Teams Phoneの通話転送操作が改善|変更点・対象者・今すぐ確認すること

Microsoft Teams Phoneの「通話転送操作が改善」は、通話中の転送を少ない操作で実行できるようにし、転送先も見つけやすくする変更です。Windows版とMac版のデスクトップアプリが対象で、通話コントロールから「転送」と「相談」を直接選びやすくなりました。

Microsoft 365 Roadmapの公開情報では、Roadmap ID 561028が日本時間の2026年6月19日に更新され、ステータスは「Launched」となっています。管理者が新しい設定を有効化するというより、利用者向け画面と操作手順の変更として確認すべき更新です。受付、代表電話、コールキューなどで通話転送を頻繁に使う組織は、操作マニュアルと社内案内を早めに見直しましょう。(Microsoft)

なお、今回改善されるのは通話中の相手を別の担当者へ引き継ぐ「通話転送」です。着信を事前に別の番号へ送る「着信転送」や「同時呼び出し」の設定変更ではありません。

目次

Teams Phoneの通話転送操作が改善されたポイント

今回の更新内容は、次のように整理できます。

確認項目内容
Roadmap ID561028
対象サービスMicrosoft Teams Phone
主な変更転送操作の簡素化、転送先候補の表示
対象クライアントWindows版Teamsデスクトップ、Mac版Teams
対象環境Worldwide Standard Multi-Tenant
リリース段階Targeted Release、General Availability
提供時期2026年6月
現在の状態Launched
管理者の主な対応利用者への周知、マニュアル更新、動作確認

Microsoft 365 Roadmapでは、転送開始までの手順を減らし、適切な転送先をすばやく見つけられるようにする変更と説明されています。(Microsoft)

「転送」と「相談」を通話コントロールから選びやすくなった

従来のTeamsでは、通話中に「転送」を選んだ後で、すぐに転送するか、相手に確認してから転送するかを選択する場面がありました。

現在のデスクトップ向け操作では、通話コントロールに次の操作が直接表示されます。

  • 転送:現在の通話を選択した相手へ引き継ぐ
  • 相談:転送先の相手と通話またはチャットで確認してから引き継ぐ

「相談」を選択した場合は、転送先の担当者に先に連絡し、対応可能かを確認してから通話を渡せます。問い合わせ内容を説明してから引き継ぐ必要がある受付やサポート窓口では、特に重要な操作です。(Microsoft サポート)

よく利用する相手が転送先候補として表示される

転送画面では、頻繁に通話する連絡先などが候補として表示されます。毎回、氏名を最初から入力して検索する必要がなくなるため、同じ部署や担当者へ繰り返し転送する業務を効率化できます。

候補に目的の相手が表示されない場合は、従来どおり名前を入力して検索できます。候補はあくまで操作を補助するものであり、表示された相手へ自動的に転送されるわけではありません。(Microsoft サポート)

転送先の複数番号やボイスメールも選択できる

転送先のユーザーに複数の連絡先が登録されている場合は、Teamsの音声通話だけでなく、次の転送先を選択できることがあります。

  • Teamsに登録された音声通話先
  • 勤務先のボイスメール
  • 登録されている携帯電話番号などの別番号

担当者が不在の場合にボイスメールへ送る運用や、部署ごとに転送先を使い分ける運用では、転送ボタンを押す前に宛先を確認することが重要です。(Microsoft サポート)

対象になる利用者と対象外の環境

今回のRoadmapで明示されている対象は、Teams Phoneを利用するWindowsおよびMacのデスクトップユーザーです。

利用環境今回の変更対象注意点
Windows版Teamsデスクトップ対象通話コントロールの表示を確認
Mac版Teams対象Windows版と表示位置が異なる場合がある
Teams Web版対象外「相談してから転送」はWeb版では利用できない
iOS・Android版Teams対象外モバイル版は従来の操作手順が表示される場合がある
Teams対応電話機対象外デスクトップ版とは別の更新・操作体系
Teamsを通常のチャットだけで使う利用者実質的な影響なしTeams Phoneの通話を利用しない場合は対象外

