Windows保護印刷モードでプリンターが消えたときの対処法|Mopria確認と再追加の順序

Windows 11でWindows保護印刷モードをオンにした直後にプリンターが消えた場合、機器が故障したとは限りません。

Windows保護印刷モードは、メーカー製ドライバーで登録されているプリンターを削除し、Mopriaに対応した機器をWindows標準の新しい印刷方式で利用するための機能です。そのため、Mopria認証プリンターでも、メーカー製ドライバーで登録されていた場合は一覧から消えることがあります。

対処する順序は、次のとおりです。

正確な型番でMopria対応を確認し、対応機ならWindowsから再追加します。非対応機を使い続ける必要がある場合は、Windows保護印刷モードをオフにしてからメーカー製ドライバーを再インストールします。 ([Microsoft サポート][1])

目次

Windows保護印刷モードをオンにするとプリンターが消える理由

Windows保護印刷モードは、メーカーごとの従来型ドライバーを使わず、Windowsのモダン印刷スタックだけで印刷するためのモードです。

有効にすると、メーカー製ドライバーを使用しているプリンターはWindowsからアンインストールされ、そのドライバーも保護印刷モードが有効な間は利用できなくなります。

ここで重要なのは、次の2点です。

  • プリンター本体がMopria認証機であっても、メーカー製ドライバーで登録されていれば一度削除される
  • すでにWindowsのモダン印刷スタックで登録されているプリンターは、基本的に削除されない

つまり、確認すべきなのはプリンター本体の故障ではなく、機器の対応状況と、消える前にどのドライバーで登録されていたかです。 ([Microsoft サポート][1])

最初に症状を切り分ける

プリンターが使えなくなったときは、一覧から完全に消えたのか、一覧には残っているが印刷できないのかを確認します。

症状考えられる原因最初に行うこと
保護印刷モードをオンにした直後、一覧から消えたメーカー製ドライバーを使う印刷キューが削除されたMopria対応を確認する
Mopria対応機なのに消えた本体は対応しているが、メーカー製ドライバーで登録されていた保護印刷モードを維持したままWindowsから再追加する
プリンターは表示されるが「オフライン」になるネットワーク、USB接続、電源など別の問題接続状態を確認する
印刷はできるがスキャナーが表示されないスキャナー部分がMopria認証されていない可能性があるスキャン対応を別に確認する
「オフにする」が押せない組織のグループポリシーで有効化されている可能性がある管理者に連絡する

「プリンターが消えた」と「プリンターがオフラインになった」は別の症状です。Windows保護印刷モードを有効にした直後に一覧から消えた場合は、まずドライバーの削除を疑います。

対処はMopria対応の確認から始める

Windows保護印刷モードで利用できるのは、原則としてMopria認証機です。

確認するときは、製品シリーズ名ではなく、プリンター本体の正確な型番を調べてください。

例えば、同じシリーズでも次の違いによって対応状況が異なる可能性があります。

  • 型番末尾の「D」「DW」「DN」など
  • 国内向けモデルと海外向けモデル
  • プリンター単機能モデルと複合機
  • 同じ外観でも発売時期が異なるモデル

本体前面の名称だけで判断せず、背面や側面の銘板、設定画面、管理ページなどから正式な型番を確認します。

そのうえで、Mopriaの認証製品一覧から該当する型番を検索します。 ([Mopria][2])

印刷とスキャンは別々に確認する

複合機では、印刷機能がMopriaに対応していても、スキャナー機能まで対応しているとは限りません。

Microsoftの案内でも、Mopria認証プリンターのすべてがMopria認証スキャナーを備えているわけではなく、印刷部分だけがインストールされる場合があると説明されています。 ([Microsoft サポート][1])

確認結果は次のように整理します。

Mopriaの確認結果対処方針
印刷もスキャンも対応保護印刷モードを維持してWindowsから再追加する
印刷のみ対応印刷は再追加し、スキャンは別途対応を検討する
型番が掲載されていないメーカー資料も確認し、非対応なら保護印刷モードをオフにする
正確な型番を特定できない本体ラベルやメーカーの管理画面から再確認する

