2026年6月12日に更新された Microsoft 365 Roadmap ID 565424「Microsoft Teams: Improved request flows for apps and agents blocked by admins」は、管理者がブロックした Teams アプリやエージェントについて、ユーザーの利用申請から管理者の審査、申請状況の通知までを分かりやすくする変更です。
特に大きいのは、申請内容に更新があった際にユーザーへ通知されることと、管理者が新しい申請に気付きやすくなることです。一般提供は2026年7月が予定されており、デスクトップ版、Mac版、Web版の Teams が対象です。(Microsoft)
Microsoft Teams:Improved request flows for apps and agents blocked by adminsとは
Microsoft Teams では、組織の管理者によって利用を制限されたアプリやエージェントであっても、Teams ストア上で情報を確認し、管理者へ利用許可を申請できます。
今回の変更では、この申請手続きがガイド付きの一連のフローに改善されます。ユーザーが「申請できたのか」「その後どうなったのか」を把握しやすくなり、管理者側でも申請の確認から対応までを進めやすくなります。(Microsoft)
主な変更点を整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 現在の主な動作 | 変更後 |
|---|---|---|
| ユーザーの申請操作 | ブロックされたアプリから管理者へ申請できる | ガイド付きの分かりやすい申請フローになる |
| 申請状況の確認 | 管理者が対応しても、Teams から申請者への通知は行われない | 申請内容に更新があるとユーザーへ通知される |
| 管理者の審査 | Teams 管理センター内の複数の画面から申請を確認する | 申請の確認と対応を進めやすい管理画面になる |
| 新規申請への気付き | 管理者による定期確認が必要 | 新しい申請に気付きやすくする機能が追加される |
| アプリの許可判断 | 管理者が可否を判断する | 引き続き管理者が判断する |
現在の Microsoft Learn では、管理者がアプリを許可しても Teams が申請者へ通知しないため、必要に応じて管理者が手動で連絡するよう案内されています。今回の改善は、この「申請後の状況が分からない」という問題を解消するものです。(Microsoft Learn)
公開時期と対象環境
2026年6月12日時点の公式ロードマップ情報は、次のとおりです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| Roadmap ID | 565424 |
| 公開日 | 2026年6月10日 |
| 更新日 | 2026年6月12日 |
| 状態 | 開発中 |
| 一般提供予定 | 2026年7月 |
| 対象プラットフォーム | Desktop、Mac、Web |
| 対象クラウド | Worldwide Standard Multi-Tenant |
| リリース段階 | 一般提供 |
iOS版とAndroid版は対象プラットフォームに含まれていません。そのため、少なくとも初期の展開では、PC版とWeb版を中心とした変更と考えるのが適切です。(Microsoft)
なお、Microsoft 365 Roadmap に掲載される提供時期は予定であり、延期や対象範囲の変更が行われる可能性があります。2026年7月の特定日に全ユーザーへ一斉反映されるとは限りません。(Microsoft)
一般ユーザーにとって何が変わるのか
申請手順が分かりやすくなる
管理者によって利用をブロックされたアプリやエージェントを開いた際、申請に必要な操作や現在の状態を理解しやすい画面へ改善されます。
たとえば、営業担当者が Teams から顧客管理アプリを利用しようとしてブロックされていた場合、これまでは申請後の動きが見えにくく、社内のIT部門へ別途問い合わせる必要がありました。変更後は、Teams 内の申請フローと通知によって状況を追いやすくなります。
ただし、申請しただけでアプリが使えるようになるわけではありません。利用可否は、組織のセキュリティ基準やライセンス、データの取り扱いなどを確認したうえで管理者が判断します。
申請の更新通知を受け取れる
今回の変更では、申請に更新があった際にユーザーへ通知されます。
一方で、通知が Teams のアクティビティに表示されるのか、チャットやメールでも通知されるのかといった具体的な通知方法は、2026年6月12日時点では公表されていません。通知方法や表示内容は、実際の展開後に確認する必要があります。(Microsoft)
