LinkedIn Jobsで求人詐欺を避けるには、応募前に「求人・企業・採用担当者」の3点を照合し、初期のやり取りをLinkedIn上に留めることが重要です。金銭の支払い、機材の代理購入、銀行口座や本人確認書類の早期提出を求められた場合は、手続きを止めてください。
LinkedInが2026年5月6日に公開し、6月10日に更新した「LinkedIn Job Search Safety Pulse: 2026」では、報告された詐欺メッセージの90%に、利用者を外部のメッセージサービスへ移動させる試みが含まれていたとしています。特に半数以上は、最初のメッセージで外部への移動を求めていました。(LinkedIn News)
今回の更新は、LinkedIn Jobsの料金改定やシステム移行を告知するものではありません。求人詐欺の傾向と、認証バッジ、勤務先認証、スパム検知、通報機能などを使った安全対策を整理した公式情報です。
LinkedIn Jobsの2026年6月更新で分かったこと
公式情報では、求人詐欺が起きやすい場面として、応募後よりも「求人を閲覧しているとき」や「採用担当者から最初に連絡を受けたとき」が重視されています。
主なポイントは次のとおりです。
| 確認項目 | 公式情報の要点 |
|---|---|
| 詐欺が起きやすい場面 | 求人閲覧時や採用担当者からの初回連絡 |
| 特に注意すべき行動 | 個人用チャットや外部メッセージサービスへの移動 |
| 信頼性を確認する方法 | 企業サイト、LinkedIn企業ページ、採用担当者、認証バッジの照合 |
| 金銭面の危険信号 | 機材購入、研修費、手数料、履歴書作成費などの前払い |
| LinkedIn側の対策 | 自動検知、偽アカウント対策、認証、スパム振り分け、通報機能 |
| 採用担当者への影響 | 対象となる採用関連の職歴を追加・編集する際、勤務先認証を求められる場合がある |
調査では、回答者の72%が応募前に求人の正当性を少なくとも時々確認し、57%は前年より求人詐欺を疑う機会が増えたと回答しました。また、62%が詐欺の疑いがある求人を見た経験があり、21%は被害経験、30%は被害に遭いかけた経験があるとしています。(LinkedIn News)
ただし、この調査の対象は英国、米国、インド、ドイツ、ブラジルの就業者8,512人で、日本は含まれていません。数値をそのまま日本国内の被害率として扱うのではなく、詐欺の手口や確認方法を知るための参考データとして見る必要があります。(LinkedIn News)
LinkedInの求人詐欺を見分けるチェックポイント
応募ボタンを押す前に、次の項目を確認してください。
| チェックポイント | 判断基準 |
|---|---|
| 企業の実在性 | 公式サイトに所在地、事業内容、連絡先が掲載されているか |
| 求人の一致 | 同じ求人が企業の公式採用ページにも掲載されているか |
| LinkedIn企業ページ | 投稿や社員情報があり、公式サイトと名称・URLが一致するか |
| 採用担当者 | 職歴、勤務先、つながり、企業ページとの関連が自然か |
| 認証バッジ | 求人、企業ページ、採用担当者に確認済み情報があるか |
| メールアドレス | フリーメールではなく企業ドメインを使用しているか |
| 連絡手段 | 初回から外部チャットへ急いで移動させようとしていないか |
| 金銭要求 | 手数料、機材費、研修費などを応募者に支払わせないか |
| 個人情報 | 採用決定前に銀行情報、身分証、パスワードを求めていないか |
| 選考内容 | 面接なしの即時採用や、不自然に高い報酬を提示していないか |
企業・求人・採用担当者を三点照合する
企業名を検索して公式サイトを見つけるだけでは不十分です。次の3点が一致するか確認します。
- LinkedIn Jobsに掲載された求人情報
- 企業の公式採用ページに掲載された求人情報
- 連絡してきた採用担当者のプロフィールと勤務先
