Windows 11 26H1の0xc0430001を修復|KB5121000後のboot.stl対処法

Windows 11 26H1の展開メディアにKB5121000を統合した後、起動時にエラーコード0xc0430001で停止する場合は、まずインストールメディア内のboot.stlを確認してください。

この問題は、EFIブート領域にboot.stlが含まれていない、または更新対象イメージとファイルのWindowsバージョン・アーキテクチャが一致していないときに発生する可能性があります。Microsoftが案内している対処法は、Update WinPEスクリプトで展開メディアを作り直す方法と、一致する環境からboot.stlを手動コピーする方法の2つです。(マイクロソフトサポート)

継続的に利用する組織向け展開メディアではUpdate WinPEスクリプトを使い、緊急に既存メディアを修復する場合は手動コピーを選ぶとよいでしょう。

目次

KB5121000適用環境で0xc0430001が出るときの結論

修復方法は次の2つです。

修復方法適しているケース推奨度
Update WinPEスクリプトでメディアを更新する定期的にISO、USB、PXE用イメージを作成している高い
boot.stlを手動コピーする既存メディアを短時間で修復したい一時対応向け

手動で修復する場合、基本となるコピー元とコピー先は次のとおりです。

コピー元
C:\Windows\Boot\EFI\boot.stl

コピー先
<展開メディアのルート>\efi\microsoft\boot\boot.stl

ただし、コピー元のboot.stlは、更新対象イメージと同じWindowsバージョンおよびアーキテクチャでなければなりません。別バージョンや別アーキテクチャのファイルを流用すると、ファイルが存在していてもSecure Boot検証に失敗する可能性があります。(マイクロソフトサポート)

0xc0430001が発生する原因

KB5121000は、2026年8月11日に公開されたWindows 11 バージョン26H1向けのセキュリティ更新プログラムで、適用後のOSビルドは28000.2704です。(マイクロソフトサポート)

MicrosoftはKB5121000の「展開」セクションで、既存のWindowsイメージへ動的更新プログラムを適用する場合、インストールメディアにboot.stlを含める必要があると説明しています。ファイルが含まれていないと、デバイスがインストールメディアから正常に起動できず、0xc0430001が発生する可能性があります。(マイクロソフトサポート)

boot.stlはSecure Bootの検証処理で使用されるファイルです。そのため、単に同じ名前のファイルを配置すればよいわけではありません。

次の条件を満たす必要があります。

  • Windowsのバージョンが展開対象と一致している
  • CPUアーキテクチャが一致している
  • 最終的な展開メディアのEFIフォルダーに配置されている
  • 更新後のboot.wimやEFIブートファイルと整合している

なお、KB5121000のページでは「既知の問題は現在把握していない」とされています。つまり、本件は通常のWindows Updateで広く発生する不具合というより、オフライン更新した展開メディアを正しく構成するための注意事項として扱われています。(マイクロソフトサポート)

最初にboot.stlの有無を確認する

まず、実際に配布または起動に使用しているメディアを確認します。

以下の例では、展開メディアのドライブをE:としています。管理者としてPowerShellを開き、実行してください。

$MediaRoot = "E:\"
$BootStl = Join-Path $MediaRoot "efi\microsoft\boot\boot.stl"

Test-Path -LiteralPath $BootStl

Get-Item -LiteralPath $BootStl -ErrorAction SilentlyContinue |
    Format-List FullName, Length, LastWriteTime

Test-Pathの結果がFalseなら、最終メディアにboot.stlが含まれていません。

作業用フォルダーではファイルが存在していても、USBメモリや配布用ISO、PXEサーバー上の最終コンテンツへ反映されていないことがあります。必ず、端末が実際に起動するメディア側を確認してください。

