KB5121000の手動導入順序|Windows 11 26H1のMSUを正しく入れる方法

KB5121000をWindows 11 26H1へ手動導入するときは、Microsoft Update Catalogから最後のMSUだけを取得してダブルクリックするのではなく、使用中のCPUアーキテクチャに対応するpackage setをすべて取得することが重要です。

複数のMSUが提示された場合は、すべてを同じフォルダーに保存してDISMからKB5121000本体を指定する方法が安全です。個別に導入する場合は、Microsoftがx64・Arm64別に掲載している順番を変えず、上から順にインストールします。

KB5121000は、2026年8月11日に公開されたWindows 11 バージョン26H1向けセキュリティ更新プログラムで、適用後のOSビルドは28000.2704です。Microsoftは、この更新プログラムについて「1つ以上のMSUファイルで構成され、複数の場合は特定の順序でインストールする必要がある」と案内しています。(マイクロソフトサポート)

目次

KB5121000のスタンドアロンMSUを正しい順番で入れる方法

KB5121000を手動で導入する基本的な流れは、次のとおりです。

作業実施内容判断基準
対象確認Windows 11 26H1か確認するDisplayVersionが26H1
ビルド確認現在のOSビルドを確認する28000.2704未満か
アーキテクチャ確認x64またはArm64を確認するカタログの表記と一致させる
パッケージ取得ダウンロード画面に表示されたMSUをすべて保存する1件なら1件、複数なら全件
インストールDISMまたはMicrosoft記載順で導入するファイル名順で勝手に並べ替えない
適用確認再起動後にOSビルドを確認する28000.2704以上

特に間違えやすいのが、「KB5121000は必ず複数ファイルである」と決めつけることです。

Microsoftの表現は「1つ以上のMSU」です。ダウンロード時に1件だけ表示された場合は、その1件を使用します。複数件が表示された場合は、表示されたpackage setをすべて取得してください。過去の記事や別アーキテクチャのファイル数を基準にしてはいけません。

KB5121000を入れる前にWindows 11の状態を確認する

Windows 11 26H1と現在のビルドを確認する

KB5121000の対象はWindows 11 バージョン26H1です。Windows 11 24H2や25H2など、別バージョンには使用できません。

「設定」から確認する場合は、次の順に開きます。

  1. 「設定」を開く
  2. 「システム」を選択する
  3. 「バージョン情報」を開く
  4. 「Windowsの仕様」にあるバージョンとOSビルドを確認する

PowerShellでは、次のコマンドで確認できます。

$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'

[pscustomobject]@{
    DisplayVersion = $cv.DisplayVersion
    OSBuild        = "$($cv.CurrentBuild).$($cv.UBR)"
}

対象環境では、次のように表示されます。

DisplayVersion : 26H1
OSBuild        : 28000.xxxx

KB5121000だけが適用された直後の基準ビルドは28000.2704です。ただし、後発の累積更新プログラムが適用されている場合は、これより大きいビルド番号になります。(マイクロソフトサポート)

28000.2804以降ならKB5121000を重ねて入れない

2026年9月2日時点では、KB5121000は後発のプレビュー更新プログラムKB5120996、OSビルド28000.2804によって置き換えられています。

そのため、現在のビルドが28000.2804以降であれば、KB5121000を改めて導入する必要はありません。「適用対象外」と表示された場合も、先に新しい累積更新プログラムが入っていないか確認してください。(Microsoft Update Catalog)

なお、後発であることだけを理由にプレビュー更新プログラムを導入する必要はありません。安定運用を優先するPCでは、Windows Updateで提供される通常のセキュリティ更新プログラムを待つ判断もできます。

x64とArm64を確認する

KB5121000には、x64用とArm64用があります。アーキテクチャが異なるMSUは適用できません。

「設定」から確認する場合は、「システム」→「バージョン情報」→「システムの種類」を確認します。

PowerShellでは、次のコマンドを実行してください。

[System.Runtime.InteropServices.RuntimeInformation]::OSArchitecture

代表的な表示結果は次のとおりです。

表示選択するパッケージ
X64x64-based Systems
Arm64arm64-based Systems

Arm64版Windows上でx64アプリが動作していても、Windows UpdateのMSUはOS本体のアーキテクチャに合わせます。使用しているアプリの種類では判断しないでください。