職種名、勤務地、雇用形態、仕事内容が大きく異なる場合は、公式サイトに掲載された問い合わせ先から確認してください。採用担当者から提示された電話番号やメールアドレスではなく、自分で公式サイトから見つけた連絡先を使うことがポイントです。
LinkedInの調査でも、57%が企業や求人をオンライン検索し、47%が企業の公式採用サイトに同じ求人があるか確認していました。(LinkedIn News)
認証バッジは安全保証ではなく確認材料
求人の認証バッジは、企業ページや求人投稿者について、LinkedInまたは提携先が一定の情報を確認したことを示します。バッジをクリックすると、勤務先認証など、確認されている内容を確認できます。
ただし、認証バッジは次のことを保証するものではありません。
- 求人内容が自分に合っていること
- 必ず採用されること
- 選考中のすべての連絡が安全であること
反対に、バッジがないだけで詐欺求人とは判断できません。すべての求人に認証バッジが表示されるわけではないため、企業サイトや採用担当者も併せて確認します。求人の認証バッジはLinkedInが判定するもので、料金を支払って購入する仕組みではありません。(LinkedIn)
外部サイトへの移動は「移動先」と「目的」で判断する
LinkedInから外部へ移動しただけで、直ちに詐欺とは限りません。LinkedIn Jobsには、企業の公式採用サイトや採用管理システムに移動して応募する求人もあります。(LinkedIn)
注意すべきなのは、次のような移動です。
- 最初のメッセージでWhatsApp、Telegram、LINEなどへ移動させる
- 採用担当者の個人アカウントだけで選考を進める
- 企業の公式ドメインと関係のないフォームへ誘導する
- 暗号化アプリや遠隔操作ソフトのインストールを求める
- LinkedIn上で質問しても回答せず、外部移動を急かす
公式採用サイトへの応募と、個人用チャットへの誘導を混同しないことが大切です。
個人情報は提出するタイミングを確認する
応募初期に提出しても不自然ではない情報には、履歴書、職務経歴書、LinkedInプロフィール、希望勤務地、希望給与、面接可能日時などがあります。
一方、正式な採用通知やオンボーディング前に、次の情報を求められた場合は手続きを止めてください。
- 銀行口座やクレジットカード情報
- マイナンバーなどの公的番号
- パスポートや運転免許証の画像
- LinkedInやメールのパスワード
- SMSや認証アプリに表示された確認コード
- 金銭の送金やギフトカード番号
本人確認書類が必要になる採用手続きもありますが、通常は正式な採用決定後、企業が管理する人事システムなどで行われます。採用担当者の個人チャットへ画像を直接送る方法は避けてください。(LinkedIn)
機材の代理購入や立替払いには応じない
「業務用パソコンを購入すれば、入社後に返金する」という依頼は、公式情報でも代表的な詐欺手口として挙げられています。
次のような要求も同様に注意が必要です。
- パソコンやスマートフォンの購入
- 指定業者への研修費の支払い
- 採用手続き費用や登録料の送金
- 小切手を入金し、余った金額を返金するよう求める
- 依頼していない履歴書添削サービスの前払い
- 暗号資産やギフトカードによる支払い
正当な企業であれば、応募条件として求職者に送金させたり、会社用機材を個人名義で購入させたりするのが通常とは考えにくいため、原則として中止して確認します。(LinkedIn)
急かされるほど、一度止まる
詐欺では、応募者に調べる時間を与えないため、次のような言葉が使われます。
- 今日中に返信しなければ採用を取り消す
- 今すぐ本人確認が必要
- 機材の在庫がなくなるため、直ちに送金してほしい
- 面接なしで採用が決まった
- 誰にも相談しないでほしい
LinkedInの調査では、45%が「急いで対応するよう圧力をかけられること」を危険信号として挙げています。正当な求人であっても採用期限はありますが、企業確認や契約内容の確認を拒む理由にはなりません。(LinkedIn News)
危険度を3段階で判断する
求人詐欺の兆候には、単独では判断しにくいものと、その時点で手続きを止めるべきものがあります。