ISOをマウントしただけでは書き換えられない

WindowsでISOをダブルクリックしてマウントしたドライブは、通常は読み取り専用です。

ISOを修復する場合は、次の流れで作業します。

  1. ISO内の全ファイルを作業用フォルダーへコピーする
  2. 作業用フォルダー内にboot.stlを追加する
  3. 起動可能なISOまたはUSBメディアを再作成する
  4. 再作成後の最終メディアを確認する

USBメモリを直接編集する場合は、USBのドライブ文字を$MediaRootに指定できます。

Windowsバージョンとアーキテクチャを確認する

boot.stlが存在していても、異なるWindowsバージョンやアーキテクチャから取得したファイルでは修復できません。

コピー元PCの情報は、次のコマンドで確認できます。

Get-ItemProperty "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion" |
    Select-Object ProductName, DisplayVersion, CurrentBuild, UBR

Get-CimInstance Win32_OperatingSystem |
    Select-Object Caption, OSArchitecture, Version, BuildNumber

展開メディアのboot.wimは、DISMで確認します。

DISM /Get-WimInfo /WimFile:"C:\Deploy\Win11-26H1-Media\sources\boot.wim"

標準的なインストールメディアでは複数のインデックスが含まれるため、対象インデックスの詳細も確認します。

DISM /Get-WimInfo /WimFile:"C:\Deploy\Win11-26H1-Media\sources\boot.wim" /Index:2

カスタマイズされたboot.wimでは、インデックス番号や内容が標準メディアと異なる場合があります。最初からインデックス2と決めつけず、一覧を確認してから判断してください。

Windows ADK 10.1.28000.1と対応するWindows PEアドオンは、Windows 11 バージョン26H1 Arm64をサポートしています。26H1用メディアを扱うときは、24H2や25H2のx64環境から取得したファイルを混在させないことが特に重要です。(Microsoft Learn)

修復方法1:Update WinPEスクリプトを使用する

Microsoftが推奨しているのは、Microsoft Learnで公開されているWindowsインストールメディア更新用スクリプトを使用する方法です。

この方法では、単にboot.stlを追加するだけでなく、次の要素をまとめて更新できます。

  • boot.wim内のWinPEイメージ
  • 累積更新プログラム
  • Setup Dynamic Update
  • Safe OS Dynamic Update
  • setup.exe
  • setuphost.exe
  • EFIブートマネージャーファイル
  • boot.stl

Windowsインストールメディアは、install.wimだけで構成されているわけではありません。WinRE、WinPE、Windows本体、Setupファイル、EFIブートファイルを正しい順序で更新する必要があります。Microsoft Learnでも、各イメージと新しいメディアに対する更新順序が示されています。(Microsoft Learn)

Update WinPEスクリプトを使う流れ

実務では、次の順序で進めます。

  1. 元のインストールメディアを変更せずに保存する
  2. メディア全体を書き込み可能な作業用フォルダーへコピーする
  3. KB5121000と必要なDynamic Updateパッケージを準備する
  4. スクリプト内のメディアパスとパッケージパスを環境に合わせる
  5. 管理者権限のPowerShellでスクリプトを実行する
  6. 処理中のエラーがないことを確認する
  7. 更新後メディアのboot.stlを確認する
  8. USB、ISO、PXE用コンテンツを作り直す

Dynamic Updateパッケージは、原則として累積更新プログラムと同じ月のものを使用します。同じ月のSetup Dynamic UpdateやSafe OS Dynamic Updateが提供されていない場合は、それぞれ最新の公開版を使用するようMicrosoftが案内しています。(マイクロソフトサポート)

スクリプトがboot.stlを配置する仕組み

Microsoft Learnのスクリプトでは、更新したWinPEから次のファイルを取り出します。

Windows\Boot\EFI\boot.stl

取り出したファイルは、最終的に次の場所へコピーされます。

<新しいメディア>\efi\microsoft\boot\boot.stl

スクリプトは、メディア側にboot.stlが存在していない場合でも、新たに配置する構成になっています。(Microsoft Learn)

Update WinPE方式が推奨される理由

Update WinPE方式では、boot.stlだけでなく、更新後のWinPE、Setupバイナリ、EFIブートマネージャーを同じ処理の中で更新できます。

boot.stlだけを別の環境からコピーすると、次のような不整合が残る可能性があります。

  • boot.wimは古いが、boot.stlだけが新しい
  • setup.exeboot.wim内のSetupファイルが一致しない
  • EFIブートマネージャーが古い
  • 一部のインデックスにだけ更新が適用されている