Microsoftのサポート情報では、通話転送は1対1の通話で利用する機能として説明されています。また、「相談してから転送」はTeams Web版では利用できません。デスクトップ版の画面を前提に作ったマニュアルを、そのままWeb版やモバイル版の利用者へ案内しないよう注意してください。(Microsoft サポート)

利用者がすぐ確認したい操作

Teams Phoneを日常的に利用している場合は、実際の通話で次の操作を確認します。

すぐに転送する場合

  1. Teamsデスクトップアプリで1対1の通話を開始します。
  2. 通話コントロールの「転送」を選択します。
  3. 表示された候補から相手を選ぶか、名前を入力して検索します。
  4. 転送先の番号やボイスメールなどを確認します。
  5. 「転送」を選択して通話を引き継ぎます。

この方法では、転送先の担当者と事前に会話せずに通話を渡します。社内で「直接転送」「即時転送」「ブラインド転送」などと呼んでいる操作に該当します。

相手に確認してから転送する場合

  1. 通話コントロールの「相談」を選択します。
  2. 転送先の相手を候補または検索から選択します。
  3. 「通話の開始」または「チャットを開く」を選択します。
  4. 問い合わせ内容や発信者の要件を伝えます。
  5. 相手が対応可能であることを確認してから転送します。

顧客対応や代表電話では、原則としてこちらの方法を使うと、転送先の不在や誤転送を減らせます。(Microsoft サポート)

「応答がない場合は呼び戻す」の扱いに注意

組織内のTeamsユーザーなどへ転送する場合は、「応答がない場合は呼び戻す」に相当する設定を利用できます。

この設定を有効にすると、転送先が応答しない場合や、転送先で別の着信転送が設定されている場合に、元の担当者へ通話を戻せます。無効のまま転送すると、通話は選択した相手へ直ちに引き継がれます。(Microsoft サポート)

受付や窓口業務では、次のように使い分けると安全です。

利用場面推奨する操作
担当者が在席していると分かっている直接転送
在席状況が分からない応答なし時の呼び戻しを有効化
顧客から複雑な説明を受けた相談してから転送
担当者が不在で伝言を残すボイスメールへ転送
緊急性が高い問い合わせ転送前に通話またはチャットで確認

この設定名称や表示位置は、Teamsの言語設定やクライアント更新状況によって異なる場合があります。マニュアルにはボタン名だけでなく、「転送先が応答しなかった場合に元の担当者へ戻す設定」と目的も記載すると伝わりやすくなります。

管理者が確認すべき設定と運用

専用の有効化設定より、利用者画面の確認を優先する

Roadmap ID 561028には、管理者がTeams管理センターで有効化する専用設定は記載されていません。基本的には、Teamsデスクトップアプリの通話画面が更新される機能として扱います。

ただし、通話転送の利用可否はTeams Phoneライセンス、通話ポリシー、PSTN接続方法など既存の構成に影響されます。Teamsの通話ポリシーでは、通話、外部番号への転送、ボイスメール、代理人などの機能を管理できます。(Microsoft Learn)

新しいボタンが表示されたことを理由に、これまで制限していた外部番号への転送が自動的に許可されるわけではありません。

Teamsクライアントの更新状況を確認する

Roadmap上の状態が「Launched」でも、利用者のTeamsクライアントが古い場合や、更新後にアプリを再起動していない場合は、新しい画面が表示されない可能性があります。

ボタンが見つからない場合は、次の順番で確認します。

  1. Windows版またはMac版のデスクトップアプリを使っているか
  2. Teams Phoneを利用できるアカウントでサインインしているか
  3. 1対1の通話中に確認しているか
  4. Teamsアプリが最新状態か
  5. Teamsを完全に終了して再起動したか
  6. 同じテナント内の別ユーザーにも表示されているか

Web版やモバイル版で同じ画面が表示されないことは、必ずしも不具合ではありません。

通話ポリシーを不用意に変更しない

今回の変更は、主に操作画面とワークフローの改善です。新しいボタンを表示させる目的で、Teams管理センターの通話ポリシーを変更する必要はありません。

通話ポリシーには、外部電話番号への転送、ボイスメール、代理人、同時呼び出しなど、実際の電話運用に影響する設定が含まれています。原因を切り分けずにポリシーを変更すると、別の利用者の着信動作まで変わる可能性があります。(Microsoft Learn)

