Microsoft Teams Rooms on Androidでウェビナー参加が可能に|2026年6月の変更点

Microsoft Teams Rooms on Android(MTR-A)では、Teams Rooms Proライセンスを割り当てた会議室から、Microsoft Teamsのウェビナーや構造化された会議へ「出席者」として参加できるようになります。

一般的な商用テナントへの展開は、2026年6月下旬に始まり、7月中旬までに完了する予定です。ただし、展開開始日にすべての会議室で使えるわけではありません。利用前に、Teams Rooms Proライセンス、Android端末の更新状況、会議オプションを確認する必要があります。(Microsoft 365 Message Center Archive)

目次

Microsoft Teams Rooms on Androidの変更点

Microsoft 365ロードマップID「547824」の変更点は、Teams Rooms on Androidにイベント向けの出席者エクスペリエンスが追加されることです。

確認項目内容
対象サービスMicrosoft Teams
対象端末Microsoft Teams Rooms on Android
対象イベントMicrosoft Teamsウェビナー、構造化された会議
会議室の役割出席者
必要ライセンスMicrosoft Teams Rooms Pro
一般提供2026年6月から段階的に展開
管理者の主な対応ライセンス、端末更新、会議ポリシーの確認
データ移行不要

会議室のタッチコンソールに表示されたイベントを選び、そのまま参加できます。イベント中は、主催者が許可している範囲で、チャットやリアクション、挙手、字幕などの出席者向け機能を会議室端末から利用できます。

従来のように、チャットやリアクションを使うためだけに、室内の参加者が別のPCやスマートフォンから参加する必要がなくなる点が大きな変更です。(Microsoft 365 Message Center Archive)

「構造化された会議」とは

構造化された会議は、新しい会議形式の名称ではありません。

主催者が発表者を限定し、その他の参加者を出席者として参加させるように設定したTeams会議を指します。たとえば、次のような利用シーンが該当します。

  • 社内研修や講習会
  • 経営層から社員への説明会
  • 製品や制度の社内発表
  • 多人数が参加する質疑応答付きの会議
  • 一部の担当者だけが画面共有する顧客説明会

通常のTeams会議では、会議オプションの「発表できるユーザー」を「特定のユーザー」または「開催者と共同開催者のみ」に設定すると、それ以外の参加者は出席者として参加します。今回の変更により、このような会議にもTeams Rooms on Androidから出席者として参加しやすくなります。(マイクロソフトサポート)

会議室から利用できる主な機能

利用できる機能は、主催者の会議オプションや管理者ポリシーによって変わります。

機能利用可否と条件
イベントへの参加会議室コンソールから参加可能
会議チャット主催者と管理者が許可している場合に利用可能
リアクション「リアクションを許可」が有効な場合に利用可能
挙手リアクション関連の設定が許可されている場合に利用可能
字幕対応する端末バージョンと会議設定で利用可能
参加者一覧イベント設定で許可された範囲を表示
発表者向け操作今回の変更対象外
ステージ管理出席者として参加する場合は利用不可

前面ディスプレイは、共有コンテンツや登壇中の発表者を見やすくする出席者向け表示になります。単一ディスプレイとデュアルディスプレイの双方に対応したレイアウトが用意されます。

なお、ウェビナーで出席者名を非表示にしている場合など、イベント設定によっては会議室アカウントの名前がほかの出席者に表示されないことがあります。(Microsoft 365 Message Center Archive)

誰に影響するのか

会議室を利用する一般ユーザー

研修や全社説明会を会議室で複数人が視聴する場合に、会議室端末だけで参加しやすくなります。

参加者は会議室に入り、コンソール上のイベントを選択して「参加」を押します。チャットやリアクションが許可されていれば、会議室コンソールから操作できます。

ただし、会議室は一つの共有アカウントとして参加します。個人ごとの出席記録、個別の表示名、個人単位のアンケート回答が必要なイベントでは、個人端末の併用も検討してください。

