WinREに2026年7月のSafe OS Dynamic Updateが入ったか確認するとき、reagentc /infoで「Enabled」と表示されるだけでは不十分です。reagentc /infoで現在使用中のWinREの場所を特定し、そこにあるwinre.wimをDISMで調べます。
判定基準は、Windows 11 24H2/25H2が10.0.26100.8875、23H2が10.0.22621.7376です。Microsoftも、このWinREバージョンとの照合をKB5101719およびKB5099551の導入確認方法として示しています。(マイクロソフトサポート)
結論:reagentcだけではWinREの版数まで分からない
確認作業は、次の3段階で進めます。
- Windows 11が23H2、24H2、25H2のどれか確認する
reagentc /infoでWinREの有効状態と保存場所を確認する- DISMで
winre.wimのバージョンを取得し、KBの目標値と照合する
reagentc /infoは、Windows REの現在の状態や回復イメージの情報を表示するコマンドです。ただし、7月修正版の判定に必要なWinREの詳細なバージョン番号は表示しません。(Microsoft Learn)
そのため、次の表示だけでは更新済みとは判断できません。
Windows RE status: Enabled
REAGENTC.EXE: Operation Successful.
それぞれの意味は次のとおりです。
| 表示内容 | 分かること | 分からないこと |
|---|---|---|
Windows RE status: Enabled | WinREが有効になっている | 7月修正版かどうか |
Windows RE location | 現在登録されているWinREの場所 | winre.wimの版数 |
Operation Successful | reagentcコマンドが正常終了した | Safe OS更新の導入状況 |
最終判定に使うのは、現在登録されているwinre.wimのバージョンです。
WinREが7月修正版か確認するための判定基準
Microsoftが2026年7月14日付のSafe OS Dynamic Updateで示している目標値は、次のとおりです。(マイクロソフトサポート)
| Windows 11のバージョン | 対象KB | 更新後のWinREバージョン |
|---|---|---|
| 25H2 | KB5101719 | 10.0.26100.8875 |
| 24H2 | KB5101719 | 10.0.26100.8875 |
| 23H2 | KB5099551 | 10.0.22621.7376 |
23H2では、通常のWindows OSビルドとWinREの系列が異なって見えることがあります。Windows 11 23H2の確認中に10.0.22621.xと表示されても、それだけで誤ったWinREとは判断できません。KB5099551が示す正式な目標値は10.0.22621.7376です。
同様に、25H2についても、Windows本体のビルド番号ではなく、KB5101719に記載されたWinREの目標値10.0.26100.8875を基準にします。
reagentcとDISMでWinREのバージョンを確認する手順
Windows 11のバージョンを確認する
最初に、対象PCが23H2、24H2、25H2のどれに該当するか確認します。
Windowsキー + Rを押し、次のコマンドを実行します。
winver
PowerShellで確認する場合は、次のコマンドも利用できます。
Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion' |
Select-Object DisplayVersion, CurrentBuild, UBR
表示されたDisplayVersionに応じて、比較するKBと目標値を選びます。
管理者としてコマンドプロンプトを開く
スタートメニューで「cmd」と検索し、「コマンドプロンプト」を右クリックして「管理者として実行」を選択します。
DISMはWindowsイメージを参照するため、管理者権限で実行する必要があります。(Microsoft Learn)
reagentc /infoでWinREの場所を確認する
次のコマンドを実行します。
reagentc /info
確認するのは、次の2項目です。
Windows RE status: Enabled
Windows RE location: \\?\GLOBALROOT\device\harddisk0\partition5\Recovery\WindowsRE
日本語環境では、項目名の一部が「Windows RE の場所」と表示される場合があります。
Windows RE locationの右側に表示されたパスを、末尾までコピーしてください。ディスク番号やパーティション番号はPCごとに異なります。Microsoftの確認手順でも、reagentc /infoでこの場所を特定してからDISMを実行する流れが示されています。(マイクロソフトサポート)
