Windows 11でCross Device Experience Host更新が失敗するエラー0x80073D02の原因と解決方法

Windows 11 で「Cross Device Experience Host(MicrosoftWindows.CrossDevice)」の更新だけが何度も失敗し、信頼性モニターにエラー 0x80073D02 が並ぶと、とても不安になります。本記事では、実際に Windows 11 Home 24H2(OS Build 26100.5074)環境で発生したケースをベースに、原因の考え方と具体的な解決手順、再発防止策までを詳しく解説します。

目次

Cross Device Experience Host 更新が失敗する現象の概要

まずは、今回のケースで確認された状況を整理します。

  • OS:Windows 11 Home 24H2(OS Build 26100.5074)
  • 更新対象:Cross Device Experience Host(パッケージ名:MicrosoftWindows.CrossDevice)
  • エラーコード:0x80073D02
  • エラーの記録場所:信頼性モニターのみ(Windows Update 画面には失敗表示なし)
  • 記録されるメッセージ:
    Installation Failure: Windows failed to install the following update with error 0x80073D02: 9NTXGKQ8P7N0‑MicrosoftWindows.CrossDevice.
  • SFC(システムファイルチェッカー):異常なし
  • Cドライブ空き容量:250GB 以上
  • Microsoft Store と Windows OS:同じ Microsoft アカウントでサインイン済み
  • 市販のウイルス対策ソフトと VPN を常用

見た目上は Windows Update も Microsoft Store も正常に動作しているように見えるものの、信頼性モニターだけにエラーが残り続ける、という「気持ち悪い」状態になっていました。

項目状態 / 条件
OS バージョンWindows 11 Home 24H2(OS Build 26100.5074)
更新対象Cross Device Experience Host(MicrosoftWindows.CrossDevice)
エラーコード0x80073D02(アプリ使用中エラー)
エラー表示場所信頼性モニターのみ(Windows Update には表示されない)
ストレージ空き容量Cドライブに 250GB 以上の空きあり
その他サードパーティ製ウイルス対策ソフトと VPN を常用

エラーコード 0x80073D02 の意味と原因の考え方

0x80073D02 は、Microsoft Store や UWP アプリの更新時に出やすいエラーで、「対象のアプリが使用中のため、パッケージを更新できない」という意味を持つコードです。今回のように Cross Device Experience Host がバックグラウンドで動作している状態で更新が走ると、ファイルがロックされて更新に失敗するケースがあります。

ただし、実際には下記のように複数の要因が絡んでいることも多く、単純に「アプリが使われていたから」だけでは説明しきれない場合もあります。

原因候補内容チェックのポイント
アプリが使用中Cross Device Experience Host がバックグラウンドで動作したまま更新されようとして失敗再起動直後に再度更新を試しても失敗するかどうか
VPN・セキュリティソフトの干渉Microsoft Store の通信がブロック・フィルタリングされ、更新パッケージの取得が不完全になるVPN を切った状態や、セキュリティソフトを一時無効化した状態ではどうか
ストア基盤の不整合OS ビルドと Store 基盤コンポーネントの組み合わせが崩れ、一部 UWP のみ更新失敗する他のアプリは正常に更新できるか、インプレースアップグレードで改善するか
キャッシュの破損Microsoft Store のキャッシュが壊れており、ダウンロードや更新履歴が正しく処理されないwsreset.exe 実行後に挙動が変わるか
時刻・地域設定の不一致ライセンス認証やコンテンツ配信の判定に使う情報が不一致で、ストアからのレスポンスが不安定になる自動時刻設定・タイムゾーン・地域が正しいか

次の章では、これらの原因をひとつずつつぶしていく形で、具体的な対処手順を紹介します。

対処の全体像:軽い作業から重い作業へ順番に試す

トラブルシューティングでは、いきなり OS の修復インストールといった重い作業に飛びつくのではなく、「設定の確認 → キャッシュクリア → アプリ単体の再インストール → OS 基盤の修復」と、負荷の小さい順に進めるのが基本です。

今回おすすめする手順を一覧にすると、次のようになります。

手順内容作業時間の目安難易度
1PC を再起動して再試行数分低
2Windows Store アプリのトラブルシューティング5〜10分低
3Microsoft Store キャッシュのリセット(wsreset)5分前後低
4VPN 一時停止と時刻・地域設定の確認10分前後低
5クリーンブートでサードパーティ常駐を無効化20〜30分中
6Cross Device Experience Host のアンインストール & 再インストール15〜30分中
7Microsoft Store ライブラリで手動更新5〜10分低
8インプレースアップグレード(修復インストール)1〜2時間高

