新しく購入したWindows 11 PCの初期セットアップ中に、気付いたら表示言語やキーボードがギリシャ語になってしまい、Microsoft アカウントのパスワードすら入力できない――そんな状態になるととても焦ります。このページでは、セットアップ画面から安全にやり直す方法と、キーボードだけを一時的に英語や日本語に戻す具体的な手順、ログオン後のおすすめ設定までをまとめて解説します。
トラブルの概要:Windows 11 セットアップ中に表示言語とキーボードがギリシャ語になる
今回のケースは、Windows 11 の初回セットアップ(OOBE:Out-Of-Box Experience)中に、誤って「ギリシャ語」が選ばれてしまった、もしくは最初からギリシャ向けプリインストールになっているPCで起こりがちなトラブルです。
- 画面の表示言語がギリシャ語になってしまい、どこを押せばいいか分からない
- Microsoft アカウントのサインイン画面で、キーボードまでギリシャ語配列になり、パスワードを正しく入力できない
- 「戻る」や「言語変更」の場所を探したいが、そもそも文字が読めない
特に、Microsoft アカウントのパスワードやPINは「英語キーボードで入力した前提」で覚えている方が多いため、ギリシャ語キーボード配列のままだと、見た目通りにキーを押しても正しい文字列になりません。その結果、正しいパスワードを入れているつもりなのに「パスワードが違います」と言われてしまいます。
まずは、症状を整理しておきましょう。
| 症状 | 具体的な画面・状態 | 想定される原因 |
|---|---|---|
| 表示言語がギリシャ語 | ボタンや説明文が「Επόμενο」「Ρυθμίσεις」のような文字になっている | 最初の言語選択画面でギリシャ語を選択した/プリインストールがギリシャ語 |
| キーボード配列もギリシャ語 | パスワードを入力しても「●●●」は同じに見えるが、エラーになる | 入力言語が「Greek」になっている、または英語/日本語に戻せていない |
| 言語を変えるボタンが見つからない | どのボタンが「戻る」や「スキップ」なのか読めない | OOBE 途中のため、設定アプリがまだ開けない |
このような状況に陥った場合でも、Windows自体が壊れているわけではありません。セットアップを最初からやり直すか、キーボード配列だけ一時的に切り替えることで、落ち着いて復旧できます。
一番確実な方法:OOBE(セットアップ)を最初からやり直す
最もトラブルが少ないのは、Windows 11 の初期セットアップ画面(OOBE)を「最初からやり直す」方法です。これには Sysprep(シスプレップ) というツールを使いますが、難しい操作ではありません。
Shift + F10 でコマンドプロンプトを開く
まず、ギリシャ語のセットアップ画面が表示されている状態で、次のキーを同時に押します。
Shift キーを押しながら F10 キーを押す
すると、画面上に黒いウィンドウ(コマンドプロンプト)が開きます。表示言語がギリシャ語でも、コマンドプロンプトのウィンドウは問題なく開きます。
ノートPCなどで F10 が音量や明るさ調整に割り当てられている場合は、次のように試してください。
- Fn + Shift + F10
- または Ctrl + Shift + F10 でも動作する機種があります
Sysprep コマンドで OOBE をやり直す
コマンドプロンプトが開いたら、次のコマンドをそのまま入力して Enter キーを押します。
%WINDIR%\system32\sysprep\sysprep.exe /oobe /reboot
ポイントは以下の通りです。
%WINDIR%の部分は、Windows がインストールされているフォルダーを自動で参照してくれるので、そのまま書き写せばOKです。/oobeは、「Out-Of-Box Experience(初回セットアップ画面)をもう一度実行する」という指定です。/rebootは、コマンド実行後に PC を再起動する指定です。
Enter キーを押すと数秒~数十秒で処理が進み、PC が自動的に再起動します。その後、購入した直後と同じように、言語や地域を選ぶ最初のセットアップ画面からやり直すことができます。
この方法は安全?メーカー製PCでも大丈夫?