確認だけであれば、回復パーティションにドライブ文字を割り当てる必要はありません。また、reagentc /disableやreagentc /enableを実行する必要もありません。
DISMでwinre.wimの情報を取得する
先ほど確認した場所の末尾に\winre.wimを追加し、次の形式で実行します。
Dism /English /Get-ImageInfo /ImageFile:"Windows RE location\winre.wim" /Index:1
たとえば、reagentc /infoで次の場所が表示された場合、
\\?\GLOBALROOT\device\harddisk0\partition5\Recovery\WindowsRE
実行するコマンドは次のようになります。
Dism /English /Get-ImageInfo /ImageFile:"\\?\GLOBALROOT\device\harddisk0\partition5\Recovery\WindowsRE\winre.wim" /Index:1
Microsoftの公式手順でも、reagentc /infoで取得したパスを/ImageFileに指定し、/Index:1でWinREイメージを確認しています。標準的なファイル名はwinre.wim、インデックスは1ですが、カスタマイズされた環境では異なる場合があります。(マイクロソフトサポート)
/Englishは、DISMの出力項目を英語に統一するためのオプションです。複数言語のPCをスクリプトで一括確認するときに、項目名の違いによる解析失敗を減らせます。(Microsoft Learn)
DISMの結果からWinREバージョンを読み取る方法
DISMの結果では、WinREのバージョンが次のように2つの項目へ分かれて表示されます。
Version : 10.0.26100
ServicePack Build : 8875
この場合、2つを組み合わせた次の値がWinREバージョンです。
10.0.26100.8875
23H2で次のように表示された場合、
Version : 10.0.22621
ServicePack Build : 7376
WinREバージョンは次のとおりです。
10.0.22621.7376
Microsoftの掲載例でも、VersionとServicePack Buildを組み合わせて、10.0.22621.4742のような完全なWinREバージョンを判定しています。
DISMツール自体のバージョンと間違えない
DISMの出力上部には、次のようにDISMツール自体のバージョンも表示されます。
Deployment Image Servicing and Management tool
Version: 10.0.26100.xxxx
これはWinREのバージョンではありません。
確認するのは、出力の中ほどにあるイメージ詳細の次の項目です。
Version
ServicePack Build
上部の「DISMツールのVersion」だけを管理台帳へ登録すると、7月修正版が未導入でも更新済みと誤判定する可能性があります。
WinREバージョンの判定方法
取得した値は、次の基準で判定します。
| 確認結果 | 判定 |
|---|---|
24H2/25H2で10.0.26100.8875 | KB5101719の7月版と一致 |
23H2で10.0.22621.7376 | KB5099551の7月版と一致 |
| 同じ系列で末尾が目標値より小さい | 7月版未満 |
| 同じ系列で末尾が目標値より大きい | 後続のSafe OS更新が導入された可能性 |
| OSとWinREの系列が一致しない | 構成不整合や誤ったイメージを要確認 |
| バージョンを取得できない | WinREの場所、ファイル、インデックスを要確認 |
たとえば、24H2で10.0.26100.8800だった場合、8875へ達していないため7月修正版とは判定しません。
後日、同じ系列のより新しいSafe OS更新が公開され、10.0.26100.9000のような値になった場合は、7月版へ戻す必要はありません。最新KBの目標値を確認し、後続版として管理します。KB5101719とKB5099551は適用後にWindowsイメージから削除できない更新として案内されているため、安易なロールバックは避けるべきです。(マイクロソフトサポート)
WinREAgentのイベントでも更新結果を確認できる
Windows Update経由でWinREが更新された場合は、イベントビューアーも確認材料になります。
- スタートメニューで「イベントビューアー」を開く
- 「Windowsログ」から「システム」を開く
- 右側の「検索」を選択する
WinREAgentを検索する- イベントID 4501のServicing succeededイベントを確認する
正常に更新されたイベントには、次のようなメッセージとWinREバージョンが記録されます。
Servicing succeeded.