業務への影響が大きい利用者

今回の変更による効果が特に大きいのは、次のような利用者です。

利用者・業務主な影響
代表電話の受付担当転送と相談をすばやく選択できる
コールキューの担当者頻繁に使う転送先を見つけやすくなる
社内ヘルプデスク担当部署への引き継ぎ操作を短縮できる
営業窓口顧客の用件を確認して担当者へ渡しやすくなる
上司の代理応答を行う秘書・代理人直接転送と事前相談を使い分けやすくなる
通話転送をほとんど使わない利用者業務への影響は小さい

通話転送を1日に何度も行う担当者では、1回あたりの操作削減が小さくても、全体では待ち時間や操作ミスの削減につながります。

一方、ボタンが目立つ位置に表示されることで、「転送」と「相談」を取り違える可能性もあります。単に画面のスクリーンショットを配布するだけでなく、どの場面でどちらを使うかを業務ルールとして決めておくことが重要です。

マニュアル更新で押さえるポイント

社内マニュアルや操作手順書を更新する場合は、次の内容を入れます。

新旧画面を混在させない

デスクトップ版、Web版、モバイル版では操作手順が異なります。マニュアルの冒頭に、対象環境を明記してください。

例:

この手順は、Windows版およびMac版のMicrosoft Teamsデスクトップアプリを対象としています。Web版およびスマートフォン版では、ボタンの位置や操作手順が異なる場合があります。

「転送」と「相談」の判断基準を書く

ボタンの押し方だけでは、利用者はどちらを選ぶべきか判断できません。

社外からの電話を扱う組織では、次のようなルールが実用的です。

  • 担当者の在席が確認できている場合は「転送」
  • 在席が不明な場合は「相談」
  • 複雑な問い合わせは、内容を説明してから転送
  • 不在時は呼び戻し、ボイスメール、別担当者のいずれかを選択
  • 個人情報や機密情報を含む場合は、転送先を復唱して確認

転送失敗と画面変更を切り分ける

「転送ボタンが見つからない」と「転送を実行しても接続できない」は別の問題です。

前者はクライアント、プラットフォーム、画面更新を確認します。後者は通話ポリシー、電話番号、PSTN接続、Direct RoutingやSBCなどの構成を確認する必要があります。今回のUI改善だけで、既存の音声ルーティング設定が変更されるわけではありません。

Copilotの通話転送要約とは別に考える

Microsoft 365 Copilotライセンスがあり、通話の文字起こしが有効な環境では、転送時にCopilotで通話内容の引き継ぎ情報を生成できる場合があります。

これはRoadmap ID 561028の基本的な通話転送改善とは別の機能です。通常の「転送」や「相談」は、CopilotライセンスがなくてもTeams Phoneの対象利用者が使用できます。一方、Copilotによる転送コンテキストの生成には、対応ライセンスや文字起こし設定などの追加条件があります。(Microsoft サポート)

社内案内では、基本操作とCopilot機能を同じ手順にまとめず、利用条件を分けて説明すると混乱を防げます。

Teams Phone利用組織が今すぐ行うこと

Teams Phoneの通話転送操作が改善されたことで、管理者の大規模な設定変更は必要ありません。ただし、電話対応を行う組織では、画面変更を放置すると現場が一時的に戸惑う可能性があります。

まず、Windows版またはMac版Teamsで「転送」と「相談」がどのように表示されるかを確認してください。そのうえで、直接転送、相談後の転送、応答がない場合の呼び戻し、ボイスメールへの転送を一度ずつテストします。

受付やコールキューの担当者がいる場合は、次の3点を優先します。

  • 「転送」と「相談」の使い分けを周知する
  • デスクトップ版に合わせて操作マニュアルを更新する
  • Web版やモバイル版は画面が異なることを明記する

今回の更新は小さな画面変更に見えますが、電話応対では操作時間や誤転送に直結します。ボタンが表示されたかだけでなく、担当者不在時に通話をどう扱うかまで含めて確認することが、実務上の重要な対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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