sysprep.exe /oobe /reboot は、Windows が用意している公式の初期セットアップ再実行用のツールです。この操作はあくまで「OOBEを再実行する」だけであり、次のような点で比較的安全です。
- メーカーのリカバリ領域(回復パーティション)には触れない
- ディスク全体の初期化やパーティション削除は行わない
- まだユーザーアカウントやデータがほとんど存在しない初期状態なら、実質的な影響はほぼない
新しく買ったばかりのPCで、ユーザーデータもアプリもほとんど無い段階であれば、この方法が最も手軽で確実です。メーカー独自のリカバリメニューを開いたり、USBメモリを用意したりする必要はありません。
再起動後の言語選択で気を付けるポイント
PCが再起動し、再び Windows 11 のセットアップ画面が表示されたら、今度は最初の画面で必ず正しい言語を選び直すことが重要です。
- 「日本語」で使いたい場合は、表示言語を 「日本語」 にする
- 英語表示で使いたい場合は、「English (United States)」 など自分が望む英語を選ぶ
- 「ギリシャ語」「Greek」「Ελληνικά」など、見慣れない言語を選ばないように注意する
表示言語を決める画面では、下にスクロールすると多数の言語が並んでおり、うっかり隣の行を選んでしまうことがあります。可能であれば、スマートフォンなどで画面を撮影しながら慎重に選択すると安心です。
キーボードレイアウトの選択も忘れずに確認する
Windows 11 のセットアップでは、「表示言語」と「キーボードレイアウト」が別々に用意されています。ここで日本語キーボードを使っているのに英語やギリシャ語のレイアウトを選んでしまうと、後の入力トラブルの原因になります。
- 日本語キーボード(通常のJIS配列)を使っている場合は、「Japanese」または「日本語キーボード (106/109)」 を選択
- 英語配列キーボード(US配列)なら、「US」や「English (US)」 を選ぶ
- ギリシャ語など見慣れないレイアウトは選ばない
ここまで正しく設定できれば、以降の Microsoft アカウントのサインイン画面やPIN設定画面でも、日本語または英語の正しいキーボード配列で入力できるようになります。
コマンドが難しい場合:キーボード配列だけ一時的に切り替える方法
「コマンドプロンプトでの操作は少し不安」「とにかく今のセットアップを壊さずに進めたい」という場合は、セットアップ画面でキーボード配列だけを一時的に切り替えるという方法もあります。
この方法では、画面表示はギリシャ語のままですが、入力言語を「英語(US)」や「日本語」に変えてパスワードを正しく入力できるようにします。
画面下部の地球儀アイコン・キーボードアイコンを探す
Windows 11 のセットアップ画面(特に Microsoft アカウントのサインイン画面)では、画面右下に小さなアイコンが表示されていることがあります。
- 地球儀のようなアイコン(言語・キーボード切り替え)
- キーボード型のアイコン(オンスクリーンキーボードなど)
EL、ENG、JPなど、現在の入力言語を表す英字
この部分をクリックすると、「Greek」「English (United States)」「Japanese」などの候補が表示されます。ここで 「English (United States)」や「Japanese」 を選べば、キーボード配列を切り替えることができます。
もし候補が複数ある場合は、次のような順番で試してみてください。
- ENG US(英語 – US)
- JP Japanese(日本語キーボード)
- その他、自分が使っているキーボードに対応していそうなもの
アイコンが見つからない場合:キーボードショートカットを使う
地球儀アイコンなどが見当たらない場合でも、Windows 11 はキーボードショートカットで入力言語を切り替えられます。次のキーを順番に試してみてください。
- Alt + Shift
- Windows キー + Space(スペース)
いずれかを押すたびに、入力言語が順番に切り替わります。画面右下または中央付近に、一時的に「ENG」「JP」「EL」などと表示されれば、入力言語が変わったサインです。
ひとつずつ切り替えながら、Microsoft アカウントのパスワード欄に試し入力して、正しく入力できる組み合わせを探してみてください。
正しく入力できているか確認する簡単なコツ
パスワード欄は「●●●」と隠れてしまうため、本当に正しく入力できているか確認しにくいのが難点です。そこで、次のような手順で確認すると安心です。
- パスワード欄のほかに、文字が見える入力欄(ユーザー名など)があれば、そちらでテストする
- それが難しい場合は、一度「メモ」欄などがないか画面をよく探してみる
- どうしても見つからなければ、あえて簡単な文字列でテストする
例えば、次のような文字列を入力してみます。
abcd1234testTEST@!?"など記号が含まれる場合は、そのキーの位置が合っているか確認