Mopria対応プリンターをWindowsから再追加する手順

Mopria対応が確認できた場合は、Windows保護印刷モードをオフにせず、Windowsの設定画面からプリンターを再追加します。

メーカー製ドライバーのインストーラーを先に実行するのではなく、次の順序で進めてください。

プリンターの接続状態を確認する

ネットワークプリンターの場合は、次を確認します。

  • プリンターの電源が入っている
  • プリンターが有線LANまたは無線LANに接続されている
  • パソコンとプリンターが通信できるネットワークにいる
  • 無線LANの場合は、同じSSIDまたは相互通信できるネットワークに接続されている
  • プリンター側でIPPが無効になっていない

USBプリンターの場合は、USBケーブルを接続し、プリンターの電源を入れます。

Windows 11から再追加する

  1. スタートを開きます。
  2. 設定を開きます。
  3. Bluetoothとデバイスを選択します。
  4. プリンターとスキャナーを開きます。
  5. 「プリンターまたはスキャナーを追加する」の横にあるデバイスの追加を選択します。
  6. 検索結果に目的のプリンターが表示されるまで待ちます。
  7. 対象プリンターの横にあるデバイスの追加を選択します。

プリンターの検索には数分かかる場合があります。ネットワークプリンターでは、パソコンとプリンターが同じネットワーク上にあることが重要です。 ([Microsoft サポート][3])

プリンターが検索結果に表示されない場合

すぐにメーカー製ドライバーをインストールするのではなく、次の順番で確認します。

  1. 型番がMopria認証一覧に掲載されているか再確認する
  2. プリンターを再起動する
  3. パソコンとプリンターのネットワークを確認する
  4. プリンター側のIPP設定を確認する
  5. Windowsの検索が完了するまで待つ
  6. 「プリンターが一覧にない場合」などの手動追加メニューを確認する

Windows保護印刷モードが有効な状態では、メーカー製の従来型ドライバーを使った登録はできません。Mopria対応機を保護印刷モードで使う場合は、Windows側の追加経路を優先します。

再追加後に確認すべき設定

プリンターが再表示されたからといって、以前の印刷設定まで同じ状態に戻ったとは限りません。

再追加後は、少なくとも次の項目を確認してください。

  • 通常使うプリンターの設定
  • 用紙サイズ
  • カラーまたは白黒
  • 片面印刷または両面印刷
  • 給紙トレイ
  • 部数
  • 印刷品質
  • テストページの印刷
  • スキャナー設定の有無

Windowsが通常使うプリンターを自動管理している場合、最後に使用したプリンターが既定になることがあります。特定のプリンターを固定したい場合は、「Windowsで通常使うプリンターを管理する」をオフにして、対象機を通常使うプリンターに設定します。 ([Microsoft サポート][4])

スキャナーが認識されているか確認する

複合機の場合は、次の場所を確認します。

  1. 設定を開きます。
  2. Bluetoothとデバイスを選択します。
  3. プリンターとスキャナーを開きます。
  4. 再追加した複合機を選択します。
  5. スキャナーに関する設定が表示されるか確認します。

プリンターとして表示されていても、スキャナーとして認識されていないことがあります。印刷できることだけで、スキャンにも対応していると判断しないでください。 ([Microsoft サポート][5])

Mopria非対応機を使う場合は保護印刷モードをオフにする

正確な型番を確認した結果、Mopria非対応だった場合、そのプリンターはWindows保護印刷モードが有効な状態では利用できません。

業務上その機器を使い続ける必要がある場合は、次の順序で復旧します。

  1. Windows保護印刷モードをオフにする
  2. メーカー製ドライバーをインストールする
  3. プリンターを再追加する
  4. 印刷設定と動作を確認する

メーカー製ドライバーを先にインストールしないことが重要です。 保護印刷モードが有効なままでは、メーカー製ドライバーを使うプリンターを登録できません。

Windows保護印刷モードをオフにする手順

  1. スタートを開きます。
  2. 設定を開きます。
  3. Bluetoothとデバイスを選択します。
  4. プリンターとスキャナーを開きます。
  5. 画面下部のプリンターの環境設定まで移動します。
  6. 「Windows保護印刷モード」の横にあるオフにするを選択します。
  7. 確認画面ではいを選択します。

