KB5121003でWindows AIコンポーネント4種を更新|バージョン確認・比較方法

Windows 11 24H2/25H2を搭載したCopilot+ PCでは、2026年8月11日公開のセキュリティ更新プログラム「KB5121003」により、Image Search、Content Extraction、Semantic Analysis、Settings Modelの4つのWindows AIコンポーネントがバージョン1.2605.856.0へ更新されます。

ただし、対象になるのはCopilot+ PCのみです。一般的なWindows 11 PCやWindows Serverには、KB5121003を適用してもAIコンポーネントはインストールされません。また、後続の更新プログラムを適用済みのPCでは、1.2605.856.0より新しいバージョンが表示されることがあります。バージョンが高い場合は異常ではなく、ダウングレードする必要もありません。([Microsoft サポート][1])

目次

KB5121003で更新されたWindows AI 4コンポーネントとバージョン

KB5121003のリリースノートでは、次の4つのWindows AIコンポーネントが、いずれも1.2605.856.0へ更新されると案内されています。([Microsoft サポート][1])

Windows AIコンポーネントKB5121003適用後のバージョン主な処理領域
Image Search1.2605.856.0画像の内容や意味を利用した検索処理
Content Extraction1.2605.856.0画像や文書などから情報を抽出する処理
Semantic Analysis1.2605.856.0単語の一致だけでなく、意味や文脈を解析する処理
Settings Model1.2605.856.0Windowsの設定検索や設定関連のAI処理

これらは、ユーザーが単独で起動する一般的なアプリではありません。Copilot+ PC上でAIモデルをローカル実行するために利用される内部コンポーネントです。更新後にスタートメニューへ新しいアプリが追加されるわけではありません。([Microsoft Learn][2])

なお、MicrosoftはKB5121003で更新された各コンポーネントについて、機能単位の詳細な変更内容を公開していません。そのため、「検索精度が何%改善した」「処理速度が必ず向上する」といった効果をリリースノートだけから断定することはできません。

確認できるのは、4コンポーネントの配布バージョンが1.2605.856.0であることです。

KB5121003の対象になるPC

KB5121003自体は、Windows 11 24H2および25H2の全エディションを対象とする累積的なセキュリティ更新プログラムです。

ただし、Windows AIコンポーネントの更新には追加の条件があります。

確認項目条件
OSWindows 11 バージョン24H2または25H2
デバイスCopilot+ PC
CPUアーキテクチャArm64またはx64の対象デバイス
Windows ServerAIコンポーネントは対象外
通常のWindows 11 PCCopilot+ PCでなければAIコンポーネントは対象外

Microsoftは、累積更新プログラムにAIコンポーネントの更新データが含まれていても、Copilot+ PC以外のWindows PCやWindows Serverにはインストールされないと説明しています。([Microsoft サポート][1])

そのため、通常のWindows 11 PCで「Image Searchが1.2605.856.0になっていない」と確認しても、直ちに更新失敗とは判断できません。

OSビルドとAIコンポーネントのバージョンは別物

KB5121003の適用確認では、OSビルドとWindows AIコンポーネントのバージョンを混同しないことが重要です。

確認対象KB5121003適用時の値
Windows 11 25H2のOSビルド26200.9168
Windows 11 24H2のOSビルド26100.9168
Windows AIコンポーネント1.2605.856.0

OSビルドは「26100.9168」または「26200.9168」、AIコンポーネントは「1.2605.856.0」という別の番号体系です。([Microsoft サポート][1])

さらに、次のバージョンもそれぞれ独立しています。

  • Microsoft Copilotアプリのバージョン
  • Microsoft Storeアプリのバージョン
  • NPUドライバーのバージョン
  • Windows App SDKのバージョン
  • Windows AIコンポーネントのバージョン

Copilotアプリが最新版でも、Windows AIコンポーネントまで更新済みとは限りません。反対に、AIコンポーネントが更新されていても、Copilotアプリのバージョンが同時に変わるとは限りません。

KB5121003の導入前に現在のバージョンを記録する

更新結果を正確に比較したい場合は、KB5121003のインストール前に現在の状態を記録します。

WindowsのバージョンとOSビルドを確認する

  1. WindowsキーとRキーを押します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」にwinverと入力します。
  3. 表示されたWindowsのバージョンとOSビルドを記録します。
  4. 必要に応じて画面をスクリーンショットで保存します。