The Windows Recovery Environment version is now: 10.0.xxxxx.xxxx
Microsoftは、Windows UpdateによるWinRE更新についてイベントID 4501を確認方法の一つとして示しています。一方、DISMで手動適用した場合や、イベントがログ保持期間を過ぎている場合は、winre.wimをDISMで直接確認する方法が推奨されています。(マイクロソフトサポート)
イベントログは「更新処理が成功したこと」の確認に向いていますが、現在登録されているWinREの最終状態を調べる場合は、reagentc /infoとDISMの組み合わせが確実です。
管理インベントリ用にWinREバージョンを取得するPowerShell
複数のPCを管理する場合は、OSのバージョン、WinREの場所、実際のWinREバージョン、目標値、判定結果を同じレコードに保存します。
以下は、Microsoft公式のDISM確認方法を管理インベントリ向けに整理した例です。
# 管理者またはSYSTEM権限で実行
$ErrorActionPreference = 'Stop'
$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'
$displayVersion = [string]$cv.DisplayVersion
$targetText = @{
'23H2' = '10.0.22621.7376'
'24H2' = '10.0.26100.8875'
'25H2' = '10.0.26100.8875'
}[$displayVersion]
$kb = @{
'23H2' = 'KB5099551'
'24H2' = 'KB5101719'
'25H2' = 'KB5101719'
}[$displayVersion]
# reagentcの出力を取得
$reagentText = (& reagentc.exe /info 2>&1 | Out-String)
$winreStatus = if (
$reagentText -match '(?im)Windows RE status\s*:\s*Enabled'
) {
'Enabled'
} elseif (
$reagentText -match '(?im)Windows RE status\s*:\s*Disabled'
) {
'Disabled'
} else {
'Unknown'
}
# 表示言語に依存せず、GLOBALROOT形式のパスを抽出
$locationMatch = [regex]::Match(
$reagentText,
'\\\\\?\\[^\r\n]+?\\Recovery\\WindowsRE',
[System.Text.RegularExpressions.RegexOptions]::IgnoreCase
)
if (-not $locationMatch.Success) {
throw 'reagentc /infoからWindows RE locationを取得できません。'
}
$winreLocation = $locationMatch.Value.Trim()
$winreWim = "$winreLocation\winre.wim"
# /EnglishでDISMの項目名を固定
$dismText = (
& dism.exe /English /Get-ImageInfo "/ImageFile:$winreWim" /Index:1 2>&1 |
Out-String
)
$dismExitCode = $LASTEXITCODE
if ($dismExitCode -ne 0) {
throw "DISMの実行に失敗しました。ExitCode=$dismExitCode`n$dismText"
}
# DISMツールのVersionではなく、イメージ詳細の3桁版数を取得
$baseMatch = [regex]::Match(
$dismText,
'(?m)^\s*Version\s*:\s*(\d+\.\d+\.\d+)\s*$'
)
$servicePackMatch = [regex]::Match(
$dismText,
'(?m)^\s*ServicePack Build\s*:\s*(\d+)\s*$'
)
if (-not $baseMatch.Success -or -not $servicePackMatch.Success) {
throw 'DISMの出力からWinREバージョンを取得できません。'
}
$winreVersionText = '{0}.{1}' -f `
$baseMatch.Groups[1].Value,
$servicePackMatch.Groups[1].Value
$winreVersion = [version]$winreVersionText
$targetVersion = if ($targetText) {
[version]$targetText
} else {
$null
}
$result = if ($null -eq $targetVersion) {
'対象外または基準未定義'
} elseif (
$winreVersion.Major -ne $targetVersion.Major -or
$winreVersion.Minor -ne $targetVersion.Minor -or
$winreVersion.Build -ne $targetVersion.Build
) {
'WinRE系列不一致・要確認'
} elseif ($winreVersion.Revision -eq $targetVersion.Revision) {
