Windows 11 24H2でWordPadが消えた場合の対処法|再インストールの可否とRTFの移行手順

Windows 11 の更新後に WordPad(ワードパッド)が見つからなくなった場合、24H2 以降ではアプリの削除が理由として考えられます。WordPad は Windows 11 バージョン 24H2 から削除されており、Microsoft がサポートする再インストール手順は提供されていません。非公式の復元用ファイルを探すよりも、残っている文書を対応アプリで開く方法を確認しましょう。

この記事では、Microsoft の公式案内と代替アプリの公開資料を基に、RTF・DOCX・TXT の違い、Word と LibreOffice Writer の選び方、元ファイルを残した移行手順を説明します。対象は Windows 11 24H2 以降です。個別の文書が必ず開けることや、変換前後のレイアウトが一致することを保証するものではありません。

目次

1. WordPad はいつ削除されたのか

Microsoft の非推奨機能一覧では、WordPad の非推奨化の告知日は 2023 年 9 月 1 日、24H2 から削除する方針の追記は 2024 年 3 月とされています。現在の削除済み機能一覧は、Windows 11 24H2 と Windows Server 2025 以降のすべてのエディションから削除されたと案内しています。非推奨化の告知と、製品からの削除は分けて捉えてください。

開発者・管理者向けの公式資料には、削除対象として wordpad.exe、wordpadfilter.dll、write.exe が挙げられています。業務アプリやショートカットがこれらのファイルを直接呼び出している場合は、呼び出し先の見直しも必要です。

確認した公式案内からは、開発リソースの集中やクラウド連携の一本化といった個別の廃止理由までは断定できません。本記事では、そのような推測を Microsoft の説明として扱いません。

2. 「安全に再インストールできる」と案内できない理由

Microsoft は、削除に向けた2024 年 1 月の Insider Preview の案内でも、WordPad は再インストールできなくなると説明しています。これは当時のプレビュー版についての発表ですが、現在の製品版での削除は前節の公式一覧で確認できます。古い Windows 向けの「オプション機能から追加する」手順を、24H2 以降の復元手順として使用しないでください。

旧 OS から実行ファイルを取り出す方法や、第三者が配布する ZIP・インストーラーは、Microsoft のサポートする再導入方法ではありません。仮に起動できても、今後の互換性、更新の適用、配布元の信頼性や再配布の権利まで確認できたことにはなりません。ウイルススキャンで検出されなかったことや、署名があることだけで安全性を保証することもできません。

  • 非公式 WordPad の導入や組織への一括配布は勧めません。Intune などでパッケージ化しても、元のソフトのサポート状況や安全性が変わるわけではありません。
  • SmartScreen、ウイルス対策、組織の実行制限を回避して起動しないでください。
  • WordPad を戻すためだけに Windows の更新を止めたり、旧 OS へ戻したりするのではなく、対応アプリへの移行を検討してください。

3. ファイル形式で代替アプリを選ぶ

Microsoft は、.doc や .rtf のリッチテキスト文書には Word、.txt のプレーンテキスト文書にはメモ帳を案内しています。RTF は書式を持つ文書形式であり、TXT と同じ扱いにはできません。TXT として保存すると書式が失われます。形式の違いはMicrosoft のファイル形式リファレンスでも確認できます。

やりたいこと候補注意点
RTF や DOCX を編集・印刷したいサポート対象のデスクトップ版 Microsoft WordRTF と DOCX を扱えます。元の作成アプリと表示・印刷結果が一致するかは、実際の文書で確認します。
無償のデスクトップアプリで RTF を扱いたいLibreOffice WriterRTF の読み込み・保存に対応し、DOCX と ODT も扱えます。すべての書式・機能の互換性を保証するものではありません。
書式のない TXT を編集したいメモ帳RTF 文書の書式を保った編集の代わりにはなりません。RTF を開いて制御用の文字列が見えても、そこで上書きしないでください。
確認済みの見た目で配布・保管したい対応アプリから PDF を出力PDF は配布用の選択肢です。変換結果を確認し、再編集用の原本も別に残します。

3-1. Word はサブスクリプションだけではない

デスクトップ版 Word の利用方法には、対象の Microsoft 365 プランのほか、Office 2024 などの買い切り製品や Word 単体の購入もあります。すでに勤務先・学校から利用権が付与されている場合もあるため、追加購入の前に確認しましょう。Microsoft 365 という名称だけでデスクトップアプリが使えると判断せず、対象プラン、利用台数、業務利用の条件を確認してください。選択肢はMicrosoft の Microsoft 365 と Office 2024 の比較で案内されています。

無料の Web 版 Word はデスクトップ版と同じではありません。Microsoft のWeb 版とデスクトップ版の違いでは RTF は非対応形式として挙げられています。RTF を直接開く代替として案内せず、必要なら対応するデスクトップアプリでコピーを DOCX に変換し、内容を確認してから利用します。クラウドへ保存してよい文書かも先に確認してください。