Windowsのバージョンや表示言語によって、ボタン名が多少異なる場合があります。

保護印刷モードをオフにすると、メーカー製ドライバーを利用できる状態になります。ただし、削除されたプリンターが自動的に復元されるわけではありません。 ([Microsoft サポート][1])

メーカー製ドライバーを再インストールする

保護印刷モードをオフにしたあと、プリンターメーカーの公式サポートページからドライバーを入手します。

ダウンロード時は次の条件を確認してください。

  • プリンターの正確な型番
  • Windows 11対応であること
  • 64ビット版やArm版など、パソコンのシステム種類
  • プリンタードライバーとスキャナードライバーの違い
  • 複合機用の統合ソフトウェアが必要か
  • 古いドライバーが残っている場合の削除手順

ドライバーをインストールしたら、メーカーの案内またはWindowsの「プリンターとスキャナー」からプリンターを再追加します。

モードをオフにしても以前のプリンターは自動復元されない

Windows保護印刷モードをオフにしただけで、以前の印刷キューや設定が元に戻ったと判断しないでください。

Microsoftの案内では、非対応プリンターは保護印刷モードを無効にしたあと、改めて再インストールする必要があります。 ([Microsoft サポート][1])

再追加後は次の項目を確認します。

  • プリンターがアプリの印刷画面に表示されるか
  • 通常使うプリンターが正しいか
  • 両面印刷が利用できるか
  • カラー印刷が利用できるか
  • 増設トレイやフィニッシャーが認識されているか
  • 部門コードや認証印刷など、必要な機能が利用できるか
  • スキャナードライバーが別途必要ではないか

特に業務用複合機では、メーカー製ドライバーに依存する設定があります。テストページが印刷できただけで復旧完了とせず、実際に使用する業務アプリからも確認してください。

Mopria対応機をメーカー製ドライバーに戻したい場合

Mopria対応プリンターをWindows保護印刷モード中に再追加すると、そのプリンターはWindowsのモダン印刷スタックを使用します。

その後に保護印刷モードをオフにしただけでは、自動的にメーカー製ドライバーへ切り替わりません。

メーカー独自の機能を利用するため、従来のドライバーに戻したい場合は、次の手順が必要です。

  1. Windows保護印刷モードをオフにする
  2. 現在のプリンター登録を削除する
  3. メーカー製ドライバーをインストールする
  4. プリンターを再登録する
  5. 必要な印刷設定をやり直す

「保護印刷モードをオフにしたから、現在のプリンターもメーカー製ドライバーに戻った」と思い込まないようにしてください。 ([Microsoft サポート][1])

組織のパソコンでは管理者への確認が必要

会社、学校、自治体などの管理端末では、Windows保護印刷モードがグループポリシーや端末管理サービスによって有効化されていることがあります。

この場合、利用者が設定画面からオフにすることはできません。

次のような状態なら、システム管理者に連絡してください。

  • 「オフにする」ボタンが表示されない
  • ボタンがグレーアウトしている
  • オフにしても再び有効になる
  • 「一部の設定は組織によって管理されています」と表示される
  • メーカー製ドライバーのインストールが拒否される

管理者へ連絡するときは、次の情報を伝えると判断が早くなります。

  • プリンターのメーカー名と正確な型番
  • 接続方法がUSBかネットワークか
  • Mopria印刷対応の確認結果
  • Mopriaスキャン対応の確認結果
  • 必要としている機能
  • 保護印刷モードをオンにする前は利用できていたこと
  • プリンターが消えた日時

グループポリシーで有効化されているWindows保護印刷モードは、端末の利用者だけでは無効化できません。 ([Microsoft サポート][1])

OneNoteなどの仮想プリンターは別に考える

Windows保護印刷モードは、物理プリンターだけでなく、対応していないソフトウェアプリンターや仮想プリンターにも影響します。

Microsoftは、従来の「OneNote(デスクトップ)」仮想プリンターが削除対象になる場合があると案内しています。復旧時にOfficeの修復が必要になるケースもあります。 ([Microsoft サポート][1])

ただし、仮想プリンターは次の条件によって復旧方法が異なります。

  • OneNoteの種類
  • Microsoft 365版か永続ライセンス版か
  • Officeの更新状況
  • Windowsのバージョン
  • 新しい保護対応の仮想プリンターが導入されているか
  • 組織のアプリ配布ポリシー

