Teamsの録画・文字起こしがロックされる原因と直せる人|会議ポリシー確認手順

Microsoft Teamsで「録画を開始」「文字起こしを開始」のボタンに鍵マークが付き、選択できないことがあります。この場合、参加者本人がTeamsの設定を変更しても直らないケースが少なくありません。

誰が設定を直せるかは、鍵マークに表示される説明によって決まります。 会議の役割が原因なら会議の主催者、組織の会議ポリシーが原因ならTeams管理者、Microsoft Graphで作成した会議の設定が原因なら会議を作成したシステムの管理者や開発担当者が対応します。ゲストや別組織の参加者は、自分では録画・文字起こしを有効にできない場合があります。([マイクロソフト サポート][1])

録画と文字起こしは同じメニューに表示されますが、管理ポリシー上は別々の機能です。また、原則として会議の主催者だけでなく、実際に録画や文字起こしを開始するユーザーにも許可が必要です。([Microsoft Learn][2])

目次

Teamsの録画・文字起こしを直せる人は表示内容で決まる

まず、録画や文字起こしのボタンにマウスポインターを合わせ、鍵マークの説明を確認します。表示された内容から、対応を依頼する相手を判断できます。

鍵マーク付近の主な表示内容主な原因設定を直せる人
主催者と共同開催者のみ開始できます会議オプションで開始できる人が制限されている会議の主催者、または変更権限のある共同開催者
主催者と発表者のみ開始できます自分が出席者になっている会議の主催者
組織のポリシーにより利用できません割り当てられたTeams会議ポリシーで無効になっているTeams管理センターを操作できる管理者
この組織のユーザーのみ開始できます別組織、ゲスト、匿名ユーザーとして参加している主催者側組織の内部ユーザー
主催者が無効にしています「録画と文字起こしを行えるユーザー」が「なし」などに設定されている会議の主催者
この会議では利用できません主催者のポリシー、またはGraph APIの会議設定で無効になっているTeams管理者、会議を作成したシステムの管理者
Copilotがオフのため利用できません会議オプションでCopilotが無効になっている会議の主催者または共同開催者

Microsoftの公式トラブルシューティングでも、最初に鍵マークへマウスポインターを合わせ、表示される理由を確認する方法が案内されています。([マイクロソフト サポート][1])

重要なのは、主催者であれば必ず直せるわけではないことです。組織の会議ポリシーで無効になっている場合や、Microsoft Graphの会議設定で録画・文字起こしが禁止されている場合は、主催者だけでは解除できません。

Teamsの録画・文字起こしを開始できないときの権限確認

鍵マークの説明を正確に記録する

「ボタンがグレーになっている」だけでは、管理者も原因を特定できません。次の情報を記録します。

  • 鍵マークに表示されたメッセージ全文
  • 録画と文字起こしのどちらが利用できないか
  • 会議の主催者
  • 自分の役割
  • 自分が主催者と同じ組織のアカウントか
  • Teams、Outlook、予約システムなど、会議を作成した方法
  • 通常の会議、通話、ウェビナー、タウンホールのどれか

スクリーンショットを管理者へ送る場合は、不要な参加者名、会議URL、チャット内容などを隠してください。外部の問い合わせ窓口へ、アクセストークンや秘密鍵などを送ってはいけません。

通常の会議か、通話やイベントかを確認する

Teamsでは、利用場面によって適用されるポリシーが異なります。

利用場面主に確認する管理設定
通常のTeams会議会議ポリシー
グループ通話会議ポリシー
1対1のTeams通話やPSTN通話通話ポリシー
ウェビナーイベントポリシー
タウンホールイベントポリシー

たとえば、1対1通話の録画ができないのに会議ポリシーだけを変更しても、問題が解決しないことがあります。Teamsでは会議、イベント、1対1通話で録画・文字起こしの管理設定が分かれています。([Microsoft Learn][3])