KB5121003を単独で適用した直後であれば、次のOSビルドが目安です。

  • Windows 11 24H2:26100.9168
  • Windows 11 25H2:26200.9168

後続の累積更新プログラムを適用している場合は、これより大きいOSビルドになります。

AIコンポーネントの状態を確認する

Copilot+ PCでは、次の場所からインストールされているAIモデルやAIコンポーネントを確認します。

設定 → システム → AIコンポーネント

Microsoftも、AIモデルが正しくインストールされているかを確認する場所として、この画面を案内しています。([Microsoft Learn][3])

更新前に次の4項目を確認し、表示されているバージョンを記録します。

  • Image Search
  • Content Extraction
  • Semantic Analysis
  • Settings Model

Windowsのビルドや表示仕様によっては、一覧画面では名称だけが表示され、項目を選択すると詳細情報が表示される場合があります。

KB5121003をインストールする手順

通常は、Windows Updateから自動的にダウンロードおよびインストールされます。

  1. 設定を開きます。
  2. Windows Updateを選択します。
  3. 更新プログラムのチェックをクリックします。
  4. KB5121003、またはKB5121003を含む後続の累積更新プログラムをインストールします。
  5. 再起動を求められた場合はPCを再起動します。
  6. 再起動後、もう一度更新プログラムを確認します。

企業や自治体などの管理端末では、Windows Update for Business、WSUS、Microsoft Intuneなどの更新ポリシーによって配信時期が制御されていることがあります。

KB5121003は、Windows Update、Windows Update for Business、Microsoft Update Catalog、WSUSで提供されています。([Microsoft サポート][1])

導入後に4コンポーネントのバージョンを比較する

再起動後、再び次の画面を開きます。

設定 → システム → AIコンポーネント

更新前に記録した値と、更新後の値を比較します。

コンポーネント更新前KB5121003の基準値更新後判定
Image Search記録した値1.2605.856.0確認した値判定する
Content Extraction記録した値1.2605.856.0確認した値判定する
Semantic Analysis記録した値1.2605.856.0確認した値判定する
Settings Model記録した値1.2605.856.0確認した値判定する

判定は次のように行います。

更新後の状態判定
1.2605.856.0になっているKB5121003のリリースノートどおり
1.2605.856.0より新しい後続更新またはプレビュー更新が適用済み
1.2605.856.0より古い更新未完了、再起動待ち、配信制御などを確認
4項目すべて表示されないCopilot+ PCかどうかを確認
一部だけ古い、または表示されない更新状態やコンポーネントのインストール状態を再確認

バージョン番号を比較するときは、文字列ではなく、ドットで区切られた数値として比較します。

PowerShellで手入力した2つのバージョンを比較する場合は、次のように実行できます。

$expected = [version]"1.2605.856.0"
$current  = [version]"1.2608.951.0"

if ($current -ge $expected) {
    "基準バージョン以上です"
} else {
    "基準バージョンより古い状態です"
}

この例では、1.2608.951.0は1.2605.856.0より新しいため、「基準バージョン以上です」と表示されます。

1.2605.856.0より新しい場合は更新失敗ではない

KB5121003のリリースノートに記載されているバージョンは1.2605.856.0ですが、PCの更新経路によっては、より新しいバージョンがすでにインストールされていることがあります。

MicrosoftのWindows AIコンポーネント更新履歴には、次のようなバージョンも掲載されています。

公開時期バージョン例
2026年6月1.2605.856.0
2026年7月1.2607.840.0
2026年8月以降1.2608.951.0

Windows AIコンポーネントは、累積更新プログラムやプレビュー更新プログラムによって段階的に更新されます。更新履歴上、KB5121003より前に公開されたプレビュー更新で、1.2607.840.0が配布された例もあります。([Microsoft Learn][2])

そのため、実際の判定では「1.2605.856.0と完全一致しているか」だけを見るのではなく、次の基準を使います。

  • 1.2605.856.0と同じなら正常
  • 1.2605.856.0より新しければ正常
  • 1.2605.856.0より古い場合は確認が必要

新しいバージョンを1.2605.856.0へ戻す必要はありません。

後続の更新プログラムでは1.2608.951.0へ更新される

2026年9月8日公開のKB5124008では、同じ4つのWindows AIコンポーネントが1.2608.951.0へ更新されます。

対象は次の4コンポーネントです。

  • Image Search
  • Content Extraction
  • Semantic Analysis
  • Settings Model

KB5124008適用後に1.2608.951.0と表示される場合は、KB5121003の基準値より新しい正常な状態です。([Microsoft サポート][4])

