KB5121003をMicrosoft Update Catalogからスタンドアロンで手動導入する場合は、KB5121003だけを先に実行してはいけません。Windows 11 24H2/25H2のx64・Arm64ともに、基本の順番は「KB5043080 → KB5121003」です。
KB5043080は、Windows 11 24H2以降で採用されたチェックポイント累積更新プログラムです。KB5121003を個別のMSUファイルから導入するときは、この前提パッケージを先に適用する必要があります。一方、Windows Update、Windows Update for Business、WSUSから配信する場合は、Windows側が前提関係を処理するため、管理者がMSUの順番を指定する必要はありません。(マイクロソフトサポート)
KB5121003の手動導入順序は「KB5043080 → KB5121003」
KB5121003は、2026年8月11日に公開されたWindows 11 24H2/25H2向けのセキュリティ更新プログラムです。インストール後のOSビルドは、24H2が26100.9168、25H2が26200.9168です。(マイクロソフトサポート)
個別にMSUファイルをインストールする場合の順番は次のとおりです。
| システムの種類 | 1番目に導入 | 2番目に導入 | KB5121003適用後のビルド |
|---|---|---|---|
| Windows 11 24H2 x64 | KB5043080 x64 | KB5121003 x64 | 26100.9168 |
| Windows 11 24H2 Arm64 | KB5043080 Arm64 | KB5121003 Arm64 | 26100.9168 |
| Windows 11 25H2 x64 | KB5043080 x64 | KB5121003 x64 | 26200.9168 |
| Windows 11 25H2 Arm64 | KB5043080 Arm64 | KB5121003 Arm64 | 26200.9168 |
MicrosoftがKB5121003のページで指定しているファイル名は次のとおりです。ダウンロード時は、KB番号だけでなく、x64またはarm64の表記も必ず確認してください。(マイクロソフトサポート)
x64版の順番
1番目:
windows11.0-kb5043080-x64_953449672073f8fb99badb4cc6d5d7849b9c83e8.msu
2番目:
windows11.0-kb5121003-x64_dc58f03fef04b4c611e0db0ab3fadfb301194113.msu
Arm64版の順番
1番目:
windows11.0-kb5043080-arm64_df540a05f9b118e339c5520f4090bb5d450f090b.msu
2番目:
windows11.0-kb5121003-arm64_9144db4353c76975d435b986bb4fced7478a0170.msu
ファイル名の末尾にある長い英数字は取り違え防止の目安になります。ただし、最終的にはMicrosoft Update Catalogのダウンロード画面に表示されたファイル名を優先してください。
KB5043080が先に必要になる理由
Windows 11 24H2以降では、「チェックポイント累積更新プログラム」という仕組みが使われています。
従来の累積更新プログラムは、Windowsの初期状態からの変更を一つの大きな更新として扱っていました。チェックポイント方式では、ある時点の更新を基準にして、その後の差分を配布します。これにより、更新に必要な時間、通信量、ストレージ使用量を抑えられる仕組みです。(Microsoft Learn)
KB5121003の場合、その基準となる前提パッケージがKB5043080です。KB5121003のMSUは、KB5043080またはそれ以降の適切な更新状態を前提に構成されています。そのため、更新状態が古いPCやオフラインイメージへKB5121003だけを適用すると、前提を満たせずインストールできない場合があります。
KB5043080自体は、2024年9月10日に公開されたWindows 11 24H2向けのセキュリティ更新プログラムで、OSビルド26100.1742に相当します。(マイクロソフトサポート)
KB5043080はSSUではない
KB5043080を「先に入れるSSU」と誤解しないよう注意が必要です。
KB5043080は、KB5121003より前に必要なチェックポイント累積更新プログラムです。一方、KB5121003にはサービススタック更新プログラムのKB5123304、ビルド26100.9156が含まれています。そのため、KB5123304を別途探して先にインストールする必要はありません。(マイクロソフトサポート)
手動で順番を意識する必要があるケース
導入方法によって、管理者がMSUの順番を管理する必要があるかどうかが異なります。
| 導入方法 | 順番の指定 | 対応 |
|---|---|---|
| Windows Update | 不要 | Windowsが自動処理 |
| Microsoft Update | 不要 | Windowsが自動処理 |
| Windows Update for Business | 不要 | ポリシーに従って自動処理 |
