Microsoft Teams「Create workflows with slash commands」の変更点・使い方・管理者対応

Microsoft Teamsの「Create workflows with slash commands」は、メッセージ入力欄で半角の「/」を入力し、/createworkflowを選択すると、その場からワークフローの作成を始められる機能です。

今回の変更は、既存のWorkflowsやPower Automateを置き換えるものではありません。ワークフロー作成画面までの操作を短縮し、チャットから離れずに自動化を始めやすくする変更です。既存ワークフローの強制移行や、この機能専用の追加料金、対応期限は現時点で案内されていません。(Microsoft)

目次

2026年6月17日に更新された公式情報の要点

Microsoft 365 Roadmapの項目ID「558544」は、2026年6月17日に更新され、ステータスは「Launched」となっています。ただし、6月17日は機能の提供開始日ではありません。

ロードマップ上の一般提供時期は2026年4月で、Microsoft Teamsの「What’s new」には2026年5月の新機能として掲載されています。つまり、6月17日の更新は、展開状況などのロードマップ情報が更新されたものと考えるのが適切です。(Microsoft)

項目公式情報
ロードマップID558544
機能名Microsoft Teams: Create workflows with slash commands
変更内容Teamsのメッセージ入力欄からスラッシュコマンドでワークフローを作成
ステータスLaunched
一般提供時期2026年4月
更新日2026年6月17日
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
ロードマップ上の対象Desktop、Mac
リリースリングTargeted Release、General Availability
移行期限記載なし

Microsoftのサポートページでは、本機能が「Desktop and web」の新機能として掲載されています。一方、ロードマップのプラットフォーム欄にはDesktopとMacが記載されています。Web版での利用可否は、組織のテナントと実際の画面で確認すると確実です。

なお、Teamsモバイルアプリでは、スラッシュコマンド自体が現在サポートされていません。(マイクロソフトサポート)

Microsoft Teamsで何が変わるのか

これまでも、Teamsのメッセージ入力欄から「アクションとアプリ」を開き、Workflowsを選択すればワークフローを追加できました。

今回の変更では、メッセージ入力欄に/と入力するだけでコマンド候補が表示され、/createworkflowからワークフロー作成に進めます。メニューを何段階も開く必要がなくなり、チャット中の操作を中断しにくくなります。(マイクロソフトサポート)

操作変更前変更後
ワークフロー作成の開始「アクションとアプリ」からWorkflowsを開く入力欄で/createworkflowを選ぶ
画面移動アプリメニューをたどる必要があるチャットの入力欄から開始できる
ワークフローの仕組みWorkflows/Power Automateを利用変更なし
接続先の認証必要引き続き必要
DLPやライセンス制御適用される引き続き適用される

注意したいのは、/createworkflowが「1行の命令だけで複雑な自動化を完成させるコマンド」ではない点です。スラッシュコマンドは、ワークフロー作成画面への入口を短縮するものです。

作成時には、テンプレートの選択、対象となるチームやチャネルの指定、接続先アプリへのサインインなどが必要になる場合があります。

/createworkflowでワークフローを作成する手順

  1. Microsoft Teamsで、対象のチャットやメッセージ入力欄を開きます。
  2. 入力欄の空行に半角の/を入力します。
  3. 表示された候補から/createworkflowを選択します。
  4. EnterキーまたはTabキーでコマンドを確定します。
  5. 表示された画面で、利用するワークフローやテンプレートを選びます。
  6. 必要に応じて、Teams、Outlook、SharePoint、Plannerなどの接続を認証します。
  7. 対象のチーム、チャネル、通知先などを設定します。
  8. 作成後にテストを実行し、想定した処理になるか確認します。

/createworkflowは、Teams上部の検索ボックスではなく、メッセージの入力欄で使用するコマンドです。検索ボックスに入力しても候補が表示されない可能性があります。公式のコマンド一覧でも、/createworkflowは入力欄で利用するコマンドとして掲載されています。(マイクロソフトサポート)

作成済みのワークフローは、Teamsの「アプリ」から「Workflows」を開き、「Manage Workflows」で実行履歴、接続、編集、削除などを管理できます。(マイクロソフトサポート)

影響を受けるユーザーと管理者

一般ユーザーへの影響

日常的にTeamsを使うユーザーは、ワークフローを見つけて作成するまでの操作が減ります。

特に効果が大きいのは、次のような利用者です。

  • チャット内容をタスクや承認処理につなげたい人
  • TeamsとPlanner、Outlook、SharePointを連携している人
  • 定型通知や依頼を繰り返している人
  • Workflowsアプリの場所が分からず、自動化を利用していなかった人

既存のワークフローについて、作り直しや変換を求める変更ではありません。従来のWorkflowsアプリやPower Automateから引き続き管理できます。

Teams管理者への影響

専用の移行作業は発表されていませんが、一般ユーザーがワークフローを作り始めやすくなるため、管理面では確認が必要です。

特に、Workflowsアプリの利用可否、Power Platformのデータポリシー、利用可能なコネクタ、ワークフローの所有者を確認しておく必要があります。

Power Platform管理者への影響

Teamsから作成したワークフローも、実体はPower Automateのフローとして管理されます。

作成経路が簡単になっても、データ損失防止ポリシー、環境、コネクタ分類、接続アカウントなどのルールが無効になるわけではありません。Power Platformのデータポリシーでは、コネクタの利用や組み合わせを制御できます。(Microsoft Learn)