申請しても承認されない場合がある
申請フローが改善されても、管理者による制御自体が緩和されるわけではありません。
次のような理由がある場合、アプリやエージェントは許可されない可能性があります。
- 機密情報へのアクセス権限が大きすぎる
- 組織のセキュリティ基準を満たさない
- 同じ機能を持つ承認済みアプリがすでにある
- 有料契約や追加ライセンスが必要になる
- 保存先やデータ処理地域が社内基準に合わない
- 利用目的や対象者が明確でない
申請時には「便利そうだから使いたい」だけでなく、具体的な業務目的や対象部署、期待する効果を整理しておくと、管理者が判断しやすくなります。
Teams 管理者にとって何が変わるのか
申請の確認と対応が簡素化される
現在、管理者は Teams 管理センターの「Teams アプリ」から「アプリを管理」を開き、申請数の列やアプリ詳細画面の「ユーザー要求」タブなどを使って申請を確認します。Microsoft は、申請を見落とさないよう定期的に確認することを推奨しています。(Microsoft Learn)
今回の変更では、Teams 管理センターにおける申請の確認と対応が簡素化されます。さらに、新しい申請に対する管理者の認知度を高め、未処理のまま滞留することを防ぐ機能も追加されます。(Microsoft)
ただし、具体的な通知先、通知頻度、管理画面のレイアウト、通知を制御する設定項目はまだ発表されていません。
アプリを許可する前の評価は引き続き必要
管理者は申請数だけで判断せず、少なくとも次の項目を確認する必要があります。
| 確認項目 | 判断のポイント |
|---|---|
| 利用目的 | どの業務で、誰が、どの程度利用するのか |
| 提供元 | 発行元の信頼性やサポート体制に問題がないか |
| 要求権限 | メール、ファイル、チャット、ユーザー情報などへのアクセス範囲 |
| データ管理 | 保存場所、保持期間、削除方法、第三者提供の有無 |
| 利用範囲 | 全社に許可するのか、特定ユーザーやグループだけにするのか |
| 契約と料金 | アプリ側の有料プランや従量課金が発生しないか |
| 代替手段 | 既存の承認済みアプリで代替できないか |
Teams のアプリ中心の管理では、アプリごとに「全員」「特定のユーザーまたはグループ」「誰も利用できない」といった単位で利用範囲を設定できます。申請者だけに限定して許可したい場合は、最初から全社公開せず、対象グループを絞って試行する方法が安全です。(Microsoft Learn)
管理者が2026年7月までに確認しておくこと
現在の申請受付方法を確認する
Teams 管理センターで、現在のユーザー申請設定を確認します。
- Teams 管理センターへサインインする
- 「Teams アプリ」を開く
- 「アプリを管理」を開く
- 右上の「組織全体のアプリ設定」を選択する
- ユーザー要求の設定を確認する
現在の Teams では、ブロックされたアプリに表示する案内文を300文字以内で設定できます。また、申請を社内ヘルプデスクやIT申請システムなどの外部URLへ転送することも可能です。(Microsoft Learn)
外部の申請システムへ転送している組織では、新しい Teams 内の申請フローや通知と処理が重複しないかを展開後に確認してください。
申請の担当者と処理期限を決める
機能が改善されても、審査担当者が決まっていなければ申請は滞留します。
次のような運用ルールを事前に決めておくとスムーズです。
- 新規申請を確認する担当部署
- 一次回答までの目安
- セキュリティ部門や法務部門への確認条件
- 全社許可と限定許可の判断基準
- 却下理由をユーザーへ伝える方法
- 緊急性が高い申請のエスカレーション先
たとえば、通常のアプリ申請は5営業日以内に一次回答し、個人情報を扱うアプリはセキュリティ部門の確認を必須にする、といった基準を設けます。
アプリの利用許可と権限同意を分けて考える
特に注意したいのが、Teams 上でアプリを利用可能にすることと、Microsoft Graph などの権限に管理者同意を与えることは別の操作だという点です。
アプリを許可しても、組織のメールやファイルなどへアクセスするための管理者同意が不足していれば、ユーザーはアプリを利用できない場合があります。Graph 権限への組織全体の同意はグローバル管理者が行い、Teams 管理者は要求されている権限を Teams 管理センターで確認できます。(Microsoft Learn)
申請を承認する際は、次の2点を別々に確認してください。
- そのユーザーにアプリやエージェントの利用を許可するか
- アプリが要求するデータアクセス権限へ同意するか
この区別をしないと、「管理者が許可したのにアプリが動かない」という問い合わせにつながります。
