Windows 11でサインイン画面のキーボード言語が毎回戻るときは、多くの場合、不要なキーボードレイアウトが残っている、現在ユーザーの設定が「ようこそ画面とシステム アカウント」に反映されていない、サインイン画面では使えないIMEを前提にしている、のどれかです。特に2024年10月8日以降に公開された Windows セキュリティ更新では、サインイン画面でサードパーティ IME が使えなくなっているため、ログイン後と同じ入力方式を期待すると食い違いが起きます。 (マイクロソフトサポート)
この記事では、「サインイン画面だけおかしいのか」「ログイン後も戻るのか」を分けて、最短で切り分ける順番を整理します。設定の確認場所、更新や管理ポリシーの影響、PowerShellでの復旧まで順に見ていけば、いきなりレジストリを触らなくても原因を絞り込みやすくなります。 (マイクロソフトサポート)
まず切り分ける
症状を次の4パターンに分けると、最初に触る場所がほぼ決まります。 (マイクロソフトサポート)
| こんな症状 | 主な原因 | 最初にやること |
|---|---|---|
| サインイン画面だけ日本語にならない | 「ようこそ画面とシステム アカウント」側へ未反映 | intl.cpl の 設定のコピー |
Win + Space で不要な候補が回る | 余計なキーボードレイアウトが残っている | 言語のオプション でキーボード削除 |
| いつも使うIMEがロック画面で出ない | サードパーティ IME の制限 | Microsoft IME を残す |
| 会社PCだけ戻る・設定変更できない | Intune / Autopilot / 権限制限 | 管理者にポリシー確認 |
上の表で自分の症状に近い行から対処すると、遠回りしにくくなります。 (マイクロソフトサポート)
サインイン画面だけ戻るのはなぜか
Microsoft のサポート情報でも、サインイン画面の入力言語アイコンは現在のキーボードレイアウトを示し、Windows の表示言語を変えるとキーボードレイアウトも連動して変わる場合があると案内されています。つまり、デスクトップで日本語になっていても、サインイン画面では別のレイアウトが選ばれている、というズレは普通に起こりえます。 (マイクロソフトサポート)
さらに Windows 11 には、現在ユーザーの表示言語・入力言語・地域形式などを「ようこそ画面とシステム アカウント」「新しいユーザー アカウント」にコピーする仕組みがあります。ここが未反映だと、ログイン後は正しいのに、サインイン画面だけ以前のキーボード設定が残ることがあります。 (Microsoft Learn)
まず確認する設定
余計なキーボードレイアウトを削除する
最初に確認したいのは、使っていないキーボードレイアウトが残っていないかです。[設定] → [時刻と言語] → [言語と地域] → 対象言語の … → [言語のオプション] → [キーボード] から、不要なキーボードを削除します。キーボードだけがおかしいなら、言語パック全体を消す前に、まずキーボード項目だけを整理するのが安全です。 (マイクロソフトサポート)
実務上の早い見分け方は、ログイン後に Win + Space を押すことです。ここで不要な候補が切り替わるなら、まだ複数のキーボードレイアウトが残っています。何も切り替わらないなら、少なくとも現在のユーザーには1つしか入っていません。 (マイクロソフトサポート)
見落としやすいポイント
厄介なのは、削除したいキーボードが今使っている表示言語の中にあるとは限らないことです。Microsoft は、キーボードレイアウトは現在の表示言語の配下にある場合も、対応する別言語の配下にある場合もあると案内しています。日本語環境でも English (United States) 側に US 配列が残っていることは珍しくありません。 (マイクロソフトサポート)
もう1つの落とし穴は、[削除] がグレーアウトするケースです。これは、そのキーボードが現在の表示言語に対する唯一のインストール済みキーボードである可能性があります。その場合は、先に別のキーボードを追加してから削除します。 (マイクロソフトサポート)
現在の設定をサインイン画面へコピーする
サインイン画面だけがおかしいなら、優先度が高いのは 設定のコピー です。Win + R で intl.cpl を開き、[管理] タブの [設定のコピー] から、少なくとも [ようこそ画面とシステム アカウント] にチェックを入れます。共用PCや、新規ユーザーでも同じ設定にしたい場合は [新しいユーザー アカウント] も有効にします。 (マイクロソフトサポート)
同じ [管理] タブには [システム ロケールの変更] もありますが、こちらは全ユーザーに影響する設定です。キーボード言語が戻る問題でいきなりここを変えるより、まずは [設定のコピー] を先に試すほうが安全です。 (マイクロソフトサポート)
PowerShell で行うなら次のコマンドです。これは Windows 11 以降で利用でき、管理者権限が必要で、反映は再起動後です。 (Microsoft Learn)
Copy-UserInternationalSettingsToSystem -WelcomeScreen $True -NewUser $True
サードパーティIMEを前提にしない
Google 日本語入力や ATOK などのサードパーティ IME を普段使っている場合は、サインイン画面だけ別挙動になっても不思議ではありません。Microsoft は、2024年10月8日以降に公開された Windows セキュリティ更新で、サインイン時にサードパーティ IME を使えないようにしたと案内しています。影響はサインイン処理だけで、ログイン後の通常利用まで止めるものではありません。 (マイクロソフトサポート)
そのため、サインイン画面で毎回戻るように見えるなら、対象言語に対応する Microsoft のファーストパーティ IME / キーボード が残っているかを確認してください。必要なら [設定] → [時刻と言語] → [言語と地域] → 対象言語の [言語のオプション] → [キーボードの追加] から入れ直し、ロック画面右下のキーボード オプションに出るか確認します。 (マイクロソフトサポート)
