Windows 11の[グラフィックス]設定がクラッシュする問題をBuild 28020.2539で修正

Windows 11で[設定]→[システム]→[ディスプレイ]→[グラフィックス]を開いた際に設定アプリが落ちる場合、MicrosoftはWindows 11 version 26H1のInsider Beta向けBuild 28020.2539で、この問題を修正したと案内しています。

ただし、Build 28020.2539は2026年7月20日に公開されたプレビュー版です。修正も段階的に展開されるため、一般提供版のWindows 11へ配信済みとは判断できません。まずはwinverでOSビルドを確認し、Insider Betaの対象PCであればWindows Updateを実行してください。(Microsoft Learn)

目次

Build 28020.2539で[グラフィックス]設定のクラッシュを修正

Microsoftが公開したWindows 11 Insider Beta(26H1)Build 28020.2539のリリースノートには、最近の更新後、一部のInsider環境で[グラフィックス]ページがクラッシュしていた問題を修正したと記載されています。(Microsoft Learn)

今回の情報を整理すると、次のとおりです。

項目内容
対象OSWindows 11 version 26H1
配信チャネルWindows Insider ProgramのBetaチャネル
OSビルド28020.2539
公開日2026年7月20日
対象の症状[設定]内の[グラフィックス]ページがクラッシュする
Microsoftの対応該当ビルドで修正
配信方式段階的なロールアウト
一般提供版への反映今回の発表だけでは確認できない

重要なのは、リリースノートに記載されている修正対象が、グラフィックス設定ページのクラッシュである点です。

ゲームのフレームレート低下、GPUドライバーの停止、画面のちらつき、ブラックスクリーン、動画再生の乱れなどが改善されたという案内ではありません。これらの症状が発生している場合は、今回とは別の問題として切り分ける必要があります。

この問題に該当するかを判断するポイント

Windows 11のグラフィックス関連トラブルは、設定アプリ、GPUドライバー、アプリ、ディスプレイなど複数の原因で発生します。

今回の既知の問題に該当する可能性が高いのは、次のようなケースです。

  • [設定]アプリ自体は起動できる
  • [システム]や[ディスプレイ]など、ほかのページは表示できる
  • [グラフィックス]を開いたときだけ設定アプリが閉じる
  • 最近のWindows Update適用後に発生した
  • Windows Insiderの26H1 Betaビルドを使用している
  • OSビルドが28020.2539より前、または修正がまだ展開されていない

Microsoftの説明も「最近の更新後にInsider環境で[グラフィックス]ページがクラッシュする問題」としているため、設定ページだけが落ちる場合は一致度が高いと考えられます。(Microsoft Learn)

一方、次の症状は別原因の可能性があります。

症状最初に確認する対象
[グラフィックス]ページだけが落ちるOSビルドとWindows Update
[設定]アプリの複数ページが落ちるシステムファイル、ユーザープロファイル、更新失敗
ゲームや3Dアプリだけが落ちるGPUドライバー、アプリ、オーバークロック設定
画面が暗転、点滅するGPUドライバー、ケーブル、ディスプレイ
グラフィックス設定は開くが項目が表示されないハードウェア対応状況、管理ポリシー、機能の提供条件
PC全体が再起動するドライバー、電源、温度、ハードウェア

設定ページのクラッシュだけを理由に、すぐGPUドライバーを削除したりWindowsを初期化したりする必要はありません。まず修正版の適用状況を確認する方が効率的です。

OSビルドとInsiderチャネルを確認する方法

winverでOSビルドを確認する

最も簡単なのは、winverコマンドを使用する方法です。

  1. WindowsキーとRキーを同時に押す
  2. [ファイル名を指定して実行]にwinverと入力する
  3. [OK]をクリックする
  4. 表示されたバージョンとOSビルドを確認する

確認する項目は、次の2点です。

  • バージョンが「26H1」になっているか
  • OSビルドが「28020.2539」になっているか

[設定]アプリを操作できる場合は、[設定]→[システム]→[バージョン情報]にある[Windowsの仕様]からも、バージョンとOSビルドを確認できます。Microsoftもwinverまたは[システム]→[バージョン情報]での確認方法を案内しています。(マイクロソフトサポート)

Windows Insiderのチャネルを確認する

続いて、現在参加しているInsiderチャネルを確認します。

  1. [設定]を開く
  2. [Windows Update]を選択する
  3. [Windows Insider Program]を開く
  4. 選択中のInsiderチャネルを確認する

今回のBuild 28020.2539は、通常の一般提供チャネルではなく、Windows 11 version 26H1のBetaチャネル向けビルドです。Microsoftの2026年7月20日付ブログでも、Beta(26H1)向けとしてBuild 28020.2539が案内されています。(Windows Blog)

26H1とBuild 28020.2539を混同しない

Windows 11 version 26H1という名称が付いていても、すべての26H1搭載PCにBuild 28020.2539の修正が配信されているとは限りません。

