ServiceNow Copilotコネクタのマッピング・フィルターを再作成せず編集する方法【503590】

Microsoft 365管理センターのServiceNow Copilotコネクタでは、既存の接続を削除・再作成せずに、ユーザーマッピングとクエリフィルターを変更できるようになりました。2026年7月29日付のMicrosoft 365 Copilotリリースノートで案内された機能で、Roadmap IDは「503590」です。管理者は対象の接続から「Edit connection」を開き、設定を更新して保存できます。(Microsoft Learn)

これまで、メールアドレス体系の変更や取り込み範囲の見直しが発生すると、接続を作り直さなければならないケースがありました。今回の更新により、接続の再構築に伴う設定漏れや検証のやり直しを減らせます。ただし、保存後のクロールや権限反映まで確認しなければ、変更が正しく適用されたとは判断できません。

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目次

Roadmap 503590でServiceNow Copilotコネクタはどう変わったのか

Roadmap 503590の変更点は、公開済みのServiceNow接続を継続して利用しながら、次の設定を編集できるようになったことです。

設定項目変更前変更後
ユーザーマッピング変更には接続の再作成が必要Edit connectionから編集・保存可能
クエリフィルター変更には接続の再作成が必要Edit connectionから編集・保存可能
接続の運用旧接続の削除、新規作成、再検証が必要既存接続を維持したまま変更可能
変更後の反映新しい接続のクロールを待つ必要に応じて既存接続でフルクロールが実行される

Microsoft Learnの接続管理ドキュメントでも、Microsoft提供コネクタの公開済み接続について、ServiceNowの「Query string」「Advanced criteria」「User mapping」が編集可能な項目として記載されています。編集によってフルクロールが発生する場合がある点には注意が必要です。(Microsoft Learn)

リリースノート上の対象プラットフォームはWebです。また、Microsoft 365 Copilotの新機能は段階的に展開されるため、同じ時期でもテナントによって「Edit connection」の表示タイミングが異なる可能性があります。(Microsoft Learn)

編集できるユーザーマッピングとクエリフィルターの違い

ユーザーマッピングとクエリフィルターは、どちらもServiceNowデータの公開範囲に関係しますが、役割は異なります。

クエリフィルターは「どのデータを取り込むか」、ユーザーマッピングは「ServiceNow上のユーザーをMicrosoft Entra ID上の誰として扱うか」を決める設定です。

片方だけ正しくても、安全で使いやすい検索環境にはなりません。

ユーザーマッピングとは

ユーザーマッピングは、ServiceNow上のユーザーIDとMicrosoft Entra ID上のユーザーを対応付ける設定です。

ServiceNow KnowledgeやServiceNow Catalogコネクタでは、既定でServiceNowのメールアドレスをMicrosoft Entra IDのUPNまたはMail属性に対応付けます。組織内で異なる属性を使用している場合は、カスタムマッピング式を設定できます。(Microsoft Learn)

編集が必要になりやすいのは、次のようなケースです。

  • メールドメインを変更した
  • Microsoft Entra IDのUPNとメールアドレスが一致していない
  • ServiceNowに旧メールアドレスが残っている
  • グループ会社ごとに異なるユーザー属性を使用している
  • 一部のユーザーだけServiceNowコンテンツを検索できない
  • Microsoft Entra IDへのユーザー統合方式を変更した

マッピングに失敗すると、ServiceNowではアクセスできるユーザーでも、Microsoft 365 CopilotやMicrosoft Searchでコンテンツを見つけられないことがあります。ServiceNow Knowledgeコネクタでは、マッピングの問題が管理画面のErrorタブにエラーコード「2006」として表示される場合があります。(Microsoft Learn)

アクセス許可が「Everyone」になっていないか確認する

ユーザーマッピングを編集する前に、接続のアクセス許可も確認してください。

アクセス許可が「Everyone」または「Allow everyone」に設定されている場合、インデックス内のアイテムは組織内の全ユーザーに表示され、個別のアクセス制御は適用されません。ServiceNow側のアクセス権を引き継ぐ場合は、通常「Only people with access to this data source」を使用します。(Microsoft Learn)

