Windows 10/11で回復環境(WinRE)が開けない・bcdedit「ブート構成データ ストアを開けない」エラーの原因と完全復旧手順

「詳細オプションの起動(高度なスタートアップ)」から Windows 回復環境(WinRE)に入れず、セーフモードも使えない…。しかも bcdedit を実行すると「ブート構成データ ストアを開けない」と表示される。この状態になると、一般的な Windows の修復記事だけではなかなか復旧できません。本記事では、実際にこの症状を解消した手順をベースに、原因の整理から EFI システムパーティション(ESP)再構築、WinRE の再登録までを詳しく解説します。

目次

症状の整理:WinRE が開けない/bcdedit がストアを開けない

本記事で扱うのは、次のような症状がそろっているケースです。

  • 「設定」 > 「システムの回復」 > 「PC の起動をカスタマイズする」から高度なスタートアップを実行しても、表示されるのが「UEFI ファームウェアの設定」だけで、WinRE のメニュー(トラブルシューティング・詳細オプション)が出てこない。
  • Windows 自体は通常起動できるが、「セーフモード」「スタートアップ修復」「システムの復元」など、WinRE 経由のメニューに入れない。
  • sfc /scannow や DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth を実行してもエラーは出ず、しかし状況は改善しない。
  • reagentc /enable を実行すると途中で bcdedit が呼ばれ「ブート構成データ ストアを開けない」と表示される。
現象具体的な状態
WinRE が開けない高度なスタートアップの画面に「UEFI ファームウェアの設定」しか出ない
Windows 本体は起動通常のデスクトップまでは問題なく起動できる
bcdedit エラーbcdedit 実行時に「ブート構成データ ストアを開けない」と表示
SFC/DISM実行は完了するが、症状は変わらない
reagentcreagentc /enable が途中で失敗する

このように「Windows 本体は起動するが、起動のまわりや回復環境がおかしい」という場合、原因は OS よりも一段下のレイヤーにあることが多いです。

想定環境と前提条件

この記事の手順は、主に次のような環境を想定しています。

  • Windows 10 または Windows 11(UEFI/GPT 構成)
  • 内蔵ストレージが NVMe SSD で、Intel RST(VMD)を利用しているノート PC・デスクトップ PC
  • BitLocker が有効な可能性あり
  • Windows は起動可能だが、WinRE は起動不能
項目想定
ブート方式UEFI(EFI システムパーティションあり)
ディスク構成GPT 形式、ESP + MSR + OS パーティション + 回復パーティション
ストレージドライバーIntel RST(VMD)、ドライバー INF 例:iastorvd.inf
回復環境WinRE が壊れているか、BCD から参照できない状態

原因の概要:EFI システムパーティション破損+VMD ドライバー欠如

今回のケースでは、主に次の 2 点が原因でした。

  1. EFI システムパーティション(ESP)の破損により、UEFI ブート用の BCD を参照できない状態だった。
  2. WinRE やセットアップ環境から内蔵ディスクが見えない状態で、原因は Intel RST(VMD)ストレージドライバーが読み込まれていなかったこと。

これらが組み合わさることで、次のような負のループに入っていました。

  • ESP 上の BCD が壊れているため、bcdedit がストアを開けず、reagentc /enable も失敗する。
  • USB セットアップメディアから起動しても、VMD ドライバーが無いため内蔵 SSD が見えず、bcdboot や WinRE 再配置ができない。
レイヤー問題点影響
ストレージドライバーVMD ドライバー不在(WinRE/セットアップ環境)USB 起動時に内蔵ディスクが「Disk 0」として認識されない
ブート構成(ESP)ESP 上の BCD が破損・欠落bcdedit が「ブート構成データ ストアを開けない」
回復環境(WinRE)WinRE の場所が未登録/不正高度なスタートアップに WinRE メニューが表示されない

つまり、「まず VMD ドライバーでディスクを見えるようにする」→「ESP を再構築して健全な BCD を作る」→「WinRE 用パーティションを新設し、reagentc で再登録する」という順番で対処する必要があります。

作業前の注意点と準備

バックアップと BitLocker 対応

これから行う作業には、EFI システムパーティションのフォーマットや回復パーティションの新規作成など、起動に直結する変更が含まれます。必ず次の点を押さえてください。