| WSUS | 原則不要 | 承認した更新をWindowsが処理 |
| MSUを1ファイルずつ実行 | 必要 | KB5043080から先に実行 |
| DISMで個別に適用 | 必要 | KB5043080、KB5121003の順で実行 |
| DISMで同一フォルダーから一括処理 | DISMが判定 | 前提MSUと対象MSUだけを配置 |
| オフラインイメージへの適用 | 必要 | イメージ更新用の手順で処理 |
Microsoftは、Windows UpdateとWSUSではチェックポイント累積更新プログラムが自動的に処理されると説明しています。今回の順序問題を特に意識する必要があるのは、Microsoft Update Catalogから取得したMSUを直接扱う場合です。(Microsoft Learn)
KB5121003を導入する前の確認事項
作業を始める前に、対象端末のバージョンとアーキテクチャを確認します。
Windows 11のバージョンを確認する
Windowsキー + Rを押し、次のコマンドを実行します。
winver
表示された画面で、バージョンが24H2または25H2であることを確認してください。23H2以前や26H1では、今回説明しているKB5121003のパッケージを使用できません。
x64かArm64かを確認する
「設定」から次の順番で開きます。
システム
→ バージョン情報
→ システムの種類
表示内容に応じて、次のパッケージを選びます。
| 表示 | 選ぶパッケージ |
|---|---|
| x64ベースプロセッサ | x64 |
| ARMベースプロセッサ、Arm64 | Arm64 |
CPUメーカーだけで判断しないでください。特にArm版Windowsでは、x64アプリを実行できる場合があるため、普段使用しているアプリだけではOSのアーキテクチャを判別できません。
現在のビルド番号を確認する
管理者権限でPowerShellを開き、次のコマンドを実行します。
$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'
'{0}.{1}' -f $cv.CurrentBuildNumber, $cv.UBR
既に次のビルド以上であれば、KB5121003またはそれより新しい累積更新プログラムが導入されている可能性があります。
24H2:26100.9168
25H2:26200.9168
また、2026年8月27日には、KB5121003より新しいオプションの累積更新プログラムKB5120998が公開され、24H2は26100.9278、25H2は26200.9278になっています。既に9278以降のビルドであれば、KB5121003を改めて導入する必要は通常ありません。(マイクロソフトサポート)
Microsoft Update Catalogから必要なMSUをダウンロードする手順
KB5121003のカタログには、24H2/25H2とx64/Arm64を組み合わせた4件の更新プログラムが登録されています。カタログ上の表示容量は、x64版が約5.38GB、Arm64版が約4.93GBです。(Microsoft Update Catalog)
ダウンロード手順は次のとおりです。
- Microsoft Update Catalogで「KB5121003」を検索します。
- 対象のWindowsバージョンを確認します。
x64-based Systemsまたはarm64-based Systemsを確認します。- 該当行の「Download」を選択します。
- 表示されたダウンロード画面から、必要なMSUファイルをすべて保存します。
C:\Packagesなどの作業用フォルダーへまとめます。
ダウンロード画面には、対象となるKB5121003だけでなく、先行するチェックポイント累積更新プログラムも表示されます。KB5121003のリンクだけを保存して閉じるのではなく、表示された前提MSUも含めて取得してください。(マイクロソフトサポート)
ブラウザーのポップアップブロックが有効になっていると、ダウンロード画面が表示されない場合があります。その場合は、Microsoft Update Catalogに対してポップアップを許可します。(Microsoft Update Catalog)
また、パッケージ自体が数GBあるため、ダウンロード容量だけでなく、Windowsが更新を展開するための空き領域も必要です。空き容量に余裕のあるローカルドライブを使用してください。
最も確実な方法はMSUを1つずつ順番に導入すること
KB5121003の手動導入では、各MSUを個別にインストールする方法が最も分かりやすく、失敗時の切り分けもしやすくなります。
ダブルクリックでインストールする手順
- 2つのMSUファイルを同じローカルフォルダーへ保存します。
- KB5043080のMSUをダブルクリックします。
- インストールが完了するまで待ちます。
- 再起動を求められた場合は、画面の指示に従います。
- KB5121003のMSUをダブルクリックします。
- インストール完了後にWindowsを再起動します。
winverでビルド番号を確認します。
MSUをダブルクリックすると、Windows UpdateスタンドアロンインストーラーであるWusa.exeが起動します。WUSAはインストール処理が終わるまで待機する同期方式で動作するため、最初のMSUが完了する前に2つ目を開かないでください。(マイクロソフトサポート)