'2026年7月版と一致'
} elseif ($winreVersion.Revision -gt $targetVersion.Revision) {
'同系列の後続版'
} else {
'2026年7月版未満'
}
[pscustomobject]@{
ComputerName = $env:COMPUTERNAME
OSDisplayVersion = $displayVersion
OSBuild = "$($cv.CurrentBuild).$($cv.UBR)"
TargetKB = $kb
WinREStatus = $winreStatus
WinRELocation = $winreLocation
WinREVersion = $winreVersionText
TargetVersion = $targetText
Result = $result
}
このスクリプトでは、単純にバージョン全体の大小だけを比較せず、10.0.22621や10.0.26100という系列も確認しています。
たとえば、23H2端末で誤って10.0.26100.xが取得された場合、数値としては目標値より大きくても「更新済み」とせず、「系列不一致・要確認」と判定します。
Microsoftが掲載しているGetWinReVersion.ps1はWinREイメージをマウントして調べる方式ですが、掲載例では4890のように末尾のServicePack Buildだけが表示されます。管理インベントリでは、DISMのVersionとServicePack Buildを取得して完全な版数にする方が、OS系列との照合やCSV集計に適しています。(マイクロソフトサポート)
確認時に起こりやすい失敗
| 症状 | 主な確認ポイント |
|---|---|
Windows RE status: Disabled | 更新版数以前に、WinREが無効になっている原因を確認する |
Windows RE locationが空欄 | WinREイメージの登録状態やファイルの存在を確認する |
| DISMでファイルが見つからない | パスの転記、winre.wimの名前、インデックス番号を確認する |
| DISMでアクセス拒否になる | 管理者として実行しているか確認する |
| すべての端末が同じWinRE版になる | DISMツール自体のVersionを収集していないか確認する |
23H2で22621が表示される | KB5099551の目標値も22621.7376であり、表示だけで異常と判断しない |
| 後続版が未準拠になる | 完全一致だけでなく、同一系列の後続版を区別する |
Windows RE status: Disabledや場所が空欄の場合は、「7月版未導入」と単純に処理するより、「WinRE構成を確認できない端末」として別管理する方が適切です。
無効状態のままでは、障害時に詳細スタートアップや回復機能を利用できない可能性があるため、更新準拠とは別にWinRE構成の修復が必要です。
7月修正版へ達していない場合の対応
Microsoft公式ページでは、KB5101719とKB5099551について、Windows Updateからの自動配信とMicrosoft Update Catalogからのスタンドアロンパッケージ提供が案内されています。一方、Windows Server Update Servicesは利用不可と記載されています。(マイクロソフトサポート)
未達だった場合は、次の順序で対応します。
- 「設定」から「Windows Update」を開く
- 更新プログラムのチェックを実行する
- 組織管理端末では、実際に利用している更新チャネルを確認する
- 必要に応じてMicrosoft Update Catalogのパッケージを検討する
- 更新後、
reagentc /infoとDISMを再実行する
Safe OS更新を手動でWinREへ組み込む場合は、通常のMSUをWindows本体へ実行するだけでなく、Microsoftが示すWinREイメージへの更新手順に従う必要があります。WinREのマウント、パッケージ適用、コミット、BitLockerまたはデバイス暗号化を考慮した再登録などが含まれるため、回復パーティションを独自手順で直接編集するのは避けてください。(Microsoft Learn)
KB5101719とKB5099551自体については、前提条件はなく、適用後の再起動も不要と案内されています。ただし、同時に別のWindows更新が入った場合は、その更新によって再起動を求められることがあります。(マイクロソフトサポート)
まとめ
WinREが2026年7月修正版か確認するには、reagentc /infoだけで判定せず、次の順序で確認します。
winverなどで23H2、24H2、25H2を特定するreagentc /infoでWinREがEnabledか確認するWindows RE locationを取得する- DISMで
winre.wimのVersionとServicePack Buildを確認する - KB5101719またはKB5099551の目標値と照合する
現在の判定基準は、24H2/25H2が10.0.26100.8875、23H2が10.0.22621.7376です。
端末管理では、OSバージョン、WinREの有効状態、場所、実際の版数、目標版数を同じインベントリに保存します。これにより、「WinREは有効だが古い」「場所が取得できない」「後続版が導入されている」といった状態を正しく切り分けられます。

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