ユーザーマッピングだけを変更しても、接続自体が全員公開になっていれば、期待したアクセス制御にはなりません。

クエリフィルターとは

クエリフィルターは、ServiceNowからMicrosoft Graphへ取り込むレコードを絞り込む条件です。Microsoftのドキュメントでは「Query filter」と「Query string」の両方の表現が使われていますが、ServiceNowのEncoded Queryを利用して対象レコードを指定する点は同じです。

代表的な既定値は次のとおりです。

ServiceNowコネクタ既定のクエリ主な意味
ServiceNow Knowledgeactive=true^workflow_state=published有効かつ公開済みのナレッジ記事
ServiceNow Catalogactive=true^workflow_state=published有効かつ公開済みのカタログ項目
ServiceNow Ticketssys_created_on>javascript:gs.beginningOfLast6Months()過去6か月に作成されたチケット

KnowledgeとCatalogでは、有効かつ公開済みのレコードが標準的な取り込み対象です。Ticketsでは、既定で過去6か月のレコードに絞り込まれます。(Microsoft Learn)

たとえば、特定のナレッジベースだけを対象にしたい場合や、終了済みサービスのカタログ項目を除外したい場合にクエリフィルターを変更します。

ただし、クエリフィルターはアクセス権の代わりではありません。フィルターは取り込み対象を決めるものであり、取り込まれた各アイテムを誰が閲覧できるかは、ServiceNowのACL、ユーザー条件、ユーザーマッピングなどによって決まります。(Microsoft Learn)

ServiceNow Copilotコネクタを再作成せず変更する方法

操作には、Microsoft 365 Copilotコネクタを管理できるAI管理者権限が必要です。Microsoft Learnでは、接続の管理に組織のAI管理者が必要と案内されています。(Microsoft Learn)

変更前に準備するもの

編集を始める前に、次の情報を残しておきます。

  • 現在のユーザーマッピング式
  • 現在のクエリフィルター
  • 接続名と接続ID
  • 現在のインデックス件数
  • アクセスできるべきテストユーザー
  • アクセスできないべきテストユーザー
  • 検証に使用するServiceNowレコードのsys_id

設定画面のスクリーンショットも保存しておくと、問題が発生したときに変更前の状態へ戻しやすくなります。

Edit connectionから設定を変更する手順

  1. Microsoft 365管理センターにサインインします。
  2. 左側のメニューから「Copilot」を開きます。
  3. 「Connectors」を選択します。
  4. 「Your Connections」で、編集するServiceNow接続を選択します。
  5. 「Edit connection」を選択します。
  6. ユーザーマッピングを変更する場合は、UsersまたはIdentity mappingに関する設定を開きます。
  7. クエリフィルターを変更する場合は、Content内のQuery filterまたはQuery stringを開きます。
  8. 必要な変更を入力します。
  9. 内容を再確認して保存します。
  10. 接続状態とクロールの実行状況を確認します。

リリースノートでも、Microsoft 365管理センターからServiceNowコネクタを選択し、「Edit connection」でユーザーマッピングまたはクエリフィルターを更新して保存する手順が示されています。(Microsoft Learn)

日本語表示、英語表示、段階的な画面更新によって、メニュー名が「接続」「Your Connections」「Edit connection」など異なることがあります。対象のServiceNow接続の詳細画面から、接続編集に相当する操作を探してください。

保存後はフルクロールと反映状況を確認する

設定を保存しても、Microsoft 365 Copilotの検索結果や権限が即座に切り替わるとは限りません。

公開済み接続を編集すると、変更内容によってフルクロールが発生する場合があります。また、最初のフルクロール中に設定を変更した場合、その変更で新たなフルクロールは開始されず、次回予定されているフルクロールで適用されます。(Microsoft Learn)