更新や権限が影響するケース
会社・学校PCはポリシーで戻ることがある
会社・学校PCでは、Intune のデバイス制限で [設定] アプリ自体や [時刻と言語]、地域設定変更、言語設定変更をブロックできます。設定がグレーアウトしている、変更画面に入れない、管理されたPCだけ再発する、という場合は、自力で掘る前に管理者へポリシー確認を依頼したほうが早いです。 (Microsoft Learn)
Autopilot展開直後の端末は既知の問題も確認する
新しく展開された社用PCなら、Autopilot も確認対象です。Autopilot プロファイルには Language (Region) と Automatically configure keyboard があり、セットアップ時にキーボード選択を自動化できます。ただし Microsoft は、2025年4月4日に追加した既知の問題として、この自動設定がプロビジョニング中に正しく適用されない場合があると案内しており、KB5072033 以降の適用を案内しています。なお、言語とキーボードの自動設定は有線接続が前提です。 (Microsoft Learn)
どうしても直らないときの回避策と復旧手順
まずはサインインを通す
配列の違いでパスワードが入らないときは、まずロック画面の入力言語アイコンでレイアウトを切り替えます。Microsoft は、サインイン画面のパスワード欄で表示アイコンを使って入力内容を確認できることも案内しています。物理キーボードでどうしても打てない場合は、右下の [アクセシビリティ] から [スクリーン キーボード] を開いて入力してください。 (マイクロソフトサポート)
PowerShellで現在の状態を見える化する
状態を見える化するなら、まず次の2コマンドです。1つ目は現在ユーザーの言語一覧と InputMethodTips、2つ目は既定入力方式の上書き値を返します。GUI では日本語だけに見えても、ここに余計な TIP や英語レイアウトが残っていれば、再発原因の手掛かりになります。 (Microsoft Learn)
Get-WinUserLanguageList
Get-WinDefaultInputMethodOverride
言語一覧を作り直す
不要なレイアウトが消えない、一覧が崩れている、というときは、現在ユーザーの言語一覧そのものを作り直す方法があります。次は 「日本語だけに戻す」例 です。英語配列や別IMEも使うPCでそのまま実行すると、必要な候補まで消えるので注意してください。 (Microsoft Learn)
$UserLanguageList = New-WinUserLanguageList -Language "ja-JP"
Set-WinUserLanguageList -LanguageList $UserLanguageList -Force
言語一覧を作り直したあとは、PowerShell の結果と設定画面の表示が一致したかを確認し、そのうえでサインイン画面側へ設定をコピーするとズレを潰しやすくなります。 (Microsoft Learn)
既定の入力方式だけを修正する
言語一覧は正しいのに、既定入力だけ US へ戻るなら、入力方式の override を確認します。まず Get-WinDefaultInputMethodOverride で現在値を見て、正しい TIP を確認できたときだけ Set-WinDefaultInputMethodOverride を使います。TIP 文字列は推測で打たず、Get-WinUserLanguageList の InputMethodTips や現在の override の値を基準にしてください。 (Microsoft Learn)
Get-WinDefaultInputMethodOverride
Set-WinDefaultInputMethodOverride -InputTip "<確認したTIP文字列>"
仕上げにサインイン画面へ反映する
PowerShell でユーザー側を直しただけでは、サインイン画面が古いまま残ることがあります。最後に次のコマンドで「ようこそ画面とシステム アカウント」へコピーし、再起動して確認すると、ログイン後とサインイン前のズレをまとめて解消しやすくなります。Windows 11 以降・管理者権限必須です。 (Microsoft Learn)
Copy-UserInternationalSettingsToSystem -WelcomeScreen $True -NewUser $True
迷ったときの順番
迷ったら、次の順で進めてください。
- [言語と地域] で不要なキーボードレイアウトを削除する。
Win + Spaceで不要候補が残っていないかも確認する。 (マイクロソフトサポート) intl.cplの [設定のコピー] で、現在の設定を [ようこそ画面とシステム アカウント] へ反映する。 (マイクロソフトサポート)- サインイン画面で使いたいのがサードパーティ IME ではないか確認し、必要なら Microsoft IME を戻す。 (マイクロソフトサポート)
- 会社PCなら Intune / Autopilot の制御を疑い、管理者へ確認する。 (Microsoft Learn)
- それでも直らなければ、PowerShell で
Get-WinUserLanguageListとGet-WinDefaultInputMethodOverrideを確認し、必要なら言語一覧と既定入力方式を整える。 (Microsoft Learn)
今すぐやるなら、まずは 不要キーボードの削除 と 設定のコピー まで進めてください。サインイン画面だけずれる症状は、この2段階で原因をかなり切り分けやすくなります。 (マイクロソフトサポート)
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