3-2. LibreOffice Writer を使う場合

LibreOfficeは無償のオープンソースのオフィスソフトです。Writer のインポート・エクスポートの公式ヘルプには、RTF の読み込みと書き出し、および Word 形式との変換時に一部の属性が失われる可能性が記載されています。「対応形式」であることと「完全に同じ文書になる」ことは別です。

導入する場合は公式サイトまたは組織が承認した配布元を使い、使用する Windows と CPU アーキテクチャに適した版を選んでください。本記事では、現行環境での対応・保守状況を確認していないアプリを、WordPad と同等に使える代替として推薦しません。

4. 元ファイルを残して開き、既定のアプリを設定する

  1. 対象ファイルを確認する。保存先と拡張子を確認し、RTF、DOCX、TXT を区別します。アプリのアイコンが変わっただけなのか、ファイル自体が見つからないのかも切り分けます。
  2. 作業用コピーを用意する。元のファイルをバックアップし、編集・変換は別名のコピーで行います。受信した文書は送信元を確認し、出所の不明なものを無理に開かないでください。
  3. 対応アプリからコピーを開く。まず Word または Writer の「開く」から対象を選びます。正常に読めるかを確かめてから、ダブルクリック時のアプリを設定します。
  4. 拡張子ごとに関連付ける。Windows の「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」で .rtf を検索し、利用するアプリを選びます。.docx や .txt は別に確認します。管理端末で変更できない場合は管理者へ相談してください。
  5. 再度開いて確認する。別名で保存した文書を閉じて開き直し、必要な書式と内容が残っているか確認します。

既定アプリの操作はMicrosoft の案内に基づきます。関連付けを変えても、文書の形式そのものは変わりません。また、ファイル名の末尾を .rtf から .docx に変更するだけでは変換になりません。

5. RTF・DOCX が開けないときの切り分け

「開けない」「文字が読めない」「レイアウトが違う」は、同じ問題とは限りません。エラーの全文、拡張子、作成元アプリ、使用中のアプリとそのバージョンを記録し、次のように分けて確認します。特定の変換方法で必ず直るとは限りません。

症状確認と対応
ダブルクリックでアプリが起動しない対応アプリの「開く」から作業用コピーを選びます。開ける場合は関連付けを見直します。
ファイルが破損していると表示されるバックアップや送信元の原本を確認します。Word では「開いて修復」を試せる場合がありますが、原本ではなくコピーを対象にします。復旧できる保証はありません。
保護ビューや組織の制限で編集できない互換性エラーと決めつけず、表示された警告と送信元を確認します。保護設定を一律に無効化したり、別アプリで制限を回避したりせず、管理者に相談します。
文字・記号が読めないTXT なら文字コードの違い、書式付き文書なら必要なフォントや変換時の差異などを調べます。フォント不足と文字コードの問題を同一視しないでください。
改ページ、表、画像の位置が変わる用紙サイズ、余白、フォント、行間、表や画像の配置を元の出力と比較します。見た目を確認せず、変換結果で原本を上書きしないでください。
埋め込みオブジェクトや外部リンクが使えない元文書で何が必要かを確認し、作成者や管理者に相談します。不明なリンクや埋め込み内容を有効化して解決を試みないでください。
古い Office で DOCX が読めない古い互換機能パックの追加を前提にせず、組織で利用可能なサポート対象のアプリで確認します。必要な交換形式は相手と合意します。

Word の修復機能は「ファイル」→「開く」→「参照」でファイルを選び、「開く」の横の矢印から「開いて修復」を選ぶ方法です。詳細はMicrosoft の破損ファイルの案内を参照してください。メニュー表示は版や環境によって異なることがあります。

保護ビューは、信頼できない文書による危険を減らすための仕組みです。警告を消すこと自体を解決目標にしないでください。音声入力ソフトなどと組み合わせたときだけ問題が起きる場合も、別の軽量エディタで必ず回避できるとは限りません。OS、Word、音声入力ソフトそれぞれの対応バージョンを提供元に確認します。

6. RTF から移行するときの保存形式と確認項目

RTF を今すぐすべて変換する必要はありません。対応アプリで利用を続ける方法もあります。移行する場合は、文書を今後編集するのか、相手と交換するのか、確定版を保管するのかによって形式を選びます。

  • DOCX:Word を中心に編集・交換する文書の候補です。相手のアプリでも開いて確認してください。
  • ODT:Writer を中心に編集する文書の候補です。別のアプリとの往復変換では、対応しない機能や書式の変化に注意します。
  • PDF:確認済みの確定版を配布する場合の候補です。編集用文書の代わりとして一つだけ残すのではなく、原本と併せて管理します。
  • TXT:文字だけを取り出したい場合に限ります。太字、文字色、表の体裁や画像を保存する形式ではありません。