  • 重要データのバックアップ(外付け HDD/SSD やクラウドなど)
  • 可能であればシステムイメージの作成
  • BitLocker 有効時は、事前に一時停止しておく

BitLocker 一時停止の例:

manage-bde -protectors -disable C:
リスク対策
ESP 再構築で起動不能になる可能性システムイメージ・バックアップの作成
BitLocker 回復キーの要求事前に回復キーを控え、保護を一時停止
誤ったパーティション操作ディスク番号・ボリューム番号をよく確認してから実行

必要なもの

  • Windows 10 または Windows 11 の USB セットアップメディア(どちらでも可)
  • VMD(Intel RST)ドライバーを書き出すための USB メモリ(セットアップメディアと同じでも可)
  • 管理者権限のある Windows セッション(現状の OS が起動できる必要あり)
  • AC アダプタ(ノート PC の場合)

復旧の全体像

ここまでの内容を踏まえ、実際の作業の流れを先にざっくりまとめると次のようになります。

  1. 起動可能な Windows から VMD ドライバー(iastorvd.inf など)を USB に書き出す。
  2. Windows セットアップメディアから起動し、WinRE のコマンドプロンプトで drvload で VMD ドライバーを読み込む。
  3. ESP をマウントして中身を退避し、FAT32 でクイックフォーマットした上で bcdboot でブートファイルを再生成する。
  4. C ドライブを縮小して 900MB 前後の NTFS 回復パーティションを作成し、仮ドライブ文字(例:S:)を付与する。
  5. winre.wim をそのパーティションにコピーし、reagentc /setreimage で WinRE の場所を登録する。
  6. パーティションの GUID を Windows RE Tools 用(de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac)に変更し、隠し・必須属性を付ける。
  7. reagentc /enable で WinRE を有効化し、reagentc /info で状態を確認する。

次から、それぞれのステップを詳細に見ていきます。

手順詳細

Windows セットアップメディアを用意する

すでにインストールメディアをお持ちであれば流用できます。Windows 10 / 11 どちらでも構いません。

  • Microsoft 公式のメディア作成ツール(Media Creation Tool)で作成
  • 容量 8GB 以上の USB メモリを推奨

この USB から起動し、「コンピューターを修復する」>「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「コマンド プロンプト」に入りますが、その前に VMD ドライバーを USB に書き出しておきます。

稼働中の Windows から VMD ドライバーを USB に書き出す

Windows がまだ起動できるうちに、Intel VMD(RST)のドライバーを USB にエクスポートしておきます。以下では USB ドライブを F: と仮定します。

  1. Win + X > 「ターミナル(管理者)」または「Windows PowerShell(管理者)」を開く。
  2. VMD ドライバーの INF 名を確認する。
pnputil /enum-drivers | findstr /i vmd

出力例(イメージ):

Published Name : oem50.inf
Original Name  : iaStorVD.inf
Provider Name  : Intel Corporation
Class Name     : Storage controllers

この例では、実際の INF は iaStorVD.inf で、それが oem50.inf として登録されています。次に、該当ドライバーを USB に書き出します。

md F:\VMD
pnputil /export-driver oem50.inf F:\VMD

oem50.inf の番号は環境により異なるため、必ず自身の環境で確認してください。

確認コマンド目的
pnputil /enum-drivers | findstr /i vmdVMD 関連ドライバー(iaStorVD.inf など)の特定
pnputil /export-driver oemxx.inf F:\VMD指定ドライバーを USB に書き出し

USB から WinRE を起動し、VMD ドライバーを読み込む

続いて、作成済みのセットアップ USB から起動して、内蔵ディスクを正しく認識させます。

  1. PC の電源を入れ、ブートメニューキー(F12、F8、Esc など機種依存)から USB を選択。
  2. 言語選択画面で「次へ」→「今すぐインストール」は押さず、「コンピューターを修復する」をクリック。
  3. 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「コマンド プロンプト」を選択。

コマンドプロンプトが開いたら、まず USB ドライブのドライブ文字(例:D: や E:)を確認し、その中の \VMD フォルダを参照できることを確認します。そのうえで、次のように VMD ドライバーを読み込みます。

drvload <USBドライブ>:\VMD\iaStorVD.inf

その後、diskpart を起動して内蔵ディスクが見えるか確認します。

diskpart
list disk

ここで Disk 0 として容量の一致する SSD が見えていれば、VMD ドライバーの読み込みは成功です。もし何も表示されない場合は、INF ファイルのパスや種類が正しいか再確認してください。