保留中の再起動を先に完了する

別の更新プログラムを導入した直後など、Windowsが再起動待ちになっている場合は、KB5121000の導入前に再起動します。

次の状態で作業を始めると、DISMが保留状態を検出して失敗したり、導入後のビルド確認が分かりにくくなったりします。

  • Windows Updateに「再起動が必要です」と表示されている
  • 更新プログラムを導入後、一度も再起動していない
  • DISMやSFCを実行した直後で修復が保留されている
  • 長期間PCを再起動していない

業務用PCやサーバー用途の端末では、作業時間を確保し、重要データをバックアップしてから進めてください。

Microsoft Update Catalogから正しいpackage setを取得する

Microsoft Update Catalogで「KB5121000」を検索すると、x64用とArm64用の項目が表示されます。

アーキテクチャ選択する項目カタログ上のサイズ
x64Windows 11, version 26H1 for x64-based Systems、KB5121000、28000.27044063.4 MB
Arm64Windows 11, version 26H1 for arm64-based Systems、KB5121000、28000.27043329.3 MB

カタログ上では、x64版の製品欄に「Windows Insider Pre-Release」と表示される場合があります。分類名だけで判断せず、KB番号、Windows 11 26H1、OSビルド、アーキテクチャの4点を照合してください。(Microsoft Update Catalog)

MSUをダウンロードする手順

  1. Microsoft Update Catalogで「KB5121000」を検索する
  2. Windows 11 26H1向けであることを確認する
  3. x64またはArm64の正しい項目を選択する
  4. 「Download」をクリックする
  5. 表示されたダウンロードリンクを確認する
  6. 複数のMSUが表示された場合は、すべて保存する
  7. ファイル名を変更せず、同じフォルダーに置く

保存先は、アーキテクチャごとに分けると安全です。

C:\Packages\KB5121000\x64
C:\Packages\KB5121000\arm64

実際に使用する方のフォルダーだけへMSUを保存してください。x64とArm64を同じフォルダーへ混在させると、後述する自動処理で誤ったファイルを拾う原因になります。

package setの一部だけを取得しない

ダウンロード画面に複数のリンクが表示された場合、最後に表示されているKB5121000本体だけを保存してはいけません。

複数MSUで構成される更新プログラムでは、前段のパッケージが後段のパッケージを適用するための前提になることがあります。最後のMSUだけを実行すると、「この更新プログラムはお使いのコンピューターには適用できません」などのエラーになる可能性があります。

また、次のような基準でインストール順を推測するのも避けてください。

  • ファイル名のアルファベット順
  • KB番号の小さい順
  • ファイルサイズの小さい順
  • ダウンロードした時刻順
  • 公開日の古い順

正しい順序は、KB5121000のサポートページに掲載されたarchitecture別の一覧を基準にします。

推奨方法:すべてのMSUを同じフォルダーに置いてDISMで導入する

Microsoftが案内している1つ目の方法は、package setに含まれるすべてのMSUを同じフォルダーへ保存し、DISMで対象のKB5121000を指定する方法です。

この方法では、DISMが同じフォルダー内から必要な前提MSUを検出し、必要に応じて先に適用します。手作業で順番を入れ替える危険を減らせるため、複数MSUの導入ではこちらが適しています。(マイクロソフトサポート)

管理者権限でPowerShellを開く

スタートボタンを右クリックし、「ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を開きます。

ユーザーアカウント制御が表示されたら、「はい」を選択してください。

DISMでKB5121000を導入する

次のスクリプトは、Windowsのアーキテクチャを自動判定し、対応フォルダーにあるKB5121000本体をDISMへ渡します。

$arch = [System.Runtime.InteropServices.RuntimeInformation]::OSArchitecture.ToString()

$folder = switch ($arch) {
    'X64'   { 'C:\Packages\KB5121000\x64' }
    'Arm64' { 'C:\Packages\KB5121000\arm64' }
    default { throw "対応していないアーキテクチャです: $arch" }
}

if (-not (Test-Path -LiteralPath $folder -PathType Container)) {
    throw "パッケージフォルダーが見つかりません: $folder"
}

$target = @(
    Get-ChildItem -LiteralPath $folder -Filter '*kb5121000*.msu' -File
)

if ($target.Count -ne 1) {
    throw "KB5121000本体のMSUが1件に特定できません。検出件数: $($target.Count)"
}

$log = Join-Path $folder 'KB5121000-DISM.log'

Write-Host "Architecture : $arch"
Write-Host "Target       : $($target[0].FullName)"
Write-Host "Log          : $log"

& "$env:SystemRoot\System32\dism.exe" `
    /Online `
    /Add-Package `
    "/PackagePath:$($target[0].FullName)" `
    "/LogPath:$log"