自分の会議内の役割を確認する

Teams会議の参加者には、主に次の役割があります。

  • 主催者
  • 共同開催者
  • 発表者
  • 出席者
  • ゲスト
  • 別組織の外部参加者
  • 匿名参加者

「発表者のみ開始できます」と表示されている場合は、主催者に自分を発表者へ変更してもらいます。ただし、発表者になれば必ず録画できるわけではありません。組織の会議ポリシーや「録画と文字起こしを行えるユーザー」の設定でも許可されている必要があります。([マイクロソフト サポート][1])

ゲスト、別組織の参加者、匿名参加者は、会議の録画や文字起こしを開始できない場合があります。その場合は、主催者側組織のユーザーに開始してもらい、終了後に必要な範囲で共有してもらいます。([マイクロソフト サポート][1])

会議の主催者が設定を直す手順

鍵マークの説明に「主催者」「共同開催者」「発表者」などが含まれている場合は、まず会議オプションを確認します。

録画と文字起こしを行えるユーザーを変更する

利用しているライセンスと管理状態によって表示項目は異なりますが、基本的な確認手順は次のとおりです。

  1. Teamsの「カレンダー」を開きます。
  2. 対象の会議を選択します。
  3. 「会議オプション」または「オプション」を開きます。
  4. 「録画と文字起こし」を開きます。
  5. 「録画と文字起こしを行えるユーザー」を確認します。
  6. 必要に応じて、主催者・共同開催者・発表者を含む設定へ変更します。
  7. 設定を保存または適用します。

選択肢には、環境に応じて次のような項目が表示されます。

  • 主催者と共同開催者
  • 主催者、共同開催者、発表者
  • なし

「なし」になっている場合、会議内の誰も録画や文字起こしを開始できません。([マイクロソフト サポート][1])

「録画と文字起こしを行えるユーザー」を細かく指定する機能は、Teams Premiumまたは対象となるMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要な場合があります。項目自体が表示されないときは、Teamsの故障と決めつけず、ライセンスと管理ポリシーを確認してください。([マイクロソフト サポート][4])

発表者または共同開催者へ変更する

録画・文字起こしを任せたいユーザーがいる場合は、「役割」の設定も確認します。

  1. 対象の会議で「会議オプション」を開きます。
  2. 「役割」を開きます。
  3. 「発表者を選択」または同等の項目を確認します。
  4. 対象者を発表者に含めます。
  5. 必要であれば共同開催者として指定します。

共同開催者は、多くの会議オプションを確認・変更できます。ただし、組織の会議ポリシーを上書きすることはできず、録画ファイルの管理権限も主催者と完全に同じではありません。([マイクロソフト サポート][5])

Copilotが原因と表示された場合

鍵マークの説明に「Copilotがオフ」と明記されている場合は、主催者または共同開催者が会議オプションの「Copilotとその他のAI」を確認します。

ただし、すべての録画・文字起こしトラブルがCopilot設定によるものではありません。鍵マークの説明にCopilotと表示されていない場合は、先に役割と会議ポリシーを確認してください。([マイクロソフト サポート][1])

Teams管理者が会議ポリシーを確認する手順

「組織のポリシーにより利用できません」などと表示される場合は、会議の主催者ではなくTeams管理者の対応が必要です。

主催者と開始者の両方を確認する

録画では、会議の主催者と録画を開始するユーザーの両方に録画権限が必要です。文字起こしも、主催者と実際に開始するユーザーの両方で文字起こしが許可されている必要があります。([Microsoft Learn][2])

そのため、管理者は次の2アカウントを確認します。

  • 会議を作成した主催者
  • 録画または文字起こしを開始しようとしているユーザー

開始者だけのポリシーを有効にしても、主催者のポリシーが無効であればボタンは利用できないことがあります。

Teams管理センターで確認する

通常のTeams会議では、管理者が次の場所を確認します。

  1. Microsoft Teams管理センターを開きます。
  2. 「会議」を開きます。
  3. 「会議ポリシー」を開きます。
  4. 対象ユーザーに割り当てられているポリシーを選択します。
  5. 録画に関する設定を確認します。
  6. 「文字起こし」がオンになっているか確認します。
  7. 変更を保存します。