ウェビナーや会議の主催者

主催者は、会議室のリソースアカウントをイベントに招待し、出席者として参加できる状態にする必要があります。

また、会議オプションで次の項目を確認します。

  • 発表できるユーザー
  • 会議チャット
  • リアクションと挙手
  • 出席者のマイクとカメラ
  • 出席者名の表示
  • ロビーを通過できるユーザー

チャットやリアクションが無効になっている場合、Teams Rooms側に機能が追加されていても操作項目は表示されません。(マイクロソフトサポート)

Teams管理者

管理者には、次の対応が必要です。

  • 対象端末がTeams Rooms on Androidであることを確認する
  • 会議室アカウントにTeams Rooms Proを割り当てる
  • Teamsアプリと端末ファームウェアを更新する
  • ウェビナーと会議に関するポリシーを確認する
  • 本番イベントの前に検証用会議室で接続テストを行う

Windows版Teams Roomsや、PC・スマートフォンから参加するユーザーへの直接的な変更はありません。

展開時期と確認すべき期限

2026年6月15日に更新された案内では、クラウド環境ごとに次の展開期間が示されています。

対象環境展開開始予定展開完了予定
Worldwide(一般的な商用テナント)2026年6月下旬2026年7月中旬
GCC2026年6月下旬2026年7月上旬
GCC High2026年8月下旬2026年9月上旬
DoD2026年9月下旬2026年10月上旬

日本企業が通常利用している商用Microsoft 365テナントでは、原則としてWorldwideの展開時期を確認します。

この日程は、ライセンス変更やデータ移行の締め切りではありません。サービス側の段階的な展開期間です。Microsoft 365ロードマップの日付は予定であり、開発状況によって変更される可能性があります。(Microsoft 365 Message Center Archive)

管理者が行う確認手順

対象となる会議室を洗い出す

Teams管理センターで、次の場所を開きます。

Teamsデバイス > Teams Rooms on Android

対象端末について、少なくとも次の情報を確認してください。

確認項目判断基準
端末の状態オンラインで正常にサインインしている
利用アカウント会議室用のリソースアカウントである
ライセンスTeams Rooms Proが割り当てられている
Teamsアプリ管理センターで提供される新しいバージョンに更新済み
ファームウェアMicrosoft検証済みの対応バージョンである
カレンダー招待したイベントが会議室コンソールに表示される

Teams Rooms Proライセンスを確認する

今回の機能は、Teams Rooms Proが必須です。無料のTeams Rooms Basicでは利用対象になりません。

ライセンスは会議の主催者ではなく、Teams Rooms端末が使用する会議室リソースアカウントに割り当てます。通常のMicrosoft 365ユーザーライセンスを会議室端末へ割り当てても、Teams Rooms Proの代わりにはなりません。(Microsoft Learn)

既にTeams Rooms Proを利用している会議室では、ライセンス移行は不要です。Teams Rooms Basicを使用している場合は、対象会議室だけをProへ変更することもできます。

Teamsアプリとファームウェアを更新する

Teams Rooms on Androidでは、Teams管理センターから次のコンポーネントを更新できます。

  • Teamsアプリ
  • 端末ファームウェア
  • Company Portalアプリ
  • 管理エージェント

更新は初期設定では自動ですが、管理者が手動で実行したり、メンテナンス時間を指定したりすることもできます。

今回のロードマップ情報では、すべての機種に共通する最低バージョン番号は明示されていません。そのため、特定のバージョン番号を固定して判断するのではなく、Teams管理センターでMicrosoft検証済みの更新を適用してください。(Microsoft Learn)

Microsoftが機能をリリースしてから、各メーカーや機種向けに更新が提供されるまで時間差が生じる場合があります。同じテナントでも、機種によって利用開始時期が異なる可能性がある点に注意が必要です。(Microsoft Learn)