設定・更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

確認項目結論実際に確認する場所
設定機能専用の有効化スイッチは案内されていないTeams管理センターのアプリ設定とポリシー
クライアント更新通常はTeamsが自動更新Teamsの「更新して再起動」、クライアント正常性
既存フローの移行強制移行の記載なしWorkflows、Power Automateの既存フロー一覧
追加料金スラッシュコマンド専用料金の記載なし利用するコネクタとPower Automateライセンス
対応期限移行・廃止期限の記載なしMicrosoft 365 Roadmap、メッセージセンター
モバイル対応スラッシュコマンドは利用不可デスクトップ版やWeb版で実施

Teamsの更新は通常自動で行われる

Teamsデスクトップアプリは、利用可能な更新プログラムをバックグラウンドで取得します。

/createworkflowが表示されない場合は、Teams上部に更新通知が出ていないか確認し、「更新して再起動」を実行してください。管理者はTeams管理センターのクライアント正常性や更新ポリシーも確認できます。(Microsoft Learn)

追加料金はワークフローの内容によって変わる

スラッシュコマンドを使うためだけの追加料金は、ロードマップには記載されていません。Microsoft Learnでも、Teams内でPower Automateを利用すること自体に追加のライセンス要件はないと説明されています。(Microsoft Learn)

ただし、作成するワークフローでプレミアムコネクタ、カスタムコネクタ、RPAなどを使用する場合は、Power Automate Premiumなどの適切なライセンスが必要になることがあります。Microsoft 365ライセンスや無料ライセンスで利用できる範囲は、基本的に標準コネクタに限られます。(Microsoft Learn)

したがって、「/createworkflowが表示されたから、すべてのワークフローを追加料金なしで使える」とは限りません。

管理者が確認しておきたいポイント

Workflowsアプリが許可されているか

Teams管理センターで「Teams apps」から「Manage apps」を開き、Workflowsアプリが「Allowed」になっているか確認します。

組織でアプリ権限ポリシーを利用している場合は、対象ユーザーに適用されたポリシーでもMicrosoft製アプリが許可されているか確認してください。Teamsのコマンドは、組織のポリシーによって一部利用できない場合があります。(Microsoft Learn)

DLPポリシーとコネクタを確認する

Teamsから簡単にフローを作成できても、組織の業務データを外部サービスへ送信してよいとは限りません。

Power Platform管理センターで、次の点を確認します。

  • 業務データ用コネクタと非業務用コネクタの分類
  • 利用を禁止しているコネクタ
  • 既定環境に適用されるDLPポリシー
  • 外部サービスへの接続ルール
  • カスタムコネクタの利用可否

業務用ワークフローは共同所有にする

Teamsのワークフローは、基本的に作成者のアカウントや接続情報と関係します。作成者が退職したり、アカウントが無効になったりすると、接続に依存する処理が失敗することがあります。

部署全体で利用するワークフローには共同所有者を設定し、所有者、接続先、用途を記録しておくことが重要です。(Microsoft Learn)

/createworkflowが表示されない場合の確認方法

症状主な原因対応
コマンド候補に表示されないTeams上部の検索欄に入力しているチャットのメッセージ入力欄で/を入力する
スマートフォンで表示されないモバイル版はスラッシュコマンド非対応デスクトップ版または対応するWeb版を使う
Workflows自体が見つからないアプリが未追加、または組織でブロックされているアプリストアとTeams管理センターを確認する
一部ユーザーだけ表示されない適用ポリシーが異なるユーザーに割り当てられたアプリポリシーを比較する
作成画面でエラーになる接続権限、同意、DLP、ライセンスの問題使用するコネクタとPower Platformポリシーを確認する
作成後に実行されない接続切れ、トリガー条件、所有者の問題Workflowsの実行履歴と接続状態を確認する
最新版でも表示されないクライアントやテナントへの反映差Teamsを再起動し、Web版や別ユーザーでも確認する

Workflowsアプリは通常Teamsに用意されていますが、見つからない場合はアンインストールされている可能性があります。Teamsのアプリストアから追加できない場合は、管理者による許可状況を確認してください。(マイクロソフトサポート)

スラッシュコマンドから始めやすい活用例

ワークフローは、Teams内の操作だけでなく、Microsoft 365の各サービスをつないで定型作業を自動化するために利用できます。

例えば、次のような処理が候補になります。

  • Plannerのタスク状態が変わったら、Teamsのチャネルへ通知する
  • SharePointリストが更新されたら、Teamsで承認依頼を送る
  • チャット内容をもとにフォローアップ用の処理を実行する
  • 定型的な通知や依頼を決まった宛先へ送る
  • Teamsで受け取った情報を別のMicrosoft 365サービスへ登録する

Microsoftの公式説明でも、Plannerタスクの変更通知や、SharePointリスト更新時の承認開始がワークフローの例として挙げられています。(マイクロソフトサポート)

最初から複雑な業務フローを作るのではなく、「毎週同じ内容を転記している」「毎回同じ相手へ通知している」といった小さな繰り返し作業から試すと、設定ミスや管理負担を抑えられます。

まとめ

「Create workflows with slash commands」は、Teamsのメッセージ入力欄から/createworkflowを選び、ワークフロー作成を素早く始められる変更です。

利用者は、まずデスクトップ版などの対応環境で入力欄に/を入力し、/createworkflowが表示されるか確認してください。

管理者は、Workflowsアプリの許可状況、アプリポリシー、Power PlatformのDLP、コネクタのライセンス、ワークフローの所有者を確認します。強制的な移行期限や機能専用の追加料金は発表されていませんが、プレミアムコネクタを使うフローでは追加ライセンスが必要になる可能性があります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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