Windows 11でコア分離の設定が出ないときは、まず 「PC側の要件不足」、「UEFI/BIOSで仮想化やSecure Bootが無効」、「会社や学校の管理ポリシーで制御されている」 の3つを疑うのが近道です。Windows セキュリティのコア分離ページは、Windows のバージョンや搭載ハードウェアによって見える項目が変わるため、他人の画面と同じにならなくても不思議ではありません。この記事では、「項目そのものが出ない」「ページが開けない」「トグルだけ押せない」を分けて、最短で切り分ける手順と、うまくいかないときの復旧方法まで整理します。 (マイクロソフト サポート)
まずは症状を切り分ける
| 状況 | 確認候補 | 最初に見る場所 |
|---|---|---|
| 「コア分離」自体が見当たらない | ハードウェア要件不足、BIOS設定 | Windows セキュリティ > デバイス セキュリティ > ハードウェア セキュリティ機能 |
| ページが開かず、設定画面に進めない | 管理ポリシー、要件、Windows セキュリティの状態 | UEFI/BIOS と組織管理の有無 |
| メモリ整合性だけグレーアウトしている | GPO・Intune・レジストリ管理 | 「管理者によって管理」系の表示、過去の設定変更 |
| トグルはあるのにオンにできない | 互換性のないドライバー | Windows Update、メーカー配布ドライバー、不要な機器・アプリ |
この切り分けは、Microsoft が案内している表示条件、組織管理時の制限、ドライバー互換性の扱いをもとに、実務向けに整理したものです。 (マイクロソフト サポート)
コア分離とメモリ整合性の違いを先に押さえる
検索では「コア分離の設定が出ない」と表現されがちですが、実際に探しているのは コア分離ページ内の「メモリ整合性」トグル であることが多いです。コア分離は、Windows の中核部分を仮想化された領域で保護する考え方で、メモリ整合性はその代表的な保護機能です。つまり、コア分離が見えない問題 と メモリ整合性がオンにできない問題 は、似ていても原因が少し違います。 (マイクロソフト サポート)
Windows 11でコア分離の設定が出ない主な原因
ハードウェア要件を満たしていない
コア分離やメモリ整合性は、土台として VBS(仮想化ベースのセキュリティ)を使います。Microsoft Learn では、VBS に 64ビットCPU、仮想化拡張、SLAT、IOMMU/SMMU、TPM 2.0、適切なファームウェア条件が必要だと案内しています。Windows セキュリティ側でも、「標準ハードウェア セキュリティがサポートされていません」と表示される場合は、少なくとも標準要件のどれかを満たしていません。 (Microsoft Learn)
また、Windows セキュリティの「標準ハードウェア セキュリティ」の説明では、コア分離とメモリ整合性をサポートし、さらに TPM 2.0、Secure Boot、DEP、UEFI MAT がそろっていることが前提です。古いPCや、CPU・マザーボード・ファームウェア構成が中途半端なPCでは、ここで引っかかりやすいです。 (マイクロソフト サポート)
UEFI/BIOSで仮想化やSecure Bootが無効になっている
Microsoft Support では、メモリ整合性を使うには UEFI/BIOS でハードウェア仮想化を有効にする必要がある と明記しています。さらに、ハードウェア セキュリティ機能が不足している場合は、Secure Boot などのハードウェア機能を有効にするか、BIOS 設定を見直す必要があると案内しています。つまり、Windows 側だけ触っていても、表示が戻らないことがあります。 (マイクロソフト サポート)
会社や学校のPCで、設定画面自体が制御されている
Microsoft Support は、組織で管理されているデバイスでは Windows セキュリティの一部ページや機能が利用できないことがある としています。加えて、Microsoft Learn ではメモリ整合性を GPO、Intune/CSP、レジストリで構成できると説明しています。会社PCでコア分離が見えない、トグルが押せない、設定が戻される場合は、個人で直そうとするより管理者に確認したほうが早いケースが多いです。 (マイクロソフト サポート)