Writer の DOCX・RTF などへの保存と PDF 出力については、LibreOffice のファイル形式・書き出しガイドで確認できます。PDF/A などの保存要件が組織で決まっている場合は、その基準と検証方法に従ってください。拡張子を変えただけで長期保存やアクセシビリティの要件を満たしたことにはなりません。

移行の進め方

  1. 文書を分類する。日常的に編集する文書、テンプレート、参照だけの記録に分けます。所有者と保存期限がある場合は併せて整理します。
  2. 代表例で試す。短い文章だけでなく、表、画像、日本語の特殊な文字、複雑な段落設定を含む文書を選びます。
  3. コピーを別形式・別名で保存する。元の RTF と変換後ファイルを別の場所に置き、どの原本から作ったか分かるようにします。
  4. 再オープンと出力を確認する。保存直後の画面だけでなく、閉じて開き直した文書と印刷プレビューを確認します。重要な帳票は実際の出力も確認対象にします。
  5. 確認済みのものから切り替える。問題のあるファイルは原本を保持して個別対応します。全件を一括変換してから原本を削除する運用は避けてください。
確認する対象チェック例
本文文字抜け、記号、文字化け、段落順、検索で見つかる本文
体裁ページ数、改行と改ページ、用紙サイズ、余白、行間、箇条書き
フォント置換された書体、文字幅の変化、必要な日本語文字の表示
表と画像セルの内容、列幅、画像の欠落・位置・縦横比
付随情報元文書にあるヘッダー・フッター、リンク、フィールド、埋め込み内容など、業務で必要な情報
配布・保存保存先の権限、ファイル名、原本との対応、意図しない個人情報やコメントの混入

大量の文書を扱う場合も、最初に代表例と出力先を決めて小規模に確認します。自動変換の「成功」やファイルの生成だけでは、内容・書式が正しく移行できた証拠にはなりません。エラー記録と人による確認を組み合わせ、外部のオンライン変換サービスへ機密文書を無断でアップロードしないでください。

7. 企業・学校では管理者が承認した方法へ移行する

管理対象端末では、担当者が承認した Word または Writer などを利用します。配布前にライセンス、対応 OS・CPU、更新方法、既定アプリ設定、代表文書の表示と印刷、支援技術との組み合わせを確認してください。Intune やグループポリシーの利用有無だけで、アプリや文書の安全性・互換性が保証されるわけではありません。

学校 PC で権限がない場合は、先生や管理者に RTF を編集する目的を伝え、許可されたアプリや利用可能な端末を案内してもらいましょう。USB から未承認のポータブルアプリを起動して制限を回避したり、利用した痕跡を隠したりする方法は採りません。

業務システムが WordPad を固定で呼び出している場合は、単に実行ファイルを戻すのではなく、システムの提供元に対応を確認します。文書の形式に合ったアプリで開く設計への見直しと、利用者向け手順の更新を一緒に進めてください。

8. よくある質問

Q. WordPad が消えたら、作成済みの文書もなくなりますか?

アプリが見つからないことだけで、文書が削除されたとは判断できません。まず保存先やバックアップを確認し、残っている RTF・DOCX・TXT を対応アプリで開いてください。ファイル自体が見つからない場合は、アプリの関連付けではなく保存先やバックアップの問題として調べます。

Q. 無料で RTF を編集できますか?

候補の一つは LibreOffice Writer です。RTF の読み込みと保存に対応しますが、原本のコピーで必要な書式が維持されるか確認してください。メモ帳や Web 版 Word を、そのまま同じ用途の代わりにはできません。

Q. 非公式版なら今後の Windows Update 後も使えますか?

継続動作や更新の影響を保証できません。本記事では非公式版の導入は案内せず、現在利用できる対応アプリへの移行を勧めます。

Q. ARM 版 Windows では何を使えばよいですか?

WordPad の削除を CPU の種類で回避できるとは考えないでください。代替アプリについて、その提供元が公開する最新の対応 OS・アーキテクチャ・必要条件を確認し、組織の配布方法に従います。旧 WordPad バイナリやエミュレーションでの印刷の可否を本記事では検証していません。

9. まとめ

  • WordPad は Windows 11 24H2 以降から削除されており、非公式な復元方法を「安全な再インストール」として案内することはできません。
  • RTF・DOCX は対応するデスクトップ版 Word や LibreOffice Writer、TXT はメモ帳など、形式に合ったアプリを選びます。
  • Word の購入方法はサブスクリプションだけではありません。既存の利用権と買い切り製品も含めて確認してください。
  • 関連付けの変更と形式変換は別です。作業用コピーで開き、別名保存、再オープン、表示・印刷の確認を行います。
  • 企業・学校では管理者の承認に従い、保護機能の無効化や未承認アプリによる制限回避を行わないでください。

確認日:2026 年 10 月 20 日。公式資料の確認に基づく解説です。特定の Windows 端末でのインストール、文書変換、印刷の実機検証は行っていません。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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