ウェビナーと会議のポリシーを確認する

ウェビナーを主催できないユーザーがいる場合は、Teams管理センターで次の設定を確認します。

会議 > イベントポリシー > ウェビナーを許可

この設定がオフになっていると、主催者はウェビナーを作成できません。(Microsoft Learn)

さらに、会議ポリシーと各イベントの会議オプションで、チャット、リアクション、挙手、マイク、カメラなどが許可されているかを確認します。

今回の機能だけを有効化する専用トグルの新設は案内されていません。実際に利用できるかどうかは、主に次の条件で決まります。

  • Teams Rooms Proが割り当てられている
  • 対応するTeams Rooms on Androidのバージョンを使用している
  • 対象テナントへのサービス展開が完了している
  • 会議室がイベントに正しく招待されている
  • 主催者と管理者が出席者向け機能を許可している

本番前に2種類のイベントをテストする

検証用の会議室を一つ選び、次のテストを実施します。

  1. 社内限定のテストウェビナーを作成する
  2. 会議室リソースを出席者として招待する
  3. コンソールにイベントが表示されることを確認する
  4. 会議室から参加する
  5. チャット、リアクション、挙手、字幕を確認する
  6. 発表者を限定した通常会議でも同じテストを行う
  7. 単一画面とデュアル画面を使用している場合は、それぞれ表示を確認する

一つの会議室で参加できても、全機種への展開が完了したとは限りません。メーカーやモデルが異なる場合は、代表機種ごとにテストするのが安全です。

Teams Rooms Proの料金と移行

2026年6月時点の日本向け公式価格ページでは、Microsoft Teams Rooms Proは1ルームあたり月額相当5,997円、年払いと表示されています。

プラン公式ページの表示価格今回の機能
Teams Rooms Basic無料、最大25室対象外
Teams Rooms Pro5,997円/ルーム/月相当、年払い対象

実際の購入価格は、Enterprise Agreement、CSP、販売パートナー、契約期間などによって異なる場合があります。導入前に、自社の契約窓口またはMicrosoft 365管理センターで確認してください。(Microsoft)

既存のTeams Rooms Pro利用者に、新しい追加料金は案内されていません。また、今回の変更に伴う会議データや設定データの移行作業も不要です。

旧Teams Rooms StandardまたはTeams Rooms Premiumから切り替える場合は、自動的にProへ移行されません。Microsoftは、旧ライセンスを削除する前に新しいライセンスを割り当て、反映時間を確保する方法を案内しています。イベント当日のライセンス切り替えは避けてください。(Microsoft Learn)

利用できないときに確認するポイント

症状主な原因対応
コンソールに参加ボタンが出ない会議室が招待されていない、カレンダー未同期会議室リソースへの招待とカレンダーを確認
ウェビナーに参加できないテナントへの展開前、端末が未更新ロードマップと端末バージョンを確認
チャットが表示されない会議チャットが無効主催者の会議オプションと管理者ポリシーを確認
挙手やリアクションが使えないリアクションが無効「リアクションを許可」を確認
一部の会議室だけ利用できないメーカーや機種ごとの更新時期の差ファームウェアとTeamsアプリを機種ごとに確認
Proを割り当てても利用できないライセンス同期中、端末側のサインイン状態反映時間を置き、ライセンス状態と端末状態を再確認
個人別の出席記録が取れない会議室の共有アカウントで参加している必要に応じて個人端末からも参加

まとめ

今回のMicrosoft Teamsの変更により、Teams Rooms on Androidを設置した会議室から、ウェビナーや構造化された会議へ出席者として参加しやすくなります。チャットやリアクション、挙手などを会議室コンソールから操作できるため、社内研修や全社説明会の共同視聴に適した機能です。

管理者が最初に行うべきことは、対象会議室の洗い出し、Teams Rooms Proライセンスの確認、端末更新、検証イベントの実施です。2026年6月下旬以降に検証用会議室でテストし、問題がなければ本番イベントへ展開してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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