個人PCでも、過去にセキュリティ強化ツールやレジストリ変更を試したあとだと、似た状態が残ることがあります。これは Microsoft が同機能をポリシーやレジストリで制御できるとしていることから見ても、十分あり得るパターンです。 (Microsoft Learn)
Windowsのバージョンや画面差で、見え方が違う
Microsoft Support は、コア分離ページに表示される機能は、Windows のバージョンと搭載ハードウェアによって異なる と説明しています。ネット記事のスクリーンショットと自分のPCの画面が違うだけで、すぐに故障や不具合と決めつけないほうが安全です。特に古い解説記事を見ると、項目名や警告の出方が今の Windows 11 と微妙に違うことがあります。 (マイクロソフト サポート)
最短で直す確認手順
| 確認場所 | 何を見るか | 次の判断 |
|---|---|---|
| Windows セキュリティ > デバイス セキュリティ | ハードウェア セキュリティ機能の文言 | 「標準ハードウェア セキュリティがサポートされていません」なら要件・BIOSへ |
| UEFI/BIOS | 仮想化、Secure Boot | 機種別要件・回復キーを確認してから変更 |
| 管理者権限の PowerShell / msinfo32 | VBS の状態 | VBSとHVCIの設定済み・実行中を分けて確認 |
| GPO / レジストリ | HVCI / VBS の構成 | 会社PCなら管理者へ、個人PCなら設定整理 |
| Windows Update / メーカー配布ドライバー | 互換性のないドライバー | トグルはあるのにオンにならない時に確認 |
この順番なら、いきなりレジストリを触って遠回りする失敗を減らせます。 (マイクロソフト サポート)
Windows セキュリティで現状を確認する
最初に開く場所は、Windows セキュリティ > デバイス セキュリティ です。ここで見るべきなのは、コア分離の有無そのものより、「ハードウェア セキュリティ機能」欄のメッセージ です。「標準ハードウェア セキュリティがサポートされていません」なら、Windows の画面を修復するより先に、要件やBIOS設定を確認したほうが解決に近づきます。 (マイクロソフト サポート)
UEFI/BIOSで仮想化とSecure Bootを確認する
確認したいのは、主に CPU仮想化 と Secure Boot です。仮想化が無効なままだと、メモリ整合性は前提を満たせません。Secure Boot も標準ハードウェア セキュリティの構成要素として扱われています。変更前にBitLocker回復キーを確認し、PCメーカーの機種別手順に従います。TPMのクリアや無関係な起動・ストレージ設定の変更はしません。必要な設定だけ変更した後、再起動して表示を確認します。 (マイクロソフト サポート)
ここで大事なのは、BIOSを開いたら何でも有効化するのではなく、仮想化と Secure Boot を中心に確認すること です。無関係な設定まで動かすと、別のトラブルを増やしがちです。 (マイクロソフト サポート)
PowerShellか msinfo32 で裏取りする
Windows の見た目だけでは判断しにくい場合、Microsoft Learn は Win32_DeviceGuard と msinfo32.exe を確認手段として案内しています。管理者権限の PowerShell なら、次のコマンドで VBS とメモリ整合性の状態を確認できます。 (Microsoft Learn)
Get-CimInstance -ClassName Win32_DeviceGuard -Namespace root\Microsoft\Windows\DeviceGuard
特に見たいのは VirtualizationBasedSecurityStatus です。意味は次のとおりです。 (Microsoft Learn)
0:VBSは有効になっていない。
1:VBSは有効だが実行されていない。
2:VBSは有効で実行中。
この値だけでは原因やHVCIの稼働を確定できません。0でも単に未設定の場合があり、要件不足とは限りません。2はVBSの実行状態で、メモリ整合性そのものの実行証明ではありません。HVCIは SecurityServicesConfigured に2が含まれるか(設定済み)、SecurityServicesRunning に2が含まれるか(実行中)を区別します。配列なので、他の値と並んでいる場合もあります。msinfo32のシステムの概要でもVBS関連情報を確認できます。値の意味はMicrosoft Learnで確認してください。