設定・更新・移行・料金・期限の確認ポイント
| 項目 | 2026年6月12日時点の確認結果 |
|---|---|
| 新しい管理者設定 | 専用の設定項目はまだ発表されていない |
| Teams の更新 | 最低バージョンや手動更新手順は発表されていない |
| 移行作業 | この機能に伴うデータ移行やポリシー移行は案内されていない |
| 追加料金 | 申請フロー改善に対する追加料金の記載はない |
| 提供予定 | 2026年7月 |
| 対応期限 | 管理者が設定変更を完了すべき期限は案内されていない |
| 対象端末 | Desktop、Mac、Web |
| 対象テナント | Worldwide Standard Multi-Tenant |
申請フロー自体に追加料金の記載はありませんが、申請対象となるアプリやエージェントに別途ライセンスが必要な場合はあります。申請が承認されたことと、対象製品を無料で利用できることは同じではありません。(Microsoft)
また、アプリ中心の管理や Teams 管理センターと Microsoft 365 管理センターの統合管理は、今回の申請フロー改善とは別の仕組みです。両者を同じ移行作業として扱わないよう注意してください。統合管理済みのテナントでは、一方の管理センターで変更したアプリの状態や利用範囲が、もう一方にも同期されます。(Microsoft Learn)
注意したい対象外・未確定事項
モバイル版は対象として記載されていない
ロードマップに記載されているプラットフォームは Desktop、Mac、Web です。iOS版とAndroid版で同じ申請フローや通知が利用できるとは、現時点では断定できません。
モバイル利用者が多い組織では、PC版またはWeb版から申請状況を確認する必要がないか、展開後にテストしてください。
政府機関向けクラウドは対象外
ロードマップの対象クラウドは Worldwide Standard Multi-Tenant です。また、現在のユーザー申請機能は GCC、GCC High、DoD テナントでサポートされていません。(Microsoft)
カスタムアプリへの対応拡大は明記されていない
現在の Microsoft Learn では、管理者へのアプリ利用申請機能はカスタムアプリをサポートしていないと案内されています。
今回のロードマップには、カスタムアプリも新たに対象になるとは記載されていません。社内開発アプリの公開申請や承認フローとは分けて考える必要があります。(Microsoft Learn)
自動承認機能ではない
申請フローが分かりやすくなっても、申請されたアプリが自動的に許可されるわけではありません。管理者は引き続き、アプリの状態、対象ユーザー、要求権限、組織全体の設定を確認して利用可否を決定します。(Microsoft Learn)
よくある疑問
申請すれば必ず利用できるようになりますか
必ず利用できるわけではありません。申請は、管理者へ利用希望を伝えるためのものです。最終的な許可範囲や可否は組織の管理者が決定します。
承認結果はメールで届きますか
申請に更新があった際に通知されることは発表されていますが、メール、Teams のアクティビティ、チャットなど、具体的な通知方法はまだ公開されていません。(Microsoft)
既存のブロック設定は解除されますか
既存のアプリやエージェントが自動的に許可されるという案内はありません。今回の変更対象は申請と審査の操作性であり、管理者によるアプリ制御は引き続き維持されます。
管理者は事前に設定変更する必要がありますか
必須の事前設定や対応期限は発表されていません。ただし、現在の申請受付方法、外部URLへの転送設定、審査担当者、アプリの許可基準は事前に確認しておくべきです。
まとめ
「Improved request flows for apps and agents blocked by admins」は、ブロックされた Teams アプリやエージェントの申請を、ユーザーと管理者の双方にとって分かりやすくする変更です。
重要なポイントは、次の3つです。
- ユーザーの申請操作がガイド付きの一連のフローになる
- 申請に更新があるとユーザーへ通知される
- 管理者が新しい申請に気付きやすくなり、審査と対応も簡素化される
一般提供は2026年7月の予定です。管理者は展開前に Teams 管理センターの「アプリを管理」を開き、現在の申請設定、外部申請URL、担当者、処理期限、アプリの評価基準を確認してください。展開後は、通知方法と管理画面の変更をテストし、既存の社内申請フローと重複や漏れがないかを確認することが次の対応になります。

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