Microsoftによると、Windows 11 version 26H1自体は、2026年に登場する一部の新しいシリコンを搭載した新規デバイス向けに提供されています。既存バージョンのWindows 11搭載PCには、通常のWindows Updateによる26H1への更新は提供されず、インプレース更新もできないとされています。(マイクロソフトサポート)

つまり、次の2つは別の話です。

  • Windows 11 version 26H1が一部デバイスに提供されていること
  • Build 28020.2539の修正が一般提供版に反映されていること

Build 28020.2539はInsider Beta向けです。今回のリリースノートだけを根拠に、「一般ユーザーのWindows 11でも修正済み」と断定しないように注意してください。

Build 28020.2539を適用する手順

Windows 11 version 26H1のBetaチャネルに参加しているPCでは、Windows Updateから修正版を確認します。

  1. 作業中のファイルを保存する
  2. [設定]を開く
  3. [Windows Update]を選択する
  4. [更新プログラムのチェック]をクリックする
  5. Build 28020.2539または、それ以降で同修正を含むと案内されたビルドをインストールする
  6. 再起動を求められたらPCを再起動する
  7. winverを実行してOSビルドを確認する
  8. [設定]→[システム]→[ディスプレイ]→[グラフィックス]を開く

Windows Updateでは、利用可能な更新プログラムが見つかった場合にダウンロードとインストールを実行し、必要に応じて再起動します。更新後は、再起動まで完了させてから動作を確認してください。(マイクロソフトサポート)

Build 28020.2539が表示されない場合

Build 28020.2539が見つからない場合は、次の点を確認します。

  • Windows Insider Programに参加しているか
  • 26H1のBetaチャネルを使用しているか
  • Windows Updateが組織のポリシーで管理されていないか
  • 更新プログラムの一時停止が有効になっていないか
  • PCを再起動してから再確認したか
  • 十分な空き容量があるか
  • インターネット接続が安定しているか

なお、該当リリースノートでは、変更と改善が段階的に展開されると案内されています。そのため、同じビルドを使用していても、すべてのInsider PCへ同じタイミングで修正が反映されるとは限りません。(Microsoft Learn)

Build 28020.2539でもクラッシュする場合の対処法

PCを再起動してから再確認する

更新プログラムをインストールしただけで、再起動していない場合があります。

[スタート]→[電源]→[再起動]を選択し、再起動後にwinverでビルド番号を確認してください。シャットダウンではなく、明示的に[再起動]を選ぶのが確実です。

Windows Updateをもう一度確認する

Build 28020.2539をインストールした直後でも、追加の構成更新や後続ビルドが提供されている可能性があります。

[設定]→[Windows Update]→[更新プログラムのチェック]をもう一度実行し、保留中の更新が残っていないことを確認します。

ほかの設定ページが開くか確認する

次のページを順番に開きます。

  • [システム]
  • [ディスプレイ]
  • [サウンド]
  • [アプリ]
  • [Windows Update]

[グラフィックス]だけが落ちる場合は、今回の既知の問題または段階的展開の影響が疑われます。

複数の設定ページでクラッシュする場合は、設定アプリやWindowsのシステムコンポーネントに別の問題が発生している可能性があります。

DISMとSFCは「広範囲に不具合がある場合」に実行する

[設定]アプリの複数ページが開かない、Windows Updateも正常に動かない、ほかの標準機能も不安定という場合は、システムファイルを確認します。

管理者としてコマンドプロンプトまたはターミナルを開き、最初に次のコマンドを実行します。

DISM.exe /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

正常に完了したら、続けて次のコマンドを実行します。

sfc /scannow

Microsoftは、最新の更新プログラムを適用してPCを再起動した後、DISMを実行し、その後にSFCを実行する手順を案内しています。(マイクロソフトサポート)

ただし、Microsoftが認識している特定ビルドの不具合は、システムファイルの破損とは限りません。[グラフィックス]ページだけが落ちる場合は、DISMやSFCを最初の対処にする必要はありません。

Windowsの再インストールは最後の手段にする

Windows 11には、現在のバージョンをWindows Update経由で再インストールし、システムファイルとコンポーネントを修復する機能があります。この方法では、アプリ、ファイル、設定を保持したまま修復できるとMicrosoftは説明しています。(マイクロソフトサポート)

ただし、現在使用しているプレビュー版そのものに問題がある場合、同じバージョンを再インストールしても解消しない可能性があります。

再インストールを検討するのは、次の条件が重なった場合です。

  • [グラフィックス]以外の設定ページもクラッシュする
  • DISMとSFCを実行しても改善しない
  • Windows Updateが繰り返し失敗する
  • 別のユーザーアカウントでも同じ問題が発生する
  • ファイルをバックアップ済みである

単一の設定ページが開かないだけで、PCの初期化やクリーンインストールまで進めるのは過剰な対処です。

修正が届くまでの実務的な回避策

業務用PCをInsider Betaへ変更しない

一般提供版のPCで同様の症状が発生していても、修正を受け取る目的だけで業務用PCをInsider Betaへ登録するのは推奨できません。

Insiderビルドは開発中のプレビュー版です。Microsoftも、Insiderビルドで試験される機能や変更は、将来のWindowsへ必ず提供されるとは限らず、変更、削除、置き換えが行われる可能性があると説明しています。(Microsoft Learn)

