「2台目のプリンターでは印刷はできるのに、Windows標準の『Windows スキャン』アプリにはスキャナーとして出てこない…」という相談は少なくありません。この記事では、特にWindows 11環境で複数のプリンター/スキャナーを「Windows スキャン」アプリから使えるようにする具体的な手順と、うまくいかない場合の確認ポイント・根本原因の考え方まで、まとめて解説します。
症状の整理:2台目のプリンター/スキャナーが「Windows スキャン」に出てこない
まずは、よくある状況を整理しておきます。
- 1台目のプリンター/スキャナーは、印刷もスキャンも問題なくできる。
- 2台目をUSBやネットワークで接続すると、印刷はできる。
- しかし「Windows スキャン」アプリの上部にあるスキャナー選択のドロップダウンを開いても、2台目が候補に表示されない。
- メーカー純正アプリや別のスキャンソフトでは2台目も認識される場合がある。
この場合、多くは「プリンターとしては登録されているが、Windows側でスキャナー機能が正しく再認識されていない」ことが原因です。
よくある状態を表で確認
| 項目 | 1台目 | 2台目 |
|---|---|---|
| 印刷 | 可能 | 可能 |
| Windows スキャン | スキャナー一覧に表示される | 表示されない |
| メーカー純正スキャンアプリ | 使用可能 | 使用可能な場合が多い |
| Windows ファクスとスキャン | 選択可能 | 環境によっては選択可能 |
このようなとき、まず試すべきで、かつ実際に「直った」という報告が多いのが、デバイスの削除→再追加です。
結論:デバイスを削除して再追加すると解決することが多い
もっともシンプルで効果が高い対処は次のとおりです。
- 一度、問題のプリンター/スキャナーを設定画面から削除する。
- その後、改めて同じプリンター/スキャナーを追加する。
- これにより、Windowsがスキャナー機能を再検出し、「Windows スキャン」アプリにもスキャナーとして表示されるようになる。
実際にこの手順を行うことで、「2台目が『Windows スキャン』に表示されるようになり、1台目・2台目のどちらからでもスキャンできるようになった」という報告があります。
Windows 11での具体的な操作手順
1. 設定画面から該当プリンター/スキャナーを削除
- 画面左下のスタートボタンをクリックし、設定を開きます。
(ショートカットキー Windowsキー + I でも開けます) - 左側メニューからBluetooth とデバイスを選びます。
- 右側に表示される一覧からプリンターとスキャナーをクリックします。
- 一覧の中から、問題が発生している2台目のプリンター/スキャナーを探してクリックします。
- 詳細画面の下の方にあるデバイスを削除(または単に「削除」)ボタンをクリックし、確認メッセージでもはいを選択します。
この時点で、Windowsはそのプリンター/スキャナーを一旦「忘れた」状態になります。ケーブル接続の場合は、そのままUSBケーブルを抜かずに進めても構いませんが、気になる場合は一度抜いて再接続しても問題ありません。
2. プリンター/スキャナーを再度追加
- 同じく設定 → Bluetooth とデバイス → プリンターとスキャナーの画面を開きます。
- 画面上部付近にあるプリンターまたはスキャナーを追加するをクリックします。
- しばらく待つと、接続されているプリンターやスキャナーの候補が表示されます。
- 先ほど削除したプリンター/スキャナーが表示されたら選択し、画面の案内に従って追加を完了させます。
ネットワークプリンターの場合、表示されるまで時間がかかったり、IPアドレスの入力が必要なことがあります。その場合は、メーカーのマニュアルに沿って設定を進めてください。
3. 「Windows スキャン」アプリで確認
- スタートメニューからWindows スキャンアプリを起動します。 (一覧に見つからない場合は、検索ボックスに「scan」などと入力すると表示されます)
- アプリ上部のスキャナーという項目の右側にあるドロップダウン(▼)をクリックします。
- そこに、再追加したプリンター/スキャナーの名前が表示されているかを確認します。
- 表示されていればその機器を選択し、用紙をセットしてスキャンボタンを押して動作を確認します。
これで、1台目と2台目の両方が「Windows スキャン」アプリ上で切り替えられるようになっていれば成功です。
Windows 10の場合の画面表記の違い
Windows 10を使っている場合でも基本的な考え方と操作は同じですが、設定画面のメニュー名が少し異なります。
| 項目 | Windows 11 | Windows 10 |
|---|---|---|
| 設定メニュー | Bluetooth とデバイス | デバイス |
| プリンター一覧 | プリンターとスキャナー | プリンターとスキャナー |