順番に試し、どこかの段階でエラーが解消すれば、そこで終了して構いません。最後のインプレースアップグレードは「最終手段」として位置づけます。

各対処手順の詳しいやり方

PC を再起動してから Microsoft Store で更新を再試行する

もっとも基本的ですが、「アプリが使用中であること」が原因の 0x80073D02 では、再起動だけで解消することも少なくありません。

  1. スタートメニューを開く。
  2. 電源アイコンをクリックし、再起動を選択する。
    ※シャットダウン → 電源投入よりも「再起動」を優先します。
  3. 再起動後、Microsoft Store を開く。
  4. 左側メニューの ライブラリ を開き、更新プログラムを取得 をクリックして Cross Device Experience Host の更新を再試行する。

これだけで改善する場合もありますが、今回のケースのように再起動しても連日エラーが出る場合は、次の手順へ進みます。

Windows Store アプリのトラブルシューティングを実行する

Windows には Microsoft Store アプリの問題を自動診断・修正するトラブルシューティングツールが標準で用意されています。

  1. 設定アプリを開く(Win + I)。
  2. システム → トラブルシューティング を開く。
  3. その他のトラブルシューティング をクリック。
  4. 一覧から Windows Store Apps を探し、右側の 実行 ボタンを押す。
  5. 指示に従い、検出された問題があれば「修正を適用」する。

このツールは、キャッシュや権限設定の軽微な不具合を自動的に修復してくれます。実行後は再起動し、もう一度 Microsoft Store から更新を試してみてください。

Microsoft Store キャッシュのリセット(wsreset)

Microsoft Store のキャッシュが壊れていると、特定のアプリだけ更新に失敗する、ライブラリの表示が正しくない、といった症状が出ることがあります。その場合は、専用コマンドでキャッシュをリセットします。

  1. Win + R キーを押して「ファイル名を指定して実行」を開く。
  2. wsreset.exe と入力して OK をクリック。
  3. 黒いコマンドプロンプトの画面が表示され、数十秒〜1分ほどで自動的に閉じる。
  4. 完了すると Microsoft Store が自動で再起動するので、ライブラリ → 更新プログラムを取得 から再度更新を試す。
wsreset.exe

この操作で削除されるのは Microsoft Store のキャッシュのみ であり、インストール済みアプリ自体が消えたり、ライセンスが失われたりすることはありません。

VPN・時刻・地域設定を見直す

VPN や一部のセキュリティソフトは、Microsoft Store の CDN(コンテンツ配信ネットワーク)への通信をフィルタリングしたり、一部をブロックしたりすることがあります。また、PC の時刻や地域情報と Microsoft アカウントの設定がズレていると、ライセンス判定やコンテンツ配信に影響する場合があります。

以下の点を確認してみてください。

  1. 利用中の VPN クライアントを開き、一時的に切断する。
  2. サードパーティ製セキュリティソフトに「ウェブ保護」「ファイアウォール」のような機能があれば、一時的に無効化する(可能なら「Microsoft Store を信頼リストに追加」する)。
  3. 設定 → 時刻と言語 → 日付と時刻 を開く。
  4. 時刻を自動的に設定する、タイムゾーンを自動的に設定する をオンにする。
  5. 時刻と言語 → 言語と地域 で、国または地域 が Microsoft アカウントの登録情報と一致しているか確認する。
項目推奨設定
VPNMicrosoft Store 更新時は一時的に切断
時刻「時刻を自動的に設定する」をオン
タイムゾーン「タイムゾーンを自動的に設定する」をオン(固定したい場合は正しい地域に手動設定)
地域実際の居住国 + Microsoft アカウントの登録国と揃える

設定を変更したら PC を再起動し、再度 Microsoft Store から Cross Device Experience Host の更新を試します。

クリーンブートでサードパーティ常駐ソフトを無効化してから更新を試す

市販のウイルス対策ソフトや常駐ツールが、バックグラウンドで UWP アプリやストアの動作に干渉している可能性があります。Windows を「クリーンブート」状態にして、Microsoft 以外のサービスを一時的に止めた状態で更新を試すことで、その影響を切り分けられます。