$exitCode = $LASTEXITCODE

if ($exitCode -notin 0, 3010) {
    throw "DISMによる導入に失敗しました。終了コード: $exitCode"
}

if ($exitCode -eq 3010) {
    Write-Host '導入は完了しました。再起動が必要です。'
} else {
    Write-Host '導入処理が完了しました。'
}

複数MSUがある場合も、PackagePathにはKB5121000本体を指定します。前提となるMSUは、KB5121000本体と同じフォルダーに保存しておきます。

スクリプトが「検出件数0」と表示した場合は、次の点を確認してください。

  • KB5121000本体をダウンロードしているか
  • MSUの拡張子が変更されていないか
  • ファイルをサブフォルダーへ移動していないか
  • x64とArm64の保存先を間違えていないか

「検出件数2以上」と表示した場合は、異なる改訂版や重複ファイルが混在している可能性があります。フォルダーを空にして、Microsoft Update Catalogからpackage setを取り直す方が安全です。

個別にMSUを入れる場合はMicrosoftの記載順を固定する

Microsoftが案内している2つ目の方法は、MSUを1つずつ指定された順番でインストールする方法です。

この方法を使用する場合は、KB5121000のサポートページにあるarchitecture別の一覧を開き、掲載順をそのまま使用します。複数のMSUが記載されていれば、一覧の上から順に導入します。1つしか記載されていなければ、その1つだけを導入します。(マイクロソフトサポート)

インストール順をテキストファイルへ記録する

対象フォルダーに、次のファイルを作成します。

install-order.txt

ファイル内には、Microsoftの一覧に表示された順番でMSUのファイル名を1行ずつ記載します。

Microsoftの一覧で1番目に指定されたファイル.msu
Microsoftの一覧で2番目に指定されたファイル.msu
KB5121000本体のファイル.msu

上記は書式例です。実際には、ダウンロードしたMSUの正式なファイル名を記載してください。Microsoftの一覧が1件の場合は、1行だけにします。

PowerShellで上から順にインストールする

次のスクリプトを管理者権限のPowerShellで実行します。x64環境の例なので、Arm64の場合はフォルダー名をarm64へ変更してください。

$folder = 'C:\Packages\KB5121000\x64'
$orderFile = Join-Path $folder 'install-order.txt'

if (-not (Test-Path -LiteralPath $orderFile -PathType Leaf)) {
    throw "順序ファイルが見つかりません: $orderFile"
}

$packages = Get-Content -LiteralPath $orderFile |
    ForEach-Object { $_.Trim() } |
    Where-Object { $_ -and -not $_.StartsWith('#') }

if ($packages.Count -eq 0) {
    throw 'インストール対象が記載されていません。'
}

$restartNeeded = $false

foreach ($name in $packages) {
    $packagePath = Join-Path $folder $name

    if (-not (Test-Path -LiteralPath $packagePath -PathType Leaf)) {
        throw "MSUが見つかりません: $packagePath"
    }

    Write-Host "インストール中: $name"

    $result = Add-WindowsPackage `
        -Online `
        -PackagePath $packagePath `
        -NoRestart `
        -ErrorAction Stop

    if ($result.RestartNeeded) {
        $restartNeeded = $true
    }
}

if ($restartNeeded) {
    Write-Host 'すべての処理が完了しました。Windowsを再起動してください。'
} else {
    Write-Host 'すべての処理が完了しました。'
}

途中のMSUでエラーが発生した場合、スクリプトはそこで停止します。失敗した状態のまま次のMSUだけを手動実行せず、エラー原因を解消してからやり直してください。

DISM方式と個別インストール方式の違い

比較項目同一フォルダーからDISMMSUを個別に導入
推奨度高い順序を厳密に管理できる場合
順序管理DISMが前提MSUを検出利用者がMicrosoftの一覧どおりに指定
操作ミス少ない順番の入れ替えやファイル漏れが起きやすい
向いている場面通常の手動導入、複数端末の検証各MSUの結果を個別に記録したい場合
注意点必要なMSUを同じフォルダーへ置くarchitecture別の順番を厳守する

特別な運用上の理由がなければ、すべてのMSUを同じフォルダーへ保存してDISMから導入する方法が分かりやすく、安全です。

インストール後にKB5121000の適用結果を確認する

Windowsを再起動する

DISMの終了コードが3010だった場合や、Windowsから再起動を求められた場合は、必ず再起動します。

再起動しないままビルド番号を確認すると、更新プログラムが保留中で、以前のビルドが表示されることがあります。

OSビルドを確認する

再起動後、PowerShellで次のコマンドを実行します。

$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'