エクスプローラーをファイル名順に並べるとKB5043080が先に表示されますが、並び順だけに頼らず、実行前に必ずKB番号を確認してください。
DISMでKB5121003を順番に導入する方法
複数端末への展開、ログを残した作業、GUIを使わない保守ではDISMが適しています。
まず、管理者権限のコマンドプロンプトを開きます。以下では、MSUをC:\Packagesに保存したものとして説明します。
x64版のDISMコマンド
最初にKB5043080をインストールします。
dism.exe /Online /Add-Package /PackagePath:"C:\Packages\windows11.0-kb5043080-x64_953449672073f8fb99badb4cc6d5d7849b9c83e8.msu"
正常終了を確認してから、KB5121003をインストールします。
dism.exe /Online /Add-Package /PackagePath:"C:\Packages\windows11.0-kb5121003-x64_dc58f03fef04b4c611e0db0ab3fadfb301194113.msu"
Arm64版のDISMコマンド
最初にKB5043080をインストールします。
dism.exe /Online /Add-Package /PackagePath:"C:\Packages\windows11.0-kb5043080-arm64_df540a05f9b118e339c5520f4090bb5d450f090b.msu"
正常終了を確認してから、KB5121003をインストールします。
dism.exe /Online /Add-Package /PackagePath:"C:\Packages\windows11.0-kb5121003-arm64_9144db4353c76975d435b986bb4fced7478a0170.msu"
途中で再起動が必要と表示された場合は、再起動後に残りの手順へ戻ります。すべてのパッケージを正常に適用した後も、Windowsを一度再起動してください。
同じフォルダーに置いてDISMへ自動判定させる方法
Microsoftは、すべてのMSUを同じフォルダーに置き、DISMに前提パッケージを検出させる方法も案内しています。
この方法では、作業フォルダーに次のファイルだけを配置します。
KB5043080のMSU
KB5121003のMSU
DISMの公式仕様では、対象となる最新の累積更新プログラムを/Add-Packageで指定すると、同じフォルダー内から必要なチェックポイント累積更新プログラムを検出し、適切な順番で処理します。フォルダーには、対象の累積更新プログラムと前提チェックポイント以外のMSUを置かないことが重要です。(Microsoft Learn)
例えば、過去のプレビュー更新、別アーキテクチャのMSU、ドライバー更新のMSUなどを同じフォルダーに混在させないでください。
現行のKBページでは一括方式のコマンド表記に注意
Microsoft LearnのDISM仕様では、対象となる最新の累積更新プログラムを指定するよう説明されています。また、KB5121003のArm64向け例でもKB5121003のMSUが指定されています。
一方、記事作成時点のKB5121003ページでは、一括方式のx64向けコマンド例にKB5043080のファイル名が表示されており、Arm64向け例やDISMの一般仕様と表記が揃っていません。(マイクロソフトサポート)
この表記差による混乱を避けるには、次のいずれかで対応するのが安全です。
- 本記事のようにKB5043080、KB5121003を個別に順番どおり実行する
- 自動化前にMicrosoftのKBページが更新されていないか再確認する
- 検証用端末でDISMログと適用結果を確認してから本番展開する
誰が実行しても同じ順序になる運用を優先するなら、個別方式のほうが手順書や作業記録を作成しやすくなります。
KB5043080が既に入っている場合の判断
端末にKB5043080またはその後の累積更新プログラムが既に適用され、言語パックやオンデマンド機能の追加作業も行っていない場合は、KB5121003だけで更新できることがあります。Microsoftも、最新チェックポイントが既に存在する端末では、対象の累積更新プログラムだけを適用できると説明しています。(Microsoft Learn)
ただし、端末の更新履歴が不明な場合は、次の対応が確実です。
- カタログ画面に表示された両方のMSUをダウンロードする
- KB5043080から先に実行する
- 既に適用済みと判定された場合は、OSバージョンとアーキテクチャを再確認する
- 問題がなければKB5121003へ進む
「この更新プログラムはお使いのコンピューターに適用できません」と表示された場合、既に前提が満たされているとは限りません。次の原因でも同様の状態になります。
| 主な原因 | 確認する内容 |
|---|---|
| x64とArm64の選択ミス | 「システムの種類」を再確認 |
| Windowsバージョンの違い | winverで24H2/25H2を確認 |
| より新しい累積更新を導入済み | 現在のOSビルドを確認 |
| 再起動待ち | Windowsを再起動して再実行 |
| ファイルの破損 | Microsoft Update Catalogから再取得 |
「Operation is not supported」と表示される場合