特にユーザーマッピングやアクセス権の変更は、増分クロールだけでは完全に反映されない場合があります。ServiceNow KnowledgeやCatalogでは、ユーザー、グループメンバーシップ、アクセス許可の更新はフルクロールで処理されると説明されています。(Microsoft Learn)

Microsoftの検証ドキュメントでは、ユーザーやグループの権限変更がMicrosoft SearchやMicrosoft 365 Copilotに反映されるまで、最大24時間かかる可能性があるとされています。権限更新は増分クロールではなく、フルクロール時に実施されます。(Microsoft Learn)

接続状態の見方

接続状態意味管理者が確認すること
Syncingデータをクロール中完了するまで設定を連続変更しない
Readyアクティブなクロールがなく利用可能Last sync timeと検証結果を確認
Pausedクロールが一時停止中必要に応じて再開する
Failed重大なエラーが発生エラー内容、認証、マッピング、権限を確認
Delete failed接続削除に失敗今回の編集機能とは別だが、残存クロールに注意

接続状態は、Microsoft 365管理センターの「Your Connections」にあるConnection state列で確認できます。(Microsoft Learn)

変更後はインデックスブラウザーで検証する

ユーザーマッピングやクエリフィルターの変更後は、Copilotに質問するだけでなく、インデックスブラウザーを使って確認すると原因を切り分けやすくなります。

インデックスブラウザーでは、次の情報を確認できます。

  • アイテムがインデックスされているか
  • 最終更新時刻
  • インデックスされたプロパティ
  • アイテムに設定された許可・拒否ユーザー
  • 特定ユーザーがアクセスできるか
  • ユーザーが所属するアクセス制御グループ

ServiceNow Knowledgeでは記事のsys_idや記事番号、ServiceNow CatalogとTicketsではレコードのsys_idを使って検索できます。(Microsoft Learn)

最低限実施したいテスト

テスト対象確認内容合格基準
フィルターに含まれるレコードインデックスブラウザーで検索アイテムが表示される
フィルターから除外したレコードインデックスブラウザーで検索新規取り込みされない、またはクロール後に除外される
閲覧権限があるユーザーCheck user accessで確認Allowになる
閲覧権限がないユーザーCheck user accessで確認Denyまたはアクセス不可になる
UPNとメールが異なるユーザーマッピング後に確認正しいMicrosoft Entra IDユーザーとして認識される
Microsoft 365 Copilot対象記事やチケットを検索想定したユーザーだけが結果を取得できる
Microsoft Search同じ条件で検索Copilotと矛盾しない

テストは管理者アカウントだけで実施せず、少なくとも「閲覧できる一般ユーザー」と「閲覧できない一般ユーザー」の2種類で行います。

ユーザーが「Check user access」に表示されない場合は、マッピング式の失敗やMicrosoft Entra IDユーザーの未検出が考えられます。Errorタブとマッピング式を確認してください。(Microsoft Learn)

Edit connectionで変更できない設定もある

Roadmap 503590は、既存のServiceNow接続を自由に作り替えられる機能ではありません。今回の中心は、ユーザーマッピングとクエリフィルターの編集です。

設定既存接続での編集注意点
ユーザーマッピング可能権限反映にはフルクロールが必要な場合がある
クエリフィルター/Query string可能条件を広げる場合は取り込み件数に注意
ServiceNowのAdvanced criteria管理ドキュメント上は編集可能Simple/Advancedフローとの整合性を確認
既定プロパティのSearchableなどの属性原則不可接続作成時に設計する
既定プロパティのセマンティックラベル原則不可作成後に変更できない項目がある
既存接続のAccessURLカスタマイズKnowledgeやCatalogでは不可新しい接続の作成が必要