録画はTeams PowerShellではAllowCloudRecording、文字起こしはAllowTranscriptionによって管理できます。([Microsoft Learn][2])

Set-CsTeamsMeetingPolicy -Identity "対象のポリシー名" -AllowCloudRecording $true

Set-CsTeamsMeetingPolicy -Identity "対象のポリシー名" -AllowTranscription $true

組織全体のグローバルポリシーを安易に変更すると、録画を許可すべきでない部署にも影響する可能性があります。特定の利用者だけに許可する場合は、カスタム会議ポリシーを作成し、対象ユーザーまたはグループへ割り当てる方法を検討します。Microsoftの管理資料でも、グローバルポリシーとカスタムポリシーを分けて管理できることが案内されています。([Microsoft Learn][6])

グローバルポリシーだけを見ない

よくある見落としが、管理者がグローバルポリシーをオンにしたものの、対象ユーザーには別のカスタム会議ポリシーが割り当てられているケースです。

グローバルポリシーの変更は、カスタムポリシーが割り当てられていないユーザーに適用されます。主催者または開始者にカスタムポリシーが割り当てられている場合は、そのポリシーを個別に確認してください。([Microsoft Learn][3])

Microsoft Graphで作成した会議は別の設定も確認する

予約システム、社内ポータル、業務アプリなどがMicrosoft Graphを使用してTeams会議を作成している場合、Teams管理センターの会議ポリシーとは別に、会議単位の設定が指定されていることがあります。

Microsoft GraphのonlineMeetingBaseには、次のプロパティがあります。

Microsoft Graphのプロパティ内容
allowRecording会議で録画を許可するか
allowTranscription会議で文字起こしを許可するか
recordAutomatically会議を自動的に録画するか

Microsoft Graphでは、プロパティ名はallowRecordingallowTranscriptionです。Teams PowerShellのAllowCloudRecordingAllowTranscriptionとは名前と管理対象が異なります。([Microsoft Learn][7])

allowRecordingfalseの場合は録画ボタン、allowTranscriptionfalseの場合は文字起こしボタンが会議参加者に表示されない、または利用できないことがあります。組織の会議ポリシーをオンにしただけでは、会議単位の禁止設定を解消できません。([マイクロソフト サポート][1])

この場合の対応者は、次のいずれかです。

  • Microsoft Graph連携を管理しているシステム管理者
  • 会議作成処理を開発した担当者
  • Power Automateや外部予約システムの管理者
  • 会議を作成し直せる主催者

既存会議の設定変更が難しい場合は、アプリ側の値を修正したうえで、新しいTeams会議を作成します。通常のTeamsやOutlookから作成した会議であれば、最初からMicrosoft Graphを疑う必要はありません。

管理者が有効にしたのにボタンがロックされたままの原因

主催者側のポリシーが無効になっている

開始者のポリシーだけを有効にし、主催者のポリシーを確認していないケースです。主催者と開始者の両方を調べます。

カスタムポリシーが割り当てられている

グローバルポリシーは有効でも、対象者のカスタムポリシーで録画や文字起こしが無効になっていることがあります。

参加アカウントを間違えている

同じメールアドレスに見えても、個人用Microsoftアカウント、職場アカウント、ゲストアカウントなど、異なるアカウントで参加している場合があります。

Teams右上のプロフィールから、現在サインインしている組織とアカウントを確認します。

会議ではなく通話やイベントだった

1対1通話、ウェビナー、タウンホールでは、確認するポリシーが異なります。会議ポリシーだけでなく、通話ポリシーやイベントポリシーを確認します。([Microsoft Learn][3])

会議がGraph APIで作成されている

業務システムから作成された会議では、allowRecordingまたはallowTranscriptionfalseに設定されている可能性があります。

ポリシー変更がまだ反映されていない

Microsoftの案内では、管理者がポリシーを変更したあと、反映まで時間がかかる場合があるとされています。固定の反映時間を前提にせず、管理画面で割り当てを確認したうえで、時間を置いて再確認します。([マイクロソフト サポート][1])