EFI システムパーティション(ESP)を再構築する

次に、破損している可能性の高い ESP を再構築します。ESP は通常、100~300MB 程度の FAT32 パーティションで、そこに BCD(ブート構成データ)やブートマネージャーが格納されています。

まず、mountvol で ESP を一時的にドライブレターに割り当てます。ここでは Y: を使用します。

mountvol Y: /s

正常に実行されれば、Y: ドライブに ESP がマウントされます。念のため BCD を USB にバックアップしておきます(中身が壊れていても記録として残しておく意味があります)。

xcopy /h Y:\EFI\Microsoft\Boot\BCD <USBドライブ>:\BackupBCD\

続いて、ESP を FAT32 でクイックフォーマットします。

format Y: /fs:FAT32 /q

フォーマット後、OS パーティション(本番の Windows が入っているドライブ)のドライブ文字を把握します。WinRE 上では、通常の環境とドライブ文字が異なる場合があるので注意してください。

  1. diskpart を開く。
  2. list volume でボリューム一覧を見る。
  3. 容量やラベルが Windows の C ドライブに相当するものを確認し、そのドライブ文字をメモする(ここでは例として C: を使用)。

最後に bcdboot でブート関連ファイルと BCD を再生成します。

bcdboot C:\Windows /s Y: /f UEFI

ここでエラーが出なければ、ESP 上に新しい BCD とブートファイルが作成されています。この時点で、「ブート構成データ ストアを開けない」という問題の大部分は解消されるはずです。

補足:もし mountvol Y: /s でエラーが出る、または ESP 自体が存在しない場合は、diskpart で新たに 100~260MB 程度の FAT32 パーティションを作成し、EFI システムパーティション としてマークした上で同様に bcdboot を実行します。

回復用パーティションを新設し、WinRE を配置する

ESP が再構築できたら、今度は回復用の NTFS パーティションを用意して WinRE の実体である winre.wim を配置します。ここでは、Windows を通常起動した状態で作業する想定です。

回復用パーティションの作成(例:900MB)

  1. Windows を通常起動する。
  2. Win + X > 「ディスクの管理」を開く。
  3. C ドライブを右クリックし、「ボリュームの縮小」を選択。
  4. 700~900MB 程度を縮小して未割り当て領域を作る(既に未割り当てがある場合は合算してもよい)。
  5. その未割り当て領域を右クリックし、「新しいシンプル ボリューム」で NTFS のパーティションを作成する。一時的にドライブ文字 S: を割り当てる。

容量は winre.wim のサイズ(数百 MB)と今後の拡張余地を考え、900MB〜1GB程度 を目安にすると安心です。

項目推奨値
回復パーティション容量900MB ~ 1GB
ファイルシステムNTFS
一時ドライブ文字S など、未使用の英字

WinRE の実体(winre.wim)をコピーする

続いて、WinRE の本体である winre.wim を新パーティションにコピーし、古い設定ファイルを削除してから再登録します。

del C:\Windows\System32\Recovery\ReAgent.xml /a
md S:\Recovery\WindowsRE
xcopy /h C:\Windows\System32\Recovery\winre.wim S:\Recovery\WindowsRE\

ReAgent.xml は WinRE の設定ファイルですが、壊れている可能性があるため一旦削除します。winre.wim は Windows 標準の WinRE イメージで、これを新しく作った回復パーティションに移すイメージです。

次に、reagentc コマンドで WinRE の場所を新しいパーティションに向けます。

reagentc /setreimage /path S:\Recovery\WindowsRE /target C:\Windows

これで「WinRE は S:\Recovery\WindowsRE にある」という情報が登録されます。

回復パーティションを Windows RE Tools としてマーキングする(GPT)

このままだと、S: ドライブがエクスプローラーに見えてしまい、誤操作のリスクがあります。正式な「Windows RE Tools」パーティションとして識別させ、隠し・必須属性を付けておきます。GPT ディスク環境を前提とした手順です。

diskpart
list volume
select volume S
remove
set id=de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac
gpt attributes=0x8000000000000001
exit
  • remove … 割り当てられているドライブ文字(S:)を取り外す。
  • set id=... … GPT のパーティションタイプ GUID を Windows RE Tools に変更。
  • gpt attributes=0x8000000000000001 … 必須(0x1)+隠し(0x8000…)属性を設定。