ギリシャ語キーボードのままだと、これらの入力結果が元のキー配置と一致しません。英語や日本語のキーボードを選べた場合は、普段通りの位置で入力できるようになります。
入力言語を切り替えて正しくパスワードを入力し、セットアップを最後まで完了させたら、ログオン後に「表示言語」と「キーボード」を改めて設定し直します。
ログオン後に必ず見直したい「言語」と「キーボード」設定
ギリシャ語のトラブルから復旧した直後は、Windows 11 の内部で複数の言語が混在していることがあります。例えば、表示は日本語だがキーボードが英語のまま、あるいはギリシャ語の言語パックが残っている、といった状態です。
そこで、ログオンできたらすぐに、次の画面を確認しましょう。
設定 > 時刻と言語 > 言語と地域
ここでは、Windows 11 の表示言語、地域、優先する言語、キーボードレイアウトなどをまとめて確認・変更できます。日本語圏のユーザー向けに、よくあるおすすめ設定を表にまとめると次のようになります。
| 項目 | 日本語のみで使う場合 | 日本語+英語併用の場合 |
|---|---|---|
| Windows の表示言語 | 日本語 | 日本語 または English (United States) |
| 地域 | 日本 | 日本(出張などで海外に長期滞在する場合は現地に変更も可) |
| 優先する言語 | 日本語 だけにする | 日本語 と English (United States) の2つを登録 |
| キーボードレイアウト | 日本語キーボード (106/109) | 日本語キーボード と USキーボードの両方を登録し、用途に応じて切り替え |
| 不要な言語 | ギリシャ語や他の不要な言語があれば削除 | 同様に、使わない言語パックは削除 |
優先する言語が複数あると、アプリやブラウザーが意図しない言語で表示されたり、キーボードの自動切り替えが発生することがあります。特に不要なギリシャ語が残っていると、再びキーボードが切り替わる原因になるため、後述の手順で削除しておくのがおすすめです。
ギリシャ語の言語パックを完全に削除する手順
ログオン後、もうギリシャ語を使う予定がない場合は、言語パック自体を削除しておくと安心です。手順は次の通りです。
言語パックの削除手順
- スタートボタン(Windows アイコン)をクリックし、設定 を開く。
- 時刻と言語 を選び、左側から 言語と地域 をクリック。
- 優先する言語 の一覧に「Greek」や「Ελληνικά」が含まれていないか確認。
- もし存在する場合は、その右側の「…」メニューをクリックし、削除 を選択。
この操作により、ギリシャ語の表示言語やキーボードレイアウトが一覧から消えます。もし「削除」ボタンがグレーアウトしている場合は、その言語が現在の表示言語になっている可能性があります。その場合は、まず日本語や英語を表示言語に設定して再サインインした後、再度削除を試してください。
キーボードレイアウトの整理も忘れずに
同じ画面の中で、キーボードレイアウトの一覧も確認しておきましょう。特に、キーボードショートカットで切り替えた結果、意図せず複数のレイアウトが登録されている場合があります。
- 言語と地域 画面で、日本語や英語の行をクリックし、言語のオプション を開く。
- キーボード の項目で、「ギリシャ語」など不要なレイアウトがないか確認する。
- 不要なものがあればクリックし、削除 を選択。
この整理を行っておくことで、今後 Windows + Space などのショートカットを押しても、ギリシャ語に切り替わることはなくなります。
どうしてもおかしい場合の最終手段:「この PC をリセット」
ここまでの方法で改善しない、すでにいろいろ触ってしまって訳が分からなくなってしまった、という場合は、Windows 11 の標準機能である 「この PC をリセット」 を使うという選択肢もあります。
「この PC をリセット」とは
「この PC をリセット」は、Windows 11 を初期状態に戻す機能です。次の2種類の方法から選択できます。
| オプション | 概要 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 個人用ファイルを保持する | ユーザーフォルダーのデータを残しつつ、Windows を初期状態に戻す | 既にファイルを保存してしまった後に、OS部分だけリセットしたい場合 |
| すべてを削除する | アプリ・設定・個人データを含めて完全に初期化する | 購入直後でデータが不要、まっさらな状態からやり直したい場合 |
今回のように「購入直後に言語を間違えた」程度であれば、普通は sysprep /oobe /reboot で十分です。ただし、既にある程度使ってしまっており、設定が混乱してしまった場合などは、「この PC をリセット」で完全にやり直してしまうのも一つの選択肢です。
なお、この操作はアプリやデータが消える危険を伴うため、実行前に必ずバックアップを取ることをおすすめします。
よくある疑問と注意点
すでにユーザーアカウントを作成してしまったが、やり直せる?