クリーンブートの手順は次の通りです。

  1. Win + R で「ファイル名を指定して実行」を開き、msconfig と入力して OK。
  2. システム構成 が開いたら、サービス タブをクリック。
  3. 「Microsoft のサービスをすべて隠す」 にチェックを入れる。
  4. 「すべて無効にする」 をクリックし、Microsoft 以外のサービスを一括で無効化する。
  5. スタートアップ タブを開き、タスク マネージャーを開く をクリック。
  6. タスクマネージャーの スタートアップ タブで、サードパーティの常駐アプリをすべて 無効 にする。
  7. PC を再起動する。
  8. 再起動後、Microsoft Store を開き、Cross Device Experience Host の更新を実行する。

検証が終わったら、同じ手順でサービス・スタートアップ項目を元の状態に戻すことも忘れないようにしてください。

Cross Device Experience Host をアンインストールして再インストールする

アプリ単体が破損している場合は、いったん削除してから再インストールした方が早く確実なことがあります。Cross Device Experience Host は UWP コンポーネントなので、PowerShell を使って削除・再インストールが可能です。

アンインストール手順(PowerShell 管理者)

  1. スタートボタンを右クリックし、Windows PowerShell(管理者) もしくは ターミナル(管理者) を開く。
  2. 以下のコマンドを順に実行して、パッケージを削除する。
Get-AppxPackage *crossdevice* | Remove-AppxPackage -AllUsers

-AllUsers を付けることで、PC 上のすべてのユーザーから Cross Device Experience Host を削除します。実行中はエラーが出ていないか確認してください。

再インストール手順(Microsoft Store)

  1. アンインストールが完了したら、PC を一度再起動する。
  2. Microsoft Store を開き、検索ボックスに Cross Device Experience Host と入力する。
  3. 検索結果から該当アプリを選び、インストール をクリック。
  4. インストール完了後、ライブラリ → 更新プログラムを取得 から更新を再実行する。

この手順で、アプリ単体の破損や中途半端な更新状態をリセットできます。

Microsoft Store ライブラリで手動更新をかける

自動更新ではスキップされてしまうような状態になっている場合、ライブラリから明示的に更新をかけることで成功するケースもあります。

  1. Microsoft Store を開く。
  2. 左側メニューから ライブラリ を選択する。
  3. 更新プログラムを取得 をクリックする。
  4. 一覧に Cross Device Experience Host が表示されているか確認し、更新 ボタンがあればクリックする。

ここで別のアプリにまでエラーが波及していないかも併せて確認しておくと、問題の範囲が把握しやすくなります。

インプレースアップグレード(修復インストール)で OS とストア基盤を再構築する

ここまでの対処でもエラー 0x80073D02 がしつこく残る場合、OS 側のストア基盤コンポーネントが壊れている可能性があります。その場合の最終手段が、インプレースアップグレード(修復インストール)です。

インプレースアップグレードとは、現在の Windows を上書きインストールすることで OS を最新・正常な状態に戻す方法で、次の特徴があります。

  • ユーザーデータ(ドキュメント・写真など)は保持される。
  • インストール済みのアプリも原則としてそのまま残る。
  • システムファイルやストア基盤コンポーネントが再展開される。

実行前には必ず重要なデータのバックアップを取ってから行ってください。

インプレースアップグレードの大まかな流れ

  1. Microsoft 公式サイトから Windows 11 の ISO イメージを入手する(メディア作成ツールを利用してもよい)。
  2. ISO ファイルをダブルクリックしてマウントし、仮想ドライブとして開く。
  3. マウントされたドライブ内の setup.exe を実行する。
  4. 画面の指示に従い、インストール方法の選択で 「個人用ファイルとアプリを引き継ぐ」 を選択する。
  5. インストールを開始し、再起動を何度か繰り返して完了するまで待つ。
  6. 完了後、Microsoft Store を開き、Cross Device Experience Host の更新を再度実行する。

この手順により、OS と Microsoft Store 関連のコンポーネントがクリーンな状態に再構築され、多くのストア系トラブルが解消されます。

実際の解決例:インプレースアップグレードでエラーが解消

今回紹介しているケースでは、前述の 1〜7 までの手順を試しても、信頼性モニター上のエラー 0x80073D02 が解消せず、Cross Device Experience Host の更新失敗が連日記録される状態が続いていました。

そこで最終手段として手順 8 の インプレースアップグレード を実施したところ、以下のような結果になりました。

  • インプレースアップグレード後、Microsoft Store の Cross Device Experience Host 更新は正常に完了。
  • 信頼性モニター上でも、以降は同じエラーが記録されなくなった。
  • 他の UWP アプリの更新も問題なく進むようになった。

このことから、単にアプリ側の問題ではなく、OS 側のストア基盤あるいは関連コンポーネントに何らかの不整合が生じていた可能性が高いと考えられます。

Cross Device Experience Host とは?止まっても大丈夫?

