はい」をクリック。
- 次のキーを順番に開く。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunHKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- 右側の一覧から、名前またはデータの中に
McRebootや$McRebootを含む項目がないか確認。 - 該当するエントリがあり、McAfee に関連すると判断できる場合のみ、右クリック →「削除」。
削除後、レジストリエディターを閉じて Windows を再起動し、症状が改善しているか確認します。
ステップ⑤:フォルダー自体を削除する
ここまでの手順で「呼び出し元」をすべて止めておけば、最後にフォルダー自体を消しても問題ないケースがほとんどです。
エクスプローラーから削除する方法
- 問題のフォルダー(例:
C:\$McRebootA5E6DEAA56$)の場所を確認。 - エクスプローラーで該当フォルダーを右クリック →「削除」。
- 「管理者権限が必要」と表示された場合は「続行」を選択。
「アクセスが拒否されました」「削除できません」と表示される場合は、次のコマンドで強制削除を試します。
管理者コマンドプロンプトで削除する方法
- Win キーを押して「cmd」と入力。
- 検索結果の「コマンド プロンプト」を右クリック →「管理者として実行」。
- 次のコマンドを入力して Enter(フォルダー名は実際の名前に合わせて変更してください)。
rmdir /s /q C:\$McRebootA5E6DEAA56$
/s:フォルダー内のファイル・サブフォルダーも含めて削除。/q:確認メッセージを表示しない(quiet モード)。
削除が完了したら、Windows を再起動してフォルダーが再び現れないか確認しましょう。
ステップ⑥:McAfee を「完全」にクリーンアップする
ここまでの対処をしても再発する場合、あるいは「そもそも McAfee をもう使っていない」のに関連ファイルが残っている場合は、McAfee 自体をクリーンアップした方が早い場合があります。
McAfee を使い続ける場合:修復インストール
- McAfee のアプリを起動。
- 設定やヘルプメニューから「修復」や「再インストール」に相当する項目があれば実行。
- 案内に従って再起動を行う。
修復インストールによって内部の再起動待ちフラグがリセットされると、McReboot のショートカットも自然に消えることがあります。
McAfee を使わない場合:アンインストール+クリーンアップツール
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」から McAfee 関連のアプリを探す。
- 「アンインストール」を実行し、再起動。
- McAfee 公式サイトから提供されているクリーンアップツール(例:MCPR、EPR など)を入手。
- 案内に従って実行し、再起動。
プリインストール PC やサブスクリプション契約中の PC では、PC メーカーや McAfee サポートに連絡すると、リモートで削除してもらえることもあります。「起動時に $McReboot… フォルダーが表示され続ける」と具体的に伝えると話が早くなります。
企業・学校など管理端末の場合の注意点
会社や学校の PC では、McAfee が「ePO(McAfee ePolicy Orchestrator)」などの管理サーバーから一括配布されていることがあります。この場合、個人判断で削除してもポリシーにより自動的に再インストールされることがあります。
| 状況 | 推奨対応 |
|---|---|
| ePO 管理下の PC と思われる | McAfee 関連のアンインストールやタスク削除は行わず、IT 部門に相談する。 |
| 自分で削除しても McAfee が復活する | 中央管理サーバーのポリシーの可能性が高いため、自己対応は中止して IT へ連絡。 |
| 業務アプリと McAfee がセットで管理されている | 勝手な削除は業務に影響する可能性があるため、絶対に避ける。 |
企業端末で気になる場合は、次のように伝えるとよいでしょう。
- Windows 11 の起動時に「
$McRebootA5E6DEAA56$.lnk」というフォルダーが毎回開く。 - McAfee のアップデート/アンインストール後から発生している。
- スタートアップやタスクの残骸かもしれないので、対応を相談したい。
安全性についてのまとめ:マルウェアの可能性は低いが「放置はおすすめしない」
ここまでの内容を踏まえると、$McRebootA5E6DEAA56$.lnk フォルダーは一般に次のように評価できます。
- McAfee 系セキュリティソフトが作成した再起動用の目印が残ったもの。
- フォルダー内の DLL(FileCoAuthLib64.dll / FileSyncShell64.dll)は、通常は Microsoft の正規コンポーネント。
- そのため、これが直接マルウェアである可能性は低い。
とはいえ、毎回起動のたびにフォルダーが開くのは明らかに正常な状態ではありませんし、将来的に「本当に怪しいファイル」が紛れ込んだときに気付きにくくなるリスクもあります。できるだけ早めに上記の手順で原因を断ち、起動時は何も開かずにデスクトップが表示される状態に戻すことをおすすめします。
まず試すべき「最短チェックリスト」
ここまでの内容を「まずはここから」という形でチェックリストにまとめます。
- □ 通常の再起動を 2 回試しても症状が続くか確認した。
- □
shell:startupから McReboot 系ショートカットを削除した。 - □
shell:common startupも確認し、同様のショートカットがないかチェックした。 - □ タスクマネージャーの「スタートアップ」で McAfee / 再起動関連項目を無効化した。
- □ タスクスケジューラを確認し、McAfee / Reboot 関連のタスクを無効または削除した。
- □ 可能であれば Run レジストリキー(HKCU / HKLM)を確認し、不審な自動起動を削除した。
- □ フォルダー(例:
C:\$McReboot…$)を削除し、再起動して再発しないことを確認した。 - □ それでも再発する場合、McAfee の修復インストールまたはクリーンアップツールを実行した。
- □ 企業・学校の PC の場合は、自己判断で削除せずに IT 担当へ相談した。
トラブルシューティングの実例イメージ
最後に、よくあるケースを簡単なストーリー形式で紹介します。実際に自分の状況に当てはめながら読んでみてください。
ケース:新品の Windows 11 ノート PC で毎回フォルダーが開く
購入直後のノート PC に試用版 McAfee がプリインストールされており、その後ユーザーが McAfee をアンインストール。しばらくしてから、起動のたびに $McRebootA5E6DEAA56$.lnk フォルダーが開くようになった――というパターンです。
この場合、多くは次の流れで解決します。
shell:startupを開くと、McReboot のショートカットが残っている。- ショートカットを削除 → 再起動。
- フォルダーが開かなくなり、問題解消。
それでも解消しない場合は、タスクスケジューラや Run レジストリキーに McAfee 関連の残骸が残っていることが多く、これらを削除 or 無効化することで根本的に解決できます。
おわりに:McReboot は「McAfee の再起動待ちの置き土産」
$McRebootA5E6DEAA56$.lnk という名前や、フォルダーの中に謎の DLL が見えると、不安になるのは当然です。しかし、正体を知ればそこまで怖がる必要はありません。
- 多くの場合、これは McAfee の再起動処理が中途半端に終了した結果として残った「再起動待ちの置き土産」です。
- フォルダー内の DLL は、Office や OneDrive に関わる Microsoft 製の正規ファイルである可能性が高いです。
- スタートアップやタスク、レジストリから McReboot の呼び出し元を削除し、必要に応じて McAfee をクリーンアップすれば、起動時に勝手にフォルダーが開く現象は解消します。
「ウイルスかもしれない」と慌ててしまう前に、本記事の手順で落ち着いて原因を切り分けてみてください。起動時に余計なフォルダーが開かなくなるだけで、Windows 11 の使い心地はぐっと快適になります。

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