本番環境では、次の対応が現実的です。

  • 現在のグラフィックス設定を変更せずに運用する
  • 一般提供版の更新履歴で同じ修正が案内されるのを待つ
  • 検証専用PCまたは仮想環境でInsider版を評価する
  • 組織管理PCでは管理者の更新方針に従う

GPUメーカーの管理ツールは限定的な代替として使う

NVIDIA、AMD、IntelなどのGPU管理ツールで、一部の描画設定やアプリ別設定を変更できる場合があります。

ただし、GPUメーカーのツールとWindows 11の[グラフィックス]ページは、設定項目や適用範囲が完全に同じではありません。Windows側でしか変更できない設定もあるため、安易に同一機能として読み替えないようにしてください。

レジストリによる強制変更は避ける

検索結果などで紹介されているレジストリ変更を、そのまま適用するのは避けた方が安全です。

特に次の情報が明確でない手順は使用しないでください。

  • 対応するWindows 11のバージョン
  • 対応するOSビルド
  • 元に戻す手順
  • 設定値の公式な仕様
  • 組織のグループポリシーとの競合

今回の問題はMicrosoftが修正を案内しているため、まず正規のWindows Updateを優先するのが基本です。

管理者が確認しておきたい情報

企業や組織で同様の問題を調査する場合は、利用者から「グラフィックス設定が開かない」という報告だけを受けるのではなく、次の情報を収集します。

確認項目記録する内容
Windowsのバージョン26H1など
OSビルド28020.2539など
InsiderチャネルBeta、Release Previewなど
発生日時更新前か更新後かを判断できる日時
再現手順どの画面から開くと落ちるか
影響範囲[グラフィックス]だけか、設定アプリ全体か
GPUメーカー、モデル、ドライバーバージョン
更新履歴直前に適用された更新プログラム
発生台数1台だけか、同一構成で複数台か

同じビルド、同じハードウェア構成で複数台に再現する場合は、端末固有の故障よりもOSビルドや展開状態を優先して調査できます。

逆に1台だけで、設定アプリの複数ページやほかのWindows機能にも異常がある場合は、システムファイル、ユーザープロファイル、更新失敗などを含めて調査します。

よくある疑問

一般提供版のWindows 11でも修正されていますか

今回確認できるのは、Windows 11 version 26H1のInsider Beta向けBuild 28020.2539における修正です。

一般提供チャネルへの展開時期や対象ビルドは、今回のリリースノートでは示されていません。一般提供版での反映は、利用中のバージョンに対応する更新履歴を別途確認する必要があります。(Microsoft Learn)

Build 28020.2539にすれば必ず直りますか

Microsoftは該当ビルドで修正したと案内していますが、変更は段階的に展開されます。

ビルドを適用しても発生する場合は、再起動、追加更新の確認、ほかの設定ページの動作確認を行ってください。また、症状がGPUドライバーや設定アプリ全体の不具合によるものであれば、今回の修正だけでは解消しません。

GPUの故障を疑うべきですか

[グラフィックス]ページだけがクラッシュする場合、直ちにGPUの故障と判断する必要はありません。Microsoftが設定ページの問題として修正を案内しているため、最初にOSビルドと更新状況を確認します。

ゲームの強制終了、画面の乱れ、ブラックスクリーン、GPUドライバーのエラーなども同時に発生する場合は、GPUドライバーやハードウェアを別途調査してください。

GPUドライバーを再インストールすれば直りますか

今回の公式発表では、問題はWindowsの[グラフィックス]設定ページのクラッシュとして扱われています。そのため、最初に行うべき対処はOSビルドの確認とWindows Updateです。

グラフィックスを使用するアプリや画面表示にも異常がある場合は、PCメーカーまたはGPUメーカーが提供する対応ドライバーへの更新を追加で検討します。

まずOSビルドを確認し、環境に応じて対応する

Windows 11の[グラフィックス]設定ページがクラッシュする問題について、MicrosoftはWindows 11 version 26H1 Insider BetaのBuild 28020.2539で修正したと案内しています。

対処の優先順位は次のとおりです。

  1. winverでWindowsのバージョンとOSビルドを確認する
  2. [Windows Insider Program]でチャネルを確認する
  3. 26H1 Betaの対象PCならWindows Updateを実行する
  4. 再起動後にBuild 28020.2539の適用を確認する
  5. [グラフィックス]ページだけが落ちるのか切り分ける
  6. 複数のWindows機能が不安定な場合のみDISMとSFCを実行する
  7. 一般提供版のPCはInsiderへ変更せず、正式な更新履歴を待つ

今回の修正はプレビュー版での情報です。「修正された」という部分だけを見るのではなく、どのバージョン、どのビルド、どの配信チャネルを対象とした修正なのかまで確認することが重要です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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