Cross Device Experience Host(MicrosoftWindows.CrossDevice)は、Windows 11 における「デバイス間連携」を支えるコンポーネントの一つです。代表的には次のような機能の土台として動いています。

機能カテゴリ具体例
スマートフォン連携スマホとの連携機能(通知のミラーリング、写真の共有など)を行うアプリやサービスとの連携
Nearby Share / 近距離共有近くの PC とのファイル共有や、近距離デバイスへの送信機能の一部
デバイス間の体験連携PC 間でのアプリ連携や、一部の「デバイス間エクスペリエンス」設定に関する機能

このコンポーネントが動作しない場合でも、一般的な Office 作業やウェブ閲覧などには大きな支障はありません。ただし、

  • スマホ連携機能の一部が利用できなくなる
  • Nearby Share などデバイス間連携機能が不安定になる

といった影響が出る可能性があります。また、今回のようにストア更新キューの中で失敗が出続けると、他アプリの更新にも悪影響が出ることがあるため、できるだけ早期に解消しておくのが望ましいです。

他のアプリで 0x80073D02 が出る場合にも使える考え方

エラーコード 0x80073D02 は Cross Device Experience Host に限らず、他のストアアプリでも発生することがあります。その場合も、基本的な考え方は同じです。

  • アプリがバックグラウンドで動いていないか確認(再起動 / サインアウト・サインイン)。
  • Windows Store アプリのトラブルシューティングを実行。
  • wsreset.exe によるストアキャッシュのクリア。
  • VPN・セキュリティソフトの一時停止で挙動が変わるか確認。
  • 問題のアプリだけアンインストールし、Microsoft Store から再インストール。
  • それでもダメならインプレースアップグレードを検討。

特定のアプリで 0x80073D02 が頻発している場合は、そのアプリのバックグラウンドタスクやスタートアップ設定を見直すことも有効です。

再発防止のポイント:Windows 11 と Microsoft Store を安定運用するために

最後に、同様のトラブルを繰り返さないためのポイントをまとめます。

ポイント具体的な対策
OS とストアの定期更新Windows Update で品質更新プログラムをこまめに適用し、Microsoft Store の自動更新もオンにしておく。
過度な最適化ツールの使用を避ける「不要ファイル削除」「レジストリ最適化」系ツールの常用は避け、特に UWP アプリ関連フォルダーを削除しない。
VPN の使い方に注意Microsoft Store 更新時は VPN を切る、もしくは信頼済みサイトとして Microsoft のドメインを除外する。
信頼性モニターの定期チェックときどき信頼性モニターを開き、特定のアプリだけエラーが連発していないか確認する。
バックアップの習慣化インプレースアップグレードなど大きな作業に備えて、重要データは日頃からバックアップしておく。

特に VPN や常駐系ソフトを多用している環境では、Microsoft Store との相性問題が起きやすいため、「更新のときだけ一時停止する」という運用を取り入れるとトラブルを減らせます。

まとめ:Cross Device Experience Host の 0x80073D02 は落ち着いて段階的に対処を

Windows 11 で Cross Device Experience Host(MicrosoftWindows.CrossDevice)の更新がエラー 0x80073D02 で繰り返し失敗する場合、

  • アプリがバックグラウンドで動いている
  • VPN・セキュリティソフト・常駐アプリがストア通信や更新を妨げている
  • ストアのキャッシュや OS のストア基盤に不整合が起きている

といった複数の要因が絡んでいることが多くあります。

この記事で紹介したように、

  1. 再起動やトラブルシューティング、wsreset で軽いリセットを試す
  2. VPN・常駐ソフト・時刻/地域設定を見直す
  3. Cross Device Experience Host 自体をアンインストールして再インストールする
  4. 最後の手段としてインプレースアップグレードで OS とストア基盤を再構築する

という順番で段階的に対処していけば、原因を切り分けつつ、安全に問題を解決しやすくなります。

同じような症状でお悩みの場合は、ぜひ上から順に試してみてください。特に、最終的にインプレースアップグレードを実施して問題が解消した実例があることから、「どうしても直らないストア更新エラー」に対して非常に有効な選択肢のひとつと言えます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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