これにより、エクスプローラーからは見えない専用回復パーティションとして扱われるようになります。

MBR 環境の場合:
稀ですが MBR ディスクの場合は set id=27 を用いる、といった違いがあります。最近の Windows 10/11 PC はほとんど GPT なので、本記事では GPT を前提としています。

WinRE を有効化し、状態を確認する

最後に WinRE を有効化し、設定が正しく反映されているか確認します。

reagentc /enable
reagentc /info

reagentc /info の出力で次の点を確認してください。

  • Windows RE status : Enabled になっている。
  • Windows RE location が \\?\GLOBALROOT\device\harddiskX\partitionY\Recovery\WindowsRE のように回復パーティションを指している。

ここまで問題なければ、再起動後に「設定」→「システム」→「回復」→「PC の起動をカスタマイズする」から「今すぐ再起動」を選ぶと、これまで表示されなかった「トラブルシューティング」「詳細オプション」「スタートアップ設定(セーフモード)」といった WinRE のメニューが復帰しているはずです。

SFC / DISM では直らなかった理由

「sfc /scannow や DISM /RestoreHealth までやったのに直らなかったのはなぜ?」という疑問に対しては、対象としているレイヤーの違いを押さえると理解しやすくなります。

コマンド主な対象今回の問題(ESP/WinRE)への影響
sfc /scannowC:\Windows 以下のシステムファイルESP や BCD には基本的にノータッチ
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealthコンポーネントストア(WinSxS)と OS イメージやはり ESP 上の BCD は対象外
bcdbootESP 上のブートファイル/BCD今回の決定打。壊れた ESP を再構築できる
reagentcWinRE の場所・有効/無効設定ESP が正常+WinRE パーティションが正しくないと正常動作しない

つまり、SFC と DISM は「Windows 本体の健康診断・修復」であり、今回壊れていたのはその一段下にある「ブート構成(ESP 上の BCD)」と「WinRE の配置・登録」の部分だったため、いくら SFC/DISM を実行しても症状は変わらなかった、というわけです。

よくあるハマりポイントとチェックリスト

実際に作業していると、次のようなところでつまづきがちです。事前にチェックしておくと安心です。

現象・エラー考えられる原因確認/対処
USB 起動の WinRE から list disk に何も出ないVMD ドライバー未読み込みdrvload に指定した INF 名やパスが正しいか確認
bcdboot C:\Windows /s Y: /f UEFI で失敗するOS パーティションのドライブ文字が C: ではない/ESP が正しくマウントできていないdiskpart の list volume でドライブ文字を再確認
reagentc /setreimage でエラー指定パスに winre.wim が存在しない/アクセス不可S:\Recovery\WindowsRE に winre.wim があるか確認
reagentc /enable に失敗ESP の BCD がまだ壊れている/WinRE パーティションの型が不正bcdboot の再実行、パーティション GUID の確認
高度なスタートアップに WinRE が出ないWinRE は Enabled だが、場所設定が不整合reagentc /info で location を確認し、必要なら再度 /setreimage

再発防止と運用のコツ

今回のようなトラブルに一度遭遇すると、次からはもっと楽に対処したくなるものです。実務上の観点から、いくつか運用のヒントをまとめておきます。

メンテナンス用 USB を作っておく

  • Windows 10/11 のセットアップメディアを 1 本常備する。
  • あわせて VMD/IRST ドライバー一式(メーカー配布のドライバーパッケージや、今回のように pnputil /export-driver したもの)を格納しておく。
  • 必要に応じて LAN/無線 LAN ドライバーも一緒に入れておくと、WinPE からネットワークに出たいときに便利。

こうしておくと、次回同じようなトラブルが起きても、USB から起動して drvload するだけで、即座にディスクにアクセスできるようになります。

BIOS の VMD/RAID ⇔ AHCI 切り替えは慎重に

機種によっては、BIOS/UEFI の設定で「VMD」「RAID」から「AHCI」に変更することで WinRE からも SSD が見えるようになる場合があります。ただし、以下のリスクがあるため、安易な切り替えはおすすめできません。