Microsoft Learnでは、setup.exesetuphost.exeのバージョンが一致しない場合、Windowsセットアップが失敗すると説明されています。繰り返し使用する展開メディアでは、ファイル単体の修復よりも、メディア全体の整合性を保てるUpdate WinPE方式が安全です。(Microsoft Learn)

ただし、Microsoft Learnのサンプルスクリプトは説明用であり、十分なエラー処理を備えていません。本番運用へ組み込む場合は、ログ出力、終了コードの確認、例外処理、ファイル存在確認を追加してください。(Microsoft Learn)

修復方法2:boot.stlを手動でコピーする

既存の展開メディアを早急に修復したい場合は、boot.stlを手動でコピーできます。

この方法では、コピー元として次の条件を満たすPCまたはマウント済みイメージを用意します。

  • Windows 11 バージョン26H1である
  • 展開メディアとアーキテクチャが一致している
  • 破損していないboot.stlが存在する
  • 可能であれば同じ更新レベルに揃っている

Microsoftが明示している必須条件は、Windowsバージョンとアーキテクチャの一致です。運用上は、同じKB適用状態や同じメディア生成元に揃えると、不整合のリスクを減らせます。(マイクロソフトサポート)

PowerShellでコピーする手順

以下の例では、作業用メディアをC:\Deploy\Win11-26H1-Mediaに展開しているものとします。

$Source = "$env:SystemRoot\Boot\EFI\boot.stl"
$MediaRoot = "C:\Deploy\Win11-26H1-Media"
$Destination = Join-Path $MediaRoot "efi\microsoft\boot\boot.stl"

if (-not (Test-Path -LiteralPath $Source)) {
    throw "コピー元のboot.stlが見つかりません: $Source"
}

$DestinationDirectory = Split-Path -Parent $Destination

New-Item `
    -ItemType Directory `
    -Path $DestinationDirectory `
    -Force | Out-Null

Copy-Item `
    -LiteralPath $Source `
    -Destination $Destination `
    -Force

$SourceHash = (Get-FileHash -LiteralPath $Source -Algorithm SHA256).Hash
$DestinationHash = (Get-FileHash -LiteralPath $Destination -Algorithm SHA256).Hash

if ($SourceHash -ne $DestinationHash) {
    throw "コピー後のハッシュが一致しません。"
}

Get-Item -LiteralPath $Destination |
    Format-List FullName, Length, LastWriteTime

コピー後にハッシュが一致していれば、ファイル自体は正常に複製されています。

USBメモリへ直接コピーする場合は、次のようにメディアルートを変更します。

$MediaRoot = "E:\"

コピーが完了したら、USBメモリを安全に取り外して実機で起動確認します。

PXEやMECMで展開している場合の注意点

PXE、Windows Deployment Services、Microsoft Configuration Managerなどを使用している場合、ローカルの作業フォルダーを修正しただけでは展開端末へ反映されません。

修正後は、利用している仕組みに応じて次の処理が必要です。

  • ブートイメージを再登録する
  • 展開用コンテンツを更新する
  • 配布ポイントへ再配布する
  • 古いPXEブートコンテンツが残っていないか確認する
  • 実際に配信されているファイルを確認する

管理サーバー上のファイルは修正済みでも、配布ポイントに古いメディアが残っていると、端末は引き続き0xc0430001で停止します。

よくある失敗と正しい対処

失敗例問題点正しい対処
boot.stlsourcesフォルダーへコピーするUEFIブート時に参照される場所ではないefi\microsoft\bootへ配置する
24H2や25H2のファイルを流用するWindowsバージョンが一致しない26H1のファイルを使用する
x64環境からコピーするアーキテクチャが一致しない展開対象と同じアーキテクチャを使用する
install.wimだけを更新するWinPEとEFI領域が更新されないboot.wimとメディアルートも更新する
マウントしたISOへ直接コピーするISOが読み取り専用作業用フォルダーへ展開して再作成する
Secure Bootを無効化して運用するセキュリティ機能を回避しているだけ正しいboot.stlでメディアを修復する
配布ポイントを更新しない古いコンテンツが端末へ配信される修正後に再配布する