チェックポイント累積更新後に、ローカルソースから言語パックやオンデマンド機能を追加した環境では、MSUのダブルクリック時に「Operation is not supported」と表示される場合があります。
Microsoftは、このケースではすべてのチェックポイント累積更新プログラムと最新の対象更新プログラムを再度ダウンロードし、余計なMSUが入っていないローカルフォルダーからDISMで処理するよう案内しています。(マイクロソフトサポート)
対応手順は次のとおりです。
- 空の
C:\Packagesフォルダーを作成します。 - KB5043080とKB5121003の正しいアーキテクチャ版だけを保存します。
- ネットワーク共有上ではなく、端末のローカルフォルダーから実行します。
- 管理者権限でDISMを実行します。
- 再起動後にOSビルドを確認します。
言語パックやオンデマンド機能を組み込んだオフラインイメージでは、既にチェックポイントが適用されているように見えても、前提パッケージを含めてDISMで処理する必要があります。(Microsoft Learn)
オフラインイメージへ適用する場合は通常のPCと分けて考える
install.wimやboot.wimへKB5121003を統合する作業は、起動中のWindows PCへMSUを入れる手順とは異なります。
特にDynamic Updateとしてインストールメディアを更新する場合、Windowsのバージョンとアーキテクチャに一致するboot.stlが必要です。Microsoftは、このファイルが不足すると、インストールメディアから起動できなくなり、0xc0430001が発生する可能性があると説明しています。(マイクロソフトサポート)
企業でOSイメージを保守する場合は、単純にオンライン用のDISMコマンドを/Imageへ置き換えるのではなく、MicrosoftのDynamic Update手順に沿って、WinPE、メインOS、SafeOS関連パッケージを分けて処理してください。
インストール後にKB5121003の適用を確認する方法
再起動後、まずwinverを実行します。
正常にKB5121003が適用されていれば、次のビルドになります。
| Windowsバージョン | OSビルド |
|---|---|
| Windows 11 24H2 | 26100.9168 |
| Windows 11 25H2 | 26200.9168 |
PowerShellでは、次のコマンドでも確認できます。
$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'
[pscustomobject]@{
DisplayVersion = $cv.DisplayVersion
OSBuild = '{0}.{1}' -f $cv.CurrentBuildNumber, $cv.UBR
}
「設定」から確認する場合は、次の順番で開きます。
Windows Update
→ 更新の履歴
→ 品質更新プログラム
ビルド番号が9168より大きい場合は、KB5121003を含む、より新しい累積更新プログラムが適用されている可能性があります。その場合は、KB5121003の表示だけを目的に更新を戻さないでください。
KB5121003の導入で避けるべき失敗
手動導入時は、次の操作を避けてください。
KB5121003だけをダウンロードする
カタログのダウンロード画面に表示された前提MSUを取り忘れると、更新状態が古い端末へ適用できません。表示された必要ファイルをすべて取得してください。
KB5121003を先に実行する
個別方式では、KB5043080が先です。エクスプローラー上で選択した順番ではなく、KB番号を確認して実行します。
x64とArm64を混在させる
前提KBと対象KBは、両方とも同じアーキテクチャでそろえます。
正しい例:
KB5043080 x64 → KB5121003 x64
誤った例:
KB5043080 x64 → KB5121003 Arm64
一括処理用フォルダーに別のMSUを入れる
DISMが前提を自動検出する方式では、フォルダー内に対象更新と前提チェックポイントだけを配置します。古い更新や別製品のMSUを保管する共用フォルダーは使用しないでください。(Microsoft Learn)
複数のMSUを同時にダブルクリックする
最初のインストール結果を確認できなくなり、再起動要求やエラーの切り分けも難しくなります。1つずつ完了を確認して進めてください。
KB5121003を確実に手動導入するための要点
KB5121003をスタンドアロンで導入するときは、次の順番を守れば、前提MSUの取り違えを防げます。
1. Windows 11が24H2または25H2か確認
2. x64またはArm64を確認
3. Microsoft Update Catalogから必要なMSUをすべて取得
4. KB5043080を先にインストール
5. KB5121003をインストール
6. Windowsを再起動
7. OSビルドを確認
Windows UpdateやWSUSから通常配信できる環境では、手動インストールより既存の更新経路を優先します。オフライン端末、カタログからの個別導入、OSイメージの保守など、MSUを直接扱う場合に限って、KB5043080とKB5121003の順序を明示的に管理してください。

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