| 追加ボタン | プリンターまたはスキャナーを追加する | プリンターまたはスキャナーを追加する |
Windows 10の場合は、設定 → デバイス → プリンターとスキャナーを開き、同様に削除→再追加を行ってください。
なぜ「削除→再追加」で直るのか
この現象は、Windowsがプリンターとスキャナーの機能を別々に扱っていることに起因する場合があります。
- 複合機(プリンター+スキャナー)は、印刷用ドライバーとスキャン用ドライバーがセットで動いています。
- 何らかのタイミング(アップデート、途中での接続エラー、古いドライバーの引き継ぎなど)で、スキャン用の情報だけがWindowsに正しく登録されていない状態になることがあります。
- 削除→再追加を行うことで、Windowsはそのデバイスを「新しい機器」として認識し、スキャナー機能も含めてドライバーを再登録します。
特に2台目以降の複合機では、「名前」「接続方法」「IPアドレス」などが似通っているため、Windows側の認識が曖昧になってしまうこともあります。削除してから再度認識させることで、そのあたりの不整合が解消されると考えるとイメージしやすいでしょう。
うまくいかない場合のチェックポイント・代替策
ここまでの手順で解決しない場合でも、まだできることはたくさんあります。順番に確認していきましょう。
スキャナー機能自体が正常に動いているか確認する
まず、「Windows スキャン」アプリ以外の方法で、機器がスキャナーとして認識されているかを確認します。
Windows ファクスとスキャンでの確認
- スタートメニューでWindows ファクスとスキャンを検索して起動します。
- 右上またはメニューの中にある新しいスキャンをクリックします。
- スキャナーのドロップダウンを開き、問題の2台目が表示されるか確認します。
ここに2台目が表示されれば、Windows自体はスキャナーを認識できている可能性が高いです。その場合、「Windows スキャン」アプリ固有の問題や設定の問題であることが疑われます。
メーカー純正スキャンアプリでの確認
HP、Canon、Epson、Brother などの複合機には、メーカーが提供するスキャンソフトやユーティリティが付属しています。
- メーカーの公式サイトからフル機能ソフトウェア一式をダウンロード・インストールする。
- 同梱されているスキャンアプリを起動し、2台目の機器が選択できるか確認する。
ここで問題なくスキャンできる場合、ハードウェアや接続のトラブルではなく、あくまでWindows標準アプリ側の認識の問題である可能性が高いと言えます。
ドライバーの再インストール/更新
複合機のドライバーには、次のような種類があります。
- 基本ドライバー(印刷だけ最低限動かすためのもの)
- フル機能ドライバー/ソフトウェア一式(スキャンや各種ユーティリティを含む)
PC側にインストールされているのが「基本ドライバー」のみの場合、印刷はできるのにスキャン機能がうまく登録されないことがあります。
対策としては、次の手順をおすすめします。
- プリンターのメーカー公式サイトにアクセスする。
- 製品名や型番で検索し、Windows 11 用の最新ドライバーを探す。
- 可能であれば、フルパッケージ版(フル機能ソフトウェア)をダウンロードする。
- 現在インストールされているドライバーをアンインストール後、ダウンロードしたフル機能版をインストールする。
フル機能ドライバーはサイズが大きく時間もかかりますが、その分スキャン系の機能やユーティリティが一通り揃っており、「Windows スキャン」にも正しく登録されやすくなります。
WIAサービス(Windows Image Acquisition)の状態を確認する
「Windows スキャン」アプリは、主にWIA(Windows Image Acquisition)という仕組みを使ってスキャナーと通信しています。このサービスが停止していると、アプリ上にスキャナーが表示されなかったり、途中でエラーとなることがあります。
WIAサービスの確認手順
- Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開きます。
services.mscと入力してOKをクリックします。- サービス一覧の中からWindows Image Acquisition (WIA)を探します。
- 状態が実行中になっているか確認します。
- 停止している場合は右クリックして開始を選択します。
- スタートアップの種類が「無効」や「手動」になっている場合は、必要に応じて自動に変更しておくと安心です。
WIAサービスが正常に動いていないと、いくらデバイスを再追加しても「Windows スキャン」アプリからは認識されないことがあります。先にサービス側の状態を整えてからデバイス再追加を行うとスムーズです。
接続方式(USB/LAN/Wi-Fi)を見直す