現在PCを更新する場合、KB5121003だけを個別に探してインストールするよりも、その時点で利用可能な最新の累積的なセキュリティ更新プログラムを適用する方が適切です。累積更新プログラムには、過去の修正やコンポーネント更新がまとめて含まれます。

バージョンが更新されないときの確認事項

PCがCopilot+ PCか確認する

最初に確認すべきなのは、対象端末がCopilot+ PCであるかどうかです。

KB5121003は通常のWindows 11 PCにもインストールされますが、Windows AIコンポーネントはCopilot+ PC以外にはインストールされません。([Microsoft サポート][1])

「KB5121003のインストールは成功しているのに、AIコンポーネントが見つからない」という場合は、更新失敗ではなく、対象外デバイスである可能性があります。

PCを再起動する

累積更新プログラムのインストール後、再起動が保留されていると、OSビルドやコンポーネントの状態が完全に切り替わらないことがあります。

Windows Update画面に「再起動が必要です」と表示されていない場合でも、一度再起動してから確認します。

Windows Updateをもう一度実行する

再起動後に、次の操作を行います。

  1. 設定を開きます。
  2. Windows Updateを開きます。
  3. 更新プログラムのチェックを実行します。
  4. 保留中の更新プログラムをすべて適用します。
  5. 必要に応じて再起動します。

AIコンポーネントが不足している場合も、MicrosoftはWindows Updateを確認し、必要に応じて再起動するよう案内しています。([Microsoft Learn][3])

更新履歴を確認する

次の場所を開きます。

設定 → Windows Update → 更新の履歴

KB5121003または、それより新しい累積更新プログラムが正常にインストールされているか確認します。

インストール失敗が記録されている場合は、エラーコードを確認してから再試行します。企業管理端末では、WSUSやIntune側で承認されていない可能性もあります。

4項目のうち一部だけ古い場合

4つのAIコンポーネントのうち一部だけバージョンが古い場合は、次の順番で確認します。

  1. PCを再起動する
  2. Windows Updateを再実行する
  3. 更新の一時停止が有効になっていないか確認する
  4. 設定のAIコンポーネント画面を開き直す
  5. 後続の累積更新プログラムを適用する

手動でコンポーネントのファイルを削除したり、非公式サイトからパッケージを入手したりする方法は避けてください。Windows AIコンポーネントは、Windows Updateを通じて更新するのが基本です。

Arm版Copilot+ PCでは後続更新を優先する

KB5121003の公開後、Armベースの一部デバイスで、新しいOutlookやMicrosoft Teamsが起動できない、または予期せず終了する既知の問題が案内されました。

この問題は、2026年9月8日以降のKB5124008などで解決されています。Surface Pro 11やSurface Laptop 7などのArm版Copilot+ PCを利用している場合は、KB5121003の状態で止めず、後続の累積更新プログラムを適用することが重要です。([Microsoft サポート][1])

Windows AIコンポーネント更新の確認ポイント

KB5121003におけるWindows AIコンポーネント更新の要点は、次のとおりです。

  • 対象OSはWindows 11 24H2および25H2
  • AIコンポーネントの更新対象はCopilot+ PCのみ
  • Image Searchは1.2605.856.0
  • Content Extractionは1.2605.856.0
  • Semantic Analysisは1.2605.856.0
  • Settings Modelは1.2605.856.0
  • OSビルドとAIコンポーネントのバージョンは別に確認する
  • 1.2605.856.0より新しい場合は正常
  • 現在の運用では、その時点で最新の累積更新プログラムを優先する

更新前後のOSビルドと4つのコンポーネントバージョンを記録しておけば、更新が適用されたか、後続バージョンへ進んでいるかを正確に判断できます。
[1]: https://support.microsoft.com/en-us/servicing/os/windows-11/2026/08/kb5121003-windows-11-24h2-25h2-security-update “August 11, 2026—KB5121003 (OS Builds 26200.9168 and 26100.9168) | Microsoft Support”
[2]: https://learn.microsoft.com/windows/release-health/ai-components-release-information “Release information for AI components | Microsoft Learn”
[3]: https://learn.microsoft.com/en-us/windows/ai/apis/troubleshooting?utm_source=chatgpt.com “Windows API troubleshooting | Microsoft Learn”
[4]: https://support.microsoft.com/en-us/help/5124008 “September 8, 2026—KB5124008 (OS Builds 26200.9445 and 26100.9445) | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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