| 危険度 | 主な状況 | 取るべき行動 |
|---|---|---|
| 低 | 公式採用ページにも求人があり、企業ドメインから連絡が来る | 通常どおり応募し、記録を残す |
| 中 | 認証バッジがない、担当者のプロフィールが新しい、外部の採用管理システムを使う | 公式サイトや企業窓口で追加確認する |
| 高 | 金銭要求、銀行情報やパスワードの要求、外部チャットへの強制、不自然な即時採用 | 連絡を止め、LinkedInへ通報する |
認証バッジがないことや、企業サイトへ移動することだけで詐欺と決めつけないでください。一方、金銭、パスワード、認証コードの要求は、ほかの条件が正常に見えても応じないことが重要です。
今回の更新で影響を受ける人
一般の求職者
求職者は、認証バッジ、企業ページ、採用担当者のプロフィール、公式採用ページを組み合わせて確認する必要があります。
疑わしいメッセージが迷惑メールフォルダに振り分けられることもあるため、そこにある連絡を確認するときは、リンクをすぐ開かず、送信者と企業を先に検証してください。LinkedInは、疑わしいメッセージの振り分けや、不審なリンクを含む投稿の表示抑制などを安全対策として挙げています。(LinkedIn News)
採用担当者
採用担当者やリクルーターに該当する職歴を追加・編集する場合、対象ユーザーは勤務先認証を求められることがあります。認証には勤務先の企業ドメインのメールアドレスが必要で、Gmailなどの個人向けメールアドレスは使用できません。(LinkedIn)
採用担当者は、候補者から疑われないためにも、次の情報を整えておく必要があります。
- 現在の勤務先と職歴
- 企業のLinkedInページとの関連付け
- 勤務先認証
- 企業ドメインのメールアドレス
- 公式採用ページへのリンク
- 選考手順と個人情報の提出時期
LinkedIn Page管理者・採用管理者
企業ページの管理者は、会社名、公式サイト、所在地、ロゴ、採用ページの情報を一致させます。社員を装う偽プロフィールや、自社を装った求人を発見したときの社内通報経路も決めておくと安全です。
LinkedIn Recruiter、Campaign Manager、Sales Navigatorの利用者は、サービスへのアクセスに二要素認証が必要です。管理者は、担当者のアカウントで二要素認証が無効になっていないか確認してください。(LinkedIn)
設定・更新・移行・料金・期限の確認結果
2026年6月10日更新の公式情報を、実務上確認したい項目ごとに整理すると次のようになります。
| 項目 | 確認結果 |
|---|---|
| 設定変更 | 全一般ユーザーに必須となる新設定は案内されていない。二要素認証は有効化を推奨 |
| アプリ更新 | 必須バージョンや強制更新の案内はない |
| データ移行 | 求人、応募履歴、プロフィールの移行作業は案内されていない |
| 料金 | 今回の発表に伴う新たな利用料金は案内されていない |
| 認証バッジの料金 | 求人の認証バッジを購入することはできない |
| 対応期限 | 一般ユーザー向けの一斉対応期限は案内されていない |
| 採用担当者の認証 | 対象となる採用関連の職歴を追加・編集した際に求められる場合がある |
| 機能提供 | 認証や採用担当者の応答状況などの表示は、求人やアカウントによって異なる |
LinkedIn Job Matchの一部にはPremium会員向けのマッチレベルや「Top Applicant」表示がありますが、これは求人との適合度を確認する機能です。求人詐欺の確認や通報にPremium契約が必要になるという意味ではありません。(LinkedIn)
また、採用企業の応募確認状況や平均的な確認時間を表示するHirer responsiveness insightsは段階的に提供されており、すべての求人に表示されるわけではありません。表示がないことだけで、採用企業の対応が遅い、または詐欺であるとは判断できません。(LinkedIn)
LinkedInで今すぐ確認したい安全設定
二要素認証を有効にする