[pscustomobject]@{
    DisplayVersion = $cv.DisplayVersion
    OSBuild        = "$($cv.CurrentBuild).$($cv.UBR)"
}

KB5121000が最新の累積更新プログラムである環境では、次の値が基準です。

DisplayVersion : 26H1
OSBuild        : 28000.2704

後発の累積更新プログラムが入っている場合は、28000.2704より大きなビルド番号になります。累積更新プログラムでは、新しいビルドになっていれば、KB5121000が更新履歴に単独で残らない場合でも、その修正内容が後発更新に含まれている可能性があります。(マイクロソフトサポート)

Windows Updateの履歴も確認する

GUIでは、次の場所を確認します。

設定
  → Windows Update
    → 更新の履歴
      → 品質更新プログラム

KB5121000が表示されるか、KB5121000より後に公開されたWindows 11 26H1向け累積更新プログラムが表示されていることを確認してください。

KB5121000を手動導入できないときの確認ポイント

症状主な原因対処
この更新プログラムは適用できないと表示される26H1ではない、アーキテクチャが違う、後発更新が導入済みバージョン、ビルド、x64・Arm64を再確認する
DISMが途中で失敗する前提MSUの不足、ダウンロード不良、再起動保留package setを再取得し、先に再起動する
KB5121000本体が見つからない保存先やファイル名が違うフォルダーとMSUの拡張子を確認する
複数のKB5121000が検出される異なる改訂版や重複ファイルが混在専用フォルダーを作り直す
インストール後もビルドが変わらない再起動未実施、処理失敗再起動し、DISMログを確認する
最後のMSUだけ失敗する前段のMSUを入れていない、順序が違う同一フォルダーDISM方式でやり直す

DISMログを確認する

標準のDISMログは、次の場所にあります。

C:\Windows\Logs\DISM\dism.log

この記事のPowerShellスクリプトを使用した場合は、パッケージフォルダーにも専用ログが作成されます。

C:\Packages\KB5121000\x64\KB5121000-DISM.log

または、

C:\Packages\KB5121000\arm64\KB5121000-DISM.log

ログ内では、次の語句を検索すると原因を追いやすくなります。

Error
Failed
Not applicable
Package
Restart

ダウンロードしたMSUの署名を確認する

ファイル破損や不正な配布元が疑われる場合は、PowerShellで署名を確認できます。

Get-ChildItem 'C:\Packages\KB5121000\x64\*.msu' |
    Get-AuthenticodeSignature |
    Select-Object Path, Status, SignerCertificate

StatusValidにならない場合は、そのMSUを使用せず、Microsoft Update Catalogから再ダウンロードしてください。

WIMやインストールメディアへ組み込む場合の注意点

稼働中のWindowsへ導入するときはDISMの/Onlineを使用します。一方、マウントしたWIMイメージへ組み込む場合は、/Imageでマウント先を指定します。

DISM /Image:"C:\Mount\Windows" /Add-Package /PackagePath:"C:\Packages\KB5121000\x64\KB5121000本体.msu"

オフラインイメージの場合も、必要なMSUをすべて同じフォルダーへ置き、イメージのWindowsバージョンとアーキテクチャを一致させます。

Windows 11 26H1のインストールメディアをDynamic Updateで更新する場合は、boot.stlもWindowsのバージョンとアーキテクチャに合わせる必要があります。Microsoftは、不一致や欠落によってエラー0xc0430001が発生する可能性を案内しています。通常の稼働中PCへKB5121000を導入する作業とは別の注意点です。(マイクロソフトサポート)

KB5121000の手動導入順序で失敗しないための要点

KB5121000をスタンドアロンで導入するときは、最初にWindows 11 26H1であることと、x64・Arm64のどちらを使用しているかを確認します。

そのうえで、Microsoft Update Catalogの正しい項目を選び、ダウンロード画面に表示されたMSUをすべて取得してください。複数ファイルがある場合の推奨方法は、すべてを同じフォルダーへ置き、DISMからKB5121000本体を指定する方法です。

個別に導入するときは、Microsoftのarchitecture別一覧を上から順に使用します。ファイル名、容量、KB番号などから順序を推測してはいけません。

作業後はWindowsを再起動し、OSビルドが28000.2704以上になったことを確認します。最初にバージョンとアーキテクチャを確認し、専用フォルダーを作成してからpackage setを取得すると、ファイル不足や混在による失敗を防げます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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