同じ複合機でも、USB接続とネットワーク接続(LAN、Wi-Fi)では、Windowsから見える姿が異なることがあります。
| 接続方式 | 特徴 | トラブル時のポイント |
|---|---|---|
| USB接続 | 直接PCとつながるため、基本的に認識が安定しやすい。 | USBポートやケーブル不良で認識が不安定になることがある。別のポートや別ケーブルで試す。 |
| 有線LAN | 複数PCから共有しやすい。IPアドレスで管理される。 | IPアドレスが変わると印刷はできてもスキャンだけ失敗することがある。固定IPやDHCP予約を検討。 |
| Wi-Fi | 配線不要で設置しやすいが、電波状況に左右される。 | 電波が不安定だとスキャン途中で切断される場合がある。同一ネットワークか、SSIDの違いにも注意。 |
特にネットワーク接続の場合は、次の点も確認してみてください。
- PCとプリンター/スキャナーが同じネットワーク(同じルーター)につながっているか。
- セキュリティソフトやファイアウォールが、スキャン用の通信をブロックしていないか。
- ネットワークプリンターの設定画面(ブラウザで開く管理画面など)に「スキャン機能」の設定項目がないか。
互換性の注意:TWAIN専用の古いスキャナーの場合
少し古いスキャナーの中には、TWAINドライバーにしか対応していない機種があります。これらは、WIA非対応のことが多く、その場合「Windows スキャン」アプリには表示されません。
- TWAIN専用スキャナーは、メーカー純正ソフトや、TWAIN対応の画像編集ソフトからは使える。
- しかしWIAを前提とした「Windows スキャン」アプリには一覧として出てこない。
そのような機種を使っている場合は、次のような使い分けを検討しましょう。
- 1台目:WIA対応の複合機 → 「Windows スキャン」アプリで利用。
- 2台目:TWAIN専用スキャナー → メーカー純正アプリや画像編集ソフトから利用。
複数台のスキャナーを使い分ける場合、どのアプリからどの機種が使えるのかを一覧にしておくと、社内・家庭内での混乱を減らせます。
複数プリンター/スキャナー運用のコツ
せっかく複数台のプリンター/スキャナーを使うなら、トラブルを減らしつつ効率よく運用したいところです。ここでは、実務で役立つコツをいくつか紹介します。
機器名(プリンター名・スキャナー名)を分かりやすく変更する
同じメーカーの複合機を2台以上使っていると、Windows上ではほぼ同じ名前で表示され、どれがどれだか分からなくなることがあります。
- 例:「EPSON EP-XXXX Series」「EPSON EP-XXXX Series (Copy 1)」など。
これを避けるために、追加した後のプリンター名を分かりやすく変更しておくと便利です。
- 設定 → Bluetooth とデバイス → プリンターとスキャナーを開く。
- 対象のプリンター/スキャナーをクリックする。
- プリンターのプロパティなどの項目から、名前を編集する。
- 「1階_共有プリンター」「2階_高画質スキャナー」など、場所や用途が分かる名前に変えておく。
こうしておくと、「Windows スキャン」のスキャナー一覧から目的の機器を選びやすくなり、誤操作も減らせます。
よく使うスキャナーをあらかじめ決めておく
複数台あると、「どれでスキャンするか」を毎回選ぶのが面倒になります。基本的に次のようなルールを決めておくとスムーズです。
- 普段はメインスキャナー1台を決めておき、「Windows スキャン」はそれを使う。
- 特殊なサイズや写真など、品質重視のときだけ別のスキャナーを選択する。
- 社内や家庭内で「A4は○○機、写真は△△機」などのルールを共有する。
また、Windowsは、最後に使ったスキャナーを記憶してくれる場合が多いので、「いつも使う機種を意図的に最後に使う」という運用も地味に効果があります。
トラブルシューティングをまとめた早見表
ここまでの内容を、「症状」と「試すべき対処」で一覧にまとめました。
| 症状 | まず試すこと | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 2台目が「Windows スキャン」の一覧に出ない | 設定から問題の機器を削除→再追加 | ドライバーのフル機能版インストール/WIAサービスの状態 |
| メーカーアプリからはスキャンできるが、「Windows スキャン」に出ない | WIAサービスの確認 | 機種がWIA非対応(TWAIN専用)でないか確認 |
| 時々スキャン途中で止まる/切断される | 接続方式の見直し(USBポート変更、LANケーブル、Wi-Fi電波) | ファイアウォール・セキュリティソフトの設定 |
| どの機器がどれか分からない | プリンター/スキャナー名を場所・用途で分かる名前に変更 | 社内・家庭内で使い分けルールを共有 |
よくある質問(Q&A)