ServiceNow KnowledgeおよびCatalogのドキュメントでは、既定プロパティのSearchable、Queryable、Retrievable、Refinableなどの属性やセマンティックラベルは、接続作成後に編集できないとされています。また、既存接続のAccessURLプロパティを変更する場合も、新しい接続が必要です。(Microsoft Learn)

そのため、「Edit connectionが追加されたので、今後は接続の再作成が一切不要」と判断するのは誤りです。変更したい項目が今回の対応範囲に含まれているか、先に確認してください。

安全に変更するための実務上の進め方

一度に両方変更しない

ユーザーマッピングとクエリフィルターを同時に変更すると、検索結果が消えたときに原因を判断しにくくなります。

次の順序が安全です。

  1. 現在の設定と件数を記録する
  2. ユーザーマッピングだけを変更する
  3. フルクロールとアクセス権を確認する
  4. 問題がなければクエリフィルターを変更する
  5. 再度クロールと取り込み件数を確認する

クエリフィルターはServiceNow側で先に検証する

Encoded Queryを直接入力する場合、条件の誤りによって対象が0件になったり、想定以上のレコードが対象になったりする可能性があります。

Microsoft 365管理センターへ入力する前に、ServiceNow側で同じ条件を実行し、次の点を確認します。

  • 想定した件数になっているか
  • 下書きや非公開レコードが含まれていないか
  • 終了済み、退役済みのデータが除外されているか
  • 機密性の高いテーブルやカテゴリが含まれていないか
  • 日付条件が固定日付ではなく、意図した相対期間になっているか

特に条件を狭くする変更では、既存の検索結果からアイテムが消えることを利用部門へ事前に伝えておく必要があります。

HRナレッジを扱う場合はServiceNow側の権限も確認する

ServiceNow HR Service Deliveryのナレッジを取り込んでいる場合、クロール用サービスアカウントがHRスコープのユーザー条件を読み取れるか確認してください。

Microsoftは、必要なsn_hr_core.content_readerまたはsn_hr_core.adminロールがないと、HR向けのユーザー条件を読み取れず、本来制限されている記事が意図しないユーザーに表示される可能性があると案内しています。(Microsoft Learn)

ユーザーマッピングを正しく設定しても、ServiceNow側でクロールアカウントが権限情報を取得できなければ、安全なアクセス制御にはなりません。

Roadmap ID 503590を検索しても表示されない場合

Microsoft 365 Roadmapで「503590」を検索しても、項目が表示されない場合があります。

Microsoftは、Roadmapの情報は変更される可能性があり、機能が一般提供された場合や、キャンセル・延期された場合には、項目がRoadmapサイトから削除されることがあると説明しています。(Microsoft)

そのため、Roadmap検索で見つからないことだけを理由に「機能が撤回された」と判断するのは適切ではありません。Roadmap 503590については、2026年7月29日付のMicrosoft 365 CopilotリリースノートにIDと機能内容が記載され、現在のMicrosoft Learnの接続管理ドキュメントにもServiceNowのQuery stringとUser mappingを編集できることが明記されています。(Microsoft Learn)

まとめ

ServiceNow CopilotコネクタのRoadmap 503590により、公開済み接続を削除・再作成せず、ユーザーマッピングとクエリフィルターを編集できるようになりました。

実際に変更するときは、次の順序で進めます。

  1. 現在のマッピング式とフィルターを記録する
  2. Microsoft 365管理センターで対象接続を開く
  3. 「Edit connection」から設定を変更する
  4. 一度に変更する項目を絞る
  5. 保存後のフルクロールを確認する
  6. インデックスブラウザーでアイテムとユーザー権限を確認する
  7. 許可ユーザーと拒否ユーザーの両方でCopilot検索をテストする
  8. Errorタブにマッピングエラーがないか確認する

今回の更新で管理作業は簡単になりましたが、ユーザーマッピングはアクセス権、クエリフィルターは取り込み範囲に直結します。単に保存して終わりにせず、フルクロール後のインデックスとユーザー権限まで確認することが重要です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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