デスクトップ版では、次の順序で設定します。
- 画面上部の「自分」アイコンを開く
- 「設定とプライバシー」を選択する
- 「サインインとセキュリティ」を開く
- 「二要素認証」を選択する
- 認証アプリまたはSMSを設定する
LinkedInのパスワードが漏れた場合でも、第三者によるログインを防ぎやすくなります。認証コードは、採用担当者やサポート担当者を名乗る人物にも伝えないでください。(LinkedIn)
勤務先認証を確認する
勤務先認証を利用できる場合は、プロフィールの「リソース」から「今すぐ認証」を開き、勤務先メールアドレスへ届くコードを入力します。
勤務先メールのドメインは、プロフィールに登録した現在の勤務先と一致している必要があります。受信した確認コードの有効期限は15分です。なお、勤務先メールによる認証は対象企業から段階的に提供されており、すべてのユーザーに表示されるとは限りません。(LinkedIn)
詐欺が疑われる求人を通報する手順
LinkedIn Jobsでは、求人の詳細画面から通報できます。
- 該当する求人の詳細画面を開く
- 「その他」を選択する
- 「この求人を報告」を選択する
- 「スパムまたは詐欺だと思う」を選択する
- 詐欺、フィッシング、マルウェアなど該当する理由を選ぶ
- 内容を確認して送信する
通報理由には、個人情報の要求、金銭の要求、機材購入、外部サービスへの移動要求などを指定できます。LinkedInは通報を確認し、必要に応じて求人の修正や削除を行います。(LinkedIn)
すでに支払いや個人情報の送信をしてしまった場合は、次の対応を急いでください。
- 相手との連絡を止める
- 求人、プロフィール、メッセージ、送金先の記録を保存する
- LinkedInのパスワードを変更し、二要素認証を有効にする
- 同じパスワードを使用している他サービスも変更する
- 銀行やカード会社など、利用した決済事業者へ連絡する
- 企業の公式窓口に、採用担当者が実在するか確認する
- 必要に応じて警察や消費生活相談窓口へ相談する
LinkedInの求人詐欺でよくある疑問
認証バッジがあれば絶対に安全ですか?
絶対的な安全を保証するものではありません。バッジは、企業や投稿者について一定の情報が確認されていることを示す材料です。応募後のメッセージ内容、送信元ドメイン、金銭要求の有無も確認してください。
認証バッジがない求人は詐欺ですか?
バッジがないだけでは判断できません。企業の公式採用ページ、LinkedIn企業ページ、採用担当者の職歴を照合します。
企業の採用サイトへ移動する求人は危険ですか?
企業の公式採用サイトや正規の採用管理システムへの移動は一般的です。URLのドメイン、HTTPS通信、企業公式サイトから同じ応募ページへ移動できるかを確認してください。
パソコンを購入すれば後で返金すると言われました
購入しないでください。機材の代理購入と返金を組み合わせる手口は、LinkedInが注意を促している代表的な求人詐欺です。
LinkedIn Premiumに入れば詐欺求人を完全に防げますか?
Premiumは求人との適合度などを確認する機能を提供しますが、詐欺を完全に防止する契約ではありません。企業確認、認証バッジ、公式採用ページとの照合、二要素認証、通報機能は別の観点で利用します。
応募前の30秒チェックを習慣にする
LinkedInの求人詐欺を見分けるうえで、最も重要なのは最初の連絡で立ち止まることです。
応募前に、次の5点だけでも確認してください。
- 企業の公式採用ページに同じ求人がある
- 採用担当者の勤務先と企業ページが一致している
- メールや応募ページが公式ドメインにつながっている
- 金銭や重要な個人情報を求められていない
- 外部チャットへの移動を急かされていない
不審な点が一つでもあれば、相手が示した連絡先ではなく、企業の公式窓口から確認します。金銭、パスワード、認証コードを求められた場合は、その時点で手続きを止めて通報してください。

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