  • 既存の Windows が VMD 前提でインストールされていると、AHCI に変更した瞬間に「INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」等で起動不能になる場合がある。
  • BitLocker や Secure Boot と組み合わさると、予期せぬ回復キー要求や署名エラーが発生することもある。

どうしても BIOS 設定を変更したい場合は、必ず事前バックアップを取り、変更前の設定をメモしておきましょう。

WinRE の状態は定期的に点検する

大型アップデート・Feature Update のあとやディスク周りの大きな変更を行ったあとには、次のコマンドで WinRE の状態を点検しておくと安心です。

reagentc /info

Windows RE status : Enabled になっているか、Windows RE location が存在するパスを指しているかを確認し、おかしければ早めに修正しておきましょう。

頻繁に WinRE でドライバーが必要になる環境では wim にドライバーを注入する

VMD ドライバーがないと毎回 WinRE からディスクが見えないような環境では、あらかじめ WinRE の wim イメージにドライバーを注入しておくと運用が非常に楽になります。

概要は次のような流れです(C:\Mount\WinRE を一時マウント先とした例)。

md C:\Mount\WinRE
dism /Mount-Image /ImageFile:S:\Recovery\WindowsRE\winre.wim /Index:1 /MountDir:C:\Mount\WinRE
dism /Image:C:\Mount\WinRE /Add-Driver /Driver:<ドライバー格納フォルダー> /Recurse
dism /Unmount-Image /MountDir:C:\Mount\WinRE /Commit
  • /Add-Driver で、VMD/IRST ドライバーのフォルダーを指定(複数 INF があるフォルダーを丸ごと指定して OK)。
  • 最後に /Commit して変更を保存するのを忘れないようにします。

これで、以後その PC の WinRE はドライバーを自動的に読み込むため、毎回 drvload する必要がなくなります。

大きな変更前後で回復ドライブやシステムイメージを作る

SSD の換装、パーティション構成の変更、メジャーアップデートなど、「もし失敗すると起動できなくなる」リスクがある作業の前後では、次のようなバックアップを心掛けておきましょう。

  • コントロールパネルからの「システム イメージの作成」(Windows 10)
  • サードパーティ製のディスクイメージツール(Macrium Reflect など)
  • USB 回復ドライブの作成(WinRE を含む)

これらを組み合わせることで、「最悪の場合でも丸ごと元に戻せる」状態を維持できます。

まとめ:WinRE が開けないときの考え方と復旧のポイント

最後に、本記事の要点をあらためて整理します。

  • 症状:WinRE が起動せず、高度なスタートアップに「UEFI ファームウェアの設定」しか出ない。bcdedit が「ブート構成データ ストアを開けない」とエラーになる。
  • 主な原因:
    • EFI システムパーティション(ESP)の破損により、BCD が壊れている/参照できない。
    • WinRE / セットアップ環境に Intel RST(VMD)ストレージドライバーがなく、内蔵ディスクが見えない。
  • 解決の流れ:
    1. 起動中の Windows から VMD ドライバーを USB に書き出す(pnputil /export-driver)。
    2. USB セットアップメディアから起動し、drvload で VMD ドライバーを読み込んで内蔵ディスクを認識させる。
    3. mountvol Y: /s で ESP をマウントし、必要ならバックアップを取ったうえで FAT32 でクイックフォーマット。
    4. bcdboot <OSドライブ>:\Windows /s Y: /f UEFI でブートファイルと BCD を再生成。
    5. C ドライブを縮小して 900MB 前後の NTFS 回復パーティションを作成し、winre.wim をコピー。
    6. reagentc /setreimage で WinRE の場所を登録し、パーティションを Windows RE Tools タイプ(GUID と属性)に設定。
    7. reagentc /enable → reagentc /info で WinRE が Enabled になっていることを確認。
  • 結果:WinRE のメニュー(セーフモード、スタートアップ修復、システムの復元 など)が復旧し、bcdedit エラーも解消される。
  • 再発防止:メンテナンス用 USB+ドライバーを常備し、定期的に reagentc /info で WinRE 状態を確認。必要に応じて WinRE.wim にドライバーを注入する。

「Windows は起動するのに、回復環境だけが壊れている」という状況は、放置すると後々のトラブル対応が難しくなります。早めに ESP と WinRE を健全な状態に戻し、いざというときに頼れる回復環境を確保しておきましょう。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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