切り分けるときは、既存会議だけで判断せず、同じ主催者で新しいテスト会議を作成します。新しい会議では利用できる場合、既存会議の会議オプションやGraph APIの設定に原因が残っている可能性があります。

IT管理者へ送る問い合わせ文の例

管理者へは、「録画できません」だけでなく、判断に必要な情報をまとめて送ります。

Microsoft Teams会議で録画・文字起こしを開始できません。

・発生日時:
・会議種別:通常の会議/1対1通話/ウェビナー/タウンホール
・利用できない機能:録画/文字起こし/両方
・鍵マークに表示された文章:
・会議の主催者:
・開始しようとしたユーザー:
・会議内の役割:共同開催者/発表者/出席者
・参加アカウント:組織内/別組織/ゲスト
・会議作成方法:Teams/Outlook/予約システム/Microsoft Graph
・新しく作成したテスト会議でも発生するか:

管理者はこの情報を基に、主催者と開始者の会議ポリシー、会議の種類、参加区分、Microsoft Graphによる会議設定を確認できます。

コンプライアンス録画と通常の録画を混同しない

この記事で扱っているのは、利用者が会議中に「録画を開始」を選択する通常の会議録画です。

コンプライアンス録画は、組織の要件に基づき、専用ポリシーや外部ソリューションによって自動的に実行される仕組みです。利用者が操作する録画ボタンとは管理方法や保存先が異なるため、通常の会議録画と同じ手順で解除しようとしないでください。([マイクロソフト サポート][1])

ウェビナーやタウンホールの自動録画も、通常のTeams会議とは設定箇所が異なります。まず会議の種類を特定してから、対応するポリシーを確認することが重要です。

録画・文字起こしのロックは表示理由から対応者を判断する

Teamsの録画や文字起こしがロックされているときは、次の順番で確認すると効率的です。

  1. 鍵マークの説明を確認する
  2. 自分が主催者、共同開催者、発表者、出席者のどれか確認する
  3. ゲストや別組織のアカウントで参加していないか確認する
  4. 主催者が会議オプションを確認する
  5. 組織ポリシーが原因ならTeams管理者へ依頼する
  6. 主催者と開始者の両方の会議ポリシーを確認する
  7. 業務システムから作成した会議ならGraph APIの設定を確認する
  8. 必要に応じて正しい設定で新しい会議を作成する

役割や会議オプションの問題は主催者、組織ポリシーの問題はTeams管理者、Graph APIの問題は会議作成システムの管理者が対応します。まず鍵マークの説明を正確に確認し、直せる相手へ必要な情報を渡すことが解決への最短ルートです。
[1]: https://support.microsoft.com/en-us/teams/meetings/i-can-t-record-a-meeting-in-microsoft-teams “I can’t record a meeting in Microsoft Teams | Microsoft Support”
[2]: https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/meeting-recording “Manage Teams recording policies for meetings and events – Microsoft Teams | Microsoft Learn”
[3]: https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/recording-transcription-overview “Overview- Recording and transcription for Teams meetings, events, and calls – Microsoft Teams | Microsoft Learn”
[4]: https://support.microsoft.com/en-us/office/record-a-meeting-in-microsoft-teams-34dfbe7f-b07d-4a27-b4c6-de62f1348c24 “Start, stop, and find meeting recordings in Microsoft Teams | Microsoft Support”
[5]: https://support.microsoft.com/en-us/office/add-co-organizers-to-a-meeting-in-microsoft-teams-0de2c31c-8207-47ff-ae2a-fc1792d466e2 “Add co-organizers to a meeting in Microsoft Teams | Microsoft Support”
[6]: https://learn.microsoft.com/en-us/microsoftteams/meeting-policies-overview?utm_source=chatgpt.com “Manage meeting and events policies in Microsoft Teams”
[7]: https://learn.microsoft.com/en-us/graph/api/resources/onlinemeetingbase?view=graph-rest-1.0&utm_source=chatgpt.com “onlineMeetingbase resource type – Microsoft Graph v1.0”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次