特に多いのが、コピー元とコピー先のフォルダーを同じ構造だと誤解するケースです。

コピー元は次の場所です。

C:\Windows\Boot\EFI\boot.stl

コピー先は次の場所です。

<メディアルート>\efi\microsoft\boot\boot.stl

展開メディアのルートにWindows\Boot\EFIフォルダーを作成しても、Microsoftのスクリプトが配置する場所とは異なります。

boot.stlを追加しても直らない場合の確認項目

boot.stlが存在するにもかかわらず0xc0430001が続く場合は、次の順番で確認します。

最終メディア上のファイルを確認する

作業用フォルダーではなく、端末が実際に起動しているUSB、ISO、PXEコンテンツを確認します。

Test-Path "E:\efi\microsoft\boot\boot.stl"

コピー元とのハッシュを比較する

同名ファイルでも、内容が異なれば修復できません。

Get-FileHash "C:\Windows\Boot\EFI\boot.stl" -Algorithm SHA256
Get-FileHash "E:\efi\microsoft\boot\boot.stl" -Algorithm SHA256

Windowsバージョンとアーキテクチャを再確認する

26H1 Arm64メディアへ、25H2や24H2、x64環境のファイルを混在させていないか確認します。

boot.wimとEFIファイルを同じ処理で更新する

手動コピーで解消しない場合は、部分的なファイル不整合が疑われます。Update WinPEスクリプトを使用して、boot.wim、Setupファイル、EFIブートマネージャー、boot.stlをまとめて更新してください。

メディアを作り直す

USBメモリのコピー不良や古いファイルの残存も考えられます。新しい作業フォルダーからメディアを再作成し、修復前のファイルが混在しない状態で検証します。

少数端末で先行テストする

修復済みメディアを全端末へ配布する前に、Secure Bootが有効な検証端末で次の項目を確認します。

  • UEFIからメディアを起動できる
  • 0xc0430001が表示されない
  • Windowsセットアップが開始する
  • ストレージとネットワークが認識される
  • 対象エディションを正常に展開できる

KB5121000をアンインストールする必要はあるか

本件では、KB5121000のアンインストールよりも、展開メディアの修復を優先します。

Microsoftが案内している対処は、Update WinPEスクリプトを使うか、一致するboot.stlをインストールメディアへコピーする方法です。KB5121000自体を削除する方法は、公式の回避策として示されていません。(マイクロソフトサポート)

更新プログラムを取り除くと、含まれているセキュリティ修正も適用されなくなります。問題のあるメディアだけを以前の状態へ戻すのではなく、正しい手順で更新済みメディアを再生成するのが基本です。

通常のWindows Updateで0xc0430001が出た場合は別問題

今回のboot.stl対処は、動的更新プログラムを組み込んだ既存のWindowsイメージや、そこから作成した展開メディアを対象としています。

通常のWindows Update画面で更新プログラムのダウンロードやインストール中に0xc0430001が出た場合は、同じ原因とは限りません。その場合は、Windows Updateのログ、コンポーネントストア、空き容量、保留中の再起動などを別途確認する必要があります。

エラーコードだけで判断せず、インストールメディアからの起動時に発生しているかを最初に切り分けてください。

0xc0430001を確実に修復するための手順

Windows 11 26H1のKB5121000適用メディアで0xc0430001が発生したら、次の順番で対応します。

  1. 最終メディアのefi\microsoft\boot\boot.stlを確認する
  2. Windowsバージョンとアーキテクチャを確認する
  3. 継続利用するメディアはUpdate WinPEスクリプトで再生成する
  4. 緊急対応では一致するboot.stlを手動コピーする
  5. コピー後にSHA-256ハッシュを比較する
  6. ISO、USB、PXEコンテンツを更新する
  7. Secure Bootを有効にした検証端末で起動確認する

単にファイルの有無だけを確認するのではなく、バージョン、アーキテクチャ、配置場所、配布先への反映まで確認することが重要です。組織内で繰り返し使用する展開メディアでは、手動コピーを恒久運用にせず、Update WinPEを含むメディア更新工程へ組み込んでください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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