そのため、物理プリンター向けの「Mopriaを確認してデバイスを追加する」という手順を、OneNoteなどの仮想プリンターへそのまま転用しないでください。対象アプリの修復や再インストール、管理者によるアプリ配布の確認が必要です。

よくある失敗と正しい対応

失敗しやすい対応問題点正しい対応
プリンターが消えたので故障と判断するWindowsが意図的に登録を削除した可能性がある有効化した時刻と症状を確認する
シリーズ名だけでMopria対応と判断する型番の末尾違いで対応状況が異なる可能性がある正確な型番で検索する
Mopria対応ならスキャンもできると思う印刷とスキャンの認証は別両方を個別に確認する
保護印刷モード中にメーカー製ドライバーを入れるモードの仕様と競合する対応機はWindowsから再追加する
モードをオフにするだけで復元を待つ削除済みのプリンターは自動復元されないドライバーを入れ直して再追加する
再追加後の設定を確認しない既定値や両面印刷などが変わる可能性がある実際の業務条件でテストする
管理端末の設定を無理に変更する組織のポリシーに反する可能性がある管理者へ型番と必要機能を伝える

Windows保護印刷モードを維持するかの判断基準

プリンターが消えたからといって、すぐにWindows保護印刷モードをオフにする必要はありません。

次の条件を満たす場合は、保護印刷モードを維持し、Windowsから再追加する方法が適しています。

  • プリンターがMopria認証機である
  • 必要な印刷機能が利用できる
  • 必要ならスキャナーもMopriaに対応している
  • メーカー独自ドライバーに依存する機能を使っていない
  • ドライバー管理を簡素化したい
  • セキュリティを優先したい

一方、次のような場合は、組織のルールを確認したうえでオフにする判断が必要です。

  • プリンターがMopria非対応
  • スキャナーがMopria非対応
  • 部門管理や認証印刷など、メーカー製ドライバーが必要
  • 特殊用紙、ラベル、帳票などの専用設定が必要
  • 業務アプリが特定のプリンタードライバーを前提としている
  • 現在の機器を継続利用しなければならない

組織全体で有効化する場合は、いきなり全端末へ適用せず、プリンターと複合機の型番を一覧化し、少数の端末で印刷・スキャン・業務アプリを事前検証する方法が安全です。

迷ったときはこの順序で復旧する

Windows保護印刷モードをオンにしてプリンターが消えた場合は、次の順序で進めれば、不要なドライバー再インストールや設定変更を避けられます。

  1. プリンターの正確な型番を確認する
  2. Mopriaの印刷対応を確認する
  3. 複合機ならMopriaのスキャン対応も確認する
  4. 対応機なら保護印刷モードを維持したままWindowsから再追加する
  5. 再追加後に印刷設定とスキャン機能を確認する
  6. 非対応機を使う必要がある場合だけ保護印刷モードをオフにする
  7. オフにしたあとメーカー製ドライバーをインストールする
  8. プリンターを再追加して実際の業務条件でテストする
  9. 管理端末で変更できない場合はシステム管理者へ連絡する

最初にメーカー製ドライバーを入れ直すのではなく、Mopria確認を先に行うことがポイントです。

プリンターが消えた直後は、故障対応や買い替えを進める前に、Windows保護印刷モードによって登録が削除された可能性を確認してください。
[1]: https://support.microsoft.com/en-us/windows/modern-print-platform-4f59fa38-3419-41c7-a6a7-8ca4e21f70bc?utm_source=chatgpt.com “Modern print platform – Microsoft Support”
[2]: https://mopria.org/certified-products?utm_source=chatgpt.com “Find Mopria Certified Products”
[3]: https://support.microsoft.com/en-us/windows/hardware/printer/add-or-install-a-printer-in-windows?utm_source=chatgpt.com “Add or install a printer in Windows – Microsoft Support”
[4]: https://support.microsoft.com/en-us/windows/hardware/printer/set-a-default-printer-in-windows?utm_source=chatgpt.com “Set a default printer in Windows – Microsoft Support”
[5]: https://support.microsoft.com/en-us/windows/hardware/printer/install-and-use-a-scanner-in-windows?utm_source=chatgpt.com “Install and use a scanner in Windows – Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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