Q. USB接続とWi-Fi接続のプリンターが混在していても大丈夫ですか?
A. 問題ありませんが、接続方式によってトラブルの出方が異なります。USB接続は安定しやすい一方、Wi-Fiは電波状況に左右されるため、スキャン途中のタイムアウトが起きやすくなります。重要なスキャン作業では、できればUSB接続か有線LANの機器をメインにすることをおすすめします。
Q. メーカーアプリからは2台目でスキャンできるのに、「Windows スキャン」アプリの一覧に出てきません。
A. この場合は、WIAサービスが停止しているか、もしくは機種自体がWIA非対応(TWAIN専用)である可能性があります。まずはWIAサービスの状態を確認し、それでも改善しない場合は、残念ながら「Windows スキャン」ではなくメーカー純正アプリをメインに使う方針に切り替えた方が安定することも多いです。
Q. デバイスを削除すると、印刷設定やスキャンの設定がすべて消えてしまいますか?
A. Windowsの「プリンターとスキャナー」から削除した場合、そのプリンター/スキャナーは一旦登録解除されますが、多くのメーカーアプリ内の独自設定はそのまま残ることがほとんどです。ただし、用紙サイズやお気に入りのプロファイルなどが消える可能性もゼロではないので、業務で重要な設定がある場合は、スクリーンショットを取るなど、事前に控えておくと安心です。
Q. 何度削除→再追加しても「Windows スキャン」に出てきません。
A. その場合は、次の点を総合的にチェックしてみてください。
- 最新のフル機能ドライバーがインストールされているか。
- WIAサービスが実行中で、自動起動になっているか。
- 別のユーザーアカウントや別PCではどうか(PC側の問題切り分け)。
- 機種がWIA対応かどうか、メーカー仕様で確認できないか。
特に別のPCでまったく同じ症状が出る場合は、機種固有の仕様(TWAIN専用など)の可能性が高くなります。
Q. 社内の複数PCから同じ複合機でスキャンしたいのですが、「Windows スキャン」を使うのとメーカーアプリを使うのはどちらが良いですか?
A. シンプルな運用を優先するなら、「Windows スキャン」に統一する方がユーザー教育が楽です。ただし、保存先の細かな指定や自動補正などの機能はメーカーアプリの方が豊富なことが多いため、「一般ユーザーはWindows スキャン」「スキャン担当者はメーカーアプリ」というように役割で使い分けるのも良い運用方法です。
まとめ:複数スキャナーでも「Windows スキャン」を便利に使う
Windows 11で「2台目のプリンター/スキャナーが『Windows スキャン』アプリに出てこない」というトラブルは、デバイスの削除→再追加というシンプルな手順で解消するケースが非常に多くあります。
- まずは設定 → Bluetooth とデバイス → プリンターとスキャナーから問題の機器を削除し、プリンターまたはスキャナーを追加するから再登録する。
- それでも解決しない場合は、Windows ファクスとスキャンやメーカーアプリで動作確認を行い、スキャナー自体やドライバーの状態をチェックする。
- WIAサービスが実行中かどうかを確認し、必要に応じて起動・自動化する。
- 接続方式(USB/LAN/Wi-Fi)に応じて、ケーブル・電波・ネットワーク設定を見直す。
- 古い機種や特殊なスキャナーは、TWAIN専用でWIA非対応の場合があり、その場合は「Windows スキャン」での利用を諦めてメーカーアプリに任せるのも一つの判断。
複数のプリンター/スキャナーを使い分ける環境では、一度設定が噛み合わなくなると原因が分かりにくくなりがちです。しかし、「削除→再追加」→「ドライバー」→「サービス」→「接続方式」→「互換性」という順番で落ち着いて確認していけば、ほとんどのケースは切り分けと解決が可能です。
この記事の手順を押さえておけば、今後新しいプリンターやスキャナーを追加したときにも、同じようなトラブルを短時間で解消できるはずです。複数の機器を上手に使い分けて、「Windows スキャン」を日々の業務や家庭でのスキャニング作業に最大限活用していきましょう。

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