GPOやレジストリは、表示修復と機能の有効化を混同しない
Microsoft LearnにはGPO・Intune・レジストリからHVCIを構成する方法がありますが、機能を有効にする設定は、消えた画面を修復するコマンドではありません。個人PCでも、要件とドライバーの互換性を確認しないまま一括投入しないでください。
組織管理の有無、過去に変更した設定、画面のエラー文を先に確認します。個人で変更した設定が原因なら、変更前の記録と公式仕様を照合し、対象だけを戻すことを検討します。レジストリ変更にはバックアップと回復手段を準備し、不明なキーを削除しません。管理端末の制限は回避せず管理者へ相談します。
MicrosoftのHVCI構成手順ではUEFIロックの有無でも解除方法が変わります。画面がないことへの応急処置として、有効化やロック状態を変更するのではなく、必要な構成を確認してください。
トグルはあるのにオンにできないなら、ドライバーを疑う
ここは「設定が出ない」問題と似ていますが、対処は別です。Microsoft Support は、メモリ整合性をオンにできない場合、互換性のないデバイスドライバーが入っている可能性 を案内しています。対処はシンプルで、まず Windows Update やメーカーサイトで互換ドライバーを探す、見つからなければ使用製品と必要性を確認し、メーカーへ相談します。不要な製品と確認できた場合だけ正式なアンインストールを検討し、ドライバーファイルを手動で消しません。 (マイクロソフト サポート)
どうしても古い機器やソフトを使う必要があり、互換ドライバーもない場合は、一時的にメモリ整合性をオフにする判断もあり得ます。ただし Microsoft は、Secured-core PC ではメモリ整合性をオフにするとその保護状態から外れると警告しています。常用する前提ではなく、暫定回避 と考えたほうが安全です。 (マイクロソフト サポート)
起動しなくなった・不安定になったときの復旧手順
有効化後に起動障害が出た場合は、表示問題の調査より起動回復を優先します。BitLocker回復キーを準備し、停止コードと直前の変更を記録してください。管理端末では管理者の指示に従います。
Microsoft Learnの回復案内には、VBS/HVCIを有効にするポリシーの扱い、Windows REでの設定、UEFIロック時の追加条件があります。回復環境と通常Windowsでは対象の確認が必要なため、レジストリの1行だけを万能な修復手順として実行しないでください。PCメーカーや管理者に、暗号化・ロック状態と対象OSを確認してもらう方法もあります。
詳しい切り分けは、メモリ整合性を有効にするとBSODになる場合の対処で説明しています。
失敗しやすいポイント
- 他人の記事の画面と違うだけで、Windows セキュリティの故障だと決めつける
- 会社PCで、管理ポリシーを確認せずにレジストリ変更から始める
- トグルはあるのにオンにできないのに、ドライバー確認を後回しにする
- UEFIロックの意味を理解しないまま、有効化手順をそのまま実行する
この4つは特にハマりやすい点です。Microsoft の説明を並べて読むと、表示の有無は要件・ハードウェア・管理状態の影響を受けやすく、オンにできない問題ではドライバー互換性も確認対象になる ことが分かります。 (マイクロソフト サポート)
迷ったら、この順で進めれば外しにくい
結論として、Windows 11でコア分離の設定が出ないときは、Windows セキュリティの表示確認 → BIOS の仮想化と Secure Boot → 管理ポリシーの有無 → ドライバー確認 → 解消しなければエラーと構成を整理してサポートへ相談 の順で確認できます。最初からアプリ修復やレジストリ変更に入るより、「そのPCに表示される前提があるか」 を先に確かめたほうが、無駄がありません。次にやることはひとつで、まず Windows セキュリティ > デバイス セキュリティ を開き、ハードウェア セキュリティ機能の表示 を確認してください。そこが、最短で正しい分岐に入る起点になります。 (マイクロソフト サポート)


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