ユーザーアカウント作成後でも、「この PC をリセット」を使えば、言語設定を含めて初期状態からやり直すことができます。ただし、前述の通り個人データやアプリが削除される可能性があるため、本当にリセットが必要かどうかを慎重に判断しましょう。
「表示言語だけ変えたい」「キーボードだけ直したい」という程度であれば、まずは 設定 > 時刻と言語 > 言語と地域 からの設定変更と、不要な言語パックの削除で対応できるケースがほとんどです。
ギリシャ語に限らず、他の言語でも同じ対処法が使える?
はい、今回紹介した手順は、基本的にどの言語に誤設定してしまった場合でも利用できます。
- 韓国語、中国語、フランス語、ドイツ語など、別の言語に誤設定してしまった
- 海外で購入したPCで、現地語のままセットアップが始まってしまった
こういった場合でも、Shift + F10 でコマンドプロンプトを開き、sysprep /oobe /reboot でやり直す手順は同じです。セットアップをやり直した後に、自分が理解できる言語を選択し直してください。
Microsoft アカウントのパスワード自体は変わらない
キーボード配列がギリシャ語に変わっていてもうまくログインできないと、「パスワードが変わってしまったのでは?」と不安になるかもしれません。しかし、本質的には「入力された文字列が違ってしまっている」だけで、Microsoft アカウントのパスワードそのものが勝手に書き換えられることはありません。
したがって、まずは入力言語を切り替えて、普段と同じキーボード配列で入力できる状態を取り戻すことが重要です。どうしても思い出せない場合に限り、別の端末からパスワードのリセット手続きを行うようにしましょう。
ローカルアカウントで使いたい場合の注意点
最近の Windows 11 では、Microsoft アカウントの利用が強く推奨されており、バージョンによってはローカルアカウントの選択肢が見えにくくなっています。ギリシャ語表示のまま無理に進めると、思わぬ設定を選んでしまうリスクがあります。
ローカルアカウントで利用したい場合は、表示言語とキーボードを一度きちんと日本語や英語に直してから、改めて「オフラインアカウント」や「後でサインイン」などの選択肢を探すのがおすすめです。
再発防止のチェックリスト
最後に、同じミスを繰り返さないためのチェックポイントをまとめておきます。新しいPCをセットアップするたびに、以下を意識しておくと安心です。
| タイミング | チェック項目 | 具体的な確認内容 |
|---|---|---|
| 電源を入れた直後 | 表示言語の選択 | 必ず「日本語」または「English (United States)」など自分が理解できる言語を選ぶ |
| キーボード選択画面 | キーボードレイアウト | 日本語キーボードなら「Japanese」「日本語キーボード (106/109)」を選ぶ |
| Microsoft アカウント入力時 | 入力言語の確認 | 画面右下の「ENG」「JP」「EL」などの表示を確認し、必要に応じて切り替える |
| 初回ログオン後 | 言語パックの整理 | 設定 > 時刻と言語 > 言語と地域から不要な言語(ギリシャ語など)を削除 |
| 通常利用中 | ショートカットによる切り替え | Windows + Space を誤って押した際に、意図しない言語へ切り替わっていないか確認 |
特に、海外向けモデルや海外で購入したPCの場合、初期状態で複数の言語が登録されていることがよくあります。余計な言語は最初に整理しておくことで、後々のトラブルを大幅に減らすことができます。
まとめ:慌てずに「やり直す」か「切り替える」で対処する
Windows 11 の初回セットアップ中に表示言語とキーボードがギリシャ語になってしまっても、PC自体が壊れたわけではありません。今回紹介したように、次の二つのアプローチで落ち着いて対処できます。
- 最も確実な方法: Shift + F10 でコマンドプロンプトを開き、
%WINDIR%\system32\sysprep\sysprep.exe /oobe /rebootを実行してセットアップを最初からやり直す。 - 手軽な応急処置: セットアップ画面右下の地球儀アイコンや Alt + Shift、Windows + Space などでキーボード配列だけ英語や日本語に一時的に切り替え、パスワード入力を完了させる。
そのうえで、ログオン後に「言語と地域」で表示言語・キーボード・不要な言語パックをきちんと整理しておけば、同じトラブルが再発する可能性はぐっと下がります。
新しいPCのセットアップは、それ自体がやや緊張する作業です。万が一、ギリシャ語など見慣れない言語の画面になってしまっても、「やり直せる」「一時的に切り替えられる」と知っていれば、落ち着いて対処できるはずです。本記事の手順を参考に、安心して Windows 11 を日本語環境で使えるように整えてください。

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